J-WAVEの番組『SEIKO SOUND STORAGE』。ミュージシャンやスポーツ選手など、各界で活躍するゲストがマンスリーで登場します。8月のマンスリーゲストは、シンガーソングライターの森山直太朗さんです。3週目となる8月17日(金)のオンエアでは、自身の楽曲制作について語りました。
【1回目】森山直太朗、寝ていると玉置浩二が来て「一緒にお風呂入ろ、と…」
【2回目】森山直太朗、路上ライブでタバコの吸殻をギターケースに入れられて…
■「詞と曲、どっちが先?」とよく訊かれるけれど…
森山さんが音楽の世界へ入るきっかけとなったのは、高校時代からの旧友・御徒町凧さんとの曲づくりです。現在、御徒町さんは、森山さんと一緒に事務所を立ち上げ、ライブの演出なども手がけています。
森山:よく「詞と曲、どっちが先?」と訊かれたりするんですけど、本当にこれがまちまちで、曲が先の“曲先”のときは、自分のなかで詞がワーッとできあがって、御徒町がスパイスみたいなパターン。歌詞が先の“詞先”で御徒町がワーッと書いてきたものに私がスパッと曲をつける、そういうパターンもある。たとえば、「劇場公演」というトリッキーなシアトリカルな音楽舞台をやっているんですけど、物語に準じて曲が生まれていったり、当てはめたりとか、でき方のプロセスとか、できる衝動とかが、その時期によってまちまちです。曲先のものに関しては、特にツアーとか、活動のひとつの軸になっていくと、「ツアーでこんなものを歌ってみたいな」とか、だいたいイメージから入るので、失敗するパターンもあって、「思っていたのと違う。こんなのじゃなかった。やり直し」というのも、たくさんあるんです(笑)。
■『絶対、大丈夫』誕生の裏側
昨年、15周年を迎えた森山さん。15周年アニバーサリーツアーのタイトルにもなった楽曲『絶対、大丈夫』が誕生したプロセスを語りました。
森山:いろいろあるなかで、「絶対、大丈夫」という言葉があって。御徒町がスパッと「これ、15周年なのに頼りなくていいね。『絶対、大丈夫』って言ってる人って絶対ダメだよね」、「それって我々の一生懸命やってきたというところでしか語りきれない」、「象徴しているね」ということで、そこからリハで、「『絶対、大丈夫』って曲を作らない?」と、曲ができました。そのとき夢中になっているものとか、取り組んでいるものに対して、ツアーとか劇場公演とか物語に準じた舞台・表現活動をやっていると、どうしてもそこで「ここでこういう歌を歌ってみよう」、「この物語にこういう内容の歌か朗読があると奥行きが増すから」とか、歌うきっかけがそこに芽生えてくる。それはすごく手前味噌のマッチポンプ的なところはあるんだけど、それは自分たちが活動するなかの励みになるし、糧となっているんです。
■「影響」という言葉も飛び越えた「衝撃」
続いて、森山さんは、「ある音」に衝動を受け、音楽をはじめたと振り返ります。
森山:若いうちって、自分のルーツとか、「ここから影響を受けちゃってるわけね」ということを、言いたくないんですよね。だけど、年を重ねていくと、そういうものがなかったら自分はなかったんだなと振り返りをする季節が何度かあるんです。そういう意味では、母親から連なるフォークシンガーには、すごく影響を受けていて、「影響」という言葉も飛び越えた「衝撃」は、玉置浩二さんだったんですよね。当時、僕は中学生とか高校生くらいで、とある歌番組で、玉置さんが『SACRED LOVE』という歌を弾き語りと大勢のストリングスを従えて歌ってました。僕はその頃、サッカーとかをしていた時期なので、ぼんやり観ていたんですけど、最後に「愛の灯の永遠を」というフレーズがあるんです。「永遠」の「え」が「ラ」の音なんです。この音を聴いたときに、「なんだこれは!」って。
「すごく新しいことを歌っているわけではないですけど、『この音ってなんなの?』」と感じたと、森山さん。
森山:「なんで音楽をはじめたんだろう」って、いろいろな理由はあるんだけど、単純に「この『ラ』を出せたら気持ちいいだろうな」という安易な衝動とか憧れから、きっとギターで弾き語りをしてみたんですよね。僕は未だにあの「ラ」を出せなくて、出るんだけど質が悪くて、それはバリトンとかテノールとか、骨格とか声帯の問題とかもあるけど、それでもいいからあの「ラ」を出してみたいなっていう。そこに衝撃を受けていたような気がしますね。
次回8月25日(金)も引き続き、森山さんの創作にまつわるお話を伺います。お聴き逃しなく!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SEIKO SOUND STORAGE』
放送日時:毎週金曜 24時-24時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/soundstorage/
【1回目】森山直太朗、寝ていると玉置浩二が来て「一緒にお風呂入ろ、と…」
【2回目】森山直太朗、路上ライブでタバコの吸殻をギターケースに入れられて…
■「詞と曲、どっちが先?」とよく訊かれるけれど…
森山さんが音楽の世界へ入るきっかけとなったのは、高校時代からの旧友・御徒町凧さんとの曲づくりです。現在、御徒町さんは、森山さんと一緒に事務所を立ち上げ、ライブの演出なども手がけています。
森山:よく「詞と曲、どっちが先?」と訊かれたりするんですけど、本当にこれがまちまちで、曲が先の“曲先”のときは、自分のなかで詞がワーッとできあがって、御徒町がスパイスみたいなパターン。歌詞が先の“詞先”で御徒町がワーッと書いてきたものに私がスパッと曲をつける、そういうパターンもある。たとえば、「劇場公演」というトリッキーなシアトリカルな音楽舞台をやっているんですけど、物語に準じて曲が生まれていったり、当てはめたりとか、でき方のプロセスとか、できる衝動とかが、その時期によってまちまちです。曲先のものに関しては、特にツアーとか、活動のひとつの軸になっていくと、「ツアーでこんなものを歌ってみたいな」とか、だいたいイメージから入るので、失敗するパターンもあって、「思っていたのと違う。こんなのじゃなかった。やり直し」というのも、たくさんあるんです(笑)。
■『絶対、大丈夫』誕生の裏側
昨年、15周年を迎えた森山さん。15周年アニバーサリーツアーのタイトルにもなった楽曲『絶対、大丈夫』が誕生したプロセスを語りました。
森山:いろいろあるなかで、「絶対、大丈夫」という言葉があって。御徒町がスパッと「これ、15周年なのに頼りなくていいね。『絶対、大丈夫』って言ってる人って絶対ダメだよね」、「それって我々の一生懸命やってきたというところでしか語りきれない」、「象徴しているね」ということで、そこからリハで、「『絶対、大丈夫』って曲を作らない?」と、曲ができました。そのとき夢中になっているものとか、取り組んでいるものに対して、ツアーとか劇場公演とか物語に準じた舞台・表現活動をやっていると、どうしてもそこで「ここでこういう歌を歌ってみよう」、「この物語にこういう内容の歌か朗読があると奥行きが増すから」とか、歌うきっかけがそこに芽生えてくる。それはすごく手前味噌のマッチポンプ的なところはあるんだけど、それは自分たちが活動するなかの励みになるし、糧となっているんです。
■「影響」という言葉も飛び越えた「衝撃」
続いて、森山さんは、「ある音」に衝動を受け、音楽をはじめたと振り返ります。
森山:若いうちって、自分のルーツとか、「ここから影響を受けちゃってるわけね」ということを、言いたくないんですよね。だけど、年を重ねていくと、そういうものがなかったら自分はなかったんだなと振り返りをする季節が何度かあるんです。そういう意味では、母親から連なるフォークシンガーには、すごく影響を受けていて、「影響」という言葉も飛び越えた「衝撃」は、玉置浩二さんだったんですよね。当時、僕は中学生とか高校生くらいで、とある歌番組で、玉置さんが『SACRED LOVE』という歌を弾き語りと大勢のストリングスを従えて歌ってました。僕はその頃、サッカーとかをしていた時期なので、ぼんやり観ていたんですけど、最後に「愛の灯の永遠を」というフレーズがあるんです。「永遠」の「え」が「ラ」の音なんです。この音を聴いたときに、「なんだこれは!」って。
「すごく新しいことを歌っているわけではないですけど、『この音ってなんなの?』」と感じたと、森山さん。
森山:「なんで音楽をはじめたんだろう」って、いろいろな理由はあるんだけど、単純に「この『ラ』を出せたら気持ちいいだろうな」という安易な衝動とか憧れから、きっとギターで弾き語りをしてみたんですよね。僕は未だにあの「ラ」を出せなくて、出るんだけど質が悪くて、それはバリトンとかテノールとか、骨格とか声帯の問題とかもあるけど、それでもいいからあの「ラ」を出してみたいなっていう。そこに衝撃を受けていたような気がしますね。
次回8月25日(金)も引き続き、森山さんの創作にまつわるお話を伺います。お聴き逃しなく!
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放送日時:毎週金曜 24時-24時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/soundstorage/
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