GLAY・TAKUROが、最新アルバム『FREEDOM ONLY』の制作エピソードを語った。
TAKUROが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『~JK RADIO~TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。オンエアは10月8日(金)。
TAKURO:自分が50代に突入するにあたり、制作当初は自分の音楽史・自分史みたいなアルバムにしようと思いまして。特に、僕が聴いて育った80年代と90年代のあの芳醇な音楽を、今のGLAYと掛け合わせたらどんなサウンドになるんだろうなと考えました。GLAYのメンバーがどんどん50代になる、そんなときをアルバムに刻めたらなと思って。だけど、『FREEDOM ONLY』のレコーディングの最中にコロナ禍に入りまして、全ての作業はストップし、活動自体も全てストップしたんですね。
活動を再開するにあたり、TAKUROはGLAYのデモテープにおよぶ全作品を改めて聴き返したそうだ。
TAKURO:古くは25年ぐらい前のデモテープを掘り起こし、10年前の書きかけのフレーズを掘り起こし。それを形にする時間は十分にありました。そういう意味では、これほどまで長きにわたって制作したアルバムは初めてだと思います。
TAKURO:GLAYは日本のいわゆるロックバンドを模倣するところから始まりました。海外からの影響は、ずっとあとのことです。個人的な話ですが、僕は日本の今で言うシティポップが大好きで。大瀧詠一さん、山下達郎さん、稲垣潤一さんとかを聴くんですけども、そのなかでも“シティポップの貴公子”である山本達彦さんが特に好きです。そういった、まったくもってバンド体験としては関係ないソロシンガーたちの影響が、僕の心の中にすごく根付いています。だけど、実際に現場でやるGLAYのサウンドとしては、そのルーツを持っている人って他のメンバーにあまりいなくて。なので、共通言語としてロックを選びました。
GLAYの生み出すサウンドがどんどん多様化していくなか、メンバーたちは変化に対して軽々と順応していったという。
TAKURO:やっぱり、25年以上やっているバンドの強みですよね。たとえばメンバー1人が何かやりたいとき、それに寄り添う大人的な優しさをGLAYは持ち合わせているんです。そういうものが、『BETTY BLUE』には全部出ていると思うんですよ。大人のたしなみとしての包容力とか優しさといったものを感じたときに、「50歳を迎えて初めて出すアルバムにはこの『BETTY BLUE』がふさわしいのかも」と思いました。当初から、“今のGLAYの充実度”を表すのはこの曲なのかもっていうのはなんとなく感じていましたね。
TAKURO:いつだったかな、デビューしてすぐくらいかな。全国にお客さんが増えるにつけ、何かファンたちに恩返しをしたいという話になって。そうしたら「そうだ、ライブハウスを無料で100日やったら楽しんでもらえるんじゃないか」って言ったんですよ。「ばかやろう、会社が潰れちゃうよ」「タダなんかい」っていうね(笑)。でも、そのピュア過ぎる発想を何十年経っても忘れないんですよね。 あと、『Hypersonic』みたいな私小説的な歌詞って、今はないですよね? みんなある種、ちょっと言い方が悪いけれど、テンプレートで絶対に人を傷つけない歌詞。人間ってもっと喜怒哀楽のあいだにもっと変な感情もある。自分たちの身の回り半径50センチの歌を歌っている人って最近あんま見ないなと思ったので作詞しました。
TAKURO:「もう一歩、人間に対して踏み込んで歌っていきたいな」と思って作った曲です。コロナ禍になってから、民主主義で前に進んでた文化がどんどん逆戻りしてる。そして人間がどんどん分断されていくっていうニュースが流れて、悲しい思いや悔しい思いをすればするほど、曲にしたいエネルギーが増えました。歌で世の中を変えようとは思いませんけど「人は変わるかもしれない」っていう希望は持っていて。『祝祭』を書き上げて、僕が一番このアルバムで言いたかったことができました。人は最後の最後に絶対に間違えるから、間違えた過去を繰り返さないように頑張る。でもそれでも人はまた間違えるんだろうな。それでも諦めない、くじけない。それがたぶん人間の歴史なんだろうなって思います。
TAKURO:コロナ禍でバンドがストップしたときからいつも思っているけど、バンドの表立った活動は止まったとしても、その中身は絶えず動いていたいですね。僕らが高校時代にバンド活動をスタートして、世の中の人たち誰もGLAYを知らなかった。そんななかで、僕らは毎日バンド活動を楽しくやっていたわけです。それでいいと思うし、それがやりたいことなんですよ。GLAYが今できることの全てを並べて僕がひとつだけ選ぶとしたら、このまま死ぬまでワイワイしながらバンドをやること。それ以外のことは、究極いらないとも言えますね。お金を作るんだったら他でもいろいろできると思うし、名誉を得るならもうちょっと違ったやり方もあると思います。僕がGLAYでやりたいことは、気の合った3人と賑やかに「こんな曲どう?」「それLUNA SEAそっくりだな!」「いいじゃないかよ」みたいな(笑)。それでいいんですよ。一番大切なことを、このコロナ禍で改めて確認できました。
GLAYの最新情報は、公式サイトまたは、公式Twitterまで。
『~JK RADIO~TOKYO UNITED』のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」では、トップセラーからモノづくりにかける夢を聞く。放送は毎週金曜の10時40分から。
TAKUROが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『~JK RADIO~TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。オンエアは10月8日(金)。
3年の制作期間を経たアルバムが遂に登場
GLAYは10月6日(水)、通算16枚目のオリジナルアルバム『FREEDOM ONLY』をリリースした。作詞を手掛けるTAKUROがアルバムの制作秘話を語る。TAKURO:自分が50代に突入するにあたり、制作当初は自分の音楽史・自分史みたいなアルバムにしようと思いまして。特に、僕が聴いて育った80年代と90年代のあの芳醇な音楽を、今のGLAYと掛け合わせたらどんなサウンドになるんだろうなと考えました。GLAYのメンバーがどんどん50代になる、そんなときをアルバムに刻めたらなと思って。だけど、『FREEDOM ONLY』のレコーディングの最中にコロナ禍に入りまして、全ての作業はストップし、活動自体も全てストップしたんですね。
活動を再開するにあたり、TAKUROはGLAYのデモテープにおよぶ全作品を改めて聴き返したそうだ。
TAKURO:古くは25年ぐらい前のデモテープを掘り起こし、10年前の書きかけのフレーズを掘り起こし。それを形にする時間は十分にありました。そういう意味では、これほどまで長きにわたって制作したアルバムは初めてだと思います。
今のGLAYの充実度を示した作品をアルバムの1曲目に
続けてTAKUROは、アルバムの1曲目に『BETTY BLUE』を選んだ理由を語った。TAKURO:GLAYは日本のいわゆるロックバンドを模倣するところから始まりました。海外からの影響は、ずっとあとのことです。個人的な話ですが、僕は日本の今で言うシティポップが大好きで。大瀧詠一さん、山下達郎さん、稲垣潤一さんとかを聴くんですけども、そのなかでも“シティポップの貴公子”である山本達彦さんが特に好きです。そういった、まったくもってバンド体験としては関係ないソロシンガーたちの影響が、僕の心の中にすごく根付いています。だけど、実際に現場でやるGLAYのサウンドとしては、そのルーツを持っている人って他のメンバーにあまりいなくて。なので、共通言語としてロックを選びました。
GLAYの生み出すサウンドがどんどん多様化していくなか、メンバーたちは変化に対して軽々と順応していったという。
TAKURO:やっぱり、25年以上やっているバンドの強みですよね。たとえばメンバー1人が何かやりたいとき、それに寄り添う大人的な優しさをGLAYは持ち合わせているんです。そういうものが、『BETTY BLUE』には全部出ていると思うんですよ。大人のたしなみとしての包容力とか優しさといったものを感じたときに、「50歳を迎えて初めて出すアルバムにはこの『BETTY BLUE』がふさわしいのかも」と思いました。当初から、“今のGLAYの充実度”を表すのはこの曲なのかもっていうのはなんとなく感じていましたね。
『Hypersonic』でTERUが持つまっすぐな思いを形にした
アルバムの2曲目である『Hypersonic』では、TERUの本名である「小橋」が歌詞に綴られている。TAKUROは「『Hypersonic』の仮タイトルは『小橋の夢』です(笑)」とも。30年近くTERUの横でギターを弾いているTAKUROは、移動中や打ち上げなどで話した何気ないTERUの言葉を頭のなかに留めていたという。TAKURO:いつだったかな、デビューしてすぐくらいかな。全国にお客さんが増えるにつけ、何かファンたちに恩返しをしたいという話になって。そうしたら「そうだ、ライブハウスを無料で100日やったら楽しんでもらえるんじゃないか」って言ったんですよ。「ばかやろう、会社が潰れちゃうよ」「タダなんかい」っていうね(笑)。でも、そのピュア過ぎる発想を何十年経っても忘れないんですよね。 あと、『Hypersonic』みたいな私小説的な歌詞って、今はないですよね? みんなある種、ちょっと言い方が悪いけれど、テンプレートで絶対に人を傷つけない歌詞。人間ってもっと喜怒哀楽のあいだにもっと変な感情もある。自分たちの身の回り半径50センチの歌を歌っている人って最近あんま見ないなと思ったので作詞しました。
人間の歴史に思いをはせながら制作した『祝祭』
『FREEDOM ONLY』でTAKUROがもっとも力を注いだ曲は『祝祭』だという。GLAY / 祝祭
コロナ禍でバンド結成当時の気持ちを再確認
最後にTAKUROは、これからのGLAYの活動で意識していくことを語った。TAKURO:コロナ禍でバンドがストップしたときからいつも思っているけど、バンドの表立った活動は止まったとしても、その中身は絶えず動いていたいですね。僕らが高校時代にバンド活動をスタートして、世の中の人たち誰もGLAYを知らなかった。そんななかで、僕らは毎日バンド活動を楽しくやっていたわけです。それでいいと思うし、それがやりたいことなんですよ。GLAYが今できることの全てを並べて僕がひとつだけ選ぶとしたら、このまま死ぬまでワイワイしながらバンドをやること。それ以外のことは、究極いらないとも言えますね。お金を作るんだったら他でもいろいろできると思うし、名誉を得るならもうちょっと違ったやり方もあると思います。僕がGLAYでやりたいことは、気の合った3人と賑やかに「こんな曲どう?」「それLUNA SEAそっくりだな!」「いいじゃないかよ」みたいな(笑)。それでいいんですよ。一番大切なことを、このコロナ禍で改めて確認できました。
GLAYの最新情報は、公式サイトまたは、公式Twitterまで。
『~JK RADIO~TOKYO UNITED』のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」では、トップセラーからモノづくりにかける夢を聞く。放送は毎週金曜の10時40分から。
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