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永瀬正敏のライフワークは“カメラ”。風景よりも人物を多く撮る理由は?

永瀬正敏のライフワークは“カメラ”。風景よりも人物を多く撮る理由は?

俳優の永瀬正敏が出演作『再会の奈良』や、ライフワークのカメラを語った。

永瀬が登場したのは、J-WAVEで1月31日(月)に放送された『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」。

映画『再会の奈良』に出演

クリスはまず、映画『再会の奈良』(2月4日公開)について触れた。なら国際映画祭で永瀬が「どういう映画でもあっても呼ばれたら行きたい」と語っていたことが印象的だったと振り返る。
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© 2020 “再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)

クリス:この映画はそもそも、なら国際映画祭のなかでのプロジェクトとして生まれた映画なんですよね。永瀬さんと付き合いのある河瀨直美さんもエグゼクティブプロデューサーで入ってらっしゃいます。これはどういう経緯でお話が永瀬さんに届いたんですか?

永瀬:僕がその前、なら国際映画祭の学生部門の審査員をやらせていただいているときに、今回のポンフェイ監督の作品が観客賞をとられたんです。それで、ちらっとお会いはしていたんですが、今回の『再会の奈良』を撮影するということにあたって、河瀨直美監督からお話をいただきました。僕は1日だけの撮影だったんですけど。

クリス:ご出演の時間は、全体でいうとそこまで長くはないですが印象的な役でした。

<あらすじ>
2005年、中国から陳ばあちゃんが、孫娘のような存在のシャオザーを頼って一人奈良にやって来る。中国残留孤児の養女・麗華を1994年に日本に帰したが、数年前から連絡が途絶え心配して探しに来たというのだ。麗華探しを始めた2人の前に、ほんの偶然の出会いでしかなかったはずの一雄が、元警察官だったという理由で麗華探しを手伝うと申し出る。奈良・御所を舞台に、言葉の壁を越えて不思議な縁で結ばれた3人のおかしくも心温まる旅が始まる。異国の地での新たな出会いを通して、果たして陳ばあちゃんは愛する娘との再会を果たせるのか――。
映画『再会の奈良』公式サイトより)

クリス:永瀬さんはこの作品にどのように参加を決められたんでしょうか。

永瀬:お声をかけていただいた時点で「やります」って言っちゃったんです(笑)。今回はエグゼクティブプロデューサーには河瀨直美監督と、中国のジャ・ジャンクー監督が入られていて。いろいろなアジアの国の人たちが結集して奈良の地で撮影をするということと、NARAtive(ナラティブ)という若い映像作家を育てていこうというプロジェクトの趣旨にすごく共感して、ぜひ参加させてもらいたいと思いました。

クリス:永瀬さんは物語の鍵を握るお寺の管理人役でした。耳が不自由で、生い立ちに日中の痛い戦争の歴史というのが関わってきている人でもあります。言葉をあまり発さないなかでの演技は難しくなかったですか?

永瀬:4日、5日前ぐらいからあまり言葉を発しないようにしていました。現場でも監督とは筆談とジェスチャーで。だからほとんど撮影中に、ほかの俳優さんたちとも会話をしていないんですね。

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© 2020 “再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)

クリス:そういうものなんですか。

永瀬:なんとなくそういう風にしてみようかなと思って。役作りといいますか、急にパッとはできないと思ったので。

クリス:そうなんですね。それが抜けないこともあった?

永瀬:監督に最後のシーンのOKをもらったあとは「やっと喋れる!」という感じでしたかね(笑)。

出演作が続々公開

松居大悟監督の『ちょっと思い出しただけ』(2月11日)、奥原浩志監督の『ホテル・アイリス』(2月18日)、『蜜月』(3月25日)と、永瀬の出演作が続々公開となる。

クリス:永瀬さんは複雑な背景を背負った役というのがお似合いですね。

永瀬:そうですか(笑)?

クリス:観ているほうからでも「信頼されているんだろうなあ」というのも感じます。そういう役のオファーがくることが多いんでしょうか。

永瀬:自分もそういうところを欲している部分もあるのかもしれないです(笑)。

クリス:一つひとつの役が非常に大変で深いものがあるだろうなと思って。そういう一つひとつの役と向き合うのは体力もいるでしょうし、心身ともに強くないといけないと思います。永瀬さんはどういう感覚なんでしょうか。

永瀬:僕は同時進行で撮影ができないものですから、そこら辺はスタッフのみなさんに恵まれていますね。1本をやるときは1本に集中して、少しだけあいだを開けてもらって、また切り替えて次という感じですかね。

クリス:今回は(喋らずに)数日をおすごしになったということですが、そうじゃないときでも役に入り込んで現場にいらっしゃるんですか? もうちょっとコミュニケーションをとりながらのほうが多いんでしょうか。

永瀬:最近はコミュニケーションをとるほうが多いですかね。共演のみなさんと監督の演出を受けながらどんどん変化させていったほうが面白いよな、という気がしているんです。

クリス:今回の『再会の奈良』もそうですが、ジェネレーションが新しい方たちといっしょに仕事をされることも多くなってきていると思います。

永瀬:なんか、ワクワクしますね。僕よりジェネレーションが下の監督さんたちは「今」を描いてらっしゃる監督さんというか。そういう方たちと仕事をご一緒できるというのは、感覚がとても刺激的で、楽しいですね。

人物写真を撮る理由

永瀬は自身のInstagramに共演者や現場スタッフといった身近な人たちの写真をアップ。カメラをライフワークとする永瀬が、風景よりも人物写真を多く撮る理由を語った。

永瀬:最初の緊急事態宣言が出たときは、僕もずっと引きこもっていたんです。でも自分なりになにかできるといいなと思って、いままで撮らせていただいた方の笑顔の写真を毎日1枚ずつ上げていたんです。そのあともその流れで、一時期僕がそういうことをやっているのを現場でも説明して、その主旨に賛同してもらった共演者の人たちの笑顔の写真を載せていました。

クリス:笑顔の口元、というのは大きいですよね。

永瀬:いまはなかなか見られないというか、マスク越しになってしまうのでしょうがないんですけど。

クリス:現場ではどういう距離感で撮ってるんですか?

永瀬:スタッフの人も含めて、フォトジェニックな人の集まりですからね(笑)。

クリス:確かに(笑)。

永瀬:僕のフィルモグラフィーというかそういうのがあったときに、撮らせていただいた方々の写真を並べるだけで、そこに文章はいらないかな?というぐらい、一緒にみんなで作ってきた作品になるわけですから。そういう想いも込めて撮らせてもらったりしていますね。

永瀬は2021年12月に発売されたEXILE・岩田隆典の写真集のカメラマンも務めた。カメラマンとしての依頼も積極的に受けていきたいと語る永瀬だが、将来的には映画作りにも興味を持っているのだとか。

クリス:映画はどうなんですか? お撮りになられたことはあるんでしょうか。

永瀬:いやいや、映画は。監督は大変なので(笑)。

クリス:ご興味はあるんですか?

永瀬:監督というのは僕にはできないと思うんですけれど、枠組みを作るいわゆるプロデュースだったり、企画を考えたり、脚本を書いたりみたいなことは、今後僕だけじゃなくて仲間と一緒にスクラムを組んでいろいろやっていければいいなと、ちょっと思い始めています。

■作品情報
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『再会の奈良』
配給:ミモザフィルムズ
公開表記:2/4(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開 / 1/28(金)より奈良県にて先行上映
© 2020 “再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)

J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」は毎週月曜から木曜の14時10分ころから。

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