ユニコーンの奥田民生が、ニューアルバム『ツイス島&シャウ島』や、音楽の“パクり”表現について語った。
奥田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは8月6日(金)。
【前週のオンエア】奥田民生が改めて感じた、YMOのすごさ「音触りがアナログだな、と」
奥田:このアルバムには『ツイス島&シャウ島』って曲があるんですけど、あるところに踊りが好きな人たちがいるツイス島があって、そこに近いところに歌が好きな人たちがいるシャウ島があって、「それが集まってロックンロールができたんじゃ」みたいなストーリーです。
クリス:ツイス島とシャウ島の合同イベントが繰り広げられるわけですね。
アルバム『ツイス島&シャウ島』はメンバー全員が作詞作曲を担当。ボーカルを含めた楽器パートが楽曲ごとに入れ替わる。
奥田:ユニコーンはみんなガンガン作るし、自分が作って自分がプロデュースして進めていくようなことがあるんですけど、自分が作ったけどこの人が歌ってよ、みたいなことがあったほうが面白いので、そういうのも増やしたり。そこをやりながら微調整しつつやってます。
クリス:ユニコーンはみんなのパートができちゃう感じですよね。
奥田:ドラムの川西(幸一)なんて、自分の曲を作って持って来たときは、自分でドラムを叩く気はゼロですからね。「民生よろしく」みたいな。
番組では、『ツイス島&シャウ島』収録の『スペースカーボーイズ』をオンエアした。
クリス:もう別ですよね。日本で売れる曲もあるけど、アメリカのビルボードでトップ10だから日本でヒットするかというと全然そんなことはなくて。
奥田:日本は全然無視してるじゃんって思ったり。だいぶ前だけどニューヨークに行ったとき、ずっとラジオで流れていた曲とか、日本に帰ってきたら一切聴かなかったりしていて、面白いなと思いましたね。
クリス:アンダーワールドのツアーマネージャーかなんかの人が、昔はイギリスとアメリカの音楽は世界のどこに行ったってみんな聴いてたし、たとえばフェスなんかに行くと、昔は必ずアメリカかイギリスのビッグバンドがヘッドライナーだったけど、今は日本だろうがヨーロッパだろうが、ヘッドライナーは地元のバンドだ、みたいな。
奥田:盛り上がればいいんだろうけど、音楽も世の中にたくさんあるから昔のやつをどれだけでも掘り下げられるし。
奥田は「俺としては、昔みたいにアメリカはすごいところであってほしい」「アメリカでめっちゃ流行っているやつを日本でパクってみんなそれになっちゃって、みたいな世界ってけっこう好きだった」と思いを述べる。
奥田:向こうでこれが流行っているって言って、日本で流行りだしてみんなそれをちょっとずつ変えていくみたいなのって俺が小学生、中学生の頃って正直めちゃくちゃあったじゃないですか。ああいうのって僕的にはすごく好きで。だから今でも許してもらえるならパクって生きていきたいですもん(笑)。そういう文化って絶対あるんですよ。
クリス:やっぱりバトンだから。
奥田:ザ・ビートルズも最初はそればっかりやってたんですから。
クリス:今はアメリカでパクり訴訟がすごく多いけれども、基本的に陪審員は音楽の素人ですからね。
奥田:今の言い方で昔の音楽を語ったら、ロックンロールはやっちゃダメだってなりますよね。
クリス:そうそう。そこのあたりも問題になっていて、音楽の歴史がわかる人たちから言わせると、パクってパクられ変異していくものが音楽で、特にポップスはそうだって。
奥田:パクるって言葉がいけないんだよな。僕は好んで使うけど。
クリス:日本では匠の技を盗めって言葉もありますからね。
奥田:カッコよく言うと、教えはしないけど勝手に盗めっていうやつじゃないですか。それをやってるのに「パクった」って言われるから、言い方がいけないのかな(笑)。伝承を勝手にしました、みたいな。
奥田は「僕が好きなアーティストは、結果そういうことが上手な人」と語り、独自の“パクり”論を展開する。
奥田:いろいろなものを取り入れつつ、オリジナルを出す。最初からオリジナルな人はうまみもないんですよね。
クリス:ないですよね。導かれないかもしれない。
奥田:俺がミュージシャンとしてこれから何年か生きていかなきゃいけないので、こういう発言をしないとやりづらい。なんて言ったらいいんですかね。
クリス:オマージュというかリスペクトというか。
奥田:パクり方を見てねっていうことなんですよ。
クリス:バレないように姑息にやるんじゃなくて、俺はこれが大好きだ、最高じゃんって。
奥田:だって本当はバレたいんですもん。だけど、うまく違うところに戻ったね、とかそういう技術を俺は評価してほしいんですよ。基本的にはパクっているんですよ。
クリス:でも、そういうのはリスペクトなんじゃないかな。
奥田はアルバム『ツイス島&シャウ島』は「タイトルからして(『ツイスト・アンド・シャウト』を)パクってる」と笑う。
奥田:「ツイスト・アンド・シャウト」っていい言葉ですよね。リズム&ブルースだの、ジャンルになりそうな言葉で。
クリス:今回のアルバムはロックンロールのオマージュというか、ユニコーンのルーツはロックンロールにあるから原点回帰ですよね。
奥田:そうです。俺たち的には毎回アルバムを作るときに、テーマとか縛りがあったほうがやりやすいって言って考えるんですけど、今回は原点に戻ろうじゃないですけど、とにかくシンプルなロックンロールアルバムと言えるものを作ろうぜ、みたいなところから始まっているんですよ。それぞれのメンバーがロックンロールってどういう解釈なのかって違うから。
ユニコーンは8月28日(土)からニューアルバム『ツイス島&シャウ島』をひっさげたツアー「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」」がスタートする。そのほかの最新情報は、公式サイトまたは、公式Twitterまで。
『SAPPORO BEER OTOAJITO』の放送は毎週金曜23時から。
奥田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは8月6日(金)。
【前週のオンエア】奥田民生が改めて感じた、YMOのすごさ「音触りがアナログだな、と」
メンバー全員がアルバムの作詞作曲を担当
ユニコーンは8月18日(水)にニューアルバム『ツイス島&シャウ島』をリリース。奥田:このアルバムには『ツイス島&シャウ島』って曲があるんですけど、あるところに踊りが好きな人たちがいるツイス島があって、そこに近いところに歌が好きな人たちがいるシャウ島があって、「それが集まってロックンロールができたんじゃ」みたいなストーリーです。
クリス:ツイス島とシャウ島の合同イベントが繰り広げられるわけですね。
アルバム『ツイス島&シャウ島』はメンバー全員が作詞作曲を担当。ボーカルを含めた楽器パートが楽曲ごとに入れ替わる。
奥田:ユニコーンはみんなガンガン作るし、自分が作って自分がプロデュースして進めていくようなことがあるんですけど、自分が作ったけどこの人が歌ってよ、みたいなことがあったほうが面白いので、そういうのも増やしたり。そこをやりながら微調整しつつやってます。
クリス:ユニコーンはみんなのパートができちゃう感じですよね。
奥田:ドラムの川西(幸一)なんて、自分の曲を作って持って来たときは、自分でドラムを叩く気はゼロですからね。「民生よろしく」みたいな。
番組では、『ツイス島&シャウ島』収録の『スペースカーボーイズ』をオンエアした。
ユニコーン 『スペースカーボーイズ』Music Clip
昔と今の音楽シーンの違い
音楽談義に花を咲かせるふたりは、アメリカのヒットチャートの話題に。「最近、アメリカで人気の曲だからといって日本でも売れるわけではなくなった」と奥田が言うと、クリスも同調した。クリス:もう別ですよね。日本で売れる曲もあるけど、アメリカのビルボードでトップ10だから日本でヒットするかというと全然そんなことはなくて。
奥田:日本は全然無視してるじゃんって思ったり。だいぶ前だけどニューヨークに行ったとき、ずっとラジオで流れていた曲とか、日本に帰ってきたら一切聴かなかったりしていて、面白いなと思いましたね。
クリス:アンダーワールドのツアーマネージャーかなんかの人が、昔はイギリスとアメリカの音楽は世界のどこに行ったってみんな聴いてたし、たとえばフェスなんかに行くと、昔は必ずアメリカかイギリスのビッグバンドがヘッドライナーだったけど、今は日本だろうがヨーロッパだろうが、ヘッドライナーは地元のバンドだ、みたいな。
奥田:盛り上がればいいんだろうけど、音楽も世の中にたくさんあるから昔のやつをどれだけでも掘り下げられるし。
奥田は「俺としては、昔みたいにアメリカはすごいところであってほしい」「アメリカでめっちゃ流行っているやつを日本でパクってみんなそれになっちゃって、みたいな世界ってけっこう好きだった」と思いを述べる。
奥田:向こうでこれが流行っているって言って、日本で流行りだしてみんなそれをちょっとずつ変えていくみたいなのって俺が小学生、中学生の頃って正直めちゃくちゃあったじゃないですか。ああいうのって僕的にはすごく好きで。だから今でも許してもらえるならパクって生きていきたいですもん(笑)。そういう文化って絶対あるんですよ。
クリス:やっぱりバトンだから。
奥田:ザ・ビートルズも最初はそればっかりやってたんですから。
クリス:今はアメリカでパクり訴訟がすごく多いけれども、基本的に陪審員は音楽の素人ですからね。
奥田:今の言い方で昔の音楽を語ったら、ロックンロールはやっちゃダメだってなりますよね。
クリス:そうそう。そこのあたりも問題になっていて、音楽の歴史がわかる人たちから言わせると、パクってパクられ変異していくものが音楽で、特にポップスはそうだって。
奥田:パクるって言葉がいけないんだよな。僕は好んで使うけど。
クリス:日本では匠の技を盗めって言葉もありますからね。
奥田:カッコよく言うと、教えはしないけど勝手に盗めっていうやつじゃないですか。それをやってるのに「パクった」って言われるから、言い方がいけないのかな(笑)。伝承を勝手にしました、みたいな。
奥田は「僕が好きなアーティストは、結果そういうことが上手な人」と語り、独自の“パクり”論を展開する。
奥田:いろいろなものを取り入れつつ、オリジナルを出す。最初からオリジナルな人はうまみもないんですよね。
クリス:ないですよね。導かれないかもしれない。
奥田:俺がミュージシャンとしてこれから何年か生きていかなきゃいけないので、こういう発言をしないとやりづらい。なんて言ったらいいんですかね。
クリス:オマージュというかリスペクトというか。
奥田:パクり方を見てねっていうことなんですよ。
クリス:バレないように姑息にやるんじゃなくて、俺はこれが大好きだ、最高じゃんって。
奥田:だって本当はバレたいんですもん。だけど、うまく違うところに戻ったね、とかそういう技術を俺は評価してほしいんですよ。基本的にはパクっているんですよ。
クリス:でも、そういうのはリスペクトなんじゃないかな。
奥田はアルバム『ツイス島&シャウ島』は「タイトルからして(『ツイスト・アンド・シャウト』を)パクってる」と笑う。
奥田:「ツイスト・アンド・シャウト」っていい言葉ですよね。リズム&ブルースだの、ジャンルになりそうな言葉で。
クリス:今回のアルバムはロックンロールのオマージュというか、ユニコーンのルーツはロックンロールにあるから原点回帰ですよね。
奥田:そうです。俺たち的には毎回アルバムを作るときに、テーマとか縛りがあったほうがやりやすいって言って考えるんですけど、今回は原点に戻ろうじゃないですけど、とにかくシンプルなロックンロールアルバムと言えるものを作ろうぜ、みたいなところから始まっているんですよ。それぞれのメンバーがロックンロールってどういう解釈なのかって違うから。
ユニコーンは8月28日(土)からニューアルバム『ツイス島&シャウ島』をひっさげたツアー「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」」がスタートする。そのほかの最新情報は、公式サイトまたは、公式Twitterまで。
『SAPPORO BEER OTOAJITO』の放送は毎週金曜23時から。
番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
毎週金曜23:00-23:30