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夏の風物詩「新潮文庫の100冊」、実は100冊じゃない! 特に売れているのは…

夏の風物詩「新潮文庫の100冊」、実は100冊じゃない! 特に売れているのは…

J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)。8月7日(火)のオンエアでは、新潮社新潮文庫編集部の岑(みね)裕貴さんをゲストにお迎えし、新潮社が毎年夏に行っているキャンペーン「新潮文庫の100冊」の秘密に迫りました。


■思いがあふれて…今年は106冊

書店で「新潮文庫の100冊」のコーナーを見ると、夏を感じる人も少なくないでしょう。今年の新聞広告は文章が書かれており、基本的には今年選ばれた100冊の本のタイトルのみで作られています。好きな本のタイトルを探してみるのも楽しそうです。

「新潮文庫の100冊」が始まったのは1976年、今年で42年目を迎えます。当時は中高生に、最初の読書をこの中から選んでもらおうという試みで始まりました。

クリス:ちょっとビックリしたのが、実は100冊じゃないという……。
:そうですね(笑)。最初は100冊だったんですけど、いつしか……。この新聞広告でも「思いがあふれて」と書いてますけど。
クリス:「思いがあふれて100冊以上になっております」と(笑)。

今年は106作品が選ばれています。昔は新刊が入っていませんでしたが、新刊が入れるようになってから、100冊を超えるようになったそうです。

現在は本屋に行くと大きい書棚に100冊が並べられるようになりましたが、始めたばかりの頃は、そもそも文庫を並べること自体がありませんでした。そんな「新潮文庫の100冊」が広まったのは、糸井重里さんのキャッチコピーがきっかけだったとか。1984年から糸井重里さんが手がけています。

井上陽水さんを起用した1984年のキャッチコピー「100冊ぜんぶ読むと、とんでもないことになると思う。」、1987年は陣内孝則さんを起用した「僕は、夏の赤ん坊です。」、1992年の宮沢りえさんの「十年後の夏、また泣いた。」などなど、覚えている人もいるのでは?


■どうやって選ぶの?

現在、「新潮文庫の100冊」は「恋愛の本」「シビレル本」「考える本」などテーマに別れており、気分に合わせて読みたい本を探しやすくなっています。

そこで気になるのが、どのようにして100冊を選んでいるのか、というところ。岑さんによると、編集部・宣伝部・営業部など各部署から8人ほどが「100冊チーム」を組み、中高生に向けた、児童書から一歩進んだ内容のものを基準に選ぶそうです。

:最近ではけっこう大人でも「夏だから本を読んでみよう」という方も多いので、普段あまり本を読まないけど、これなら読めるかなというものを選ぶようにしています。

選ばれる100冊は毎年異なりますが、フェアが始まって以来ずっと選ばれている作品もあります。『こころ』(夏目漱石)や『人間失格』(太宰治)、『赤毛のアン』(L・M・モンゴメリ)など、言わずとしれた名作です。実は読んだことがない……という人は、手にとってみてはいかがでしょうか。


■今年、特に注目されているのは?

特に売れている作品をご紹介いただきました。

:今年、特に注目されている作品ですと、藤岡陽子さんの小説『手のひらの音符』。「新潮文庫の100冊」には、すべて統一の黄色い帯が巻かれているんですけど、いくつか違う特別な帯があって、この藤岡さんの『手のひらの音符』もそうです。

この帯には書店員さんが手書きで書いた紹介文が書かれています。ぜひ書店で確認してみてください。

もう1冊紹介してくれたのは、森下典子さんの『日日是好日—「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』。こちらは20歳のときからお茶を習っている森下さんが、25年間の自分の人生とお茶を通じて気づいていったことを綴ったエッセイです。

:「日日是好日」って「毎日が良い日」って意味ですが、それがどういうことなのかっていう、森下さんが25年かけて体得したものがこれ1冊で本当によくわかります。お茶のことをまったく知らなくても楽しめる本です。

この本は映画化も決まっています。「本を読んでから映画をご覧になったほうがより楽しめるかも」と岑さん。この夏、ぜひチェックしてみてください!

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【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/

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