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賛否両論!?「IT葬儀」の裏にある深刻な事情とは

賛否両論!?「IT葬儀」の裏にある深刻な事情とは

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「STEP ONE」(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。8月28日(月)のオンエアでは「IT葬儀」に注目しました。

日本で昔から受け継がれてきたお葬式にも、ついにITの波が押し寄せています。ロボット導師をはじめ、中国ではロボット僧侶が登場しており、デジタルシャーマンやアバター葬儀、ライブ配信によって擬似参列できるネット葬儀サービスなんてものも…。

賛否両論あるこの「IT葬儀」について、ITジャーナリストの井上トシユキさんをお迎えして解説していただきました。まずは“ロボット導師”ですが、その正体はあのペッパーくん。ペッパーくんに読経のプログラミングを施して、お経を唱えてもらうそうです。

「今、お坊さんの数が足りないとか、後継者がいないと言われていますけど、人が足りなくてもペッパーくんがやってくれるということで、費用はだいたい5万円くらいからになってるみたいですね」(井上さん、以下同)

IT化が進む葬儀、その背景にはどういったことが考えられるのでしょうか? 井上さんが最初に葬儀のIT化を感じたのは、2010年頃に登場した「ネットでお墓参り」のサービス。その次に、2013年頃にネットを通じて葬儀に参列できる本格的なIT葬儀が登場したそう。井上さんが葬儀事業者の方にお話を聞いたところ…

「都市周辺部でお寺が成り立たなくなってきているそうなんです。まず、お寺を維持していくお坊さんが足りない。お坊さんの家に生まれた方々が後継者として継いでくれないので、お寺とお墓を誰が守っていくんだという話になり、お墓が荒れてしまう。そこで檀家の方々が集まって、『なんとかしないといけないね』と」

さらに、都市周辺部や過疎地はすごく高齢化しているので、檀家が少なくなる一方で増えていかないという問題も。それらの問題を解決するために、ネットを使った葬儀が誕生したという経緯があるのだそうです。

井上さんの話では、全国の8割くらいのお寺が維持するための採算が取れていないそう。これにはサッシャも寺岡も驚きの声をあげます。ひとつのお寺を維持していくためには、檀家さんは300人くらい必要だそうですが、その数を確保できているのは全国で2割程度とのことでした。

新たな商法の1つとしてIT葬儀が増えている、と思われている方もいらっしゃると思いますが、老人や身体の不自由な方にとってみれば、ネットであってもちゃんと気持ちを伝えられるという面で喜ばれているそうです。

「デジタルというちょっと無味乾燥に聞こえますが、ご先祖を敬いたい、ちゃんとした葬儀をしたい、という“気持ち”=アナログなものをすくい取っていて、ある種のデジタルとアナログの理想形みたいなものがここにある、と僕は思いますけどね」と井上さんはおっしゃいます。

大切なのは気持ち。今後は時代の流れとともに、葬儀のIT化が受け入れられていくかもしれませんね。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「STEP ONE」
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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