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吉岡里帆×犬山紙子が対談。「20代での介護経験」を振り返る

吉岡里帆×犬山紙子が対談。「20代での介護経験」を振り返る

吉岡里帆と犬山紙子がJ-WAVEで対談。お互いに好きな漫画の話で盛り上がり、犬山の歩みやライフスタイルにも迫った。20代で介護をした経験や、夫婦円満でいるための方法とは。

トークが繰り広げられたのは、J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。オンエアは8月1日(日)。

子どもの頃にハマった漫画で意気投合

コラムリスト、エッセイストの犬山紙子は『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社)や『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)などの著書を出版するとともに、雑誌やWEB媒体などで連載を担当。テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍している。まず吉岡は、犬山の幼少期について訊いた。

吉岡:犬山さんは6歳までは大阪、14歳までは兵庫、そのあとは宮城で過ごされたそうですね。どんなお子さんでしたか?
犬山:子どもの頃はめちゃくちゃ気が強かったです。今も気は強いんですけども(笑)。男子とかに決闘を挑んでいました。
吉岡:(笑)。
犬山:やったことは主に腕相撲だったんですけども、すごく勝気な女の子でしたね。
吉岡:なるほど。当時惹かれた漫画、ゲーム、書籍などを教えてください。
犬山:少女時代は、漫画だと、『幽☆遊☆白書』っていう……。
吉岡:大好きです、『幽☆遊☆白書』!
犬山:ご存知ですか(笑)! 小学校6年生のときに『幽☆遊☆白書』に出会って、はじめて二次元のキャラクターに恋をしたの。
吉岡:『幽☆遊☆白書』がはじまりなんですね!
犬山:飛影というキャラクターに恋をして、「なんで現実に飛影はいないんだろう」ってことを思っていました。
吉岡:(笑)。
犬山:そこから漫画の作者である冨樫義博先生のファンになって。大人になってから考えてみると、桑原和真が『幽☆遊☆白書』のなかではいい男なんじゃないかって思うんですよ。
吉岡:たしかに。すっごくわかります!
犬山:一途ですよね。
吉岡:桑原はいい男。熱いしあたたかいし、一途。信頼できますよね。
犬山:そうなんです。まさか桑原の話を吉岡さんとできるとは(笑)。
吉岡:(笑)。
犬山:吉岡さんのお好きな漫画を聞いてもいいですか?
吉岡:弟からの影響だと、『HUNTER×HUNTER』が好きです。
犬山:冨樫先生作品ですね!
吉岡:母から影響を受けた少女漫画だと、岩館真理子さんの作品ですね。自分の世代で好きな漫画なら『君に届け』です。あと、矢沢あいさんの漫画は鉄板。大好きです。
犬山:矢沢あいさんの『ご近所物語』を、このあいだ久しぶりに読み返しました。名作ですよね。

介護をする側にも周りからのサポートは必要

犬山は20代の頃に千台の出版社で編集者として勤務。しかし、母の介護のために退職を決意したという。

吉岡:「20代の頃は“自分らしさ”を押し殺して過ごしていた時期がある」とおっしゃったそうですね。この期間の過ごし方というか、心の変化に興味があります。
犬山:私が20歳のときかな? 母が難病になったということがわかって、介護生活がスタートしたんですね。車椅子生活になって、そこから寝たきりになったのですが、今も母は健在です。20代って、仕事も遊びもしたい時期じゃないですか。
吉岡:そうですね。
犬山:編集者になることも、私にとっては夢だったんです。その仕事ができなくなって、私は母を介護することになりました。母との関係はよかったし、好きだったので介護すること自体に喜びはもちろんありました。ですけども、周りの友だちはSNSのmixiで「仕事に行ってきた」みたいな日記を書いているんですよ。そういうのを見るたびに、心のどこかがチクっとして。「私もキャリアを積みたかったな」と思ったし、デートをしている子を見ても「いいなあ」と思っていました。

犬山は介護をする側にもサポートが必要だと語った。

犬山:今はヤングケアラー(家族の介護や世話を担う18歳未満の子ども)という言葉がやっと出てきていますよね。あれは10代の人たちのことを指していますけども、やっぱり20代も周りからの支援が必要な存在ではあるんですよね。難病を抱えた人の支援制度はあるんですけど、その人を介護する人たちもいろんなものを抱えるんですよね。「仕事を辞めたほうがいいんだろうか」「これからのキャリアはどうしよう」みたいなことを言える制度が必要だったんだろうなって、今になって思います。

母の介護の合間に創作活動を続けてデビュー

犬山は、介護生活を続けていくなかで作家デビューに至った転換期を振り返った。

吉岡:当時、東京と仙台を往復する生活だったそうですね。この大変な時期を脱却した方法や実践したことがあれば、ぜひ教えてください。
犬山:私の場合、3人きょうだいだったことと、ヘルパーさんがたくさん来てくださったことです。それだけの話なんですけど、介護をしているあいだ「何かを表現したい」という気持ちがずっと私のなかにあって。当時は、「子どもの頃に大好きで救われた漫画を自分も描けるようになりたい」と思っていました。ヘルパーさんが来てくれている、夕方の3時間のあいだとかを執筆の時間にあてて。描いた作品を出版社に持ち込んだり賞に送ったりしたんですが、軒並みだめで(笑)。
吉岡:本当に厳しい世界なんですね。
犬山:当時、日常をブログに載せる人はたくさんいたんですけど、イラストと文章を交えた「読んでもらうためのコンテンツ」はそんなになかった時代だったんですね。それで、ブログでやってみようかなと思ったんです。ブログで書いた1つの記事がTwitterでそこそこ広まって、そこからやっと「本を出しましょうか」という話になりました。
吉岡:すごい話ですね。

家事・育児・仕事…夫婦の負担が均等になるように

犬山は2014年に音楽プロデューサー・劔 樹人と結婚。夫婦生活を送るうえで夫に対して八つ当たりをしてしまったことなどをきっかけに2人でカウンセリングに通い始めるなど、夫婦円満の秘訣について語ったインタビュー等も話題になった。

吉岡:妊娠中に出産後の計画というか、夫婦でのルールをいろいろと決めていたそうですね。「賢い!」って思いました。実際に起こってみないとわからないことっていっぱいあると思うんですけど、家事の分担とかもいろいろと決められていたと伺って。
犬山:そうですね。最初は夫が家事を担当していて、私が家賃などお金を払うことでトントンにしていたんです。だけど、子どもを産んでからも全部の家事をやってもらうのって、夫が大変過ぎるじゃないですか。お金がどうとかって話ではなくなったので、分担を見直すことになったんです。お互いの一日の仕事量がトントンになるようにというか、家事とか育児とか仕事といった、トータルの負担が同じになるような振り分けをしました。

お互いの仕事量が多い状況になった場合は、ベビーシッターや家事代行サービスに頼るそうだ。犬山は「私にとってはかけがえのない家族のような存在」とコメントした。

吉岡:ずっと同じ方にお願いして、顔見知りになっているってことですか?
犬山:ずっと同じ人です。
吉岡:安心感があっていいですね。
犬山:そうなんですよ。最近はコロナ禍もあって、なかなかお願いできないんですけどね。その方は70歳ぐらいの方なんですけど、めっちゃ韓流アイドルが大好きで。一緒に「推し語り」ができるんですよ。
吉岡:楽しい(笑)!
犬山:いつも「こんな年齢の重ね方をしたいな」って思うぐらい、毎日が楽しそうな方で。会うのが楽しみなんですよ。来てくださる方との相性もあるんだと思います。

人との対話が苦しみや悩みから抜け出すヒントに繋がる

吉岡と犬山は「苦しみや悩みから脱却する方法」について話した。

吉岡:私はいつどんな悩みが訪れるかわからないし、心のキャパシティをとにかく広げたいと思っているタイプなんですね。犬山さんはインタビューで「人と会う」と答えていたのですが、それが印象に残っていて。しかも、自分とは全然違う人たちと会って話す。「これも努力のひとつだな」とすごく感じました。こういう時代だから会いづらくはなっているけれど、犬山さんのエッセイを読ませていただくと、コミュニケーションが重要だなと思いまして。今回は紙子さんからそこをとても学びました。
犬山:本当にありがとうございます。不安とか悩みって、1人で抱えると耐えられないんですね。だけど、誰かとわかち合ったり手を繋いだら、急に乗り越えられそうなものになるなってことを、介護だったりさまざまな経験を通して気付いたんです。なので自然と、「人に会う」と答えました。今もこうやって吉岡さんとお会いして話したことで、私のなかで1つの“大きな部屋”が生まれたなと。そんな気持ちです。
吉岡:いやいや。恐縮です。ありがとうございます。
犬山:こちらこそです。

犬山紙子の最新情報は公式Twitterまで。

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。

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