J-WAVEの番組『STEP ONE』には、ナビゲーターのサッシャとノイハウス萌菜が気になった海外ニュースをお伝えする「CHINTAI GLOBAL BEATS」というコーナーがある。ここでは5月にオンエアされた同コーナーから、イチオシトピックを紹介する。
【オンエア:2022年5月25日(月)】
ノイハウス:Spiber、知ってます。蜘蛛の巣からインスピレーションを受けて作られた素材を扱っている企業ですよね?
サッシャ:おっしゃる通り、人工蜘蛛の糸で生地を作るというスタートアップなんですけど、そもそも、蜘蛛の糸というのはものすごく強いんですよ。Spiberによると、その強靭性は鋼鉄の340倍、炭素繊維の15倍なんだそうです。
ノイハウス:えー! そんなに!? でも確かに、蜘蛛の巣が身体に引っかかったときって、絡まりはするけど壊れたりはしないですもんね。
サッシャ:人工の蜘蛛の糸は石油をはじめとした枯渇資源に依存することなく生産でき、さらに生分解性なので再資源化も可能なのだとか。ただ一つ問題があって、水を含むと大きく収縮してしまうんです。そのため今までは、大量生産に不向きだったのですが、そこでSpiberが開発したのが、微生物発酵させたタンパク質の素材であるタンパク糸「Brewed Protein(ブリュード・プロテイン)」でした。
ノイハウス:この「ブリュード・プロテイン」であれば、水がかかっても大丈夫なんですね。
サッシャ:そうなんです。ちなみに、微生物のエサは植物由来の糖分とのこと。つまり「ブリュード・プロテイン」は、植物由来の糖をエサにした微生物を発酵させてできたタンパク質を使った糸……ということになり、環境負荷が少ない面においても優れています。現在タイの工場で生産が開始されていて、来年にはアメリカの工場が操業することも決まっています。
サッシャ:実はアパレル業界はCO2の排出量が非常に多いんです。CNNの記事によると、年間21億トンのCO2を排出していて、そのうちの70%が生地の生産加工時に発生しているといいます。ですから、生地がエコになれば、かなり環境負荷が減るということなんですよね。またスバイバーは、「ブリュード・プロテイン」が今後大量生産されれば、動物性の糸の1/5の排出量に二酸化炭素を抑えられるのではないかとも試算しています。
ノイハウス:動物性の糸というと、ウールとか?
サッシャ:ですね。そして、スバイバーは環境への負荷を減らすべく、さらなる研究を進めています。さきほど「ブリュード・プロテイン」のタンパク質のもとになった微生物のエサが植物由来の糖と話しましたが、その糖はサトウキビやトウモロコシから取ったものです。これらは、生産加工時にCO2が排出されてしまい環境負荷が高い。そこでスバイバーは、古い衣類から糖を取り出し、その糖を使って服をリサイクルできないかと検証を重ねている最中なのだそうです。
ノイハウス:そんなことができるんですね。
サッシャ:そんなわけで、Spiberが開発した環境負荷の低い糸「ブリュード・プロテイン」から生地が作られて、結果的にアパレル業界が変わるかもしれない、というニュースでした。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。
(構成=小島浩平)
【オンエア:2022年5月25日(月)】
蜘蛛の巣にインスパイアされた注目企業
サッシャがピックアップしたのは、CNNをはじめ世界各国のニュースメディアが一斉に報じた日本のスタートアップ企業「Spiber(スパイバー)」が画期的な新素材を開発したという話題だ。ノイハウス:Spiber、知ってます。蜘蛛の巣からインスピレーションを受けて作られた素材を扱っている企業ですよね?
サッシャ:おっしゃる通り、人工蜘蛛の糸で生地を作るというスタートアップなんですけど、そもそも、蜘蛛の糸というのはものすごく強いんですよ。Spiberによると、その強靭性は鋼鉄の340倍、炭素繊維の15倍なんだそうです。
ノイハウス:えー! そんなに!? でも確かに、蜘蛛の巣が身体に引っかかったときって、絡まりはするけど壊れたりはしないですもんね。
サッシャ:人工の蜘蛛の糸は石油をはじめとした枯渇資源に依存することなく生産でき、さらに生分解性なので再資源化も可能なのだとか。ただ一つ問題があって、水を含むと大きく収縮してしまうんです。そのため今までは、大量生産に不向きだったのですが、そこでSpiberが開発したのが、微生物発酵させたタンパク質の素材であるタンパク糸「Brewed Protein(ブリュード・プロテイン)」でした。
ノイハウス:この「ブリュード・プロテイン」であれば、水がかかっても大丈夫なんですね。
サッシャ:そうなんです。ちなみに、微生物のエサは植物由来の糖分とのこと。つまり「ブリュード・プロテイン」は、植物由来の糖をエサにした微生物を発酵させてできたタンパク質を使った糸……ということになり、環境負荷が少ない面においても優れています。現在タイの工場で生産が開始されていて、来年にはアメリカの工場が操業することも決まっています。
<『STEP ONE』ナビゲーターのサッシャと、CHINTAIマスコットキャラクターのチンタイガー>
「ブリュード・プロテイン」が普及すればCO2削減に繋がる?
スバイバーは、アパレルブランド「THE NORTH FACE」を取り扱うスポーツアパレルメーカー・ゴールドウィンとタッグを組み、「ブリュード・プロテイン」で作った同ブランドのデニムやフリースなどを2022年秋冬モデルとして展開すると発表している。こうした「ブリュード・プロテイン」を活用したアパレルメーカーとのコラボレートは、環境に好影響を与える可能性があるとサッシャは続ける。サッシャ:実はアパレル業界はCO2の排出量が非常に多いんです。CNNの記事によると、年間21億トンのCO2を排出していて、そのうちの70%が生地の生産加工時に発生しているといいます。ですから、生地がエコになれば、かなり環境負荷が減るということなんですよね。またスバイバーは、「ブリュード・プロテイン」が今後大量生産されれば、動物性の糸の1/5の排出量に二酸化炭素を抑えられるのではないかとも試算しています。
ノイハウス:動物性の糸というと、ウールとか?
サッシャ:ですね。そして、スバイバーは環境への負荷を減らすべく、さらなる研究を進めています。さきほど「ブリュード・プロテイン」のタンパク質のもとになった微生物のエサが植物由来の糖と話しましたが、その糖はサトウキビやトウモロコシから取ったものです。これらは、生産加工時にCO2が排出されてしまい環境負荷が高い。そこでスバイバーは、古い衣類から糖を取り出し、その糖を使って服をリサイクルできないかと検証を重ねている最中なのだそうです。
ノイハウス:そんなことができるんですね。
サッシャ:そんなわけで、Spiberが開発した環境負荷の低い糸「ブリュード・プロテイン」から生地が作られて、結果的にアパレル業界が変わるかもしれない、というニュースでした。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。
(構成=小島浩平)
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