近年、よく聞かれる「NFT」や「メタバース」とは何なのか? 新しいカルチャーを生むこれらの意味、そして未来について、エンターテック・コンサルタントで、「ParadeAll」代表の鈴木貴歩さんが解説した。
鈴木さんが登場したのは『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー、あらゆるものの本質に迫る「Allbirds MORNING INSIGHT」。オンエアは9月2日(木)。
・「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2021 supported by CHINTAI」公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/iwf2021/
そんな鈴木さんが最近のトレンドであるNFT(ノン・ファンジブル・トークン)について解説した。
鈴木:NFTはブロックチェーンという技術を活用して、コンテンツ、画像や動画に所有権や流通の証明を与えることで、世界にこの作品はひとつで、誰が所有しているかということを証明するようなテクノロジーです。ある種、現代アートをデジタルで所有しているみたいなイメージに近いです。持っているアートが何個か作られたうちの何番目、ということがデジタルで証明されるテクノロジーになります。
NFTは、今年の1月くらいから急速な盛り上がりを見せている。「ここ数年のクリエイターエコノミーと言われる、世界に向けて自分のコンテンツやエンタメを流通したり販売したりするようになった流れがあるんですが、その延長線上にこのNFTというテクノロジーがガッツリはまって、爆発的に広がっているんだなと考えています」と、鈴木さんは語った。
鈴木:コロナでさまざまなエンタメやスポーツが苦境に立たされる一方で、デジタルにも価値を感じることができるミレニアル世代やZ世代といった世代に向けてのコンテンツ流通の新たな形として受け入れられたんじゃないかと思っています。二次流通といったトレーディングも含めて、彼らは自分たちの世代のアートフォームとして楽しんでいるんじゃないかなという風に考えています。
別所:アートに限らず映画、ドラマといった動画のコンテンツ、それから声、キャラクター、ゲームの世界にも拡大しています。今後のNFTのトレンド、可能性を探るとどんな価値づけが生まれてくるんでしょうか。
鈴木:3つあると思っています。1つ目は著作権の共同所有です。NFTを通じて、いままでだと著作者というのは1人もしくは数人、数社というところが、たとえば100人のNFTフォルダーが著作権を共同所有するような、そういったアートなどが生まれてくるんじゃないかなと思っています。2つ目はNFTを所有している人たちのグローバルコミュニティというのが生まれ始めてきまして、そういったコミュニティがさらに独自の活動をおこなうというのが増えてくるのかなと思います。3つ目に、ぜひ起こってほしいのがNFTならではの表現をおこなう次世代のアーティストが生まれてほしいと思っています。
メタバース上にグローバル文化都市「メタトーキョー」を作るプロジェクトが発足した。アソビシステム株式会社、ParadeALL株式会社、Fracton Ventures株式会社の三社によるものだ。
別所:鈴木さんも関わられているメタバースのプロジェクト「メタトーキョー」。仮想空間の土地を購入するんですか?
鈴木:先ほどお話させていただいたNFTを活用したメタバースになんです。そこでは仮想空間のなかの土地もNFTとして買えますし、服だったりアクセサリーだったり、建物だったりすべてがNFTとして購入できます。メタトーキョーとして、東京の敷地となる土地をプロジェクトで購入しました。
別所:こうやってまさに仮想空間のものを買う時代ということなんですが、そこではなにができてなにが起こるんでしょうか?
鈴木:バーチャルライブ、バーチャルミュージアムといった現実で楽しめるエンターテイメントの空間もできます。そのなかでゲームや日本のブランドやテクノロジーをショーケースする場としても活用していきたいなと思っています。
別所:コンテンツプロバイダーの役割は変わっていくんでしょうか?
鈴木:わたくしどもが土地を買った「Decentraland(ディセントラランド)」というNFTを活用したメタバースは、ある種財団として運営しています。利益を追求するというよりは、そのメタバース全体がなめらかに動くように調整をしていくだけの立ち位置です。いままでのデジタルプラットフォームとはちょっとまた違う位置づけになってきます。オープンなメタバースであるので、誰もが土地を購入して自分たちの建物を建てて、好きなことができるということで、そういった新たな表現をしやすい空間、新たなカルチャーが生まれやすい空間になると思います。
Meta Tokyoについて「利益だけを追求するのではなくて、世界に開けた仮想空間ということを前面に打ち出して、世界に向けて東京の魅力やカルチャーを伝える場にするということを第一に考えている」と、話す鈴木さん。ユーザーはどのような楽しみ方ができるのだろうか?
鈴木:デジタルなので移動しなくてもライブに参加できたり、展覧会を観たりということができます。あとはアートミュージアムとして機能した場合は、そこから自分の好きなアートを買ったりもできます。ある種、いま実生活でできていることの大部分がこのメタバースのなかでもできたり、楽しめたりするようになる可能性があります。
別所:グローバル文化都市メタトーキョーを作り出す。これ、メタバースというのはある意味、新しい都市を作り出して、そこに新しいカルチャーやトレンドが生まれると考えていいんでしょうか。
鈴木:そのとおりです。メタトーキョーの隣にはまた違った方が土地を買って、そこにショッピング・ディストリクト(商店街)を建てるみたいな人たちが多くいるんです。将来的にはそういうところもみなさんに回遊していただいて、ある種、空間が国といった概念に近い形になって遊ぶのが当たり前になってくると思っています。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の8時35分頃から。
鈴木さんが登場したのは『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー、あらゆるものの本質に迫る「Allbirds MORNING INSIGHT」。オンエアは9月2日(木)。
NFTが加速した要因
鈴木さんはエンターテック=エンターテイメントとテクノロジーの結合を加速させるべく、それぞれの領域のコンサルティング、メディア運営、カンファレンス主催、海外展開支援を展開。今年も開催が発表されたJ-WAVEの音楽とテクノロジーの祭典「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2021 supported by CHINTAI」にも登壇することが発表された。・「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2021 supported by CHINTAI」公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/iwf2021/
そんな鈴木さんが最近のトレンドであるNFT(ノン・ファンジブル・トークン)について解説した。
鈴木:NFTはブロックチェーンという技術を活用して、コンテンツ、画像や動画に所有権や流通の証明を与えることで、世界にこの作品はひとつで、誰が所有しているかということを証明するようなテクノロジーです。ある種、現代アートをデジタルで所有しているみたいなイメージに近いです。持っているアートが何個か作られたうちの何番目、ということがデジタルで証明されるテクノロジーになります。
NFTは、今年の1月くらいから急速な盛り上がりを見せている。「ここ数年のクリエイターエコノミーと言われる、世界に向けて自分のコンテンツやエンタメを流通したり販売したりするようになった流れがあるんですが、その延長線上にこのNFTというテクノロジーがガッツリはまって、爆発的に広がっているんだなと考えています」と、鈴木さんは語った。
鈴木:コロナでさまざまなエンタメやスポーツが苦境に立たされる一方で、デジタルにも価値を感じることができるミレニアル世代やZ世代といった世代に向けてのコンテンツ流通の新たな形として受け入れられたんじゃないかと思っています。二次流通といったトレーディングも含めて、彼らは自分たちの世代のアートフォームとして楽しんでいるんじゃないかなという風に考えています。
別所:アートに限らず映画、ドラマといった動画のコンテンツ、それから声、キャラクター、ゲームの世界にも拡大しています。今後のNFTのトレンド、可能性を探るとどんな価値づけが生まれてくるんでしょうか。
鈴木:3つあると思っています。1つ目は著作権の共同所有です。NFTを通じて、いままでだと著作者というのは1人もしくは数人、数社というところが、たとえば100人のNFTフォルダーが著作権を共同所有するような、そういったアートなどが生まれてくるんじゃないかなと思っています。2つ目はNFTを所有している人たちのグローバルコミュニティというのが生まれ始めてきまして、そういったコミュニティがさらに独自の活動をおこなうというのが増えてくるのかなと思います。3つ目に、ぜひ起こってほしいのがNFTならではの表現をおこなう次世代のアーティストが生まれてほしいと思っています。
「仮想空間」の土地を購入…どういうこと?
近年注目度が固まる「メタバース」は、SF作家のニール・スティーヴンスンが1992年発表した小説『スノウ・クラッシュ』で使用した言葉。「CGで作られた仮想空間、そのなかに多人数のプレイヤーが同時接続して、さまざまな体験ができるプラットフォームのこと」だという。メタバース上にグローバル文化都市「メタトーキョー」を作るプロジェクトが発足した。アソビシステム株式会社、ParadeALL株式会社、Fracton Ventures株式会社の三社によるものだ。
別所:鈴木さんも関わられているメタバースのプロジェクト「メタトーキョー」。仮想空間の土地を購入するんですか?
鈴木:先ほどお話させていただいたNFTを活用したメタバースになんです。そこでは仮想空間のなかの土地もNFTとして買えますし、服だったりアクセサリーだったり、建物だったりすべてがNFTとして購入できます。メタトーキョーとして、東京の敷地となる土地をプロジェクトで購入しました。
別所:こうやってまさに仮想空間のものを買う時代ということなんですが、そこではなにができてなにが起こるんでしょうか?
鈴木:バーチャルライブ、バーチャルミュージアムといった現実で楽しめるエンターテイメントの空間もできます。そのなかでゲームや日本のブランドやテクノロジーをショーケースする場としても活用していきたいなと思っています。
別所:コンテンツプロバイダーの役割は変わっていくんでしょうか?
鈴木:わたくしどもが土地を買った「Decentraland(ディセントラランド)」というNFTを活用したメタバースは、ある種財団として運営しています。利益を追求するというよりは、そのメタバース全体がなめらかに動くように調整をしていくだけの立ち位置です。いままでのデジタルプラットフォームとはちょっとまた違う位置づけになってきます。オープンなメタバースであるので、誰もが土地を購入して自分たちの建物を建てて、好きなことができるということで、そういった新たな表現をしやすい空間、新たなカルチャーが生まれやすい空間になると思います。
Meta Tokyoについて「利益だけを追求するのではなくて、世界に開けた仮想空間ということを前面に打ち出して、世界に向けて東京の魅力やカルチャーを伝える場にするということを第一に考えている」と、話す鈴木さん。ユーザーはどのような楽しみ方ができるのだろうか?
鈴木:デジタルなので移動しなくてもライブに参加できたり、展覧会を観たりということができます。あとはアートミュージアムとして機能した場合は、そこから自分の好きなアートを買ったりもできます。ある種、いま実生活でできていることの大部分がこのメタバースのなかでもできたり、楽しめたりするようになる可能性があります。
別所:グローバル文化都市メタトーキョーを作り出す。これ、メタバースというのはある意味、新しい都市を作り出して、そこに新しいカルチャーやトレンドが生まれると考えていいんでしょうか。
鈴木:そのとおりです。メタトーキョーの隣にはまた違った方が土地を買って、そこにショッピング・ディストリクト(商店街)を建てるみたいな人たちが多くいるんです。将来的にはそういうところもみなさんに回遊していただいて、ある種、空間が国といった概念に近い形になって遊ぶのが当たり前になってくると思っています。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の8時35分頃から。
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2021年9月9日28時59分まで
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番組情報
- J-WAVE TOKYO MORNING RADIO
-
月・火・水・木曜6:00-9:00
-
別所哲也