J-WAVEで放送中の番組『SEIKO SOUND STORAGE』。当番組は、ミュージシャンやスポーツ選手など、各界で活躍するゲストがマンスリーで自らの音楽遍歴を語ります。3月は藤巻亮太さんが登場。3月22日(金)のオンエアでは、世界中を旅して発見したことや禅の世界について語りました。
【1回目】藤巻亮太、QUEENを初めて聴いたときの衝撃を語る「いつか“ラプソディ”を作ってみたい」
【2回目】レミオロメン『3月9日』、実は卒業ソングじゃなかった! 藤巻亮太が明かす誕生秘話
【3回目】藤巻亮太「ズタボロに疲れていた」 登山家・野口健との出会いで変わった価値観
【4回目】藤巻亮太、「レミオロメン」という縄で自分を縛りつけていた…変化のきっかけは?
■初めての海外旅行
ソロ活動を始めてから、旅をすることが多くなったという藤巻さん。アフリカ、ヨーロッパ、アイスランド、チベット、アメリカなど、世界中を旅しました。
藤巻:もともと旅は好きで。この世に生まれて、全部を見ることは不可能なんですけど、できる限りいろんな世界を見てみたいという欲望があります。
山梨県の山に囲まれた土地で育った藤巻さんは、小さい頃から「山の向こうに何があるんだろう」と思っていたそうです。
藤巻:そういう盆地精神があるんです。「向こうにある景色を見てみたい」という気持ちが、僕の旅の重要なモチベーションなのかなと思います。
初めて海外旅行に行ったのは20歳前後。当時、高校生だった藤巻さんの妹が友だちと行く予定だった旅行で、友だちが急遽行けなくなり、代わりに藤巻さんが行くことになりました。
藤巻:「俺が行きたいところへ行っていい?」って言って(笑)。建築が好きだったので、スペインに行って、ガウディの建物が見たかったんです。スペインはすごく良かったです。初めてゴッホとかピカソ『ゲルニカ』を観て、サグラダ・ファミリアの中に入って、塔の上に上がってみたりしました。
旅好きになったのは、スペインの旅がきっかけだったかもしれないと藤巻さんは話します。
■縄を解くことで曲が生まれる
藤巻さんは、禅語「日日是好日(ひびこれこうにち/にちにちこれこうにち他、読み方さまざまあり)」という言葉が好きなのだとか。これは藤巻さんの2ndアルバムのタイトルにもなっています。アルバム『日日是好日』を制作していた当時、藤巻さんは「レミオロメンと違うもの、超えるものを」というプレッシャーと「このままソロ活動をやっていけるのか」という不安に駆られていたと、当時の心中を打ち明けました。
藤巻:今という時間を生きているはずなのに、今という時間を1ミリも生きてないんです。過去と未来の中でしか生きてないんです。「それってもったいないよね」という言葉が「日日是好日」なんです。「今どうすることもできないことに悩むのはやめませんか?」っていうことだと思うんです。たぶん「今日は今日でいいじゃん」という言葉だと思うんです。
そして藤巻さんは、「言葉の持っているバイアス」に縛られているということに気づきます。
藤巻:「雨は嫌だな」とか「闇よりも光がいい」とか、そういうのも絶対に思い込みなんです。「誰が決めたんですか?」って話じゃないですか。雨なら雨の1日を生きればいいし、晴れなら晴れの1日を生きればいい。そこに自分の都合を持ち込んで、苦しくしてるんじゃないのかと思ったんです。
その後、禅を勉強するようになった藤巻さんは、「レミオロメン」「藤巻亮太らしさ」という縄で自分自身を縛りつけていたことに気づき、「作ることで曲が生まれていたけど、解くことで曲が生まれるようになった」と自身の変化を明かしました。
■苦しみの根源は「見返り」
禅に興味を持った藤巻さんは、知り合いの写真家とチベットに行きました。チベット仏教と禅は違うものですが、旅のガイドがチベット仏教について詳しく、いい話をしてくれたと振り返ります。
藤巻:チベット仏教では、小さい子に「動物と植物をいたわって、自分のできることを施してあげなさい」と教えます。「え、施しの対象は人間じゃないの?」って思ったんですけど、人間に何かを施すと、どうしても返してほしくなる。その気持ちがどうしても生まれてしまう。でも動物や植物なら、そういう気持ちを持たずに、「ただ与える」ということを、子どものうちから学べるんです。人間の苦しみの根源の1つは「見返り」だという話になるんです。「見返りを求めた瞬間に苦しみが1つ増える」とガイドの人が言ってました。
藤巻さんが大きな影響を受けた禅やチベット仏教。気になった方は、まず藤巻さんの2ndアルバム『日日是好日』を聴いてみてはいかがでしょうか。
【1回目】藤巻亮太、QUEENを初めて聴いたときの衝撃を語る「いつか“ラプソディ”を作ってみたい」
【2回目】レミオロメン『3月9日』、実は卒業ソングじゃなかった! 藤巻亮太が明かす誕生秘話
【3回目】藤巻亮太「ズタボロに疲れていた」 登山家・野口健との出会いで変わった価値観
【4回目】藤巻亮太、「レミオロメン」という縄で自分を縛りつけていた…変化のきっかけは?
■初めての海外旅行
ソロ活動を始めてから、旅をすることが多くなったという藤巻さん。アフリカ、ヨーロッパ、アイスランド、チベット、アメリカなど、世界中を旅しました。
藤巻:もともと旅は好きで。この世に生まれて、全部を見ることは不可能なんですけど、できる限りいろんな世界を見てみたいという欲望があります。
山梨県の山に囲まれた土地で育った藤巻さんは、小さい頃から「山の向こうに何があるんだろう」と思っていたそうです。
藤巻:そういう盆地精神があるんです。「向こうにある景色を見てみたい」という気持ちが、僕の旅の重要なモチベーションなのかなと思います。
初めて海外旅行に行ったのは20歳前後。当時、高校生だった藤巻さんの妹が友だちと行く予定だった旅行で、友だちが急遽行けなくなり、代わりに藤巻さんが行くことになりました。
藤巻:「俺が行きたいところへ行っていい?」って言って(笑)。建築が好きだったので、スペインに行って、ガウディの建物が見たかったんです。スペインはすごく良かったです。初めてゴッホとかピカソ『ゲルニカ』を観て、サグラダ・ファミリアの中に入って、塔の上に上がってみたりしました。
旅好きになったのは、スペインの旅がきっかけだったかもしれないと藤巻さんは話します。
■縄を解くことで曲が生まれる
藤巻さんは、禅語「日日是好日(ひびこれこうにち/にちにちこれこうにち他、読み方さまざまあり)」という言葉が好きなのだとか。これは藤巻さんの2ndアルバムのタイトルにもなっています。アルバム『日日是好日』を制作していた当時、藤巻さんは「レミオロメンと違うもの、超えるものを」というプレッシャーと「このままソロ活動をやっていけるのか」という不安に駆られていたと、当時の心中を打ち明けました。
藤巻:今という時間を生きているはずなのに、今という時間を1ミリも生きてないんです。過去と未来の中でしか生きてないんです。「それってもったいないよね」という言葉が「日日是好日」なんです。「今どうすることもできないことに悩むのはやめませんか?」っていうことだと思うんです。たぶん「今日は今日でいいじゃん」という言葉だと思うんです。
そして藤巻さんは、「言葉の持っているバイアス」に縛られているということに気づきます。
藤巻:「雨は嫌だな」とか「闇よりも光がいい」とか、そういうのも絶対に思い込みなんです。「誰が決めたんですか?」って話じゃないですか。雨なら雨の1日を生きればいいし、晴れなら晴れの1日を生きればいい。そこに自分の都合を持ち込んで、苦しくしてるんじゃないのかと思ったんです。
その後、禅を勉強するようになった藤巻さんは、「レミオロメン」「藤巻亮太らしさ」という縄で自分自身を縛りつけていたことに気づき、「作ることで曲が生まれていたけど、解くことで曲が生まれるようになった」と自身の変化を明かしました。
■苦しみの根源は「見返り」
禅に興味を持った藤巻さんは、知り合いの写真家とチベットに行きました。チベット仏教と禅は違うものですが、旅のガイドがチベット仏教について詳しく、いい話をしてくれたと振り返ります。
藤巻:チベット仏教では、小さい子に「動物と植物をいたわって、自分のできることを施してあげなさい」と教えます。「え、施しの対象は人間じゃないの?」って思ったんですけど、人間に何かを施すと、どうしても返してほしくなる。その気持ちがどうしても生まれてしまう。でも動物や植物なら、そういう気持ちを持たずに、「ただ与える」ということを、子どものうちから学べるんです。人間の苦しみの根源の1つは「見返り」だという話になるんです。「見返りを求めた瞬間に苦しみが1つ増える」とガイドの人が言ってました。
藤巻さんが大きな影響を受けた禅やチベット仏教。気になった方は、まず藤巻さんの2ndアルバム『日日是好日』を聴いてみてはいかがでしょうか。