CRAZY KEN BAND・横山 剣、『タイガー&ドラゴン』が生まれたドライブスポットは?

J-WAVEで放送中の番組『SEIKO SOUND STORAGE』では、ミュージシャンやスポーツ選手など、各界で活躍するゲストがマンスリーで自らの音楽遍歴を語る。7月はクレイジーケンバンドのボーカル・横山 剣が登場。

17日(金)のオンエアでは、自身の車と音楽の関係について語った。


■車から生まれた数々の楽曲

冒頭で横山は、自動車レース「SUPER GT」開幕に対する喜びを述べた。これまでに多くのレースを観てきた横山が初めてレースに訪れたのは当時4歳のこと。1964年に鈴鹿サーキットでおこなわれた日本グランプリで、会場の雰囲気やレーサーの格好よさが記憶に残っていると振り返る。

横山:車と僕は切っても切れない関係です。クレイジーケンバンドの楽曲にも、車にまつわる楽曲がいくつもございます。たとえば『スポルトマティック』、『GT』、『透明高速』、『箱根スカイライン』。『箱根スカイライン』は富士スピードウェイで自分が一流レーサーという妄想をして、レースクイーンのきれいな女性に声をかけて一緒に逃げちゃうみたいな。「箱根まで来ちゃえばもう大丈夫だろう」みたいな感じの、理想と妄想が入ったような曲でございます。

横山は1曲目に『箱根スカイライン』をオンエア。その後、自身が所有している愛車について語った。

横山:普段の足はキャデラックATS-Vという車です。これはいったん売ることになったんですけど、なぜか戻ってきちゃいまして(笑)。これを売ったから買ったBMWアルピナXD3というディーゼルのSUVは、すごく早いんです。これをキャデラックがなくなる想定で買ったんだけど2台になっちゃってダブついてます。誰かキャデラックほしい人がいたら言ってください(笑)。

クラシックカーでは、オースチン・ヒーレー100/4を所有している。

横山:堺 正章さん、パンツェッタ・ジローラモさん、鈴木亜久里さん、近藤真彦さんなどが参戦している「ラ・フェスタ ミッレミリア」という街中をラリーするビンテージカーの祭典で、僕はこのオースチン・ヒーレー100/4で参加しております。レースカーはダットサン・ブルーバードSSSクーペ。ブルーバードなんですけど、真っ黒に塗装しているので「ブラックバード」って勝手に命名しています。もう1車はBMW2002tiiで、2019年までこれで参戦していたんです。友だちに売ったんですけど「レースに出るときは貸してあげるよ」ということで、半分は僕の車です。


■憧れの車たち…走りながら聴きたい音楽は?

横山は「憧れの車」として、10歳のときに「東京モーターショー」で衝撃を受けたというセリカ1600GTを挙げた。

横山:1600GTの北米仕様というのが一番好きなんですけど、これの逆輸入がほしいなと思っております。色はレモンイエローですね。そういえば最近、黄色い車をたくさん見かけますけれども、レモンイエローはなかなかないんですよね。北米仕様というのは、横に反射板のサイドマーカーが入っているんですけど、すごく西海岸が似合う車だなと思ってね。この車に乗って夕暮れのパシフィック・コースト・ハイウェイをマリブのペパーダイン大学とかあの辺を走りながら、ラジオからThe Doobie Brothers『What A Fool Believes』なんて流れてきちゃったら、たまんないですね。

ここでThe Doobie Brothers『What A Fool Believes』をオンエア。横山は「西海岸の陽光とかパームツリーとか、パシフィックな感じがすごくします。マイケル・マクドナルドの声がたまらないですね」とコメントした。


■『タイガー&ドラゴン』は、国道16号を走っていて降りてきた

車に乗っているときに曲が「降りてくる」ことが非常に多いという横山は、ある名曲の誕生エピソードを披露した。

横山:『タイガー&ドラゴン』という曲なんですけど、これは国道16号を横浜から横須賀に向かって走っているときに浮かんだんです。横須賀に近づくとトンネルがいくつも続きまして、最後のトンネルを出ると海が見えるんです。そのままどんつきの三笠公園。本当はどんつきというかちょっと左に入って横須賀学院の前を通ると三笠公園という、戦艦「三笠」が置いてある公園に出ます。右側に猿島行きの船の発着場があるわけです。ここのイメージがなんでか知らないけど、トンネルを抜けたときから一筆書きみたいに、運転をしながら歌詞もメロディーもサウンドの雰囲気も、なんとなく脳内に鳴りました。このときはわりとSerge Gainsbourg『Ford Mustang』のサウンドをイメージしていたんですけど、このレコーディングのときに小野瀬雅生さんが、僕が寝ているあいだにイントロをつけてくれていて、目が覚めてビックリみたいな。このイントロでこの曲に命が宿ったんじゃないかと思っております。小野さんに感謝しております。


■横山が虜になったムスタング

CDジャケットやミュージックビデオで登場する名車の数々。横山はそのなかでもブラジルのアーティストであるマルコス・ヴァーリ『血の色のムスタング』のレコードジャケットが好きなのだと語る。

横山:僕がムスタングを好きになった理由は、5歳のときに初めて本牧で米軍基地の前に停まっているのを見たのが最初だと思うんです。そして映画『男と女』に登場するムスタングを見たときの越境感。車はアメ車(アメリカ車)なのに、舞台はドーヴィルとかニースとかモナコとかね。コート・ダジュールの風景が浮かぶという、その越境感にグッときました。それからムスタングの虜ですね。最近では映画『フォードvsフェラーリ』も観て、ますます自分のなかでムスタング熱が高まっております。



番組ではマルコス・ヴァーリ『血の色のムスタング』をオンエアした。

横山:改めて、この曲はたまらないです。本当にムスタングを真正面から見た「顔つき」から想定される音楽という感じがすごくするんです。ムスタングは横から見ても前から見てもうしろから見ても本当に格好いいですね。セリカ1600GTと同じくらい欲しい車です。2回ほど乗りましたけど「なんで売っちゃったんだ?」と後悔しております。

次回7月24日(金)のオンエアでは、音楽制作に影響を与えている旅の話や、横山の地元である横浜の本牧についてトークを展開する。

『SEIKO SOUND STORAGE』では各界で活躍するゲストがマンスリーで自らの音楽遍歴を語る。放送は毎週金曜日の22時から。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月24日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『SEIKO SOUND STORAGE』
放送日時:毎週金曜 22時-22時30分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/soundstorage/

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