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小島秀夫が「とびぬけた作品で嫉妬した」と話す映画は、マジックのような撮影が見どころ

小島秀夫が「とびぬけた作品で嫉妬した」と話す映画は、マジックのような撮影が見どころ

映画『ラストナイト・イン・ソーホー』(12月10日公開)の特別試写会が29日に都内で行われ、タレントの長濱ねるとゲームクリエイターの小島秀夫監督、さらにオンラインで本作の監督であるエドガー・ライトが参加した。

現代でファッションデザイナーを夢見る女性エロイーズ(トーマシン・マッケンジー)がロンドンのソーホー地区で眠りにつくと60年代にタイムリープ。そこで歌手を夢見る魅惑的な女性サンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)に出会い、身も心もシンクロしていく。



映画の内容にちなんで「夢」について聞かれた長濱は「私は読書好きなので、壁一面に本棚のある家に住みたいです。それが憧れ」と照れ笑い。

小島は「宇宙飛行士になりたい! JAXAの募集が12月にあるけれど、そうなると仕事を捨てなければならず。悩んでいます」と笑わせた。一方、エドガー監督は「僕たちはいつか必ず死ぬので、今まで作られた映画すべてを観ることは不可能。不老不死になってこの世の映画をすべて観るのが夢だね」と映画好きならではの妄想をしていた。

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エドガー監督の長編デビュー作『ショーン・オブ・ザ・デッド』からのファンという小島監督。エドガー監督とはTwitterをフォローし合う仲で、2年前にはソーホーのホテルで『ラストナイト・イン・ソーホー』のラッシュ映像を鑑賞済み。ゆえに小島監督は「観てくれ、観てくれて、と言われていたのでようやく観られた!」と喜色満面。エドガー監督のファンという長濱も「音楽がとても印象的でした!」と大興奮していた。

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イギリスからオンラインで参加したエドガー監督は「おはよう!」とモーニングコーヒーを飲みながらの時差ギャグをかます上機嫌。改めて小島は「今までとは違うとびぬけた作品で嫉妬した。ホラーテイストだが、女性の夢を応援する素敵な映画。照明の使い方も巧みで、鏡を使って二人の主人公の表裏を上手に描いている。本心から傑作だと思う」と絶賛した。

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劇中で鏡が重要なアイテムになっているのは、エドガー監督が見る夢が影響しているという。「僕はほかの人になる夢をよく見ることがあって、自分がまるで幽体離脱しているような感覚になる。それに僕らは自分たちの夢をスクリーンという鏡に投影したいと思うものだから」と説明。その鏡が映るシーンの撮影方法については「実はシンプルなやり方で撮影していて、グリーンバックはほとんど使用しなかった。セット自体を動かしたり、双子の俳優を起用したり、物理的に撮影している。マジックのような形だね」とアナログな舞台裏を明かした。

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小島から「写ってはいけないものを鏡から消したりはしたの?」などと聞かれると、エドガー監督は「それもあるし、鏡を触った際にできる指紋をデジタルで加えたりして、見ている人を混乱させるようなトリックを作った。観客が『どうやって撮ったの?』と思ってくれたら大成功だ!」とディテールへのこだわりを伺わせた。

(取材=石井隼人)

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