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矢沢永吉の「歌詞を噛み締めて聴きたい楽曲TOP 3」は…作詞家・売野雅勇が発表

矢沢永吉の「歌詞を噛み締めて聴きたい楽曲TOP 3」は…作詞家・売野雅勇が発表

矢沢永吉の『SOMEBODY'S NIGHT』や『PURE GOLD』の歌詞を手掛ける作詞家・売野雅勇が「歌詞を噛み締めて聴きたい矢沢永吉曲 TOP3」を語った。

J-WAVEで放送中の番組『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』(ナビゲーター:グローバー)。ゲストを迎え、1組の「レジェンド・ミュージシャン」をテーマに音楽談義を繰り広げる。9月7日(土)、14日(土)のオンエアでは、7年ぶりにニューアルバムをリリースした矢沢永吉を特集。ゲストに売野と、音楽プロデューサーの多保孝一が登場した。

売野はキャロル時代から矢沢への歌詞提供を熱望し、本人へと熱いラブレターをしたためたことで、作詞を手がけるようになったそうだ。そんな売野が選ぶ「歌詞を噛み締めて聴きたい矢沢永吉曲」TOP3とは。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月14日28時59分まで)


■歌い出しは歌の命

第3位は、『チャイナタウン』。作詞家は故・山川啓介。

グローバー:ポイントはどこでしょう?
売野:やっぱりさ、『チャイナタウン』って、あれしか音がない、みたいな感じしない?
グローバー:あの歌い出し、あの言葉とあのメロディ!
売野:だからチャイナタウンに行くときは、この曲になっちゃってますよ(笑)。
多保:あはは(笑)。
グローバー:パーフェクトってことですよね。歌い出しはやはり大事ですか。
売野:もちろんそうです。歌の命だと思います。曲を作るときも迷うよね。
多保:そうですよね。Aメロの頭とサビの頭。言葉も本当に大事ですよね。

横浜のチャイナタウンの空気と、この歌のメロディと歌詞が非常にマッチしているということで、「完璧ですよ。本当に大傑作です。僕の中の1位でもいいと思うぐらいです」と、売野は大絶賛していた。


■誰も書けないけど、みんなが同じものを思い浮かべる表現

第2位には、『時間よ止まれ』を挙げた。こちらも山川の作詞。

売野は、歌い出しで「PACIFIC」(大海原)を「やつ」と呼ぶ自由さに驚いたとのこと。そして、「汗をかいたグラス」という表現にも衝撃を受けたようだ。

売野:みんなパッとわかるでしょ? でも、誰も書けないのよ。「汗をかいたグラス」なんて。
グローバー:誰も思い浮かばないんだけど、「汗をかいたグラス」と聞くと、みんなひとつのものを思い浮かべる。
売野:そう。そして、この「汗をかいたグラス」のことを突き詰めたやつが、誰もいなかったわけ。
グローバー:そのクローズアップからシーンを始める、ということを誰もやってなかった。
売野:これは、作詞家がいかに偉大かっていうことなんですよ。肌の汗を「光」に例えたりもして、グラスの汗とダブらせてね。ちょっとエロティックな部分も出るし、本当にパーフェクトですよ。

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■売野が第1位に選んだ「イカした」曲とは?

これらの2曲を抑えて売野が第1位に選んだのは『AZABU』。売野が作詞を手がけた曲だ。「(自分の作品を選んだことが)ちょっと申し訳ないんですけど......」と、遠慮がちに理由を話し始めた。

売野:これもね、やっぱり誰もそこをクローズアップして考えなかったんですね。歌い出しで、ビルの隙間から東京タワーが見えるんです。
グローバー:そのシーンから始めるんですね。
売野:そうですね。麻布を歩いているシーンなんですね。麻布ってわりと密集しているんだけれども、ビルに隙間があるんです。そのため、歩いてると必ず全部の隙間から東京タワーが見えるの。
多保:見える! そうですね。
売野:これを誰も書いたことがない。こういう作業を「異化する」って言うんです。もう皆さんの頭の中では、ビルの隙間の東京タワーは異化されてるわけです。特別なモノとして残っちゃう。『チャイナタウン』も『時間よ止まれ』も、山川さんが異化してくれた。本当に「イカしてる」っていうのは、ここから来てるんだよ!
グローバー:本当に!
売野:僕の説ですけど(笑)。
多保:いや、おもしろい! 「イカしてるね」っていうのは「違うものを生み出してる」という、そこから来てるんだと。
売野:そうそう。「他と違ってて際立ってるじゃん」と。
グローバー:イカした説ですね!

作詞した本人から話を聞ける貴重な時間となった。次回14日(土)のオンエアでも、矢沢永吉の魅力をさらに深く掘り下げ、最後には二人による矢沢永吉につけるキャッチコピーの発表も。お聴き逃しなく!

【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聞き直せます。

【番組情報】
番組名:『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』
放送日時:毎週土曜 17時-17時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musicology/

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