曽我部恵一が「90年代の渋谷」を振り返る。音楽の文化の中心だった

曽我部恵一が渋谷をテーマに曲をセレクトし、90年代の思い出を振り返った。

曽我部が登場したのは、3月21日（月）にJ-WAVEで9時間にわたって放送された特別番組『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL TOKYO CREATIVE SALON -TOKYO ENSEMBLE-』（ナビゲーター：小橋賢児、高山 都）だ。

ワイワイとした渋谷を思い出す選曲

「渋谷」をテーマに選曲を任された曽我部はECDの『言うこと聞くよな奴らじゃないぞ』をセレクト。今回の選曲への想いについて語った。

曽我部：昨日の夜、渋谷に行ってみたんです。渋谷の街中で選曲しようと思って。そうしたら人がすごく少なくて。スケボーしているような少年たちはちょっといたんだけど、でもなんか人が少なくなっていて。それを見ながら昔のワイワイしていた渋谷、90年代に自分が渋谷に行き出したころとかに聴いていたり、かかっていたりした音楽とかを思い出してきたんです。渋谷で夜中になってもずっと遊んでいたなと思って。そういうときに流れていた音楽や、自分の心のなかで流れていた曲をかけようと思いました。

続いて曽我部はLAMP EYE『証言(Original Analog Version) feat.RINO YOU THE ROCK G.K. MARYAN. ZEEBRA. TWIGY. GAMA&DEV LARGE』と、四街道ネイチャー『あの集合地』をセレクトした。

全部が混ざっていた渋谷

曽我部は90年代の思い出を振り返った。レコード好きの曽我部は毎日のように渋谷のレコードショップに足を運んでいたのだとか。

曽我部：本当に無数にレコード屋さんがあって、雑居ビルのなかに何十個もレコード屋さんが入っている時代があったんです。「レコードを買うとなったら渋谷」というか。もちろん下北沢にもいいレコード屋さんはあったし、新宿にもあるんだけど、やっぱり渋谷は量が全然違うし、新譜も買えるしレア盤も買えるし、なんでも渋谷で探してました。なので音楽好きな人たちが渋谷にみんな集まっていて。クラブもあったので、そのままクラブでDJとか聴きに行って遊んだりとか、お酒飲んだりしていたっていう街なんです。

当時の渋谷のレコードショップは「Bボーイ」や「ネオアコ好き」など、さまざまなタイプの人間が集まるスポットだったと振り返る曽我部。異なるジャンルの音楽好きが交流する場でもあり、「渋谷を中心にヒップホップもネオアコも渋谷系も全部混ざっていたという感じ」だと語る。

曽我部：そんな渋谷、音楽的にすごく活気があるという感じでしたね。いまはMIYASHITA PARKとか、いろいろできましたよね。「昔こんな店、渋谷になかったよな」というお店とかもできてたり、パルコもきれいになったりして。でも昨日行ってみたら人がまばらで、コロナの影響がすごく大きいんだと思うんだけど、また渋谷が活気づいていって、文化をハイブリッドしていくような中心にまたなるのかな？　いつなるんだろう？　という感じで、昨日は渋谷の街中でぼんやり立っておりました。なので僕にとっては90年代、音楽の文化の中心だったのが渋谷という街ですね。

曽我部はTOKYO No.1 SOUL SET の『JIVE MY REVOLVER』とLove Tambourinesの『Cherish Our Love』をセレクトした。

渋谷から下北沢まで歩いたことも

曽我部がコロナ禍の渋谷の夜の街に立ってみて、最初に思いついたのが1曲目に選んだ『言うこと聞くよな奴らじゃないぞ』。2曲目に心の中に流れたのはPizzicato Five『戦争は終わった』だったそう。

曽我部：渋谷をテーマにミュージックセレクトしてきましたが、やっぱり今日は渋谷に自分が行きだした90年代のころの思い出を交えてお送りすることになりました。僕は当時、明大前というところに住んでましたけど、レコードをいっぱい買って抱えて帰る。いまは絶対にしないけど、渋谷から歩いて下北まで帰ったりとか。時間も体力もあったんでしょうね。そういうことをすごく、選曲をしていて懐かしく思い出しました。最近は渋谷を歩いても「ここになにがあったっけ？」と思い出せなかったり。思い出せるお店や場所もあるけど思い出せないこともあって、そうやって時間というのは過ぎていくんだなと思いました。最後に、そんなふうに世田谷、三茶とか下北に歩いて帰っていくような、そしてほっと安堵するような曲で締めたいと思います。

最後に曽我部はDABOの『世田谷サンセット』をセレクトした。

曽我部の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。