J-WAVEで放送中の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。医療のテクノロジー・テクニック=「メディテック」の最前線について、脳神経外科医・菅原道仁さんをお迎えし、医療技術の最前線と、人間の脳と未来について、脳科学的に分析しました。
菅原先生によると、近年めざましい発展を遂げている医療テクノロジーの中でも、測定技術が、小型化に伴い医療に応用されはじめた効果は大きいそうです。それにより、これまで血圧や体温だけでしかわからなかったものが、呼吸回数、汗の量、歩いた量などのデータ収集が可能になり、新たな治験情報が手に入ってくるようになったそう。
そして今後、メディテックは「病院に来たときにどう医療を提供するか?」と、「その医療を受けないためにどうするか?」の、「治療」と「予防」の2つの分野に分かれていくと菅原先生はいいます。
真っ先に考えられることは、「da Vinci Surgical System」に代表される医療ロボットの発展による、救急医療や僻地医療、医師不足などの問題の解消です。もし遠隔手術が発展すれば、日本にいる患者を昼夜が逆のブラジルにいる医師が執刀できるかもしれません。そうすれば日本の医師が夜中など不規則な労働条件で働く必要がなくなり、9時から17時の定時で働ける“働き方改革”にも繋がる可能性があります。
またメディテックは、予防の分野でもさまざまな技術発展が予想されます。菅原先生は、別所の好きなアメフトを例に出し、アメフトやラグビー選手たちの脳震とうの問題は、ヘッドギアに加速度センサーを付け、頭の振れ方を計測し、けがの重症度を確認することで解消できると予測します。
この技術は、学校の部活動や体育などの授業で、医療知識を持たない教師が、部活中に頭をぶつけてしまった生徒を病院につれていくべきかどうか判断する助けにもなりそうです。
その他にも脳波を使った車椅子、針を使わない血糖測定器、家で手軽に睡眠時無呼吸を判断できる小型センサーなど、これらの技術はすでに実用段階まで来ているそうです。
その後、話はAI(人工知能)へ。東京オリンピックから25年後の「2045年」には、AIが人間の脳を越える“技術的特異点”を迎えると言われています。これに「ありえなくはない」と語る菅原先生。現在のAIは、まだまだ複雑なことを判断したり感情を持つ点などにおける技術的ハードルは高いと言われています。しかし人間の知能を越えるところへ一歩一歩近づいているいるのは事実です。
「AIの利点は感情が無いことで、合理的な判断をしてくれること。人間のように感情が揺り動かされて治療を判断することはなく、ドライではありますが、正しい情報をもとに判断できます。これから人間は、どうAI技術に寄り添っていくかが重要になってくると思います」(菅原先生)
AIの利点を活かしつつ、人と人のコミュニケーションや哲学的な部分が今後の人間の残る道かもしれません。
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【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/
菅原先生によると、近年めざましい発展を遂げている医療テクノロジーの中でも、測定技術が、小型化に伴い医療に応用されはじめた効果は大きいそうです。それにより、これまで血圧や体温だけでしかわからなかったものが、呼吸回数、汗の量、歩いた量などのデータ収集が可能になり、新たな治験情報が手に入ってくるようになったそう。
そして今後、メディテックは「病院に来たときにどう医療を提供するか?」と、「その医療を受けないためにどうするか?」の、「治療」と「予防」の2つの分野に分かれていくと菅原先生はいいます。
真っ先に考えられることは、「da Vinci Surgical System」に代表される医療ロボットの発展による、救急医療や僻地医療、医師不足などの問題の解消です。もし遠隔手術が発展すれば、日本にいる患者を昼夜が逆のブラジルにいる医師が執刀できるかもしれません。そうすれば日本の医師が夜中など不規則な労働条件で働く必要がなくなり、9時から17時の定時で働ける“働き方改革”にも繋がる可能性があります。
またメディテックは、予防の分野でもさまざまな技術発展が予想されます。菅原先生は、別所の好きなアメフトを例に出し、アメフトやラグビー選手たちの脳震とうの問題は、ヘッドギアに加速度センサーを付け、頭の振れ方を計測し、けがの重症度を確認することで解消できると予測します。
この技術は、学校の部活動や体育などの授業で、医療知識を持たない教師が、部活中に頭をぶつけてしまった生徒を病院につれていくべきかどうか判断する助けにもなりそうです。
その他にも脳波を使った車椅子、針を使わない血糖測定器、家で手軽に睡眠時無呼吸を判断できる小型センサーなど、これらの技術はすでに実用段階まで来ているそうです。
その後、話はAI(人工知能)へ。東京オリンピックから25年後の「2045年」には、AIが人間の脳を越える“技術的特異点”を迎えると言われています。これに「ありえなくはない」と語る菅原先生。現在のAIは、まだまだ複雑なことを判断したり感情を持つ点などにおける技術的ハードルは高いと言われています。しかし人間の知能を越えるところへ一歩一歩近づいているいるのは事実です。
「AIの利点は感情が無いことで、合理的な判断をしてくれること。人間のように感情が揺り動かされて治療を判断することはなく、ドライではありますが、正しい情報をもとに判断できます。これから人間は、どうAI技術に寄り添っていくかが重要になってくると思います」(菅原先生)
AIの利点を活かしつつ、人と人のコミュニケーションや哲学的な部分が今後の人間の残る道かもしれません。
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