稲川淳二が、J-WAVEでスガ シカオと対談。スガも驚く怪談話を繰り広げた。
稲川が登場したのは7月4日(日)に放送された『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ふたりは空想の「怪談ドライブ」を繰り広げた。
稲川淳二のプロフィールについて、スガは「Hi, Mercedes」と話しかけるだけで起動する対話型インフォテイメント・システム「MBUX」に尋ねる。
MBUX:稲川は1947年生まれ。東京都渋谷区恵比寿出身。70年半ばからラジオパーソナリティ、俳優、お笑いタレントとして活動。ラジオ番組で披露した会談が怖いと大きな反響を得る。80年代には怪談を収録したカセットテープを発売し、高セールスを記録。1993年のお盆、8月13日の金曜日に神奈川・川崎で開催された異色のイベント「川崎ミステリーナイト」が完売となりながらも、当日券を求める長蛇の列ができる騒ぎになり、翌年には単独公演が実現。1995年以降は全国ツアー「稲川淳二の怪談ナイト」へと発展していく。
スガ:「怪談ナイト」は今年で29年目なんですね。僕も3回くらい観させてもらったんですけど、あれは重労働ですよね。
稲川:ひとりでやってるから、逆に言うと自分の気分でできるじゃないですか。
スガ:「怪談ナイト」のメニューをその日に変えたりするじゃないですか。
稲川:場合によってね。
そこから「庄野さんと言えば……」と会談話を繰り広げる。
稲川:1982年にホテルニュージャパンの火災でたくさんの人が亡くなった事故がありましたよね。あの頃のホテルニュージャパンってたくさんの音楽事務所が入っていたんですよ。あの火事が起こる少し前、仕事が終わった庄野真代さんはホテルニュージャパンに自分の事務所もあるものだから自分の部屋に入ったんですよね。その日、何だか知らないけれど夜中にふっと目が覚めて。向こうで「コンコン」と誰かがノックをする音が聞こえる。また「コンコン」とノックをする音が聞こえたから「自分の部屋かな?」と思って、起き上がって確かめたらノックの音は自分の部屋だったんです。
庄野がチェーンの隙間からドアを開けると、そこにはおじいさんが立っていたそうで、「夜分にすみません。聞いていただきたいお話があるんですが、よろしいでしょうか?」と言ったという。品のいいおじいさんで、危険でもなさそうだと感じた庄野は、そのおじいさんと一緒に1階のガラス張りの場所へと向かった。
稲川:おじいさんは「初めてで申し訳ないんだけど、実は私は長くここにいたものなんですが、訳があってここを去ることになった。ただ気になることがあって、私が去ったあとに大変な出来事が起こるのでそれをみなさんに伝えてもらえないだろうか」って言ったんです。庄野さんが「それは何ですか?」って言ったら、内容は言いにくいみたいなんです。ただ「大変なことが起こるので、みなさんに気を付けるように言ってください」って言って頭を下げたから、庄野さんも「わかりました」と頭を下げて。
その後、庄野は建物から出ていくおじいさんを見送る。
稲川:1階はガラス張りだから外が見えるわけですよね。でも、おじいさんが出た瞬間、「あれ、見えない。あの人どこに行っちゃったんだろう」と思いながら自分の部屋に戻って。でも妙な感触があって、ベッドを見たら誰か寝てる。「部屋を間違っちゃった」と思って、部屋を出ようとしたら自分のバッグがあるんですよ。もう一度部屋の番号を確かめたら自分の部屋で間違ってない。誰が寝てるんだろうと思って、もう一度部屋に入ってよく見たら、寝てるのは自分だったと言うんです。
スガ:うわ、怖っ!
稲川:庄野さんが「どういうことなんだろう」と思ってたら、すっとまるで重なるようにして寝ている自分と自分がひとつになったって言うんです。翌朝目が覚めて「おかしな夢を見たな」と思ってスタッフに「実は夢だか何かでおかしなことがあった」と行ったら、「それは絶対に夢ですよ」って笑われて。でもそこから1週間もしないで、あの火事になったんです。
スガ:誰だったの、怖い……。
稲川:たぶん住んでたんでしょうね。火事だから出ていったんじゃないですかね。
スガ:稲川さんが紹介した心霊写真が動いたんですよ。「今、動いたよね。これ映像なのかな?」って思って。僕の隣にいるマネージャーも「今、動きましたよね」って言い始めたんです。そうしたら、「動いてるぞ!」みたいな感じで、会場中が気付き始めて、ザワザワして。でも、稲川さんは全然それに関係なくずっとしゃべってて(笑)。
稲川:動くんですよ。何回も見てるんです。
スガ:ええー!
稲川:スライドで心霊写真を映してるけど、そういう昔のスライド機ってなくて苦労してるんですよ。写真も古いまま使っているし。手を加えるとインチキになるじゃないですか。そのためにうちのプロデューサーは苦労して昔のスライド機を5台もキープしてるんです。それがあるから、ちゃんと動くのが見れるんですよね。写真が動かないってうそですよ、絶対に動きますよ。
スガ:だって、動いてたもん。
その心霊写真は、いないはずの人の頭が沼から半分くらい出ている写真だったという。
スガ:稲川さんが「こんなところに人がいるわけがないのに頭が出てますね」って話してるんだけど、次のときには頭がもうちょっと出てるんですよね。
稲川:あれは怪談のツアーが始まってからずっと見せてる写真なんだけど、そもそもは真横を向いていたんですよね。おまけに水から出てるのはギリギリ目までだったんです。その顔がだんだん上がってきて、正面を向いてきたんです。
スガ:怖いんですけど、マジで(笑)。
稲川:それをみなさんが見たいからって言うから、毎回お見せしてるんです。今、あの写真は景色はあるのに、顔だけが薄くなってきちゃったんです。
スガ:そんなことがあるんだ。
稲川:もしかすると、あの顔の本人はそろそろ向こうへ行っちゃうのかな、と思ってね。
稲川:テクニックってないんですよね。普通は話の構成力だから。でも、音楽をやっている人はうまい。だいたい霊を見る人って圧倒的に音楽をやっている人が多いんですよ。「怪談ナイト」って会場と一体となるときなんかは、(音楽のライブと)似たようなところがある。普通の舞台とは違っていて。だから音楽がわかる人はまず間違いなく怪談はうまいですね。
スガ:そうなんだ。
稲川:歌の詞は文章を読むのとは違って心に入ってくるでしょ。だから本当は歌いながら怖い話ができたら最高ですよ。心に入ってくるんですよ。いい話って歌ってますよね。私の怪談の中で感動する優しい話もあるけど、それは言い方を変えてるでしょ? あれは歌に近いんですよね。私は歌えないからダメだけど、歌える方は怪談がうまいですよね。
スガ:へえ。歌に通じるものがあるんですかね。
稲川:よく怪談というと、講談とか落語とか言うけど、落語の怪談は言い方も違うし、怖さよりはむしろ風情や情緒が重視されていますからね。講談も怖いというよりは、その状況を語ることが多い。普通の怪談の方がむしろ怖さという面では怖いんです。でもそれをできる人はきっと私は音楽方面の人だと思うんです。昔から中国は「霊は耳で見る」って言うんですよね。音楽をやる人は耳の感覚がいい人だから感じやすいんです。
スガ:そうか。だからか。
いよいよ7月10日(土)から「MYSTERY NIGHT TOUR 2021 『稲川淳二の怪談ナイト』」がスタート。今年は全国50公演の開催が決定。ぜひ稲川の珠玉の怪談を体感してほしい。稲川淳二の最新情報は、公式サイトまで。
スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。
稲川が登場したのは7月4日(日)に放送された『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ふたりは空想の「怪談ドライブ」を繰り広げた。
「稲川淳二の怪談ナイト」は今年で29年目
大学時代から稲川の大ファンだというスガ。当時、車で稲川の怪談話をよく聴いていたそうで、同乗した友だちからは「クーラーは効かないけど稲川さんの怪談話が流れているから涼しくていいよね」と言われたエピソードを紹介。その後も稲川の怪談話をよく聴いたそうで、デビュー後は自身のミュージックビデオやフェスに出演をしてもらったこともあったという。稲川淳二のプロフィールについて、スガは「Hi, Mercedes」と話しかけるだけで起動する対話型インフォテイメント・システム「MBUX」に尋ねる。
MBUX:稲川は1947年生まれ。東京都渋谷区恵比寿出身。70年半ばからラジオパーソナリティ、俳優、お笑いタレントとして活動。ラジオ番組で披露した会談が怖いと大きな反響を得る。80年代には怪談を収録したカセットテープを発売し、高セールスを記録。1993年のお盆、8月13日の金曜日に神奈川・川崎で開催された異色のイベント「川崎ミステリーナイト」が完売となりながらも、当日券を求める長蛇の列ができる騒ぎになり、翌年には単独公演が実現。1995年以降は全国ツアー「稲川淳二の怪談ナイト」へと発展していく。
スガ:「怪談ナイト」は今年で29年目なんですね。僕も3回くらい観させてもらったんですけど、あれは重労働ですよね。
稲川:ひとりでやってるから、逆に言うと自分の気分でできるじゃないですか。
スガ:「怪談ナイト」のメニューをその日に変えたりするじゃないですか。
稲川:場合によってね。
突然、部屋をノックされて…
稲川は今回の空想ドライブのひとつの地に、トルコ・イスタンブールを選んだ。ある番組の企画で稲川は弟とイスタンブールに行ったときの思い出を語り、庄野真代の楽曲『飛んでイスタンブール』を紹介。そこから「庄野さんと言えば……」と会談話を繰り広げる。
稲川:1982年にホテルニュージャパンの火災でたくさんの人が亡くなった事故がありましたよね。あの頃のホテルニュージャパンってたくさんの音楽事務所が入っていたんですよ。あの火事が起こる少し前、仕事が終わった庄野真代さんはホテルニュージャパンに自分の事務所もあるものだから自分の部屋に入ったんですよね。その日、何だか知らないけれど夜中にふっと目が覚めて。向こうで「コンコン」と誰かがノックをする音が聞こえる。また「コンコン」とノックをする音が聞こえたから「自分の部屋かな?」と思って、起き上がって確かめたらノックの音は自分の部屋だったんです。
庄野がチェーンの隙間からドアを開けると、そこにはおじいさんが立っていたそうで、「夜分にすみません。聞いていただきたいお話があるんですが、よろしいでしょうか?」と言ったという。品のいいおじいさんで、危険でもなさそうだと感じた庄野は、そのおじいさんと一緒に1階のガラス張りの場所へと向かった。
稲川:おじいさんは「初めてで申し訳ないんだけど、実は私は長くここにいたものなんですが、訳があってここを去ることになった。ただ気になることがあって、私が去ったあとに大変な出来事が起こるのでそれをみなさんに伝えてもらえないだろうか」って言ったんです。庄野さんが「それは何ですか?」って言ったら、内容は言いにくいみたいなんです。ただ「大変なことが起こるので、みなさんに気を付けるように言ってください」って言って頭を下げたから、庄野さんも「わかりました」と頭を下げて。
その後、庄野は建物から出ていくおじいさんを見送る。
稲川:1階はガラス張りだから外が見えるわけですよね。でも、おじいさんが出た瞬間、「あれ、見えない。あの人どこに行っちゃったんだろう」と思いながら自分の部屋に戻って。でも妙な感触があって、ベッドを見たら誰か寝てる。「部屋を間違っちゃった」と思って、部屋を出ようとしたら自分のバッグがあるんですよ。もう一度部屋の番号を確かめたら自分の部屋で間違ってない。誰が寝てるんだろうと思って、もう一度部屋に入ってよく見たら、寝てるのは自分だったと言うんです。
スガ:うわ、怖っ!
稲川:庄野さんが「どういうことなんだろう」と思ってたら、すっとまるで重なるようにして寝ている自分と自分がひとつになったって言うんです。翌朝目が覚めて「おかしな夢を見たな」と思ってスタッフに「実は夢だか何かでおかしなことがあった」と行ったら、「それは絶対に夢ですよ」って笑われて。でもそこから1週間もしないで、あの火事になったんです。
スガ:誰だったの、怖い……。
稲川:たぶん住んでたんでしょうね。火事だから出ていったんじゃないですかね。
会場騒然 心霊写真が動いた!?
スガは2年前くらいに行った「怪談ナイト」で不思議な体験をしたと明かす。スガ:稲川さんが紹介した心霊写真が動いたんですよ。「今、動いたよね。これ映像なのかな?」って思って。僕の隣にいるマネージャーも「今、動きましたよね」って言い始めたんです。そうしたら、「動いてるぞ!」みたいな感じで、会場中が気付き始めて、ザワザワして。でも、稲川さんは全然それに関係なくずっとしゃべってて(笑)。
稲川:動くんですよ。何回も見てるんです。
スガ:ええー!
稲川:スライドで心霊写真を映してるけど、そういう昔のスライド機ってなくて苦労してるんですよ。写真も古いまま使っているし。手を加えるとインチキになるじゃないですか。そのためにうちのプロデューサーは苦労して昔のスライド機を5台もキープしてるんです。それがあるから、ちゃんと動くのが見れるんですよね。写真が動かないってうそですよ、絶対に動きますよ。
スガ:だって、動いてたもん。
その心霊写真は、いないはずの人の頭が沼から半分くらい出ている写真だったという。
スガ:稲川さんが「こんなところに人がいるわけがないのに頭が出てますね」って話してるんだけど、次のときには頭がもうちょっと出てるんですよね。
稲川:あれは怪談のツアーが始まってからずっと見せてる写真なんだけど、そもそもは真横を向いていたんですよね。おまけに水から出てるのはギリギリ目までだったんです。その顔がだんだん上がってきて、正面を向いてきたんです。
スガ:怖いんですけど、マジで(笑)。
稲川:それをみなさんが見たいからって言うから、毎回お見せしてるんです。今、あの写真は景色はあるのに、顔だけが薄くなってきちゃったんです。
スガ:そんなことがあるんだ。
稲川:もしかすると、あの顔の本人はそろそろ向こうへ行っちゃうのかな、と思ってね。
怪談をより怖く話すためのテクニックは?
最近、スガはいろいろなところで怖い話をする機会があると話し、稲川に「怪談をより怖く話すためのテクニックは?」と質問した。稲川:テクニックってないんですよね。普通は話の構成力だから。でも、音楽をやっている人はうまい。だいたい霊を見る人って圧倒的に音楽をやっている人が多いんですよ。「怪談ナイト」って会場と一体となるときなんかは、(音楽のライブと)似たようなところがある。普通の舞台とは違っていて。だから音楽がわかる人はまず間違いなく怪談はうまいですね。
スガ:そうなんだ。
稲川:歌の詞は文章を読むのとは違って心に入ってくるでしょ。だから本当は歌いながら怖い話ができたら最高ですよ。心に入ってくるんですよ。いい話って歌ってますよね。私の怪談の中で感動する優しい話もあるけど、それは言い方を変えてるでしょ? あれは歌に近いんですよね。私は歌えないからダメだけど、歌える方は怪談がうまいですよね。
スガ:へえ。歌に通じるものがあるんですかね。
稲川:よく怪談というと、講談とか落語とか言うけど、落語の怪談は言い方も違うし、怖さよりはむしろ風情や情緒が重視されていますからね。講談も怖いというよりは、その状況を語ることが多い。普通の怪談の方がむしろ怖さという面では怖いんです。でもそれをできる人はきっと私は音楽方面の人だと思うんです。昔から中国は「霊は耳で見る」って言うんですよね。音楽をやる人は耳の感覚がいい人だから感じやすいんです。
スガ:そうか。だからか。
いよいよ7月10日(土)から「MYSTERY NIGHT TOUR 2021 『稲川淳二の怪談ナイト』」がスタート。今年は全国50公演の開催が決定。ぜひ稲川の珠玉の怪談を体感してほしい。稲川淳二の最新情報は、公式サイトまで。
スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。
radikoで聴く
2021年7月11日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
-
毎週日曜21:00-21:54
-
スガ シカオ