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スガ シカオがデビュー前に…曽我部恵一が振り返る思い出「スタジオの端っこに座ってて」

スガ シカオがデビュー前に…曽我部恵一が振り返る思い出「スタジオの端っこに座ってて」

曽我部恵一がスガ シカオと、「夏の終りの海へ向かうドライブ」をテーマに語り合った。

ふたりがトークしたのは、J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。放送は9月19日(日)。

スガと曽我部の意外な出会い

まずはスガが曽我部との意外な出会いを紹介。それは90年代の半ばのスガがデビューする前で、インディーズでCDをリリースしたときだった。

スガ:そのCDが全然売れなくて、タワーレコードのインディーズコーナーで面だししてもらったけど全国で140枚しか売れなかったの。『愛について』とか入ってたんだけど、自分でサウンドプロデュースをやらないとダメだなって思い知らされて。プリンスなんかも好きで、プリンスも17歳くらいのときにエンジニアの修業をしてたから、俺もデビューするにあたりちゃんとエンジニアの勉強をしなきゃいけないと思ったんですね。

スガは知り合いのエンジニアに「エンジニアの現場を見せてくれ」と頼んだという。

スガ:そしたら「湘南のスタジオで大きいレコーディングがあるから見に来てもいいよ」って言われて。そこでレコーディングしていたのが曽我部さん率いるサニーデイ・サービスで。90年代の名盤中の名盤と言われる『東京』を作っていて、俺はそのスタジオでマイクの種類とかドラムのマイクの立て方とかコンプレッサーの使い方とかを見て覚えたりしたんですよね。

曽我部は当時のことを数日前のように覚えていると語る。

曽我部:スタジオの端っこに座ってて、当時のエンジニアが「スガくんっていって、今音楽の勉強をしてるから見せてあげていいよね」って言われて「もちろんです」って。そのときに「どうも」って。後日、そのエンジニアが「この前のスガくんがこういうCD出したよ」ってスタジオに持って来てくれてたんです。
スガ:そうなんだ。
曽我部:みんなで聴いたりして「すごいね」なんて言って。最初に会ったのはそのときで、その後は長いこと会ってないけど、「あの人こんなに頑張ってるんだ」っていうのをみんなで言ってたの。
スガ:ええ! 俺もエンジニアが同じだからサニーデイ・サービスのアルバムをもらってすごくよく聴いてましたね。

夏の終りの平日、海へ。ドライブで聴きたい音楽は?

今回のドライブテーマは「女の子が『海が見たい』と言ったから、夏の終わりの平日に海へ向かうドライブ」。

スガ:夏の終わりの平日……いいっすね。平日、我々は時間ありますからね(笑)。
曽我部:そうなんですよ(笑)。「じゃあ江ノ島?」とか「九十九里もいいね」なんて言ったりして。
スガ:江ノ島とか平日行くと店とか閉めてたりとかしていい感じなんですよね。

そんな曽我部がドライブの1曲目に選んだのは、ベン・ワットの『North Marine Drive』。



曽我部:タイトルとかジャケットも含めて僕の心の一枚なんです。
スガ:俺もベン・ワットすごく好きでいいですよね。ギターが鳴ったときの世界がすごくいいんですよね。超絶なテクニックがあるわけではないんでだけど、弾いたときの世界観がすごくて。
曽我部:本当にすごい。この曲もギター1本でしょ。

曽我部がドライブの2曲目に選んだのはチューリップの『心の旅』。



曽我部:これは車のラジオをひねって流れてきたら最高だなって曲です。
スガ:70年代のここら辺の曲は一曲聴き出すと止まらなくなりますよね。
曽我部:そうなんです。あれもあれもって。
スガ:俺もその沼にハマります。
曽我部:70年代初期って我々の原風景じゃないですか。
スガ:子どもの頃とか高校生、中学生の頃にガッツリ聴いちゃってますからね。
曽我部:こういうのって強烈に自分に植え付けられた音楽ですよね。
スガ:しかも歌本があるとギターの練習とかしちゃうからね。
曽我部:ずっと歌っちゃいますから、危ないですよね。それで気づくと80年代までいってるんですよ。
スガ:あはは(笑)。
曽我部:『関白宣言』とかやっちゃって(笑)。だから危ないですよ。時間がないのにそういうことをやっちゃうから。

男性のシンガーソングライターにとって、父が亡くなるということは…

曽我部恵一は6月にニューシングル『Emotional』を配信リリース。7月には限定プレスのアナログ7インチ・シングルとしてもリリースされた。

曽我部:この曲は、ちょっと湿っぽくなったら嫌なんですけど、5月にうちのお父さんが亡くなったんですよ。ガンだったんです。もうあんまり長くないって母から電話がかかってきたときがあって、僕はツアー中だったんですけどそれを聞いて作った曲なんです。だからレクイエムじゃないけど、近いうちに父が旅立っていくんだなっていうのを感じたときに生まれた曲です。
スガ:僕の父もデビューしてけっこう早い時期に同じようにガンで亡くなって。やっぱりシンガーソングライターって、特に男にとって父親っていう存在がなくなることってけっこう大きい衝撃があったことをすごく覚えてます。(その歌を)書かないようにしててもいろんなものが出てきちゃうんですよね。
曽我部:そうですね。別につらいとか悲しいっていうよりも、いろいろくれてたんだなっていうのは、親が亡くなってから気づくようなことかもしれないですよね。
スガ:そういうことに自分が気づいたことを誰かに表現したり伝えたいって気持ちになっちゃうんですよね。
曽我部:僕らは歌をそれで作りますよね。
スガ:今考えてもすごく大きい波だったなって思いますね。

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今日のドライブ、舞台は江ノ島だったのかも?

曽我部は最後のドライブ曲としてルー・リードの『Coney Island Baby』を選んだ。



スガ:これはきましたね。
曽我部:ドライブが着いたかな。着いた後くらいかもしれない。ゆったりしたメロウな、でもちょっとピリッとする大人の何かがあるなって曲ですね。
スガ:コニー・アイランド(Coney Island)って言ったらニューヨークの江ノ島ですよね。
曽我部:たしかに。
スガ:今日のドライブは江ノ島だったんですよ。コニー・アイランドって遊園地と水族館があるんでしょ。
曽我部:イメージではそんな感じ。行ったことないけど(笑)。
スガ:俺もないけど(笑)。かなり江ノ島に到着な感じですよね。

スガは「僕はルー・リードってほとんど通ってこなかった」と言うと、曽我部も同調する。

曽我部:僕もヴェルヴェット・アンダーグラウンドは大好きなんですけど、ルー・リードはそんなに詳しくはなくて。だからこの曲がたまたまいちばん好きなくらい好きな曲で。長い曲なんですけど、こういうちょっとゆったりしたメロディーのうえで、ほとんどしゃべってる。歌ってないよね、みたいな(笑)。
スガ:ちょっとテンションが上がったりするぞって感じですよね。
曽我部:そうそう。なんか好きな曲なんですよね。

曽我部恵一の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。

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2021年9月26日28時59分まで

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番組情報
Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
毎週日曜
21:00-21:54