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馬と出会ったことによって人類が進化したって本当?

馬と出会ったことによって人類が進化したって本当?

J-WAVEで放送中の番組「GROWING REED」(ナビゲーター:岡田准一)。3月19日(日)のオンエアでは、歴史学者の本村凌二さんをゲストにお迎えしました。

本村さんは古代ローマ史を専門にする歴史学者である一方、馬・競走馬に熱い情熱を注いでいらっしゃいます。これまで著書や講義で馬と人について取り上げ、昨年の夏には、念願だったという「競馬の世界史」を書き上げました。そんなお話を1時間たっぷりお聞きしました。

もともと本村さんが馬に興味を持ち出したのは、お父さんの影響だそう。「自分がゴルフで行けないから『馬券を買ってくれ』って言って。それで府中の競馬場に行ったんですよ。4月末のちょうど新緑のいい季節だったんで。それまではそんな特別な思いはなかったのに、こんな広々とした緑のキレイなところをサラブレッドが走るっていうのは、『これはすごいな』って」(本村さん、以下同)

それから45年、馬券を買い続けているのだそう。45年前の1日のことをはっきり覚えているとは、よほどインパクトのある体験だったのですね。そんな本村さんが「馬の世界史」と「競馬の世界史」を書かれたのには、どんな経緯があったのでしょうか?

「競馬が好きだったから、人間と馬の関わりを見ていくうちに、『あぁ、これは世界史の大きなテーマになるな』っていうので…最初は大学の授業でやったんですよ。そのときに馬の人類史みたいな話をやりまして」と本村さん。それがのちに「馬の世界史」になったそう。

この“世界史の馬版”に「おもしろそう!」と興味津々の岡田。人間が馬に乗り始めたのは、今からだいたい3000年前。もともとは完全に食用だったそうです。それが、馬に噛ませる鉄製の“ハミ”が発明されたことで、馬に乗る技術ができ上がっていったそうで、それ以前は馬に乗る人はいたけれど曲芸の一つだったと思う、と本村さんはおっしゃいます。

それまで人間が感じられる速度はせいぜい全力で走った程度。しかし、馬に乗れるようになったことで、人間は“スピード”という観念を手に入れたと、本村さんはおっしゃいます。さらに、このスピードは人間の歴史に大きな進歩をもたらせます。速いスピードを手に入れると当然、情報伝達の速度も速くなり、交流範囲も広くなるため、人類の進化も速くなるもの。

「僕のスローガンとしては『もし人間が馬と出会わなかったら21世紀もまだ古代だった』っていうね(笑)」と本村さんは持論を展開。

“もしも馬がいなかったら”という実験はできませんが、それを裏付ける根拠のようなものがアメリカ大陸の歴史からわかるそうです。アメリカ大陸にも馬はいたのですが、すべて食べてしまって1万年ほど前にいなくなってしまいました。ヨーロッパがアメリカ大陸に進出したのは今から500年ほど前。それまでのアメリカ大陸の文化は、馬に乗っていたヨーロッパに比べると、とても遅れていたそうです。「僕は馬がいなかったことが大きな影響じゃないかなと思います」と語った本村さん。人類の歴史にそんなに大きな馬の影響があったとは、おもしろいですね!

このほか村本さんには、さらに深い人間と馬との歴史から、現代の日本の競走馬のレベルなど、大好きな競馬についてもたっぷり語っていただきました。

【番組情報】
番組名:「GROWING REED」
放送日時:毎週日曜 24時-25時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/growingreed/

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