SKY-HIがJ-WAVEでナビゲートする番組『DIVE TO THE NEW WORLD』に、Diosのたなか(Vo.)、Ichika Nito(Gt.)、ササノマリイ(Key.)が出演。バンド結成の経緯や、新作の制作の裏側を語った。オンエアは9月16日(土)。ここではその模様をテキストで紹介する。
【関連記事】 Dios・たなか×SKY-HIが語る、「長く活動を続けている人の法則」とは?
Ichika:やってる具体的なことは違ったりするけど、3人とも陰キャだよね。
たなか:根っこの思想がね。
SKY-HI:ササノさんとたなかはボカロ、ニコニコみたいなインターネットカルチャー出身だったりするじゃない。
たなか:そうだね。
SKY-HI:Ichikaくんはどうなんですか。陰キャ性とか。
Ichika:僕もゲームとアニメと漫画ばっかりに浸ってた学生時代で、友だちいなくていじめられてて、ギターばっかり弾いてうまくなったんです。そんなギターとサブカルに浸って暮らしてきたのもあって、表には出してなかったけどたぶん流れてる血は一緒なんですよね。
SKY-HI:今さらだけどどうやって出会ったの?
たなか:SuGの武瑠さんとたまたまお茶してて、その前にIchikaも武瑠さんと会ってて、そこですれ違うのが最初で。
Ichika:それで引き合わせてくれて、お互いはじめましてって。そのあと、エグい集まりに行って。
たなか:ガチなギャルがいっぱいいる変な飲み会で。
Ichika:そこに僕ら2人も同じ空間にいたんですけど、明らかに2人だけの点と点が光ってたんですよ。何もできないね。陰キャだね。
SKY-HI:所在のなさに共鳴が走ったわけね(笑)。
たなか:目で会話できた。全然馴染めなかったね。でもつり橋効果って言うのかな、ここまで馴染めなかったみたいな、俺たち友だちだよなっていうのが生まれました。
その後、ササノが合流。その経緯を話し出す。
SKY-HI:ササマリ(ササノ)さんは、もともと(たなかの前職)ぼくのりりっくのぼうよみ時代からご一緒してましたよね。
ササノ:そこから表立った活動を1回辞めるってことで、僕自身も落ち込み(笑)。でもたなかが音楽をやりたいっていうのはその間も言ってたから、やってくれるといいなって。友人として見守りたいなって思ってたら、たなかとIchikaとドラムのkent(watari)さんとアニメのカバーライブをやるから観に行ったんですよね。いいなって思って、その日に「キーボードっていたりするのかな?」って訊いて。
SKY-HI:かわいい。逆オファーなんだ。
ササノ:「アテいるの?」って訊いて。
たなか:訊き方が奥ゆかしいんだよね(笑)。
ササノ:そしたら「やる?」って言ってくれて「やる!」って言って。その次のライブから出させてもらって一緒にやってってことで3人が出会って。
たなか:そこから俺がIchikaとバンドをやろうって話になって、でも2人だとめっちゃ暗いだけのMOROHAみたいな。方向性的にはそういう感じになるしかないからってことで、アレンジを誰かやってくれないかなってことで。俺のなかでササノとIchikaは音の色みたいなのが近くて。どっちも青系。
Ichika:サウンドスケープは近いところがあるよね。
たなか:それで、よくない? と思ってDiosを結成したって感じですね。
そんなDiosのメンバーとSKY-HIとのトークは、人生に立ちはだかる「壁」についての話題に。たなかは「人生における憂鬱なことがほどんどなくなった」と話す。
たなか:幸せ過ぎて。
Ichika:本当に今、幸せ太郎だもんね。
たなか:幸せになると、自分の中での今までの音楽の作り方ができなくなるんだよね。やりきれなさとか、うまくいかなさみたいなところにいかに美しさを見出すかみたいな、そういう手法だったけど、それをやる必要が1ミリもなくなっちゃったから。でも音楽を作るスキルとか、素晴らしい友人兼お仲間のみなさまがいらっしゃって、やっぱりやらないとダメじゃんって。何かやりたいぜって気持ちだけあって、そこから次のやっていくべき指針として見出したのが、聴く人の人生を支える、あるいは指針たりうる音楽みたいなものを作りたいってなってきたんだよね。
SKY-HI:宗教とか哲学とかそうだと思うけど、生きていると、ぶち当たる不安や不満みたいなものを何で支えるか、何に救われるかって、日本はあんまり特定の宗教がない人が多かったりもするから、音楽にその力が必要とされるシーンは多い気がする。
たなか:多いよね。でも、多いわりに、音楽の中身としてそういう用途で作られてるものがそんなにない。
Ichika:むしろ聴きたい側の解釈でそうなってるみたいな。
たなか:そうそう。勝手にそうなるみたいな。
SKY-HI:それですごく安い言葉で、共感性が高いというか「わかる」みたいなので救われてる現象はあるけど、確かに1個レイヤーを深くいきたいよねっていうのはありますよね。
たなかは「『アンパンマンのマーチ』の超大人版を作りたい」と口にする。
たなか:この曲って幼い頃にその信条を持っておくとめちゃくちゃよくて。愛と勇気だけが友だちみたいな。大人になってくると通用しなくなるシーンもあるけど、基本、原則はめっちゃいいじゃん。
Ichika:普遍のものであるからね。
SKY-HI:それを歌っているうちに体に入ってくるんだよね。
たなか:そう。そこの肉体性みたいなのは音楽の強みだから、それを生かしていきたいなって。そういう意味では、俺たちの『アンパンマンのマーチ』としてやってるのが「ただしいフォーム&疾走」っていう言葉なんだよね。
SKY-HI:それでニューアルバムのタイトルが『&疾走』なんだね。
たなか:すごくいい変化だった。ササノがよくなったよね。
ササノ:そう! 最初は「外部の方を入れようと思ってます」って話をもらったときに、腕組んで「そうですか……」って。
Ichika:本当に嫌そうだった(笑)。
ササノ:アレンジを他にいれるんだったら僕はいらないじゃんって。だって、俺よりすごい人たちばっかりだし、その人たちに頼むんだったら俺いらないじゃんって。「聴いた人からもそう思われるんじゃないか」っていう気持ちが最初はあって。まあ、とりあえずは頼んでみましょうよって。気に入らなかったら出さなくてもいいから。でも、もらったデータが最高過ぎて、これは俺はできないって思って。Diosをよくしていく、自分たちの音楽をよくしていきたいって欲求を満たしてくれたっていうか、それがすごくうれしくて。
SKY-HI:それは完全にバンドメンバーとしての思考ですね。
ササノ:3人の音楽だから、よくなることに何のデメリットもないっていう。それをすごく強く感じられたなって。
Ichika:役割に対する認知の歪みを正されたみたいな感じだったよね。
たなか:そうだね。よそから縛られたほうが強くなるんだよね。
SKY-HI:規制がないと自由がない、みたいな。
ササノ:あと、すごい人がやってくると悔しいんですよ。自分の色をどこかで入れなきゃみたいな。僕はここにいるよっていうので、自分だけでやるよりも自分の我が出るんですよ。結構、今回はそういう意味でも3人の個性が1枚目よりも濃く出てるんじゃないかって思います。
Diosは10月から全国ツアー「Dios Tour 2023 “&疾走”」を開催する。
Diosの最新情報は、公式サイトまで。
『DIVE TO THE NEW WORLD』は国内外のさまざまなフィールドで活躍するアーティストやクリエイターたちの“本心”にSKY-HIが“DIVE”していくプログラム。放送は毎週土曜23時から。
再生は2023年9月23日28時ごろまで
【関連記事】 Dios・たなか×SKY-HIが語る、「長く活動を続けている人の法則」とは?
バンド結成までの道のり
Diosはどのように結成したのか。SKY-HIは3人のバックボーンからその流れを探る。Ichika:やってる具体的なことは違ったりするけど、3人とも陰キャだよね。
たなか:根っこの思想がね。
SKY-HI:ササノさんとたなかはボカロ、ニコニコみたいなインターネットカルチャー出身だったりするじゃない。
たなか:そうだね。
SKY-HI:Ichikaくんはどうなんですか。陰キャ性とか。
Ichika:僕もゲームとアニメと漫画ばっかりに浸ってた学生時代で、友だちいなくていじめられてて、ギターばっかり弾いてうまくなったんです。そんなギターとサブカルに浸って暮らしてきたのもあって、表には出してなかったけどたぶん流れてる血は一緒なんですよね。
SKY-HI:今さらだけどどうやって出会ったの?
たなか:SuGの武瑠さんとたまたまお茶してて、その前にIchikaも武瑠さんと会ってて、そこですれ違うのが最初で。
Ichika:それで引き合わせてくれて、お互いはじめましてって。そのあと、エグい集まりに行って。
たなか:ガチなギャルがいっぱいいる変な飲み会で。
Ichika:そこに僕ら2人も同じ空間にいたんですけど、明らかに2人だけの点と点が光ってたんですよ。何もできないね。陰キャだね。
SKY-HI:所在のなさに共鳴が走ったわけね(笑)。
たなか:目で会話できた。全然馴染めなかったね。でもつり橋効果って言うのかな、ここまで馴染めなかったみたいな、俺たち友だちだよなっていうのが生まれました。
その後、ササノが合流。その経緯を話し出す。
SKY-HI:ササマリ(ササノ)さんは、もともと(たなかの前職)ぼくのりりっくのぼうよみ時代からご一緒してましたよね。
ササノ:そこから表立った活動を1回辞めるってことで、僕自身も落ち込み(笑)。でもたなかが音楽をやりたいっていうのはその間も言ってたから、やってくれるといいなって。友人として見守りたいなって思ってたら、たなかとIchikaとドラムのkent(watari)さんとアニメのカバーライブをやるから観に行ったんですよね。いいなって思って、その日に「キーボードっていたりするのかな?」って訊いて。
SKY-HI:かわいい。逆オファーなんだ。
ササノ:「アテいるの?」って訊いて。
たなか:訊き方が奥ゆかしいんだよね(笑)。
ササノ:そしたら「やる?」って言ってくれて「やる!」って言って。その次のライブから出させてもらって一緒にやってってことで3人が出会って。
たなか:そこから俺がIchikaとバンドをやろうって話になって、でも2人だとめっちゃ暗いだけのMOROHAみたいな。方向性的にはそういう感じになるしかないからってことで、アレンジを誰かやってくれないかなってことで。俺のなかでササノとIchikaは音の色みたいなのが近くて。どっちも青系。
Ichika:サウンドスケープは近いところがあるよね。
たなか:それで、よくない? と思ってDiosを結成したって感じですね。
「『アンパンマンのマーチ』の超大人版を作りたい」その意味とは
Diosは9月6日にセカンドアルバム『&疾走』をリリースした。たなか:幸せ過ぎて。
Ichika:本当に今、幸せ太郎だもんね。
たなか:幸せになると、自分の中での今までの音楽の作り方ができなくなるんだよね。やりきれなさとか、うまくいかなさみたいなところにいかに美しさを見出すかみたいな、そういう手法だったけど、それをやる必要が1ミリもなくなっちゃったから。でも音楽を作るスキルとか、素晴らしい友人兼お仲間のみなさまがいらっしゃって、やっぱりやらないとダメじゃんって。何かやりたいぜって気持ちだけあって、そこから次のやっていくべき指針として見出したのが、聴く人の人生を支える、あるいは指針たりうる音楽みたいなものを作りたいってなってきたんだよね。
SKY-HI:宗教とか哲学とかそうだと思うけど、生きていると、ぶち当たる不安や不満みたいなものを何で支えるか、何に救われるかって、日本はあんまり特定の宗教がない人が多かったりもするから、音楽にその力が必要とされるシーンは多い気がする。
たなか:多いよね。でも、多いわりに、音楽の中身としてそういう用途で作られてるものがそんなにない。
Ichika:むしろ聴きたい側の解釈でそうなってるみたいな。
たなか:そうそう。勝手にそうなるみたいな。
SKY-HI:それですごく安い言葉で、共感性が高いというか「わかる」みたいなので救われてる現象はあるけど、確かに1個レイヤーを深くいきたいよねっていうのはありますよね。
たなかは「『アンパンマンのマーチ』の超大人版を作りたい」と口にする。
たなか:この曲って幼い頃にその信条を持っておくとめちゃくちゃよくて。愛と勇気だけが友だちみたいな。大人になってくると通用しなくなるシーンもあるけど、基本、原則はめっちゃいいじゃん。
Ichika:普遍のものであるからね。
SKY-HI:それを歌っているうちに体に入ってくるんだよね。
たなか:そう。そこの肉体性みたいなのは音楽の強みだから、それを生かしていきたいなって。そういう意味では、俺たちの『アンパンマンのマーチ』としてやってるのが「ただしいフォーム&疾走」っていう言葉なんだよね。
SKY-HI:それでニューアルバムのタイトルが『&疾走』なんだね。
外部の編曲家が参加したことにより、考えが変化した
アルバム『&疾走』で初めて外部から編曲家などのクリエイターが参加したことにより、Diosに大きな変化があったという。たなか:すごくいい変化だった。ササノがよくなったよね。
ササノ:そう! 最初は「外部の方を入れようと思ってます」って話をもらったときに、腕組んで「そうですか……」って。
Ichika:本当に嫌そうだった(笑)。
ササノ:アレンジを他にいれるんだったら僕はいらないじゃんって。だって、俺よりすごい人たちばっかりだし、その人たちに頼むんだったら俺いらないじゃんって。「聴いた人からもそう思われるんじゃないか」っていう気持ちが最初はあって。まあ、とりあえずは頼んでみましょうよって。気に入らなかったら出さなくてもいいから。でも、もらったデータが最高過ぎて、これは俺はできないって思って。Diosをよくしていく、自分たちの音楽をよくしていきたいって欲求を満たしてくれたっていうか、それがすごくうれしくて。
SKY-HI:それは完全にバンドメンバーとしての思考ですね。
ササノ:3人の音楽だから、よくなることに何のデメリットもないっていう。それをすごく強く感じられたなって。
Ichika:役割に対する認知の歪みを正されたみたいな感じだったよね。
たなか:そうだね。よそから縛られたほうが強くなるんだよね。
SKY-HI:規制がないと自由がない、みたいな。
ササノ:あと、すごい人がやってくると悔しいんですよ。自分の色をどこかで入れなきゃみたいな。僕はここにいるよっていうので、自分だけでやるよりも自分の我が出るんですよ。結構、今回はそういう意味でも3人の個性が1枚目よりも濃く出てるんじゃないかって思います。
Diosは10月から全国ツアー「Dios Tour 2023 “&疾走”」を開催する。
Diosの最新情報は、公式サイトまで。
『DIVE TO THE NEW WORLD』は国内外のさまざまなフィールドで活躍するアーティストやクリエイターたちの“本心”にSKY-HIが“DIVE”していくプログラム。放送は毎週土曜23時から。
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2023年9月23日28時59分まで
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番組情報
- DIVE TO THE NEW WORLD
-
毎週土曜23:00-23:54