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金子ノブアキ「役者一本というのは絶対に無理」 DEAN FUJIOKAも共感

金子ノブアキ「役者一本というのは絶対に無理」 DEAN FUJIOKAも共感

J-WAVEで放送中の番組『ROPPONGI PASSION PIT』(ナビゲーター:DEAN FUJIOKA/三原勇希)。各界で活躍する情熱を持ったゲストを迎えて、「好き」や「情熱」をテーマにトークを展開する。8月8日(土)のオンエアでは、ミュージシャンで俳優の金子ノブアキが登場。俳優を始めたきっかけなどを語った。

撮影現場で意気投合!

金子は1997年にRIZEを結成。2009年よりソロ活動も始動し、これまでに3枚のアルバムを発表している。2019年にはニュープロジェクト・RED ORCAを結成。俳優としても話題の映画やドラマに出演し、際立った存在感で人々を魅了。あらゆるジャンルの壁を越えて活躍している。

三原:ボス(DEAN)はドラマでも共演されていますよね。
DEAN:2回ほどご一緒させていただきました。
金子:『レ・ミゼラブル』と『シャーロック』ですか。
DEAN:世界名作シリーズで(笑)。
三原:そのときはゆっくりとお話できたんですか?
金子:そうですね。合間に音楽の話をしました。
DEAN:もっとしたかったです。

「人生のなかでも何度かある、そういうタイミングに飛び乗ったほうがいい」

金子の俳優としてのキャリアは子役からスタートしている。

金子:10、11歳ぐらいからだったかな? だから改めて数えると、2021年ぐらいに芸歴30年目とかに入るんですね。
DEAN:それはすごいですね。
金子:言葉にすると引きますね(笑)。でもブランクがけっこうあるので。バンドでデビューするまでの10年近く、俳優の現場からは離れていました。今のスタンスになったのは、この10年ぐらいですかね。
三原:再びやろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
金子:ちょうど2009年ぐらいに映画『クローズZERO II』やバスケドラマ『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』に出演したんです。事務所にはずっと所属させてもらっていたので、僕というよりもスタッフが営業周りで資料を持っていろいろと行くときに、たぶん僕のことも折りこんでくれていたんです。キャスティングの人がライブに来ていた時期があって、いろいろな話が立て続けに発生していったということがありました。人生のなかでも何度かある、そういうタイミングに飛び乗ったほうがいいのかな、みたいな冒険心をくすぐられるタイミングだと思ったので。音楽仲間たちにも「そういうふうにやっていこうと思うんだけど」と相談して。ただ、ライブもちゃんとやり続けるし、そこのペースも変えないということで始まりました。

子どもにも容赦なし! 圧倒されたテレビの世界

DEANが金子に俳優の仕事を始めたきっかけを尋ねると、金子は“祖父孝行”が理由のひとつにあったと明かす。

金子:僕の親戚にテレビ局に勤めていた人がいたんです。それでちょっとスカウトというか、声がかかって。それで、亡くなった祖父が当時病に倒れて入院中で、子ども心にお見舞いじゃないですけど、テレビに出たらうれしいかなと思って。
DEAN:優しい。
金子:お見舞い替わりじゃないですけど、そんな感じでしたかね。ただまあ、やってみたら子どもでも全然容赦ないじゃないですか。朝は早いし、すごく怒られるし。圧倒されていたことがほとんどだった気がします。
DEAN:それでもやっぱり続けたいという思いは当時あったんですか?
金子:どこかであったんでしょうね。ただ、僕の両親が音楽家なので、帰巣本能みたいなのは絶対的に音楽の現場にあるというのが本能的にわかっちゃうところもあって。今となってはどちらも自分のあり方みたいなものにさせてもらっているんだけど、当時はバンドを始めると極端にそっちに振り切ってました(笑)。
DEAN:じゃあ音楽は先天的なもので、俳優はどちらかと言うと後天的だけど英才教育みたいな感じですよね。
金子:ただ、ブランクがあったので、すごく時間がかかりましたね。バンドもデビューが早くて、18歳ぐらいでデビューにこぎつけることができて、人にも恵まれていてラッキーなことが続いていたんです。なので、最初の数年はけっこう振り回されましたね。

「僕は役者一本というのは絶対に無理」

金子は、撮影現場でDEANが放ったある言葉が強く印象に残っていると振り返る。

金子:前にDEANさんが現場演出部と話をしているときに、「これはちょっとアイデンティティクライシスだよ」と言っていたときがあったんです。その一言がものすごく英単語として日本人にもわかりやすい、素晴らしい表現だなと思って。
三原:どういうことに対してアイデンティティクライシスを感じたんですか?
金子:いわゆるキャラクターを作っていく上で、ツッコミどころがほしかったり、おもしろくするための肉付けをしたりするんです。そのときに、「キャラクターに対してどうなんだろう」、役を生きているという意味でも「彼のアイデンティティに対してそれはどうなんだろう」というものに対してです。すごくスマートで素晴らしい表現です。
三原:お芝居って究極のアイデンティティクライシスかもしれないですね。
金子:そうですよね。基本タイトロープ(綱渡り)でっていうところはあると思います。
DEAN:金子さんが現場に入ってきて、男同士みんなで「いいもの作ろうぜ」みたいな空気が一段階増したのをすごく感じました。すごくいいバイブスを持ってきてくれたなって。
金子:そうかな(笑)。まあバンドマンだから基本は「現場に身を置いていたい」というのが、僕の生涯の目標かもしれないです。「現場にいたいな」というのは、このご時世で特に思います。
DEAN:確かに新型コロナで、そうですよね。
金子:今はどこも大変で、ずっと現場に携わっている人は同じ思いなんだと思いますけどね。年を重ねるごとにそれは強くなっている感じというか、バンド感が現場に行くとけっこう出ちゃうかもしれないですね(笑)。オフとかカメラが回ってないときでも。
三原:回ってないときでも?
金子:そういうときのほうが出るんじゃないですか? 回っているときはオンで自分じゃないわけだから。
三原:家でもそうですか?
金子:そこは切り離しているかもしれないですね。楽器をやっているからかもしれないですけど、僕はドラムなのでドラムセットに座ると、パッとニュートラルに戻る感じがあるので。掛け持っちゃって「やべえ」みたいなときには「とりあえず3分だけでも1曲叩こうかな」ってなったりして。メディテーション(瞑想)とかに近いような感じです。
三原:自分をフラットに戻せるところなんですね。
DEAN:長期の地方ロケはどうするんですか? スティックを持って?
金子:近くにスタジオとかがあったら。
DEAN:そうか。確かにある。
金子:貸しスタジオがあったらいいかな。あとはラッキーなことに、ツアー中だと合間にライブがあったりするので。仕事を掛け持ちのときは逆にラッキーというかね。バタバタするけど、まあいいやという感じ。だから逆に、僕は役者一本というのは絶対に無理ですね。
DEAN:それ、わかる! 同感!
金子:アイデンティティクライシスに間違いなく飲み込まれて、絶対にバランスが壊れると自分でわかるので。

この番組では毎回ゲストに、自分が思う「情熱」とはなにかを訊く。金子は「どうしようもないもの」と語った。

金子:もう止められない。どうしようもない。どうにも止まらない。
三原:そのバイタリティーがすごいですね。周りを動かしてしまうと思います。

金子は、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』に佐久間右衛門尉信盛役で出演中。音楽面では「今やるべき」プロジェクトが進行中とのことだ。

『ROPPONGI PASSION PIT』は、東京・六本木に出現した、いろいろな人の“情熱”が集まり、重なり合い、さらに熱を増して燃え上がる秘密基地として、みんなの熱い思いを電波に乗せて発信。放送は毎週土曜の23時から。

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2020年8月15日28時59分まで

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番組情報
ROPPONGI PASSION PIT
毎週土曜
23:00-23:54