土岐麻子と韓国のプロデューサー兼DJのNight Tempoが、竹内まりやの音楽の魅力について語り合った。
トークが繰り広げられたのは、J-WAVEで放送中の番組『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』(ナビゲーター:グローバー)。毎週、1組の「レジェンド・ミュージシャン」について語り合う番組だ。竹内まりや特集は12月11日と18日にオンエア。ここでは11日(土)のオンエアをテキストで紹介する。
土岐:1980年リリースの曲で、おそらくCMもそのぐらいだったんですよね。私は4歳でした。当時のCMは、かっこいい映像とちょっと文学的なキャッチコピーがくるのが粋だったころの作品です。子ども心に「かわいいお姉さん」というイメージがありました。ルックスや「ピーチパイ」って言葉もかわいらしかったので。すごくポップな存在と思っていました。
グローバー:少女から大人になって竹内さんの音楽の聴こえ方は変わりましたか?
土岐:高校生や大学生ぐらいのころに、まりやさんの曲がCMでまた聞こえ始めて、そのときに改めて歌詞の世界に惹かれていったり、曲のすごく肯定的なパワーに惹かれていきました。
グローバー:では今一番好きな曲は?
土岐:どの曲も本当にそれぞれのよさがあるんですけど、「たった今」ということで選んでいいですか(笑)? 今朝、起きたときに聴きたくなったのが『夢の続き』です。ダンサブルなサウンドも竹内さんの数ある楽曲のなかで好きなサウンドです。それこそNight Tempoさんが世界中に広めた『PLASTIC LOVE』と対をなすような楽曲なんじゃないかなと思っています。
一方のNight Tempoは、「角松敏生さんが作曲した曲が最初のきっかけで日本の音楽に興味を持った」と、竹内まりやの楽曲に出会うまでの経緯を語る。
NT:角松さんが影響を受けたアーティストとして山下達郎さんを知り、山下達郎さんの関連アーティストとして竹内まりやさんを知りました。「女性の声もこういう使い方があるんだ」と知りました。日本では女性がハスキーな声で歌うことはあまりなかったから。ジャズボーカルの真似をするケースはあったと思いますけど、「自分の色を持って歌う」という方は少なかったんじゃないでしょうか。最初のころは黒人音楽、欧米音楽に近かったんですけど、どんどん竹内まりやさんのプロダクションが彼女の色に染められていって、それがいまにも通じる。
グローバー:竹内まりやさんをどのように掘って聴いていったんですか?
NT:カセットテープを集めるのがもともと趣味だったので。
グローバー:いま何本ぐらいあるんですか?
NT:たぶん和モノだと700本ぐらい。
グローバー:世界中の大好きなカセットテープを集めたら1000本以上?
NT:その2倍くらいあります。
Night Tempoが好きな竹内まりやの楽曲として『OH NO, OH YES!』をあげた。
NT:この曲はもともと、竹内まりやさんが中森明菜さんに提供した曲なんですけど、あとでセルフカバーしたんですよね。最近はNGな歌詞なんですけど、不倫について歌っています。当時は不倫が流行りみたいな感じだったらしくて。
グローバー:大人の恋のひとつのかたちというね。
土岐:ロマンチックに消化できるのが音楽のいいところですよね。
NT:僕はアルバム『Miss M』が好きで、その中でも『Secret Love』が好きです。欧米の音楽が好きな人はたぶん『Miss M』が一番刺さるんじゃないかなって思います。
グローバー:名だたるミュージシャンやプレイヤーが演奏していますね。こういうアンサンブルのなかで出てくる竹内まりやさんの魅力。『Secret Love』のどういうところがお好きですか?
NT:日本っぽさがないところです。黒人のボーカルではないアジア人のボーカルでオシャレに音を加えて作品になっているのがすごく面白いと思いました。ピンク・レディーとかいろんな方がチャレンジはしたんですけど、いま聴いても新鮮に感じるのはこの曲じゃないでしょうか。
グローバー:インターネットで世界中の音楽好きに広まった「竹内まりやの声」は、ボーダレスに国境や時間も越えていく魅力があるんでしょうか。
NT:はい。まずは2016年から2017年あたりにレトロブームが世界中に広がっていきました。日本でいうニューミュージックやシティポップはもともと欧米の音楽を持ってきて日本人解析をしたものだったんですけど、その解析がやはり面白い。言葉がわからなくても海外の人にとっては似てるけど独特な日本の香りがするので、そこに魅力を感じたんだと思います。
グローバー:竹内まりやさんの歌声は英語で歌っていても日本の香りがして、不思議な魅力が詰まっていますよね。
続いて土岐は、アルバム『VARIETY』をセレクトした。
土岐:あまりにも有名なアルバムです。それこそ『PLASTIC LOVE』が入っているアルバムで、やっぱりすごく好きだなと思いました。確かご結婚されて一度音楽活動を休止されて、その後3年ぐらいのブランクを経て、この作品で復帰したということだったと思います。全曲作詞・作曲がまりやさんで、アレンジとプロデュースが達郎さん。夫婦で作っていて、シンガーソングライターとしてのまりやさんの魅力や音楽への愛情みたいなものをたっぷりと感じられるアルバムだと思います。
3位:『夢の続き』
NT:僕は80年代末ぐらいのパソコンで打ち込みをした音がすごく好きなんですけど、この曲も昔の山下達郎さんと竹内まりやさんの音からアップデートされているんです。当時のニュージャックスウィングや欧米などでよく使われていたデジタル楽器を使っていて、いま聴いてもかっこいいと思えます。
2位:『Secret Love』
NT:これはまりやさんのボーカルのおいしさ。あとになると、まりやさんは感情を込めて曲を作るようになったので、声の楽器としての面白さや楽しさ、グルーヴを感じられるのは以前のほうだと思います。
1位:『Sweetest Music』
NT:『Secret Love』と同じく、竹内まりやさんを昭和グルーヴという文脈で楽しめる曲です。
18日(土)17時からの同番組でも、引き続き竹内まりや特集をお届けする。J-WAVE『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』では、ゲストを迎え、1組の「レジェンド・ミュージシャン」をテーマに音楽談義を展開。毎週土曜の17時から。
トークが繰り広げられたのは、J-WAVEで放送中の番組『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』(ナビゲーター:グローバー)。毎週、1組の「レジェンド・ミュージシャン」について語り合う番組だ。竹内まりや特集は12月11日と18日にオンエア。ここでは11日(土)のオンエアをテキストで紹介する。
竹内まりやの楽曲との出会い
土岐は竹内の楽曲との出会いについて「物心ついたときから歌や存在を知っていたので、いつだったかはっきりと思い出せない」と前置きしつつ、「おそらく最初に出会った竹内の楽曲」として『不思議なピーチパイ』をあげた。土岐:1980年リリースの曲で、おそらくCMもそのぐらいだったんですよね。私は4歳でした。当時のCMは、かっこいい映像とちょっと文学的なキャッチコピーがくるのが粋だったころの作品です。子ども心に「かわいいお姉さん」というイメージがありました。ルックスや「ピーチパイ」って言葉もかわいらしかったので。すごくポップな存在と思っていました。
グローバー:少女から大人になって竹内さんの音楽の聴こえ方は変わりましたか?
土岐:高校生や大学生ぐらいのころに、まりやさんの曲がCMでまた聞こえ始めて、そのときに改めて歌詞の世界に惹かれていったり、曲のすごく肯定的なパワーに惹かれていきました。
グローバー:では今一番好きな曲は?
土岐:どの曲も本当にそれぞれのよさがあるんですけど、「たった今」ということで選んでいいですか(笑)? 今朝、起きたときに聴きたくなったのが『夢の続き』です。ダンサブルなサウンドも竹内さんの数ある楽曲のなかで好きなサウンドです。それこそNight Tempoさんが世界中に広めた『PLASTIC LOVE』と対をなすような楽曲なんじゃないかなと思っています。
一方のNight Tempoは、「角松敏生さんが作曲した曲が最初のきっかけで日本の音楽に興味を持った」と、竹内まりやの楽曲に出会うまでの経緯を語る。
NT:角松さんが影響を受けたアーティストとして山下達郎さんを知り、山下達郎さんの関連アーティストとして竹内まりやさんを知りました。「女性の声もこういう使い方があるんだ」と知りました。日本では女性がハスキーな声で歌うことはあまりなかったから。ジャズボーカルの真似をするケースはあったと思いますけど、「自分の色を持って歌う」という方は少なかったんじゃないでしょうか。最初のころは黒人音楽、欧米音楽に近かったんですけど、どんどん竹内まりやさんのプロダクションが彼女の色に染められていって、それがいまにも通じる。
グローバー:竹内まりやさんをどのように掘って聴いていったんですか?
NT:カセットテープを集めるのがもともと趣味だったので。
グローバー:いま何本ぐらいあるんですか?
NT:たぶん和モノだと700本ぐらい。
グローバー:世界中の大好きなカセットテープを集めたら1000本以上?
NT:その2倍くらいあります。
Night Tempoが好きな竹内まりやの楽曲として『OH NO, OH YES!』をあげた。
NT:この曲はもともと、竹内まりやさんが中森明菜さんに提供した曲なんですけど、あとでセルフカバーしたんですよね。最近はNGな歌詞なんですけど、不倫について歌っています。当時は不倫が流行りみたいな感じだったらしくて。
グローバー:大人の恋のひとつのかたちというね。
土岐:ロマンチックに消化できるのが音楽のいいところですよね。
いま聴いても新鮮に感じられる曲は
続いてふたりに、好きなアルバムと、そのなかのオススメの1曲を訊いた。NT:僕はアルバム『Miss M』が好きで、その中でも『Secret Love』が好きです。欧米の音楽が好きな人はたぶん『Miss M』が一番刺さるんじゃないかなって思います。
グローバー:名だたるミュージシャンやプレイヤーが演奏していますね。こういうアンサンブルのなかで出てくる竹内まりやさんの魅力。『Secret Love』のどういうところがお好きですか?
NT:日本っぽさがないところです。黒人のボーカルではないアジア人のボーカルでオシャレに音を加えて作品になっているのがすごく面白いと思いました。ピンク・レディーとかいろんな方がチャレンジはしたんですけど、いま聴いても新鮮に感じるのはこの曲じゃないでしょうか。
グローバー:インターネットで世界中の音楽好きに広まった「竹内まりやの声」は、ボーダレスに国境や時間も越えていく魅力があるんでしょうか。
NT:はい。まずは2016年から2017年あたりにレトロブームが世界中に広がっていきました。日本でいうニューミュージックやシティポップはもともと欧米の音楽を持ってきて日本人解析をしたものだったんですけど、その解析がやはり面白い。言葉がわからなくても海外の人にとっては似てるけど独特な日本の香りがするので、そこに魅力を感じたんだと思います。
グローバー:竹内まりやさんの歌声は英語で歌っていても日本の香りがして、不思議な魅力が詰まっていますよね。
続いて土岐は、アルバム『VARIETY』をセレクトした。
土岐:あまりにも有名なアルバムです。それこそ『PLASTIC LOVE』が入っているアルバムで、やっぱりすごく好きだなと思いました。確かご結婚されて一度音楽活動を休止されて、その後3年ぐらいのブランクを経て、この作品で復帰したということだったと思います。全曲作詞・作曲がまりやさんで、アレンジとプロデュースが達郎さん。夫婦で作っていて、シンガーソングライターとしてのまりやさんの魅力や音楽への愛情みたいなものをたっぷりと感じられるアルバムだと思います。
「昭和グルーヴを感じられる竹内まりやソングTOP3!」
Night Tempoが、昭和のグルーヴを感じられる竹内の曲トップ3をセレクトした。3位:『夢の続き』
NT:僕は80年代末ぐらいのパソコンで打ち込みをした音がすごく好きなんですけど、この曲も昔の山下達郎さんと竹内まりやさんの音からアップデートされているんです。当時のニュージャックスウィングや欧米などでよく使われていたデジタル楽器を使っていて、いま聴いてもかっこいいと思えます。
2位:『Secret Love』
NT:これはまりやさんのボーカルのおいしさ。あとになると、まりやさんは感情を込めて曲を作るようになったので、声の楽器としての面白さや楽しさ、グルーヴを感じられるのは以前のほうだと思います。
1位:『Sweetest Music』
NT:『Secret Love』と同じく、竹内まりやさんを昭和グルーヴという文脈で楽しめる曲です。
18日(土)17時からの同番組でも、引き続き竹内まりや特集をお届けする。J-WAVE『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』では、ゲストを迎え、1組の「レジェンド・ミュージシャン」をテーマに音楽談義を展開。毎週土曜の17時から。
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2021年12月18日28時59分まで
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番組情報
- MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY
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毎週土曜17:00-17:54
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グローバー