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言葉の壁を超えた対話を楽しむ!「ダイアログ・イン・ サイレンス」の魅力

言葉の壁を超えた対話を楽しむ!「ダイアログ・イン・ サイレンス」の魅力

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE SELECTION』。7月29日(日)のオンエアでは、『SHIMIZU KENSETSU DIALOGUE IN SILENCE』(ナビゲーター:板井麻衣子)と題し、参加者が非言語表現のレパートリーを発見する、静けさの中の体験型ワークショップ「ダイアログ・イン・ サイレンス」の魅力についてお届けしました。

「ダイアログ・イン・ サイレンス」とは、「静けさの中での対話」。音を遮断する高性能のヘッドフォンを付け、完全な静けさの中、12人の参加者がさまざまな体験をしていきます。その体験をガイドするのは、聴力に障害のある方です。

そんなアテンドスタッフと一緒に体感する90分ほどの音のない世界。「物事をどんな風に感じるのか?」「声を使わずにコミュニケーションするには、どうすればいいのか?」などを考え、発見し、気づく時間をデザインし、ひとつのエンターテイメントとして提供しているのが「ダイアログ・イン・ サイレンス」です。


■聴力に障害を持つ大橋ひろえさんと、ダンスとの出会い

番組では「ダイアログ・イン・ サイレンス」のアテンドスタッフである大橋ひろえさんをお迎え。彼女のこれまでの歩みをたどりながら、「DIALOGUE IN SILENCE」の持つ意味、可能性、そこに込められたメッセージに迫りました。

生まれつき聴力に障害を持つ大橋さんは、ダンスに力を注ぎ、のちにミュージカルという形で実を結んでいきます。まずは、ダンスとの出会いについて、お話をうかがいました。

大橋さんは幼い頃バレエを習い、音が分からないながらも、隣の人の姿を見ながら踊りをマネすることが楽しかったといいます。その後、小学6年頃にダンスと出会いました。

板井:実際 自分で表現するダンスとなった時は、どのように学んでいったんですか?
大橋:学ぶという意識じゃなくて、マネた中でリズムが生まれてくる。踊りながら、体を動かしながら、リズムが生まれてくることで、それが喜びに変わる楽しさになりました。初めて「これが踊ることなんだ」という実感をしたんですね。

しばらくして、大橋さんはテレビ番組『ベストヒットUSA』を見て、さらにダンスに魅了されていきます。

大橋:『ベストヒットUSA』は、アメリカ版の『ザ・ベストテン』みたいな番組です。いつも姉が観ていて、私も横で観ていました。この番組は日本語字幕がついていたんです。それまで、ほかの番組は字幕が全くなかったんです。字幕に感動して、さらに多くのダンス映像が出てくるんですよ。マイケル・ジャクソンやジャネット・ジャクソン、マドンナとか。
板井:彼らの全盛期の映像ですね。
大橋:それを見ながら、バレエと同じように、彼女らの踊っている姿をマネて踊り始めました。「(この感覚)懐かしい。ダンスってこんなに楽しいんだ」と思い、そこから少しずつ自己流的なダンスをやり始めました。


■アメリカで気付いた対等な目線や姿勢

続いて、大橋さんがアメリカへ初めて行った時に感じたことや得たことを教えてくれました。

大橋:アメリカでは自分のアイデンティティが確立しているということです。「私はこういう人なんだ」というものをそれぞれが持っているんです。当時の私はそれがありませんでした。相手に合わせるみたいな、受け身の立場だったんです。それは小さい頃から染みついていた性格でもあり、これは聞こえない人たちにも共通してるところです。だけどアメリカでは、それじゃ通用しない。自分を出さないと見てくれないし振り向いてくれないんです。

他にも、「すみません。聞こえないので、これをやってもらってもいいですか?」という姿勢がアメリカにはない、と大橋さんは続けます。

大橋:「聞こえないけど、だから何?」「何を手伝ってもらいたいの?」っていう、すごく対等な目線や姿勢でいてくれるんです。これが非常に気持ちよかった。「私って、居ていいんだ」って実感できる場所だったんですよね。だから、「対等に私のことを受け入れてくれる」という喜びが大きかったですね。


■目と目を見合わせれば関係性がつくれる

そんな大橋さんもアテンドスタッフを務める「ダイアログ・イン・ サイレンス」。総合プロデューサー・志村季世恵さんと志村真介さんに、「ダイアログ・イン・ サイレンス」の開催に込めた想いをうかがいました。

季世恵:多様な方と出会える場があったらいいなと思っています。私たちは何かと条件をつけがちで、例えば「英語が話せないから、英語圏の人とは話せない」とか、「手話ができないから、耳が聞こえない人とは話せない」とか、「こうしないとできない」というところがあると思います。でも、「ダイアログ・イン・ サイレンス」はそうではなく、目と目を見合わせれば関係性がつくれ、おしゃべりができてしまう。「通じるんだ」「誰とでも友達になれておしゃべりができる」、そんなことを感じてもらえたらいいなと思っています。
真介:自分も含めて、無表情なんですよね。でもコミュニケーションは感情を伝えることが大事で、身振りや表情で、もっと違うことが人には伝わると思うんです。どうしても無表情になる自分たちが、あえて言葉を使わず、身振り素振りで感情を伝えていく。人って、言葉じゃなくても通じるんだということは、すごい発見だと思います。

最後に、大橋さんに、「ダイアログ・イン・ サイレンス」の魅力についてお訊きしました。

大橋:「ダイアログ・イン・ サイレンス」は手話もない、声も出さない、赤ちゃんのような状態から始まり、部屋が変わるにつれて、だんだん大人になっていき、最後は自分がどういう人か分かる、という流れになっています。その流れをつくることで、人間のコミュニケーションのリセットができるんじゃないかなと思います。先入観があるなかで暮らしていたものが、「ダイアログ・イン・ サイレンス」に参加することで、人間のリセットができる。そこが素晴らしいところだと思います。

「ダイアログ・イン・ サイレンス」は、8月26日(日)まで、東京・LUMINE 0 NEWoMan新宿で開催しています。新しいコミュニケーションを見つけに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。詳しい情報はオフィシャルサイトをご覧ください。

次回、2018年8月5日(日)の『J-WAVE SELECTION』は、Crystal KayさんとNakamuraEmiさんによる「music & beer」をテーマにした、スペシャルLIVEをオンエアします。どうぞお聴き逃しなく!

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【番組情報】
番組名:『J-WAVE SELECTION SHIMIZU KENSETSU DIALOGUE IN SILENCE』
放送日時:7月29日(日)22時-22時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/holiday/20180729/

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