J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:SKY-HI)のワンコーナー「IMASIA」。1月24日(日)のオンエアでは、台湾でオープンしたZepp New Taipeiの支配人・本多真一郎さんをゲストに招き、台湾音楽シーンの今を訊いた。
SKY-HI:新型コロナの感染拡大以降、台北のライブ事情はどのような状況でしょうか。
本多:つい最近までは立ち席でやれていたのですが、座席に切り替わってきています。
SKY-HI:日本で得る情報ですと、台湾の感染者数はかなり少ないそうですね。
本多:はい。新規感染者はかなり少なくなってきている状態ですね。
SKY-HI:Zepp New Taipeiは2020年7月にオープンされましたけれど、台北にZeppを作ろうと思ったのは、どういった試みがあったのでしょうか。
本多:Zeppホールネットワークとしましては、台湾はJ-POPの需要が高いので、けっこう昔の段階から計画としてはあったんですよ。立地や諸状況が整ったので、ようやくオープンに至ったというのが経緯ですね。
SKY-HI:なるほど。日本のアーティストを招へいするビジョンがあって、Zepp New Taipeiをオープンされたのでしょうか。
本多:招へいとなると、また話が変わってくるんですよね。と言いますのも、台湾には招へいする会社がたくさん存在しているんですよ。ですので、私たちはZepp New Taipeiを「文化のプラットフォーム」として考えております。まず私たちがちゃんとした箱を作って、現地のプロモーターさんたちが日本のアーティストを呼び、経済と文化が循環するスタイルを取っています。
SKY-HI:Zepp New Taipeiは2,000人が収容できるライブハウスとお聞きしました。
本多:そうですね。私たちは中規模会場と呼んでいるのですが、大きなアーティストでもファンクラブミーティングとして、よりファンに近い距離感でライブができます。加えて、ややインディーズ系のアーティストにとっては1つの登竜門になれると思います。「Zeppに行けたから、次はさらに上を目指そう」といった、中間地点、いわゆる“真ん中”を狙ったライブハウスです。
コロナ禍にオープンしたZepp New Taipeiだったが、ローカルでの需要は高まっているという。
本多:日本や韓国といった、海外からのアーティストを呼べないのは大変なことではあるんですけども、台湾のなかにも大勢のアーティストがいらっしゃいます。2020年12月も、毎週末何かしらのイベントやコンサートが入っていました。
SKY-HI:この状況下で頼もしいお話ですね。
本多:とてもありがたいです。
本多:ビビアン・スーさんは台湾において、ものすごい人気を集めています。女優さんであり、歌手でもあり、彼女の歌声はますます美しさに磨きがかかっています。台湾って「泣きメロ」がすごく多く、日本人にとってもグッとくる楽曲も多いんですよ。
SKY-HI:(『Goodbye』を聴いて)まさに、泣きメロですね。
本多:こういった曲調の曲が台湾でも多くて、台湾の人々もこういった音楽を望んでいる傾向にありますね。
SKY-HIから「現在の台湾の音楽シーンではどのようなものが流行っていますか?」という質問に本多さんが答えた。
本多:若い方の間ではヒップホップやR&Bが洗練されてきていて、人気があります。ここ数年は特に顕著ですね。また、昔流行った日本のシティーポップ系も熟成が進んでいるように感じますね。なので、1つ1つの音楽が洗練してきているイメージがありますね。
SKY-HI:音楽に対するメディアの扱いを教えていただけますか?
本多:日本で言う、生放送の音楽テレビみたいなものはないんですよね。代わりにKKBOXやSpotifyといった、音楽のサブスクリプションサービスが活発ですね。あとは、アジア圏は日本に比べてFacebookの利用者が非常に多いので、そちらを利用した宣伝活動が多いです。
SKY-HI:先ほどおっしゃっていましたが、台湾の音楽が洗練されているのは年々感じますよね。
本多:台湾のみならず、中国、シンガポール、マレーシアの方々との繋がり、いわゆる“面”としてのマーケットがものすごく大きいんですよ。そこに向けてみんなが宣伝をしているっていうのが、今のアジアの音楽市場だと思います。
SKY-HI:台湾の音楽レーベル事情はどのような流れなのでしょうか? 全体的にインディーズの流れなんでしょうか。国からのサポートが手厚いそうですね。
本多:そうですね。台湾では文化面の支援が見えやすいと思います。
本多:さきほど、文化のプラットフォームという言葉を使いましたが、あくまでも私たちは裏方という位置付けにいます。たとえ話になりますが、フランス料理を作るにしても日本料理を作るにしても、厨房がしっかりしていないといけないと思うんですよね。私たちは、その厨房を完璧な状態を作り上げています。最高の料理を作ってもらって、それをお客様がおいしく食べる。そういうイメージで私は考えています。
2022年には、マレーシア・クアラルンプールにて「Zepp Kuala Lumpur」の開業も控えているそうだ。
本多:コロナ禍という現状がありますけども、長い目で見ています。アジアの音楽マーケットを全体に広げていき、日本の音楽との交流も増やしていければと思っています。
SKY-HI:Zeppさんの日本業界への貢献はすごいと思います。数多くのアーティストが羽ばたいた場所でもありましたし、インディーズロックにとっては目標になっていますからね。たしかに、そういったことが世界中で起こるとなったら、すごいことですね。
本多:ありがとうございます。謙虚な気持ちを持ってアーティストのサポートを続けていきたいです。
SKY-HI:今後もよろしくお願いいたします!
『ACROSS THE SKY』のワンコーナー「IMASIA」では、アジアのヒップホップやさまざまな音楽カルチャーを紹介する。オンエアは10時40分頃から。
2020年に台湾でZepp New Taipeiがオープン!
Zepp Tokyoなど全国にライブハウスを展開してきたZeppホールネットワークは、2020年に台湾の新北市にZepp New Taipeiをオープンした。その支配人である本多真一郎さんに、台湾進出のきっかけや台湾のライブシーンについて訊いた。SKY-HI:新型コロナの感染拡大以降、台北のライブ事情はどのような状況でしょうか。
本多:つい最近までは立ち席でやれていたのですが、座席に切り替わってきています。
SKY-HI:日本で得る情報ですと、台湾の感染者数はかなり少ないそうですね。
本多:はい。新規感染者はかなり少なくなってきている状態ですね。
SKY-HI:Zepp New Taipeiは2020年7月にオープンされましたけれど、台北にZeppを作ろうと思ったのは、どういった試みがあったのでしょうか。
本多:Zeppホールネットワークとしましては、台湾はJ-POPの需要が高いので、けっこう昔の段階から計画としてはあったんですよ。立地や諸状況が整ったので、ようやくオープンに至ったというのが経緯ですね。
SKY-HI:なるほど。日本のアーティストを招へいするビジョンがあって、Zepp New Taipeiをオープンされたのでしょうか。
本多:招へいとなると、また話が変わってくるんですよね。と言いますのも、台湾には招へいする会社がたくさん存在しているんですよ。ですので、私たちはZepp New Taipeiを「文化のプラットフォーム」として考えております。まず私たちがちゃんとした箱を作って、現地のプロモーターさんたちが日本のアーティストを呼び、経済と文化が循環するスタイルを取っています。
SKY-HI:Zepp New Taipeiは2,000人が収容できるライブハウスとお聞きしました。
本多:そうですね。私たちは中規模会場と呼んでいるのですが、大きなアーティストでもファンクラブミーティングとして、よりファンに近い距離感でライブができます。加えて、ややインディーズ系のアーティストにとっては1つの登竜門になれると思います。「Zeppに行けたから、次はさらに上を目指そう」といった、中間地点、いわゆる“真ん中”を狙ったライブハウスです。
コロナ禍にオープンしたZepp New Taipeiだったが、ローカルでの需要は高まっているという。
本多:日本や韓国といった、海外からのアーティストを呼べないのは大変なことではあるんですけども、台湾のなかにも大勢のアーティストがいらっしゃいます。2020年12月も、毎週末何かしらのイベントやコンサートが入っていました。
SKY-HI:この状況下で頼もしいお話ですね。
本多:とてもありがたいです。
台湾の音楽シーンは洗練化が進んでいる
続けて、本多さんは、台湾アーティストのオススメ楽曲としてビビアン・スー『Goodbye』を選曲。90年代には日本でも大勢のファンを生み出した大スターだが、現在、台湾でも爆発的な人気を誇っている。本多:ビビアン・スーさんは台湾において、ものすごい人気を集めています。女優さんであり、歌手でもあり、彼女の歌声はますます美しさに磨きがかかっています。台湾って「泣きメロ」がすごく多く、日本人にとってもグッとくる楽曲も多いんですよ。
SKY-HI:(『Goodbye』を聴いて)まさに、泣きメロですね。
本多:こういった曲調の曲が台湾でも多くて、台湾の人々もこういった音楽を望んでいる傾向にありますね。
SKY-HIから「現在の台湾の音楽シーンではどのようなものが流行っていますか?」という質問に本多さんが答えた。
本多:若い方の間ではヒップホップやR&Bが洗練されてきていて、人気があります。ここ数年は特に顕著ですね。また、昔流行った日本のシティーポップ系も熟成が進んでいるように感じますね。なので、1つ1つの音楽が洗練してきているイメージがありますね。
SKY-HI:音楽に対するメディアの扱いを教えていただけますか?
本多:日本で言う、生放送の音楽テレビみたいなものはないんですよね。代わりにKKBOXやSpotifyといった、音楽のサブスクリプションサービスが活発ですね。あとは、アジア圏は日本に比べてFacebookの利用者が非常に多いので、そちらを利用した宣伝活動が多いです。
SKY-HI:先ほどおっしゃっていましたが、台湾の音楽が洗練されているのは年々感じますよね。
本多:台湾のみならず、中国、シンガポール、マレーシアの方々との繋がり、いわゆる“面”としてのマーケットがものすごく大きいんですよ。そこに向けてみんなが宣伝をしているっていうのが、今のアジアの音楽市場だと思います。
SKY-HI:台湾の音楽レーベル事情はどのような流れなのでしょうか? 全体的にインディーズの流れなんでしょうか。国からのサポートが手厚いそうですね。
本多:そうですね。台湾では文化面の支援が見えやすいと思います。
裏方としてこれからも世界中のアーティストたちをサポート
最後に本多さんは、Zepp New Taipeiの支配人として目指している未来について語った。本多:さきほど、文化のプラットフォームという言葉を使いましたが、あくまでも私たちは裏方という位置付けにいます。たとえ話になりますが、フランス料理を作るにしても日本料理を作るにしても、厨房がしっかりしていないといけないと思うんですよね。私たちは、その厨房を完璧な状態を作り上げています。最高の料理を作ってもらって、それをお客様がおいしく食べる。そういうイメージで私は考えています。
2022年には、マレーシア・クアラルンプールにて「Zepp Kuala Lumpur」の開業も控えているそうだ。
本多:コロナ禍という現状がありますけども、長い目で見ています。アジアの音楽マーケットを全体に広げていき、日本の音楽との交流も増やしていければと思っています。
SKY-HI:Zeppさんの日本業界への貢献はすごいと思います。数多くのアーティストが羽ばたいた場所でもありましたし、インディーズロックにとっては目標になっていますからね。たしかに、そういったことが世界中で起こるとなったら、すごいことですね。
本多:ありがとうございます。謙虚な気持ちを持ってアーティストのサポートを続けていきたいです。
SKY-HI:今後もよろしくお願いいたします!
『ACROSS THE SKY』のワンコーナー「IMASIA」では、アジアのヒップホップやさまざまな音楽カルチャーを紹介する。オンエアは10時40分頃から。
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玄理