J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。5月13日(日)のオンエアでは、現代美術家の笹田靖人さんをゲストにお迎えし、作品へのこだわりなど貴重なエピソードをお訊きしました。
笹田さんは、岡山県倉敷市出身で、中学校3年生のときに『読売国際漫画大賞』のジュニア部門で優秀賞に輝きました。当時と現在では絵のタッチはかなり変わったそうですが、その頃から一枚の絵で表現するということが自分の中でしっくりきていたそう。「漫画は好きだけど、ストーリーじゃなくて一枚の絵で伝えたい」という軸は変わらないと笹田さんは言います。
その後、京都造形大学情報デザイン学科に進み、卒業後、2014年にヨウジヤマモトとコラボレーションした作品をパリコレで発表されました。しかし、その間にはいろいろな苦悩があったそう。
大学卒業後、画家になりたかったものの、いきなり京都から東京に出てきてすぐになれるものではないことはわかっていたため、「絵を描くのが好きだからイラストレーターになろう!」と、イラスト事務所に就職します。
笹田:そこで、自分の個性を消していくと褒められるんです。そしてうまく描けるんですね、たまに。そしたら先輩が褒めてくれるんです。でも嬉しくないんです、あんまり。「これはやばいな」と思って、3ヶ月で退社して。画家を目指すんだったら、最初から好きなものを描いてそれをアピールしなきゃいけないんじゃないかってようやく気づいて。それに気づいてからはもう止められなかったですね(笑)。
その後はアジア最大規模のアートイベント『上海芸術博覧会』に出展されるなど、幅広い活躍をされています。
この日は、笹田さんの作品をいくつかスタジオにお持ちいただきました。作品を目の前にすると「うわ〜すごい!」と思わず声をあげた吉岡。
まず見せてもらった作品のタイトルは『オンブトノサマバッタ』。これは普通のボールペンで描いたそうなのですが、主に壊れたボールペンを使っています。
笹田:紙が詰まってしまってみんなが捨てるボールペンが僕にとっては宝物なんです。(インクが)よく出ると黒いところだけしか表現できない。なので、かすれさせて鉛筆のようにBとかHとかいろんな濃さを作って、デッサンのように描くんです。そうすることによってこの濃淡とかが出てくるんです。
続いての作品は『ゆるふわガール降臨』というタイトルで、吉岡の印象では前述の『オンブトノサマバッタ』とは違う人が描いたような……と感じるほど色使いも違う作品です。
吉岡:女の子が真ん中にいるんですけど、その周りに描かれているモチーフが、ある意味一連のテーマがない。だってどら焼きがあるかと思ったら、女の子が飛んでたり、薬が飛んでたり。空中を飛んでるんですよね、きっと。
笹田:なんかやっぱり、僕もなぜこういうことをするかというと、(お客さんが)絵の前になかなかいてくれないと思うことが、今まで展覧会をやっていてあるんですね。
さらっと見て立ち去ってしまうお客さんを、絵の前に立ち止まらせて、ちゃんと見てもらいたいという気持ちが募り、「じゃあ今まで教わったことだけじゃダメだろう」と思った笹田さん。
笹田:僕が思うのは、ハレーションというか色と色が、蛍光の黄色とかピンクとかってチカチカするじゃないですか。こういうことっていうのは、みんなが嫌ったり、「ここハレーションしてるよ」って注意するようなことだったりするんだけど、でも、それをわざと使ってみんなの注意を引く。みんな見たときに違和感を感じると思うんですよ。
それを笹田さんは「実験」と言います。
笹田:芸術というよりかは、僕の場合、科学の実験みたいな感じで「これとこれは合うだろうか?」っていうことをずっと繰り返しているんです。みんなが「合わないだろう」って思ってるものを、絶対合わせてみたいんですよ。それを見せたいんです、みんなに。
作品への思いを熱く語った笹田さん。今回紹介した作品は番組HPに掲載しているので、ぜひご覧になってみてください!
オンエアではその他、パリコレでヨウジヤマモトさんとコラボレーションをすることになったきっかけもお訊きしました。
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【番組情報】
番組名:『UR LIFESTYLE COLLEGE』
放送日時:日曜 18時-18時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/
笹田さんは、岡山県倉敷市出身で、中学校3年生のときに『読売国際漫画大賞』のジュニア部門で優秀賞に輝きました。当時と現在では絵のタッチはかなり変わったそうですが、その頃から一枚の絵で表現するということが自分の中でしっくりきていたそう。「漫画は好きだけど、ストーリーじゃなくて一枚の絵で伝えたい」という軸は変わらないと笹田さんは言います。
その後、京都造形大学情報デザイン学科に進み、卒業後、2014年にヨウジヤマモトとコラボレーションした作品をパリコレで発表されました。しかし、その間にはいろいろな苦悩があったそう。
大学卒業後、画家になりたかったものの、いきなり京都から東京に出てきてすぐになれるものではないことはわかっていたため、「絵を描くのが好きだからイラストレーターになろう!」と、イラスト事務所に就職します。
笹田:そこで、自分の個性を消していくと褒められるんです。そしてうまく描けるんですね、たまに。そしたら先輩が褒めてくれるんです。でも嬉しくないんです、あんまり。「これはやばいな」と思って、3ヶ月で退社して。画家を目指すんだったら、最初から好きなものを描いてそれをアピールしなきゃいけないんじゃないかってようやく気づいて。それに気づいてからはもう止められなかったですね(笑)。
その後はアジア最大規模のアートイベント『上海芸術博覧会』に出展されるなど、幅広い活躍をされています。
この日は、笹田さんの作品をいくつかスタジオにお持ちいただきました。作品を目の前にすると「うわ〜すごい!」と思わず声をあげた吉岡。
まず見せてもらった作品のタイトルは『オンブトノサマバッタ』。これは普通のボールペンで描いたそうなのですが、主に壊れたボールペンを使っています。
笹田:紙が詰まってしまってみんなが捨てるボールペンが僕にとっては宝物なんです。(インクが)よく出ると黒いところだけしか表現できない。なので、かすれさせて鉛筆のようにBとかHとかいろんな濃さを作って、デッサンのように描くんです。そうすることによってこの濃淡とかが出てくるんです。
続いての作品は『ゆるふわガール降臨』というタイトルで、吉岡の印象では前述の『オンブトノサマバッタ』とは違う人が描いたような……と感じるほど色使いも違う作品です。
吉岡:女の子が真ん中にいるんですけど、その周りに描かれているモチーフが、ある意味一連のテーマがない。だってどら焼きがあるかと思ったら、女の子が飛んでたり、薬が飛んでたり。空中を飛んでるんですよね、きっと。
笹田:なんかやっぱり、僕もなぜこういうことをするかというと、(お客さんが)絵の前になかなかいてくれないと思うことが、今まで展覧会をやっていてあるんですね。
さらっと見て立ち去ってしまうお客さんを、絵の前に立ち止まらせて、ちゃんと見てもらいたいという気持ちが募り、「じゃあ今まで教わったことだけじゃダメだろう」と思った笹田さん。
笹田:僕が思うのは、ハレーションというか色と色が、蛍光の黄色とかピンクとかってチカチカするじゃないですか。こういうことっていうのは、みんなが嫌ったり、「ここハレーションしてるよ」って注意するようなことだったりするんだけど、でも、それをわざと使ってみんなの注意を引く。みんな見たときに違和感を感じると思うんですよ。
それを笹田さんは「実験」と言います。
笹田:芸術というよりかは、僕の場合、科学の実験みたいな感じで「これとこれは合うだろうか?」っていうことをずっと繰り返しているんです。みんなが「合わないだろう」って思ってるものを、絶対合わせてみたいんですよ。それを見せたいんです、みんなに。
作品への思いを熱く語った笹田さん。今回紹介した作品は番組HPに掲載しているので、ぜひご覧になってみてください!
オンエアではその他、パリコレでヨウジヤマモトさんとコラボレーションをすることになったきっかけもお訊きしました。
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番組名:『UR LIFESTYLE COLLEGE』
放送日時:日曜 18時-18時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/
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