VTuberライブの企画やサポートを行う飯寄雄麻さんが、近年盛り上がりをみせるVTuberの音楽シーンを語った。
飯寄さんが登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは11月2日(火)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
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長谷川白紙など、名だたるアーティストも楽曲提供するなどますます見逃せない新時代の音楽シーンを飯寄さんが解説した。
飯寄さんはVTuberクラブイベント「VIRTUAFREAK」を主催。また「VTuber楽曲大賞」へも参加。バーチャルタレントのイベント・ライブのサポートなどバーチャル文化を支える存在だ。
あっこゴリラ:VTuberシーンは2017年くらいから始まったかなり若いシーンだと思うのですが、どのあたりから音楽活動が活発になったんですか?
飯寄:2.5Dとかインターネットレーベルがはやっていた時期があって、そこで有名になりつつあったサウンドプロデューサーやトラックメーカーがキズナアイ(Kizuna AI)さんなどVTuberのサウンドプロデュースに参加したことがひとつのきっかけだったと思います。
飯寄さんが先ほど紹介したキズナアイは、2018年にオリジナル楽曲を9週連続でリリース。Yunomiや中田ヤスタカ、DE DE MOUSEや☆Taku Takahashiなど名だたるアーティストが楽曲をプロデュースして話題となった。
VTuber初心者のあっこゴリラに向けて、「ふなっしー」を例えに飯寄さんは説明する。
飯寄:ふなっしーって中の人がいたとしても、あのふなっしーのキャラクターじゃないとふなっしーって誰も認めたくないですよね。中の人が違っていたら「ちょっとそういう感じじゃない」ってニュアンスになるというか。
あっこゴリラ:なるほど! ちなみにVTuberってどうやってお金を稼ぐんですか?
飯寄:VTuberと言っているだけあって、YouTubeで配信をして広告収入だったりスーパーチャット(投げ銭)だったり。ユーチューバーのビジネスモデルとベースは似ていると思います。
飯寄さんはVTuberシーンを語る上で外せない曲として、キズナアイの『Hello, Morning』を紹介した。
飯寄:VTuberって概念はキズナアイさんから生まれちゃったんですよね。初めてVTuberですって言うようになったのはキズナアイさんだったのでこの曲は「VTuberが音楽をする」って切り開いた曲じゃないかなと思います。
あっこゴリラ:ワンマンライブってどうやるんですか?
飯寄:何かしらスクリーンに映し出してバーチャルシンガーを投影しているんですけど、生でバックバンドとかもいたりして体験としては普通のライブと遜色ない感じでお客さんも体感していたと思います。
あっこゴリラ:今は顔を出さないアーティストもいますからね。
飯寄:このときのVTuberシーンって技術的にはまだまだだったんですけど、花譜さんのライブは2時間で19曲歌い上げて、その半分か3分の1くらいは新曲だったんです。当時のVTuberはカバー曲が多かったりしたんですけど、それで音楽好きの人たちがどんどん打ちのめされていっているなと、配信なり現地なりで見てて感じていました。
あっこゴリラ:なるほど。花譜さんのワンマンライブが大きなきっかけになったんですね。
飯寄:このライブの前と後でVTuberシーンが切り替わったんじゃないかなと思います。
あっこゴリラ:そのライブ以降、どういった流れが生まれましたか?
飯寄:VTuber音楽に対してちゃんと向き合う方が多くなったり、VTuberもひとつの表現者なんだと感じる方が多くなったり。別にアバターを着てタレント活動をするということじゃなくて、「バーチャルアバターを着たことによって私はこういうパフォーマンスをしたい」とか「こういう作品を出したい」みたいに作品と向き合う方も多くなったかなと思います。
そういった流れで出てきたアーティストとして、飯寄さんは花譜と同じKAMITSUBAKI STUDIOに所属する理芽の曲『食虫植物』を紹介した。
飯寄:この曲はTikTokがきっかけでバズった曲ですね。
あっこゴリラ:しかもこの曲はYouTubeで3200万回再生って、すごい!
飯寄:ちゃんと作品と向き合っていると、アバターを着ていても届くものは届くんだなと。個人的にもすごく面白いなと思います。
宝鐘マリン&Yunomi『Unison』
飯寄:トラックメーカーのYunomiさんは音楽の探究心がすごいので、普通キャラクターソングにならないジャンルでもYunomiさんの魔法でキャラクターソングとして成立するんです。個人的にこの半年でいちばんリピートしている曲ですね。
TAKU INOUE & 星街すいせい『3時12分』
飯寄:曲調としてはしっとりしたメロウな楽曲です。前提として普通はVTuberが「こういう曲を作ってください」ってサウンドプロデューサーの方にお願いする流れなんですけど、この曲は(人気ゲームの)「アイドルマスター」シリーズで知られているサウンドプロデューサーのTAKU INOUEさんがメジャーデビューをきっかけに楽曲プロジェクトの第一弾として、ボーカリストに星街すいせいさんを選んだんです。
あっこゴリラ:トラックメーカーがアルバム制作のためにラッパーをゲストで呼ぶみたいな感じですか?
飯寄:そうですね。僕らからしたらボーカリストとしてバーチャルシンガーが認められたんだなって気持ちになりました。
あっこゴリラ:なるほど!
夕凪 潮 & ひじり『潮汐』
飯寄:この曲はほとんど知られていないと思うんですけど、今後期待する新進気鋭のアーティストということで選びました。この曲のYouTube再生回数も1万回くらいで、夕凪さんのチャンネル登録者数も1000人くらいなんですけど、数字に関係なくインディペンデントでこういうクオリティーの作品がリリースされているのは時代的にも、音楽業界としてみてもいいことだと思います。
あっこゴリラ:わかります。すごいカッコいいアーティストを見つけたときに、全然知られていないとめちゃめちゃアガりますよね。
東 雪蓮『prologue.01』
飯寄:東さんは全体的にトータルブランディングがすごいです。事務所とかレーベルとかもついてないんですけど、セルフプロデュース力がとても高い印象で、作品として統一感があるというか。どういうサウンドプロデューサーに頼めば自分が生かされるかとか、客観的視点で音楽にアプローチしているなって楽曲を聴いていて思いました。
MonsterZ MATE feat. かしこまり『Up-to-date』
飯寄:自分がVTuberクラブイベントを始めたのと同じ時期にバーチャルシーンを切り開いていったのがこの曲ですね。これがリリースされた2019年頃ってVTuberの黎明期なのですが、VTuberは企業参入も早かったので消費されるだけのコンテンツとなってしまうことも多くてカオスな時期でした。そういうようなタイミングにアンチテーゼみたいなかたちでリリースされたのがこの曲でした。
今後見逃せないVTuberを紹介した飯寄さんは最後にこれからのVTuberシーンを語った。
飯寄:過去を振り返れば、ネットレーベルからtofubeatsさんとかボカロで言えば社会現象レベルだと米津玄師さんとかが世に出てるわけじゃないですか。そういう才能がVTuberを介して見え隠れしているのが今だと思うので、そういった有名なアーティストがVTuberからも出てくるんじゃないかなと思っています。
12月3日(金)に飯寄さんの主催するVTuberクラブイベント「VIRTUAFREAK」が東京・新木場のageHaで開催される。
https://virtuafreak.com/event/ageha/
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月曜~木曜の22:00-24:00にオンエア。
飯寄さんが登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは11月2日(火)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
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VTuberが盛り上がるきっかけは?
2017年から盛り上がりをみせるVTuber(バーチャルユーチューバー)は、動画投稿や生配信を行う配信者とその声に合わせて動く3Dや2DのCGでできたキャラクターのことを指す。近年、歌の世界にも進出し、「VTuber楽曲大賞」や「NHKバーチャル紅白歌合戦」など大きな大会まで開かれ、今や一大音楽ジャンルを形成している。長谷川白紙など、名だたるアーティストも楽曲提供するなどますます見逃せない新時代の音楽シーンを飯寄さんが解説した。
飯寄さんはVTuberクラブイベント「VIRTUAFREAK」を主催。また「VTuber楽曲大賞」へも参加。バーチャルタレントのイベント・ライブのサポートなどバーチャル文化を支える存在だ。
あっこゴリラ:VTuberシーンは2017年くらいから始まったかなり若いシーンだと思うのですが、どのあたりから音楽活動が活発になったんですか?
飯寄:2.5Dとかインターネットレーベルがはやっていた時期があって、そこで有名になりつつあったサウンドプロデューサーやトラックメーカーがキズナアイ(Kizuna AI)さんなどVTuberのサウンドプロデュースに参加したことがひとつのきっかけだったと思います。
飯寄さんが先ほど紹介したキズナアイは、2018年にオリジナル楽曲を9週連続でリリース。Yunomiや中田ヤスタカ、DE DE MOUSEや☆Taku Takahashiなど名だたるアーティストが楽曲をプロデュースして話題となった。
VTuber初心者のあっこゴリラに向けて、「ふなっしー」を例えに飯寄さんは説明する。
飯寄:ふなっしーって中の人がいたとしても、あのふなっしーのキャラクターじゃないとふなっしーって誰も認めたくないですよね。中の人が違っていたら「ちょっとそういう感じじゃない」ってニュアンスになるというか。
あっこゴリラ:なるほど! ちなみにVTuberってどうやってお金を稼ぐんですか?
飯寄:VTuberと言っているだけあって、YouTubeで配信をして広告収入だったりスーパーチャット(投げ銭)だったり。ユーチューバーのビジネスモデルとベースは似ていると思います。
飯寄さんはVTuberシーンを語る上で外せない曲として、キズナアイの『Hello, Morning』を紹介した。
VTuberシーンが切り替わったタイミングは
飯寄さんはVTuberシーンの特異点となった出来事として、バーチャルシンガーの花譜(かふ)が2019年に東京・恵比寿のLIQUIDROOMでおこなったワンマンライブ「不可解」をあげた。あっこゴリラ:ワンマンライブってどうやるんですか?
飯寄:何かしらスクリーンに映し出してバーチャルシンガーを投影しているんですけど、生でバックバンドとかもいたりして体験としては普通のライブと遜色ない感じでお客さんも体感していたと思います。
あっこゴリラ:今は顔を出さないアーティストもいますからね。
飯寄:このときのVTuberシーンって技術的にはまだまだだったんですけど、花譜さんのライブは2時間で19曲歌い上げて、その半分か3分の1くらいは新曲だったんです。当時のVTuberはカバー曲が多かったりしたんですけど、それで音楽好きの人たちがどんどん打ちのめされていっているなと、配信なり現地なりで見てて感じていました。
あっこゴリラ:なるほど。花譜さんのワンマンライブが大きなきっかけになったんですね。
飯寄:このライブの前と後でVTuberシーンが切り替わったんじゃないかなと思います。
あっこゴリラ:そのライブ以降、どういった流れが生まれましたか?
飯寄:VTuber音楽に対してちゃんと向き合う方が多くなったり、VTuberもひとつの表現者なんだと感じる方が多くなったり。別にアバターを着てタレント活動をするということじゃなくて、「バーチャルアバターを着たことによって私はこういうパフォーマンスをしたい」とか「こういう作品を出したい」みたいに作品と向き合う方も多くなったかなと思います。
そういった流れで出てきたアーティストとして、飯寄さんは花譜と同じKAMITSUBAKI STUDIOに所属する理芽の曲『食虫植物』を紹介した。
あっこゴリラ:しかもこの曲はYouTubeで3200万回再生って、すごい!
飯寄:ちゃんと作品と向き合っていると、アバターを着ていても届くものは届くんだなと。個人的にもすごく面白いなと思います。
今、見逃せないVTuber
番組では、「VTuberシンガー見本市」と題して、飯寄さんがVTuberの外せない曲やオススメ曲を紹介した。宝鐘マリン&Yunomi『Unison』
TAKU INOUE & 星街すいせい『3時12分』
あっこゴリラ:トラックメーカーがアルバム制作のためにラッパーをゲストで呼ぶみたいな感じですか?
飯寄:そうですね。僕らからしたらボーカリストとしてバーチャルシンガーが認められたんだなって気持ちになりました。
あっこゴリラ:なるほど!
夕凪 潮 & ひじり『潮汐』
あっこゴリラ:わかります。すごいカッコいいアーティストを見つけたときに、全然知られていないとめちゃめちゃアガりますよね。
東 雪蓮『prologue.01』
MonsterZ MATE feat. かしこまり『Up-to-date』
今後見逃せないVTuberを紹介した飯寄さんは最後にこれからのVTuberシーンを語った。
飯寄:過去を振り返れば、ネットレーベルからtofubeatsさんとかボカロで言えば社会現象レベルだと米津玄師さんとかが世に出てるわけじゃないですか。そういう才能がVTuberを介して見え隠れしているのが今だと思うので、そういった有名なアーティストがVTuberからも出てくるんじゃないかなと思っています。
12月3日(金)に飯寄さんの主催するVTuberクラブイベント「VIRTUAFREAK」が東京・新木場のageHaで開催される。
https://virtuafreak.com/event/ageha/
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月曜~木曜の22:00-24:00にオンエア。
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2021年11月9日28時59分まで
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番組情報
- SONAR MUSIC
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月・火・水・木曜22:00-24:00
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あっこゴリラ