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全編セリフなし! 言葉は観る者の感覚を奪う…映画『ブラ物語』ファイト・ヘルマー監督が語る

全編セリフなし! 言葉は観る者の感覚を奪う…映画『ブラ物語』ファイト・ヘルマー監督が語る

J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)。11月1日(木)のオンエアでは、ドイツ人映画監督のファイト・ヘルマーさんが登場。現在開催中の東京国際映画祭コンペティション部門にノミネート中の作品『ブラ物語』などについて訊きました。

ヘルマーさんは1968年ドイツ生まれ。東ベルリンのエルンスト・ブッシュ演劇大学に留学し、ミュンヘンのテレビ映画大学で学びました。長編映画『ツバル』をきっかけに世界的にも知られるようになり、多様な文化や音楽、人種や民族を融合させたユニークな作品を送り出してきました。小さな頃から映画に親しんでいたというヘルマーさんは、14歳で映画を撮っていたそうです。

ヘルマー:6歳くらいから映画は観ていたんですが、14歳のときにフランソワ・トリュフォー監督の作品『アメリカの夜』を観て、この作品は恋愛映画ですが映画がどのように作られているのかよくわかる作品だったので映画監督という職業も意識しました。映画学校に入学する前から、自分で色々と試してみて失敗もその時にしたので、学校に行きはじめたときには、失敗を人にみられることはなかったんです。最初の頃はラジオ局で放送した演劇をもとに作品を撮っていました。

現在開催中の東京国際映画祭コンペティション部門にノミネート中の最新作『ブラ物語』について伺いました。

ヘルマー:舞台はアゼルバイジャンです。家と線路がとても近くて、住んでいる人たちはその線路を公共の場として使っていてお茶を飲んでいたりするのですが、電車がくると一斉に片付けてよけるんです。これは20年間くらいあったスタイルでしたが、ついこの間なくなってしまったんです。そのことをポジティブな恋愛物語にしています。

『ブラ物語』は、列車の運転手が定年退職前最後の運転の際、電車に青いブラジャーがかかっているのを見つけ、その持ち主を探すというシンデレラのようなストーリーです。また本作は映画全編が会話のない作品となっています。

ヘルマー:ヒッチコックも言っていましたが、会話がないことで言葉以外の音に気がいく、言葉は観るものの色々な感覚を奪うものでもあるのです。映画というものは、目の前のものをみること、イメージをわたすことで映画がスペシャルなものになるとも言っています。

ドキュメンタリー作品も数多く撮っているヘルマーさん。今回のようなフィクションを撮るときと違いはあるのでしょうか。

ヘルマー:10年前に日本にドキュメンタリーを撮りにきたこともありますが、国が違うもの同士がどう近づいていくのか、どういう関係を持っていくかにとても興味をもっていました。今回の作品で会話がないことでよいことは、もうひとつあります。世界中から俳優さんを集めることができることで、フランス、ロシア、ブルガリアなど色々なところから参加したことです。それぞれがアゼルバイジャンに来て撮影しましたが、今回はじめて東京で会ったという人もいるんです。

『ブラ物語』については、映画祭出品後の日本での公開予定は未定です。ヘルマーさんは「勇気のある配給会社はぜひ配給してください」と呼びかけていました。

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【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月曜-木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/

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