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高橋 優、路上ライブ時代の思い出。札幌で凍える寒さのときに…

高橋 優、路上ライブ時代の思い出。札幌で凍える寒さのときに…

高橋 優がデビューまでの道のりや、そこで募っていった観客への想いについて語った。

高橋が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『GROOVE LINE』(ナビゲーター:ピストン西沢)のワンコーナー「GROOVE LINE TOKYO NEST」。オンエアは2月21日(月)。高橋は2月25日(金)に新曲『HIGH FIVE』を配信リリース。

中学時代から曲を作り、大学生から路上ライブを開始

西沢はまず、高橋のミュージシャンとしての道のりについて尋ねていった。自身が作った曲を人に聴いてもらえるまでには紆余曲折があったそう。

西沢:もうすっかりベテランさんになりましたけど、デビューがいつでしたっけ?

高橋:2010年です。12年前ですね。

西沢:いろいろな経験をされましたけど、ずっと音楽を作ってくるというね。そもそもいつぐらいから始めたんですか?

高橋:曲を作る、ということ自体は中学校からやってました。

西沢:そうなんですね。遊び半分というとあれだけど、趣味でやっている世界からプロになってというところで、ずいぶんと濃い15年、20年だったんですよね。

高橋:濃くなりましたね。「遊び半分」とおっしゃいましたけど本当で。親に見られるのが恥ずかしいから、机で鍵を閉めておける引き出しってありませんでした?

西沢:はいはい。

高橋:それのなかに、僕は曲を作って書きためて隠していたんです。なんとなく恥ずかしいもののような、人に聴かせるものではなくて自分の世界のなかだけで完結するような気持ちで最初は曲を書いていたので。

大学進学を機に北海道・札幌へ拠点を移した高橋は、「ここだったら誰も俺のことを知らないから歌っちゃえ!」という気持ちで、今までしたためていた曲を路上ライブで歌うようになったと話す。

西沢:やっぱり環境は大事なんですね。

高橋:僕は大事でしたね。

西沢:だからこそ内面的なことを歌にすることも多いんですかね。

高橋:当時からあった、自分のなかで「これを言っちゃったら嫌われるかも」とか「この話は恥ずかしいから人前でするほどのことでもないな」みたいなところが、意外と楽曲に落とし込まれることが僕の場合は多くて。なので路上ライブをしていると、最初はそういう曲を歌うとドキドキしていたんです。「嫌われちゃうんじゃないかな?」なんて思っていたので。そうしたら逆に「誰かに片思いしている」だとか「朝起きるのも面倒くさくてずっと寝ていたいだけ」みたいな気持ちの曲のほうが「あれ、また聴きたいです」って言ってもらったりとか。「ああいう曲を歌う人がほかにいないからうれしいです」って言われることが多くて。そこから引き出しのなかの音楽が、どんどん誰かとの共通話題になっていったのかな?と思っています。

ラーメン屋でのアルバイトのこと

西沢は「J-WAVEは、音楽が好きでプロになりたいな、どうしたらいいんだろうな、なんて思いながら聴いている人も多い」として、高橋の体験談は貴重で興味深いとコメント。高橋はさらにデビューまでの苦労を重ねた日々について語った。

高橋:なにをもって成功かわからないのも、また面白い部分なのかなと思います。

西沢:多くの人が気持ちを動かすとか、お財布を開くとかっていうのがやっぱり成功ですよ。

高橋:(笑)。

西沢:やっぱりプロとしてのコミュニケーションの最終的なコンバージョンは「お金を出す」ってことじゃないですか。

高橋:路上ライブをしていたときも、まずひとつの自分の目標として「なにをやっている人?」って尋ねられたら「歌を歌っている人」って答えられるようになりたいと思って。歌を歌うだけだったら別にカラオケでもできるけど、じゃあそう答えるためにはある程度の収入とか、ある程度の「安定したなにか」がいくつか答えられる人じゃないといけないんだろうな、というのはずっと思ってましたね。

西沢:肩書きって「レコードでデビューしてます」って言えばプロですけど、それ以前はただの趣味で歌っているだけの人ですからね。

高橋:僕はその時間が長かったんです。メジャーデビューが27歳なんですけど。

西沢:だいぶ苦労してらっしゃる。

高橋:(笑)。中学校のころから曲は書いていたので、17、8から曲を書いて路上で歌うっていうことは10年近くやっていたので。

西沢:そういう社会人になってからの題材みたいなものというのも貴重というか。社会人生活みたいなものっていうのがないと書けないようなものも、すごく世の中にとっては必要じゃないですか。そういうところも持っているといいですよね。

高橋:幸か不幸か、僕は就職はしなかったんですけどアルバイト経験はものすごくたくさんさせてもらっていて。ラーメン屋の厨房とかで「そんな腰の入り方じゃプロになれねえぞ!」って言われて「プロになる気ねえよ!」って言ってラーメン屋を辞めたんですけど(笑)。

西沢:それは(笑)。そこを買われていたというか「俺の跡継ぎはあいつだ」って親方に思われていたのかもしれないですよ。

高橋:あはは(笑)。食事とか呼んでもらったりして、すごい毎日のように説教されていたんですけど。そういう1個1個の一見すると音楽とは関係ない経験みたいなのもいっぱいさせてもらったのは、最終的に遠回りだったけど無駄じゃなかったのかなと思います。

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お客さんがいて当たり前と思ったことは一度もない

高橋は路上ライブ時代の経験から、観客に対しての確固たる想いが醸造されていったのだと振り返った。

西沢:路上ライブの柔軟性みたいなものというのは、特にライブに反映されることはあるんじゃないですか?

高橋:僕が路上ライブを主にやっていたのが札幌市だったので、1月とか2月というのは本当に外を歩いている人がいないんですよ。

西沢:なるほど(笑)。『マッチ売りの少女』みたいな話だ。

高橋:あははは(笑)! 歌っている人というのは一応体を動かしているのである程度温かいんです。運動していることになるので歌っていると指とかも温まってくるんですけど、立ち止まる人はなにもしないで聴いてなきゃいけないじゃないですか。それでもなお、札幌の2月の1番寒いマイナス10度とかのときに、わざわざ路上ライブを聴きに来てくれる人がいたんですね。

西沢:それは感動的な。

高橋:ついこのあいだ、僕は日本武道館で2デイズやらせていただいたんです。状況は違えど、こういう状況下でも足を止めてくれる、それこそさっきピストンさんのお話じゃないですけど、財布のお金を出してくれてわざわざ観に来てくれるということが、いかに貴重なことなのかというのは痛いほど。デビューするまでの景色をたくさん見させてもらったおかげで、いまでも感じています。

西沢:やっぱり目で見ないと理解できない、イメージできないことはありますね。

高橋:お客さんがいて当たり前と思ったことはいままで一度もなくて。

西沢:路上ライブからお客さんが1人ずつ、どうやってここまで来てくれたのかってイメージできる人というのはやっぱり続くというか、お客さんとの付き合い方が違うと思います。

高橋の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『GROOVE LINE』では楽曲を紹介しながらゲストとの軽快なトークをお届け。放送は毎週月曜から木曜の18時10分ごろから。

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