J-WAVEの番組『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』(ナビゲーター:中井智彦)。この番組では、ミュージカル俳優・中井智彦が、ミュージカル楽曲の生演奏、ゲストを迎えてのミュージカルのお話、作品の解説など、さまざまな形でミュージカルの魅力をお届けします。5月10日(金)のオンエアでは、引き続きゲストに別所哲也さんが登場。2005年に別所さんが主演を務めたミュージカル『ナイン THE MUSICAL』について伺いました。
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■衝撃を受けたミュージカル『Nine』
中井は学生時代、別所さん主演のミュージカル『ナイン THE MUSICAL』を鑑賞しました。この作品は別所さんにとって、「特別」なものだそうで……。
別所:僕はニューヨークでアントニオ・バンデラス主演『Nine』の千秋楽を観ました。しかも、僕のとなりにはスティングが座っていました。アントニオ・バンデラスは俳優としても大好きなんですけど、その彼が主演でミュージカルをやるということに対してもすごく興味があって、ブロードウェイでこの作品を観て一目惚れをしたわけです。デヴィッド・ルヴォーさんという日本でも演出をされている方の演出が素晴らしい。作品のなかで流れる音楽は難解なんだけど美しく、フェデリコ・フェリーニの映画『8 1/2』とのつながりも素晴らしい。
オリジナルミュージカルを観て感銘を受けた別所さんは、『ナイン THE MUSICAL』に出演するまでに、演出家のルヴォーさんにアピールする機会があったと振り返ります。
別所:興奮して「もう1回観よう」と思ったけど「千秋楽だったからもう観られない」と悶々としながらCDを買って帰ってきました。「いつかこの役を演じたいな。バランデラスがやる来日公演もいいな」と思っていたら、なんとデヴィッド・ルヴォーが同じ演出バージョンの再演を「別所さん、やらないか」と。
中井:すごいですよね。別所さんが「やりたいです」と言ったわけではなく?
別所:実は、福井貴一さんがやられている『ナイン THE MUSICAL』の最終日に行って、絶対にやりたいと思って、楽屋でデヴィッド・ルヴォーさんに「再演があるようだったら僕がやりたいです。オーディションを受けさせてください」と言いました。
中井:素晴らしい。僕、俳優ってそういうのがすごく大事だと思うんですよ。「やりたい」というエネルギーを出し続ける。
別所:掛け値なしでやりたいと思った作品ですから。そうしたらお話をいただいて。『レ・ミゼラブル』出演の最中ですけどね。ジャン・バルジャンを帝国劇場で演じたあとに、スタジオに入ってリハーサルをして、『ナイン THE MUSICAL』という作品をやらせていただきました。
■「キラキラ輝く宝石箱のなかに自分が紛れ込んだような」
『ナイン THE MUSICAL』で演じたグイド・コンティーニという役について訊きました。
別所:大人になりきれない少年であり、究極のクリエイターであり、言葉を選ばずに言えば女たらし。イタリア的にいうと「カサノバ」というんですけど。ベニスが舞台で、色男であり究極のいい夫でもありたいと思っている男であり、いい仕事をしたいと思っている芸術家、映画監督のグイド・コンティーニに、共感しましたね。
中井:グイド・コンティーニから人間味をすごく感じるんですよ。モーリー・イェストンという作曲家も好きで、色がすごく変わるというか、『ナイン』はちょっとオペラっぽい感じの作りで、『グイドズ・ソング』というのがあったり、イタリアっぽい音色もあったり、旅をしている感覚の音楽が散りばめられている感じがします。
別所:キラキラ輝く宝石箱のなかに自分が紛れ込んだような。グイド・コンティーニと少年グイド以外は、出演者が全員女性なんですよ。
中井:そうでした。
別所:ブロードウェイバージョンは衣装が全部FENDIのオートクチュール。
中井:そうなんですか! 「トニー賞」でバンデラスが着ているのも? いやあ、すごくお金がかかっていますね。
別所:衣装は日本オリジナルを作ったんですけどね。水が溢れる「グランド・カナル」というシーンは、ベニスを再現するので舞台上が全部水になるんです。あの時代には画期的で、大変お金をかけた装置です。天王洲でやりました。
中井:僕も天王洲で観ました。
また、別所さんは物語を以下のように解説します。
別所:議論はあると思いますが、作品のなかでは「男性には3人の女性が必要である。妻、母、そして愛人」。それを追求している男が、自分の芸術性をかけてファム・ファタール(運命の女性)とは何かを求めて旅する、心の旅の物語なんですよ。最終的に『ナイン』=9歳だった少年・グイドに会い直して、「9歳までの出会いや記憶がその先の人生を作っていく」という深い哲学的なテーマが入っているんです。
中井:別所さんバージョンでも、子役が出てきて走っていたところが印象的でした。
トーク後半では、別所さんが影響を受けたミュージカル作品のひとつ『ウエスト・サイド・ストーリー』の思い出も訊きました。番組ではミュージカル『Nine』から『グイドズ・ソング』(アントニオ・バンデラスVer.)をオンエア。気になる方はぜひチェックしてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』
放送日時:毎週金曜 22時30分-23時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musical/
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オリジナルミュージカルを観て感銘を受けた別所さんは、『ナイン THE MUSICAL』に出演するまでに、演出家のルヴォーさんにアピールする機会があったと振り返ります。
別所:興奮して「もう1回観よう」と思ったけど「千秋楽だったからもう観られない」と悶々としながらCDを買って帰ってきました。「いつかこの役を演じたいな。バランデラスがやる来日公演もいいな」と思っていたら、なんとデヴィッド・ルヴォーが同じ演出バージョンの再演を「別所さん、やらないか」と。
中井:すごいですよね。別所さんが「やりたいです」と言ったわけではなく?
別所:実は、福井貴一さんがやられている『ナイン THE MUSICAL』の最終日に行って、絶対にやりたいと思って、楽屋でデヴィッド・ルヴォーさんに「再演があるようだったら僕がやりたいです。オーディションを受けさせてください」と言いました。
中井:素晴らしい。僕、俳優ってそういうのがすごく大事だと思うんですよ。「やりたい」というエネルギーを出し続ける。
別所:掛け値なしでやりたいと思った作品ですから。そうしたらお話をいただいて。『レ・ミゼラブル』出演の最中ですけどね。ジャン・バルジャンを帝国劇場で演じたあとに、スタジオに入ってリハーサルをして、『ナイン THE MUSICAL』という作品をやらせていただきました。
■「キラキラ輝く宝石箱のなかに自分が紛れ込んだような」
『ナイン THE MUSICAL』で演じたグイド・コンティーニという役について訊きました。
別所:大人になりきれない少年であり、究極のクリエイターであり、言葉を選ばずに言えば女たらし。イタリア的にいうと「カサノバ」というんですけど。ベニスが舞台で、色男であり究極のいい夫でもありたいと思っている男であり、いい仕事をしたいと思っている芸術家、映画監督のグイド・コンティーニに、共感しましたね。
中井:グイド・コンティーニから人間味をすごく感じるんですよ。モーリー・イェストンという作曲家も好きで、色がすごく変わるというか、『ナイン』はちょっとオペラっぽい感じの作りで、『グイドズ・ソング』というのがあったり、イタリアっぽい音色もあったり、旅をしている感覚の音楽が散りばめられている感じがします。
別所:キラキラ輝く宝石箱のなかに自分が紛れ込んだような。グイド・コンティーニと少年グイド以外は、出演者が全員女性なんですよ。
中井:そうでした。
別所:ブロードウェイバージョンは衣装が全部FENDIのオートクチュール。
中井:そうなんですか! 「トニー賞」でバンデラスが着ているのも? いやあ、すごくお金がかかっていますね。
別所:衣装は日本オリジナルを作ったんですけどね。水が溢れる「グランド・カナル」というシーンは、ベニスを再現するので舞台上が全部水になるんです。あの時代には画期的で、大変お金をかけた装置です。天王洲でやりました。
中井:僕も天王洲で観ました。
また、別所さんは物語を以下のように解説します。
別所:議論はあると思いますが、作品のなかでは「男性には3人の女性が必要である。妻、母、そして愛人」。それを追求している男が、自分の芸術性をかけてファム・ファタール(運命の女性)とは何かを求めて旅する、心の旅の物語なんですよ。最終的に『ナイン』=9歳だった少年・グイドに会い直して、「9歳までの出会いや記憶がその先の人生を作っていく」という深い哲学的なテーマが入っているんです。
中井:別所さんバージョンでも、子役が出てきて走っていたところが印象的でした。
トーク後半では、別所さんが影響を受けたミュージカル作品のひとつ『ウエスト・サイド・ストーリー』の思い出も訊きました。番組ではミュージカル『Nine』から『グイドズ・ソング』(アントニオ・バンデラスVer.)をオンエア。気になる方はぜひチェックしてみてください。
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番組名:『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』
放送日時:毎週金曜 22時30分-23時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musical/
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