フレデリックの三原健司(Vo./Gt.)が、人気曲『オドループ』の制作秘話や、影響を受けたバンド、アーティストの個性について語った。
三原が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。ここでは公開収録で行われた3月11日(金)のオンエアの内容をテキストで紹介する。
SKY-HI:フレデリックって特殊なヒットの仕方をされていると思うんです。『オドループ』の話ってよくされます?
三原:そうですね。フレデリックには欠かせない楽曲なので、その話はけっこうしますね。
SKY-HI:それこそ一緒にコラボした頃も、ライブのキラーチューンみたいな曲で。
三原:当時は2016年くらいだったと思うんですけど、『オドループ』を出したのが2014年で。そのときは自分たちにしかないキラーチューンではあるんですけど、知ってる人だけが知ってるっていう曲で。ただ、それが知ってる人だけが知ってるって会場がどんどん広くなっていったみたいな。
SKY-HI:フレデリックの世代ってBPMが早い邦楽ロックがすごいスピードで広がっていった気がしていて。フェスの数もめちゃくちゃ増えたし。どのフェスも、どのロックバンドもすごく盛り上がるっていうシーンを横目で見てたけど、あの盛り上がりってどんな感じでした?
三原:とにかく自分たちもその状況に付いていくのに必死だったってところがあるんですけど。『オドループ』ってBPMが172なんですけど、2014年くらいの僕らからしたらめちゃくちゃ早かったんですよ。インディーズの頃とかってBPMは110とか120とかくらいの楽曲しかなくて、そういうところから新しいことに挑戦しようよって言って作ったのが『オドループ』でした。そこから状況が変わってフェスがたくさん増えて、同期もそういうバンドが増えていってみたいになっていくと、バンドとしては差別化を図りたくなるじゃないですか。
SKY-HI:そうですよね。
三原:ちゃんと見ればどのバンドも全部違う個性ではあるんですけど、それが状況とか大きなくくりで見るとだいたい一緒みたいな感じで捉えられてはいたので、その中でフレデリックとしての個性を探すのはすごくやってましたね。
三原:バンドのルーツというよりかは自分自身がこういう音楽に影響されて自分があるってことを話すときに出しているのが、「たま」っていうアーティストなんです。今のフレデリックのスタイルだと考えられないというか。
【関連記事】バンド「たま」の衝撃。音楽はこういうものという概念が壊れた…フレデリック・三原健司が語る
SKY-HI:近さはそんなに感じないですよね。
三原:でも、もともと自分が音楽をはじめるときに、テレビで鳴ってる、歌を基調としたJ-POPが好きで、自分も歌を歌う人になりたいなってところから始めて。バンドをやっていくってなると自分たちの個性ってどんなところにあるんだろうっていう最初の壁というか、自分たちがどういう音楽を鳴らすべきなんだろうっていうところにたどり着いたときに、いろいろ音楽を聴いてると、たまに出会ったんですよね。
SKY-HI:なるほど。
三原:たまは4人のメンバーがいるんですけど、バンドの形態っていうよりはアコーディオンの人がいたりアコースティックギターを持った人がいたり、ピアノの人がいたりベースの人がいるんですけど、ドラムを担当されている石川浩司さんがドラムじゃなくて風呂おけを叩いていたりとか。バンドっていうもので育ってきた自分ではちょっと考えられないくらい、奏でる音楽がけっこう衝撃的で。なんで風呂おけを叩いているのかって話をしたら、石川さんが「風呂おけがいちばん自分にとっていい音がしたから」みたいなことを言っていて。そういうところで音楽ができているってルーツがあるんですけど、とにかくたまの曲を1個1個聴いてたら完璧に頭から離れないし、その人たちが持っている世界観に惹かれ続けていたので、10代の頃にたまに出会ってそういう強烈な個性を放つバンドになっていきたいなってところからバンドがはじまったので、そういう考え方とか精神的な部分では、たまに助けられてますね。
SKY-HI:盛り上がってるシーンっていろんな方がたくさん生まれるじゃないですか。続けられる人は少ないっていうのが正直なところかもしれないですけど、実際に続けていく人って限られていったりして、ラッパーとかでもよくスタイルとかアティチュードの話になるんです。最初からそれでしかないパターンの人もいるけど、そうでなければいけないっていうよりは、長くやってると勝手に自分のスタイルが生まれてたりとか。そもそも個性って付けるものっていうよりは、消そうとしても消せないところにあるよねっていう話になったりして。だから我々くらいの年齢までやり続けていると、気が付いたらそこにスタイルがあったってけっこうあるよねって。フレデリックって言われたときに、世代の近い他のロックバンドのものと違う音像のイメージが伝わってくることは確かにあるので、すごく強烈な個性があるバンドだと思います。
三原:ありがとうございます。うれしいのか悲しいのかわからないんですけど、僕は30歳を超えてメジャーデビューして9年くらい経つんですけど、そうやって20代のころからバンドをやり続けて今くらいの感じになるとフェスとかでお会いした新人アーティストさんに「フレデリックがめちゃくちゃ好きで、フレデリックと一緒にライブをしたくてバンドやってました」みたいな子が来てくれるんです。その子たちのバンドがだいたい気持ち悪くて(笑)。
SKY-HI:あはは(笑)。
三原:気持ち悪いって、音像が不穏な感じというか、絶対どこかに違和感がある、めちゃくちゃクセのあるバンドで。
三原は「僕らからしたら気持ち悪いっていうのは褒め言葉」と言うと、SKY-HIも「わかります」と同調する。
三原:どこか気持ち悪いっていうか、そういう違和感のある人がけっきょくずっと頭に引っかかるし、ああいうバンドがいたなって浮かんでくる人が残ってきたりはするので、そういう意味でも僕たちは褒め言葉だと思っていて。そういう人たちから声をかけていただけるっていうのは(うれしいですね)。
SKY-HI:ユニークってことだと思いますし、バトンってそうやってつながれるようなところがありますよね。ひょっとしたら、たまだけじゃないですけど、いろんなところを経由してフレデリックがさらにつないでるバトンで、健司くんが言う(褒め言葉としての)気持ち悪いところにバトンがつながっていって、またそこから繋がっていって、誰も予想していないところに音楽が成長していくっていうのはすごく面白いなって思います。
フレデリックは2月にミニアルバム『優游涵泳回遊録』(ゆうゆうかんえいかいゆうろく)をリリース。最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
三原が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。ここでは公開収録で行われた3月11日(金)のオンエアの内容をテキストで紹介する。
『オドループ』はフレデリックには欠かせない楽曲
イベントの共演から親交がはじまったというSKY-HIとフレデリック。そのときのステージではSKY-HIの『Double Down』をフレデリックが演奏して、SKY-HIが歌うというコラボレーションが実現した。そんな二人の対談は、まずフレデリックのキャリア形成の話題に。SKY-HI:フレデリックって特殊なヒットの仕方をされていると思うんです。『オドループ』の話ってよくされます?
フレデリック「オドループ」Music Video | Frederic "oddloop"
SKY-HI:それこそ一緒にコラボした頃も、ライブのキラーチューンみたいな曲で。
三原:当時は2016年くらいだったと思うんですけど、『オドループ』を出したのが2014年で。そのときは自分たちにしかないキラーチューンではあるんですけど、知ってる人だけが知ってるっていう曲で。ただ、それが知ってる人だけが知ってるって会場がどんどん広くなっていったみたいな。
SKY-HI:フレデリックの世代ってBPMが早い邦楽ロックがすごいスピードで広がっていった気がしていて。フェスの数もめちゃくちゃ増えたし。どのフェスも、どのロックバンドもすごく盛り上がるっていうシーンを横目で見てたけど、あの盛り上がりってどんな感じでした?
三原:とにかく自分たちもその状況に付いていくのに必死だったってところがあるんですけど。『オドループ』ってBPMが172なんですけど、2014年くらいの僕らからしたらめちゃくちゃ早かったんですよ。インディーズの頃とかってBPMは110とか120とかくらいの楽曲しかなくて、そういうところから新しいことに挑戦しようよって言って作ったのが『オドループ』でした。そこから状況が変わってフェスがたくさん増えて、同期もそういうバンドが増えていってみたいになっていくと、バンドとしては差別化を図りたくなるじゃないですか。
SKY-HI:そうですよね。
三原:ちゃんと見ればどのバンドも全部違う個性ではあるんですけど、それが状況とか大きなくくりで見るとだいたい一緒みたいな感じで捉えられてはいたので、その中でフレデリックとしての個性を探すのはすごくやってましたね。
世界観に惹かれ続けていたバンド
番組後半では、SKY-HIが三原の音楽ツールに迫った。三原:バンドのルーツというよりかは自分自身がこういう音楽に影響されて自分があるってことを話すときに出しているのが、「たま」っていうアーティストなんです。今のフレデリックのスタイルだと考えられないというか。
【関連記事】バンド「たま」の衝撃。音楽はこういうものという概念が壊れた…フレデリック・三原健司が語る
SKY-HI:近さはそんなに感じないですよね。
たま『さよなら人類』
SKY-HI:なるほど。
三原:たまは4人のメンバーがいるんですけど、バンドの形態っていうよりはアコーディオンの人がいたりアコースティックギターを持った人がいたり、ピアノの人がいたりベースの人がいるんですけど、ドラムを担当されている石川浩司さんがドラムじゃなくて風呂おけを叩いていたりとか。バンドっていうもので育ってきた自分ではちょっと考えられないくらい、奏でる音楽がけっこう衝撃的で。なんで風呂おけを叩いているのかって話をしたら、石川さんが「風呂おけがいちばん自分にとっていい音がしたから」みたいなことを言っていて。そういうところで音楽ができているってルーツがあるんですけど、とにかくたまの曲を1個1個聴いてたら完璧に頭から離れないし、その人たちが持っている世界観に惹かれ続けていたので、10代の頃にたまに出会ってそういう強烈な個性を放つバンドになっていきたいなってところからバンドがはじまったので、そういう考え方とか精神的な部分では、たまに助けられてますね。
消そうとしても消せないところに個性がある
三原の音楽ルーツの話題から、二人はアーティストとしての「個性」について会話を繰り広げる。SKY-HI:盛り上がってるシーンっていろんな方がたくさん生まれるじゃないですか。続けられる人は少ないっていうのが正直なところかもしれないですけど、実際に続けていく人って限られていったりして、ラッパーとかでもよくスタイルとかアティチュードの話になるんです。最初からそれでしかないパターンの人もいるけど、そうでなければいけないっていうよりは、長くやってると勝手に自分のスタイルが生まれてたりとか。そもそも個性って付けるものっていうよりは、消そうとしても消せないところにあるよねっていう話になったりして。だから我々くらいの年齢までやり続けていると、気が付いたらそこにスタイルがあったってけっこうあるよねって。フレデリックって言われたときに、世代の近い他のロックバンドのものと違う音像のイメージが伝わってくることは確かにあるので、すごく強烈な個性があるバンドだと思います。
三原:ありがとうございます。うれしいのか悲しいのかわからないんですけど、僕は30歳を超えてメジャーデビューして9年くらい経つんですけど、そうやって20代のころからバンドをやり続けて今くらいの感じになるとフェスとかでお会いした新人アーティストさんに「フレデリックがめちゃくちゃ好きで、フレデリックと一緒にライブをしたくてバンドやってました」みたいな子が来てくれるんです。その子たちのバンドがだいたい気持ち悪くて(笑)。
SKY-HI:あはは(笑)。
三原:気持ち悪いって、音像が不穏な感じというか、絶対どこかに違和感がある、めちゃくちゃクセのあるバンドで。
三原は「僕らからしたら気持ち悪いっていうのは褒め言葉」と言うと、SKY-HIも「わかります」と同調する。
三原:どこか気持ち悪いっていうか、そういう違和感のある人がけっきょくずっと頭に引っかかるし、ああいうバンドがいたなって浮かんでくる人が残ってきたりはするので、そういう意味でも僕たちは褒め言葉だと思っていて。そういう人たちから声をかけていただけるっていうのは(うれしいですね)。
SKY-HI:ユニークってことだと思いますし、バトンってそうやってつながれるようなところがありますよね。ひょっとしたら、たまだけじゃないですけど、いろんなところを経由してフレデリックがさらにつないでるバトンで、健司くんが言う(褒め言葉としての)気持ち悪いところにバトンがつながっていって、またそこから繋がっていって、誰も予想していないところに音楽が成長していくっていうのはすごく面白いなって思います。
フレデリックは2月にミニアルバム『優游涵泳回遊録』(ゆうゆうかんえいかいゆうろく)をリリース。最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
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2023年3月18日28時59分まで
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番組情報
- DIVE TO THE NEW WORLD
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毎週土曜23:00-23:54