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吉岡里帆もハッとした! 石田衣良の考える「恋愛でいちばん大切なこと」は?

吉岡里帆もハッとした! 石田衣良の考える「恋愛でいちばん大切なこと」は?

J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。3月17日(日)のオンエアでは、作家の石田衣良さんをゲストにお迎えしました。


■作家になろうと思った、図書館からの帰り道

石田さんは1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。代表作に『4TEEN』『娼年』などがあります。吉岡は、石田さん原作のドラマ『眠れぬ真珠』に出演したことがあり、ずっと会ってみたかった憧れの存在であると告げると、石田さんも嬉しそうな様子でした。

子どもの頃から読書家だった石田さん。もともと『ウルトラマン』などの特撮SFが好きで、「もっと、この宇宙船や怪獣の世界に浸っていられるモノはないかな」と考え、図書館でアメリカのSFに出会ったことが、本を読み始めるきっかけになりました。

石田:それが、7歳の頃ですね。
吉岡:“本漬け”だったと伺いました。朝借りてその日の夕方に返す、という。
石田:そうですね。朝の本を昼に返し、その日の夕方と夜に読む本を借りていく。そうやって図書館の本棚を読破していきました。

図書館の帰り道に、作家になりたいという気持ちが芽生えました。

石田:本を胸に抱えて半ズボンで歩いて帰るんですけど、「こんなに面白いものを自分が書いて世界中の人を楽しませられたら、これは素晴らしい仕事だな」と思って。
吉岡:早いですね!
石田:でも、そのときは原稿料や印税を知りませんから、作家がなぜ食べていけるかはわかってなかったですね。
吉岡:(笑)。私もそのあたりのことはよく知らないのですが、「ここまで時間をかけた、この1ページが……」と、腑に落ちるものですか?
石田:1ページにそんなに時間はかからないですから。もちろん1冊書くのは大変ですけどね。小説って、作り手側がセリフに力を入れたところで、だいたい空振りするものなんです。逆にさらっとその場で思いついたセリフや文章を書いた方が、読者の心に残っているパターンが多い。なので、決めゼリフはダメです。
吉岡:なるほど。身にしみます。
石田:男女交際もそうですよね。決めゼリフを連発する人は、だいたいモテない人じゃないですか(笑)。
吉岡:(笑)。たしかに、「こう言ってやろう」と思った言葉って、届かなかったりしますよね。


■大学卒業後はフリーターに。小説より日記を書く日々

小説家になりたい――少年が漠然と描いた夢が、“現実的な意思”になるには、時間がかかりました。

石田:なんとなく諦めきれなくて、ダラダラと続けていて、大学を出てからはフリーターになったんです。いったんフリーターになっちゃったんなら、20代は世の中を広く見て、ぶらぶら遊んで棒に振るのもいいかな、という感じでした。
吉岡:肩の力が抜けている感じで、いいですね。当時は小説より日記を書かれていたと伺いました。
石田:小説の文章が書けなかったんです。その頃、書いていた日記では、自分のことを“僕“とか”私“で書けなかったので、「彼は学校に行った」「彼はラーメンを食べた」というふうに書いていました。何ヶ月も書き続けていくうちに、“彼は”が“君は”になって、1年くらい経って“僕は”と書けるようになりました。そのときの“僕”は、いわゆる普通の僕とは違う、小説の中の僕という形にできあがっているんです。だから、日記を書くことは、小説の執筆にすごく役に立ちました。
吉岡:主観でものを書いていくんですね。
石田:遠いものがだんだん近くに来て、自分と作中の人間がぴったり噛み合うことを1年くらいかかりました。
吉岡:日記って2行くらいで終わる方もいると思うんですが、どれくらいの長さを書いていたんですか?
石田:多い日は朝から晩まで書いていたので、20ページとかですね。
吉岡:わー、すごい!
石田:A4の大判のノートに万年筆で、「彼は◯◯しました」と書いているという(笑)。一日に起こった面白いことのリストも作っていましたね。


■街を歩きながら、「表現」を考える

思い出に残っている街は月島。初めて短編の依頼を受け、そのとき住んでいた月島を舞台に『4TEEN』を書き上げました。街を舞台にした小説も多い石田さんは、どんなふうに物を見ているのでしょうか。

吉岡:街を歩くときは、どんなことを感じていますか?
石田:大学生からフリーターの頃は、いろいろ汚いモノを見ないといけない、という気がしていて。街の落書きをじっと見て、これはどういうふうに表現したらいいのかな、なんて考えていましたね。例えば、『池袋ウエストゲートパーク』の舞台である池袋の、サンシャイン60通りのタイルの下って、みんなが吐いたガムが点々と散っているんです。それを水玉模様みたいだと感じて、小説に書いたり。面白いことを探すのが癖になっていて、それを続けている感じですね。

■石田衣良の恋愛講座! 大事なのは?

次々と作品が生み出される、石田さんの仕事部屋。インタビューの写真や映像でもよく登場します。

白に統一した広々とした部屋には、本棚、机、パソコンがあります。また、オーディオの機械も。大量の本とCDを、どのように管理しているのでしょうか?

石田:基本的には、なるべく本棚の中にきちんと収めるようにしています。ある学説なんですけど、人間は覚えられるものが2000個ぐらいなんですって。だから、CDや本の背表紙が見える状態で置いておくことが大事なんです。「あそこにあの本があるな」とぱっと調べられるので、大きい本棚を一つ用意しておくといいと思います。

恋愛小説を数多く執筆する石田さんは、本棚に関して、こんな思いもあるそうです。

石田:女性に言いたいことは、彼の家に遊びに行って本棚がない人とは結婚してはダメです。
吉岡:そうなのですね……!
石田:そういう人はその先、伸びることはないので、本棚はちゃんと見ましょう。
吉岡:本棚のラインナップで気をつけるべきことはありますか? ……恋愛講座みたいになってきちゃった(笑)。
石田:(笑)。いちばん良くないのは、マニュアル的なモテ本や自己啓発系の本ですね。
吉岡:めちゃくちゃ怖い本、とか持っている方はどうですか?
石田:ホラーやミステリーはいいと思いますよ。あと、なかなかエロい本をズラっと並べる勇気のある男の子はいないですから、そういうのもちょっといいかもしれませんね。「翻訳物のエロい書籍がある」と言ったら、「なかなかいいセンスしてるな」と思っちゃいますね。それは女の子にも当てはまることなので、頑張ってほしいです。
吉岡:(笑)。
石田:何を頑張るんだって感じですね(笑)。


石田さんが思う、恋愛でいちばん大切なことは?

石田:みんなすぐに、顔や身長、スタイル、お金はどうか、などと言いますけど、大事なのは会話だと思うんです。(恋人って)二人で話している時間が長いので、話が合う人と普通に付き合ってみたらといいと思います。
吉岡:シンプルだけど、はっとさせられます。

石田さんの最新作は『不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲』。舞台は、1945年3月10日の東京大空襲。〈アンダイング=不死身〉とあだ名をつけられた日系2世の少年が、「父の国の大空襲から母を守る」作品。ぜひチェックしてみてください。

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【番組情報】
番組名:『UR LIFESTYLE COLLEGE』
放送日時: 毎週日曜 18時-18時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/

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