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甲斐翔真「何が正解なんだろうと思いながら…」『デスノート THE MUSICAL』オーディションを振り返る

甲斐翔真「何が正解なんだろうと思いながら…」『デスノート THE MUSICAL』オーディションを振り返る

J-WAVEの番組『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』(ナビゲーター:中井智彦)。1月17日(金)のオンエアでは、前回に引き続きゲストに俳優・甲斐翔真が登場。主演を務めるミュージカル『デスノート THE MUSICAL』への思いを語った。

【前回の記事】甲斐翔真「すごく葛藤を感じている」 初ミュージカルに挑む心境を明かす

■夜神 月を演じられる喜びをすごく感じる

甲斐は、1月20日(月)から池袋・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で上演されるミュージカル『デスノート THE MUSICAL』で初舞台に挑む。原作は『週刊少年ジャンプ』に連載された人気漫画『DEATH NOTE』。2006年に映画化、2015年にミュージカル化され、これまでに日本、韓国、台湾で上演された。

『デスノート THE MUSICAL』のあらすじ

成績優秀な高校生・夜神 月(やがみライト)は、ある日、一冊のノートを拾う。ノートには、「このノートに名前を書かれた人間は40秒で死ぬ」とあった。それは、死神が退屈しのぎに地上に落とした“死のノート”(デスノート)であった。犯罪者を裁ききれない法律に、限界を感じていたライトは、ある日、テレビで幼稚園に立てこもる誘拐犯の名前をデスノートに書いてみる。すると、誘拐犯は突然、心臓発作で息絶えた。

「自分こそが神に選ばれ、犯罪者のいない世界を創る“新世界の神”だ」と、ライトはデスノートを使い、犯罪者の粛清を始めていく。世界中で犯罪者が不可解な死を遂げていく事件が相次ぐ中、インターネット上ではその犯人を「キラ」と呼び、称賛しはじめる。犯罪の数が激減する中、警察は犯人の手掛かりさえつかめないでいた。そこへ、これまであらゆる難事件を解決してきた謎の名探偵L(エル)が事件を解決すべく、捜査を開始する。



甲斐は、本作で主演の夜神 月を演じる。

中井:ミュージカルのデビュー作で主演はすごいですね。
甲斐:「僕でいいんですかね?」って気分になるくらい、大きなミュージカルなんです。
中井:最初からライト役を熱望していたんですか? 謎の名探偵Lも魅力的ですが。
甲斐:原作ファンでは、ライト派かエル派かと論争になるんですけど、僕はどちらかというとライト派なんですよね。ライトにはなんとなく共感できるというか。共感って言うとヤバイやつかもってなっちゃいますけど(笑)。
中井:もともとライトが持っていたのは正義感ですからね。
甲斐:そうです、真っすぐな正義感なんです。でも、デスノートという兵器と出会ってしまったせいで、死神のような悪に染まってしまった。果たしてそれを悪と言っていいのか……。この作品を扱うと、そういう問題になってくるんですけどね。だけど、ライトの本質は、ちゃんと筋の通った、育ちがよく隙のない、でも愛のある青年だったんです。だから憧れるし、カッコいいし、この役を演じられる喜びをすごく感じます。

中井は「ライト役は視野の広さが大事」と話すと、甲斐はこれに同調する。

甲斐:その視野の広さをライトとして持つのか、甲斐翔真として持つのかで、また変わってきます。ライトはもともと視野の広さを持ってるんですよ。でも、自分がこんなに夢中になれるもの、自分の身を削ってでもやれるものに出会ったことにがないライトが、デスノートに出会って「世界を救えるかも知れない」という状況になったときに、ハッとまわりが見えなくなってしまう。そういう役を演じるためには俯瞰的に見なくてはいけないから、なかなか難しいんですけどね。
中井:でも、やりがいはありますよね。
甲斐:めちゃくちゃありますね。


■オーディションのために死ぬほど練習

甲斐の出演する『デスノート THE MUSICAL』は、オール新キャストで上演される。甲斐がオーディションの様子を振り返った。

中井:オーディション当日まで「受験勉強のような日々が続いた」と伺いました。
甲斐:本当に受験勉強ですよ。高校はスポーツ推薦だったし、大学も行っていないから、初めての受験勉強でした(笑)。
中井:どういう勉強をしたんですか?
甲斐:それこそ歌が好きなだけでは片付けられないほど。ミュージカル曲はメロディを歌うだけではなく、歌詞の意味をお客さんに伝えるために繊細な作業が必要になります。「こんな一瞬じゃできない」と分かりながらも、オーディションまでにできるだけブラッシュアップしていきたいなと思い、ボイストレーニングを積んだり、いろいろなミュージカル作品を観たり、歌を聴いたりしながら、毎日「絶対に受かってやる」と思い続けていました。
中井:その気持ちが大事ですよね。
甲斐:もちろんプロからすると僕は未熟者だし、それも分かります。でも、それを通り越して、「俺はこれをやるんだ」というやる気や自信を付けるために、練習を積んでいくことが僕にできることだと思ったので、死ぬほどやりました。

ライト役の応募総数はなんと2416名。その中から役を勝ち取った甲斐は「応募総数はあとで知ったんです。先に知らされてなくてよかった。本当に受験ですよ」と笑った。

中井:オーディションで印象的だったことは?
甲斐:「最初に声出しの意味も含めて、軽く歌ってみようか」と言われたけど、僕はこの瞬間にかけて練習してきたから「ここで軽く歌っていいのか」「軽く歌ったことが評価されてしまうのではないか」と思って。でも「軽く」と言われたので、最初は僕の中で軽くやっていたけど、「軽くじゃダメだ」ってだんだん感情が盛り上がり、最後は120パーセント出していました。何が正解なんだろうと思いながら、知らないうちにやりきっちゃって(笑)。
中井:甲斐くんの全力が正解だと思います。僕はそれを好印象だと思うし、それだけライトに対して熱を持ってオーディションを受けに来てくれたら審査側もうれしいですよ。
甲斐:正解だったんですね。


■新人だからこそ、24歳だからこそできること

最後に甲斐は、『デスノート THE MUSICAL』への意気込みを語った。

甲斐:初ミュージカル、初舞台、初主演、初がいろいろと揃うなか、多くの素晴らしい方たちが携わる作品で、劇場も大きく、『DEATH NOTE』という大作を扱うミュージカルなので、なにもかもが大きいんです。そんな作品に僕が主演で出させてもらっていいのか、という気持ちに今でもなっているんですけど、舞台に立つからには、ライトとしてその場に存在できることを僕自身が喜びながら演じつつ、お客さんには『DEATH NOTE』の世界観をヒリヒリしながら、脳をギュッとさせながら「気がついたら舞台上をにらんでいた」とさせたいと思っています。そのために多くの稽古を積んで熱量やパワーを持ち、新人だからこそ、そして24歳だからこそできることを、この舞台で伝えられたらなと思います。

甲斐の熱い思いが詰まった演技を、ぜひその目で体感してほしい。『デスノート THE MUSICAL』の詳細は公式ホームページから。

■東京公演 期間:2020年1月20日(月)~2月9日(日) ※静岡、大阪、福岡公演あり 会場:東京建物 Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)

デスノート THE MUSICAL
『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』では、ミュージカル俳優の中井がゲストを迎えて、ミュージカルの話や作品の解説など、さまざまな形でミュージカルの魅力をお届けする。放送は毎週金曜の22時30分から。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年1月24日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』
放送日時:毎週金曜 22時30分-23時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musical/

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