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DEAN FUJIOKAが聞く。新しい形で人と人がつながる、「ポスト・パンデミック」のアートムーブメント

DEAN FUJIOKAが聞く。新しい形で人と人がつながる、「ポスト・パンデミック」のアートムーブメント

J-WAVEの新番組『ROPPONGI PASSION PIT』(ナビゲーター:DEAN FUJIOKA/三原勇希)。DEAN FUJIOKAが各界で活躍する情熱を持ったゲストを迎えて、「好きなもの」や、その「情熱」をテーマに、三原勇希と共に熱いトークを繰り広げるプログラムだ。

4月4日(土)のオンエアでは、ライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」代表・宇川直宏をゲストに迎え、宇川の情熱に秘めた思いに迫った。


■新しいかたちの人と人とのつながり方

宇川は1968年生まれ香川県出身。映像作家、グラフィックデザイナー、VJ、文筆家、大学教授、現代美術家と、活動は多岐に渡る。2010年に立ち上げた「DOMMUNE」は、開局と同時に驚異的なビューワー数をたたき出した。その後、さまざまな芸術祭で審査員などを務め、2016年にはオーストリアにDOMMUNEリンツ・サテライトスタジオ「DOMMUNE LINZ!」を開設し、世界的な話題に。

現在は新型コロナウイルスの影響もあり、ますますライブストリーミングが注目されている。

宇川:僕らは「ポスト・パンデミック」という言葉を使い始めているんです。略して「ポスパン」。1980年代初頭、「ポスパン」は「ポスト・パンク」の意味で使われていて、それはニューウェーブって言葉に置き換えられました。日本だとYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)とかPlasticsとかですね。パンデミック以降、いかに既得権益から外れたところでDIYでの活動としてパンデミックを捉えていけるのかというアートムーブメントをまわりの友だちと一緒に起こそうとしています。
DEAN:新しいかたちの人と人とのつながり方ってことですよね。
宇川:そうですね。そういった言葉が生まれてくるくらい、今って、本当に絵に描いたような有事。こんなに人と人との距離を意識的に離さないといけないようなコミュニケーションスタイルはかつてなかったですよね。自分たちのライブストリーミングは、ソーシャルメディアの中で、現実との距離感ではない新しい距離感を、2010年あたりからSNSの台頭により、その世界を生きてきたんだと思います。


■「DOMMUNE」は新しいミュージッククリップとして始まった

「DOMMUNE」は2時間のトーク番組を繰り広げ、3時間の音楽プログラムをするというスタイルを10年間貫いている。あらためて「DOMMUNE」を始めた理由について、宇川が語る。

宇川:2009年まで自分はグラフィックデザイナーであり、ミュージッククリップのディレクターとして活動していました。2009年に10本くらいミュージッククリップを作っているんでけど、新しいミュージッククリップとして「DOMMUNE」をやり始めました。つまり、「同世代に生きるミュージシャンの動くポートレートを撮ろう」「それ自体が音楽を広めるツールになるのだ」みたいな、そういった意思を持って開局しました。その頃の「DOMMUNE」を、DEANさんも観てくれていたみたいですね。
DEAN:そうなんですよ。
宇川:すごくうれしい。
DEAN:当時はまだ日本に住んでいなかった時期でした。自分の祖国の社会で何が起こっているのかを知っていくと、高校生まで過ごした日本の社会とは確実に変わっているなと思っていました。その後、2015〜2016年くらいから東京をベースに仕事や生活をすることになって、そこのストロークの中で今は新型コロナウイルスのパンデミックがあって、宇川さんの新しい人と人の距離感の話はビンビンくるというか、人ごとではないというか。YouTuberみたいな経済活動が普通になった世の中で、これからどんな可能性が選べるのかに興味があります。

「DOMMUNE」開局当時、ストリーミングはミュージックビジネスにおける新たなチャレンジだった。音楽産業でフィジカルなパッケージが売れなくなり、ストリーミングでのロイヤリティが多くない状況で、ライブビジネスが盛んになり、その方法論のひとつがライブストリーミングだったのだ。それと同時に、「握手会の意味も変わってきた」と宇川は振り返る。

宇川:パッケージの副産物として、握手ができるからCDを購入する。そのビジネスモデルもアイドルブーム以降はめちゃくちゃ拡散していって、接触する行為自体をミュージックビジネスに変えていくという方法論があったんですけど、新型コロナウイルスのパンデミック以降はその限界が見えてきている。
三原:なるほど。
宇川:接触ができないから。そういった意味において、ライブストリーミングが握手会と同時期に登場した新しいミュージックビジネスのスタイルとして明暗を分け、今この距離自体が再度実験されていることが面白いと思います。


■偶発的な出来事の中にこそ感動が生まれる

宇川は自身の「情熱」について、「ハプニングを味方につけること」だと語る。

宇川:ライブストリーミングを毎日やっていると、ハプニングはつきものなんです。たとえば僕はザ・ドリフターズのバラエティ番組『8時だョ!全員集合』の世代なんですけど、この番組って生放送でしたよね。この番組で「一番記憶に残るコントは?」とアンケートを取ったら、1位は停電で、2位はボヤ騒ぎ。つまりハプニングなんです。停電のハプニングのときは、電気がないから加藤 茶さんとかが懐中電灯を使ったギャグとかをやっていた。あのときのスリリングな空気が記憶されて、コントを超えたエンターテインメントとして今も残っていることがすごいと思っていて。これがライブストリーミングをやるときに最も重要なことだと思います。つまり、予定調和から感動が生まれるのではなく、偶発的な出来事の中にこそ感動が生まれるんじゃないかと。
DEAN:名言! いただきました。
宇川:差し上げます(笑)。だから、ハプニングをエンタテインさせるエネルギーが情熱の正体なのではないかと思っています。
DEAN:素晴らしい。鳥肌が立ちました!

宇川は「こんな有事のときだからこそ、そのエネルギーが最も大切な力だと思っている」と力強く語った。 現在、「DOMMUNE」は新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため、無観客配信を行っている。これからのエンターテインメントの形を「DOMMUNE」で探してほしい。

・「DOMMUNE」公式サイト
https://www.dommune.com/

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月4日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『ROPPONGI PASSION PIT』
放送日時:毎週土曜 23時-23時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/passionpit/

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