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「日本のヒップホップシーンの変化」 速さ、音程、瞬発力…PUNPEEが語る

「日本のヒップホップシーンの変化」 速さ、音程、瞬発力…PUNPEEが語る

ラッパーでプロデューサーのPUNPEEが、フジロックでの思い出や日本のラップシーンの変化、最近注目するアーティストについて語った。

前回に引き続きPUNPEEが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談議を繰り広げる番組だ。オンエアは12月2日(金)。

【前回の記事】PUNPEEの音楽ルーツ。リアルタイムで追った宇多田ヒカルは「自然と影響を受けていました」

初めてのフジロックで「いつかここに出たい」

12月2日からPUNPEEの全国ツアー「PUNPEE “The Sofakig… Damn!!! Tour”」がスタートした。北海道での公演を皮切りに、福岡、大阪、愛知、神奈川と続き、2023年1月11日(水)のファイナルは東京・中野サンプラザで行われる。

クリス:2023年7月に中野サンプラザは50年の歴史に幕を閉じるんですよね。

PUNPEE:50年もあったんですね。

クリス:中野サンプラザはいろんなライブを観に行きました。

PUNPEE:山下達郎さんを観ました。あとオリジナル・ラブの田島貴男さんと初めて会った場所でしたね。あと昔ボブ・マーリーが来たことあるって聞いたことあります。

クリス:そうそう。ボブ・マーリーが来てるんですよね。たしか初来日が中野サンプラザじゃなかったかな。ボブ・マーリーが武道館でも渋谷公会堂でもない、中野サンプラザって感じがカッコいいですよね。ボブ・マーリーは中野サンプラザか東京厚生年金会館かいずれかが初来日にはぴったりかなって。

PUNPEE:たしかに。それ聞いてめちゃくちゃしっくりきました。

PUNPEEが今回は2度目の全国ツアーだと告げるとクリスは「うそ、そうなの!?」と驚く。

クリス:日本のラッパーとしてフジロックには結構出てません?

PUNPEE:ありがたいことに。

クリス:すごい出てるよね。今年の夏も会ったもんね。しかもグリーン・ステージでやってて。ジャパニーズ・ヒップホップでグリーン・ステージってすごいことじゃないですか。

PUNPEE:あんまりなかったみたいですね。日本でもヒップホップが大きくなっているので、これから増えていってほしいですね。

クリス:今まで観たライブでよかったのってあります?

PUNPEE:やっぱりケンドリック・ラマーとかザ・エックス・エックスとかビョークとか、フジロックで観たライブで記憶に残っているものって多いですね。

クリス:なるほどね。

PUNPEE:初めて行ったフジロックは本当に衝撃を受けちゃって、絶対にいつかここに出たいなって思いました。

クリス:そのときはお客さんだったの?

PUNPEE:演者さんの運転手として行ってて、そのときに初めて行ったフジロックの解放感とかデカい音を浴びてる感じとかすごく衝撃で、いつか出られたらなって思ったりしてましたね。

2010年頃から日本のヒップホップシーンが変わった

続いて最近の日本のヒップホップシーンの話題になった。クリスが「昔は先輩・後輩感があった」と言うと、PUNPEEはうなずく。

クリス:ヒップホップカルチャー的な部分の、ファッションから態度から全て決まってたような感じがあるけど、今は自由な感じがすごくするんです。

PUNPEE:日本に関してはインターネットで変わった感じはありますね。インターネットでカッコいい曲を出す人が2010年くらいから急に現れて。言ったら先輩・後輩とかの関係性にいない人が突然出てきた時代で。たとえば東京じゃない所からカッコいいヒップホップをアップする人が急に増えてきて、最初、先輩の人とかは「生意気だな」みたいに思うことがあったと思うんですけど、だんだんカッコよくてみんなで良いものを作っていけたらいいじゃんみたいな風になっていきました。だから今はわりとルールというよりはみんなでカッコいいものを作っていこうとしてます。

一方で海外のラップに関しては「昔のほうが難しいことを歌ったり、思想やインテリジェンスが大事だったりした時代だった」とPUNPEEは続ける。

PUNPEE:言葉数が多かったりとか。でもどんどん機材とかが変わって、どんどんクイックに作れるようになってデスクトップで完結させられる音楽になっていったから、早いのが命じゃないですけど。昔よりメロディーを作るラッパーの人も増えたから、インテリジェンスがもっとそういう速さと音程、運動神経というか瞬発的なものには変わったかもしれないですね。

クリス:ツールというか楽器がどんどんクイックになっていったからかな。

PUNPEE:でも昔のも好きだし今のも好きだから、楽しんだほうが面白いんだろうなって思います。

アクアリウム的な透明感がある曲

番組ではPUNPEEが最近注目しているアーティストとしてFoudequshをあげた。

PUNPEE:ラッパーではなく女性のシンガーの方なんですけど、11月に公開した映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の(楽曲に参加していて)。

クリス:映画は観た?

PUNPEE:観ました。めちゃくちゃ良かったですね。VHS2本組みの濃さというか。昔『ゴッドファーザー』とか『アマデウス』とかVHS2本組ってあったじゃないですか。

クリス:3時間くらいの長い映画だよね。

PUNPEE:この映画も結構骨太な感じですごく良かったですね。透明感のある女性の方の曲で、この曲が映画のシチュエーションとすごく合っていて、それが印象に残っていたから聴いてみたら全部こういう気持ちいい感じというか。ちょっとアクアリウム的な透明感があって気持ちよかったですね。これを映画で聴いたときはすごかったです。『ブラックパンサー』って毎回アフリカのラッパーとかアメリカだけじゃなくていろんな国から参加してて面白いですね。今回の音楽もすごく良かったです。

Foudeqush & Ludwig Goransson『Con La Brisa』

クリス:『ブラックパンサー』ってマーベルだったっけ? DC?

PUNPEE:マーベルですね。

クリス:先日BIMさんと共作された『Knight Rider』のナレーションを入れにスタジオにおじゃましたらフィギュアだらけでしたね。

Night Rider

PUNPEE:そうですね。フィギュアとコミックスと。

クリス:DCよりマーベルって感じですか?

PUNPEE:やっぱりいちばん最初に影響を受けたのはマーベルで。たとえば『スパイダーマン』とか『X-MEN』とかだったので、自然とマーベルの比重が多くなりましたね。『スーパーマン』とか『バットマン』とか『ワンダーウーマン』とかがDCで、『スパイダーマン』とか『X-MEN』とかがマーベルなんですけど。

クリス:『アイアンマン』とかね。

PUNPEE:自然とDCのほうがちょっと大人向けというか神様的な扱いというか、クラシカルに観られてる。マーベルのほうがもう少しライトという感じがありますね。

あっという間に収録が終わりへと近づき、クリスが「楽しいお話ができました。ありがとうございました」と言うと「自分が幼少期から聴いていたチャンネルやクリスさんだったので光栄でした。よかったら全国ツアーでもシークレットゲストで来てください」とPUNPEEは呼びかけた。

PUNPEEの最新情報は、 SUMMITの公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。

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2022年12月9日28時59分まで

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番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週金曜
23:00-23:30