作家・エッセイストの阿川佐和子が、自分流の着物の楽しみ方を語った。
阿川が登場したのは、7月16日(水)放送のJ-WAVE『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のコーナー「MORNING INSIGHT」だ。
阿川:睡眠時間をすごく取っていて、徹夜で頑張るっていう気力がないですね。
別所:睡眠時間はどれぐらい確保していますか?
阿川:7、8時間は取っていますね。
別所:すごい! 僕は4時間半も寝られない。昔からそうなんで、そういう体質(笑)。
阿川:大谷翔平選手も睡眠が大事だとおっしゃっていますよ。睡眠時間が短いのは自慢になりません(笑)。体に気を付けてくださいね。
別所:そうですね(笑)。朝ご飯は?
阿川:だいたいパン食が多いですが、ときに私は朝からステーキが食べたくなるときもあります。
別所:元気な方はだいたいお肉を食べますね!
阿川:昔、ハワイのスーパーで「モーニングステーキ」と書かれてあるお肉を見て、「何これ!?」と思ったんですよ(笑)。それで、その指示に従って朝に焼いてパンと一緒に食べるんですけど、何だか元気になるんです! ときどきそれを思い出して食べています。
別所:70歳にして着物を着ようと一念発起した阿川さんの奮闘エピソードが綴られております。僕はずいぶん昔から着てらっしゃるイメージがありました。
阿川:仕事だと着付けの方とメイクさんに整えていただいて着ていますけども、自分で着物を着てみようと何度もトライして、その度に断念していたんですよ。
別所:僕も仕事柄、着るときがありますけども、自分で普段着るとなると着付けられないんですよね。かっこいいから自分で袴を履いてみたいなって思うことはあります。着物を着ようと思ったきっかけは?
阿川:母は私が生まれたときからずっと着物で生活していたので、そういう世代だっていうのもあります。母は朝から着物を着て、割烹着をかけて家事をして子育てしていたんです。普段着物というのかな。そういう生活を私も大人になったらしてみたいなっていう気持ちはあったんです。
2020年、母を亡くした阿川は、遺品整理をした際に数多くの着物を見つけた。
阿川:たいして高いものはないけれども、思った以上の数の着物が出てきたんですよ。母は晩年、腰を痛めていたので着物を着る機会は少なかったんですけど、こんなにあったんだって驚きました。私、根がケチだから、とりあえず自分のアパートに着物を引き取ったんですけど、入る場所がなくて(笑)。
別所:そうですよね。
阿川:着物に詳しい方に見てもらって、取っておくべきものとそうじゃないものを分別してもらおうと思ったんです。たまたま、着物雑誌の方にお会いしたので、「私、着物はチンプンカンプンでわかんないの」と相談したんですね。そうしたら「阿川さん、連載をしながら着物の修行をしましょう」と言われたんです(笑)。
別所:すごい。それでこの本が生まれたんですね! きっと、お母様も喜んでいますよ。
阿川:本の表紙になっている黒の着物は「泥大島」といって、「佐和子が生まれた年に買った」と書いてあったんです。それは捨てられないですよね。
別所:泣けてきます。すごく素敵な着物ですよ。
阿川:洋服だと柄と柄を合わせるって、相当レベルが高くないと難しいじゃないですか。着物は基本的に柄と柄を合わせますし、色も同系でまとめないこともあるんです。着物と帯がようやく決まっても、帯締めや帯揚げを何にするかによって全体がグッと引きしまったりして、面白いんですよ。
別所:いろんな組み合わせがありますもんね。
阿川:担当編集の方に着物が入った母の茶箱を見てもらったら、洋服を作るために残しておいたインドネシアの更紗の生地があったんです。「帯になりますよ」ということで、作りました。
別所:へええ! そうなると、何千、何万と組み合わせが出てきますね。
阿川:私もなるべく自分で着付けるようにして、とにかく習うより慣れよと思って、対談のときなどに自分で着物を着て行ったんですよ。「間違っていても誰かが直してくれるだろう」と思って(笑)。
別所:へええ!
阿川:対談の前に洗面所に行ったんですけど、そこで帯がバラッと落ちたんです。隣にいた見知らぬ女性に「ここを押さえてもらえますか」と声をかけちゃったりして(笑)。
別所:助け合いですね(笑)!
阿川:失敗しながらやっていったほうが着物は面白いなって思いました。いろんな失敗があります。
別所:娘時代に狙っていたという、お母様のよそ行きの着物を着てらっしゃるページもありますね。素敵です。
阿川:いつか私も着たいと思っていた、ブドウ柄の訪問着です。
別所:夏着物も挑戦されていますけども、夏の着物の特徴って何ですか?
阿川:本来、日本の気候から言うと10月から3月ぐらいまでは袷(あわせ)といって、裏地がある着物を着るんですね。それで、4月から9月いっぱいぐらいまでは単衣(ひとえ)を着るんです。だけど、最近の暑さだと10月ぐらいまで暑いでしょう。だから夏の着物、絽(ろ)とか紗(しゃ)といった透けた着物を着てもいいんじゃないかって話になっているんですけどね。着物の約束事は難しいけど、まあいい加減でいいかなっと。まだチンプンカンプンですから。
別所:きっと、着物がいろんなことをつないでいってくれるでしょうね。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のコーナー「MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の8時35分ごろから。
阿川が登場したのは、7月16日(水)放送のJ-WAVE『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のコーナー「MORNING INSIGHT」だ。
朝からステーキを食べる日もある
阿川佐和子は1953年生まれ、東京都出身。報道番組のキャスターを務めたのち、渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍している。まずは、朝時間の過ごし方を聞いた。阿川:睡眠時間をすごく取っていて、徹夜で頑張るっていう気力がないですね。
別所:睡眠時間はどれぐらい確保していますか?
阿川:7、8時間は取っていますね。
別所:すごい! 僕は4時間半も寝られない。昔からそうなんで、そういう体質(笑)。
阿川:大谷翔平選手も睡眠が大事だとおっしゃっていますよ。睡眠時間が短いのは自慢になりません(笑)。体に気を付けてくださいね。
別所:そうですね(笑)。朝ご飯は?
阿川:だいたいパン食が多いですが、ときに私は朝からステーキが食べたくなるときもあります。
別所:元気な方はだいたいお肉を食べますね!
阿川:昔、ハワイのスーパーで「モーニングステーキ」と書かれてあるお肉を見て、「何これ!?」と思ったんですよ(笑)。それで、その指示に従って朝に焼いてパンと一緒に食べるんですけど、何だか元気になるんです! ときどきそれを思い出して食べています。
着物の連載がスタートしたきっかけは?
阿川は6月、自身初となるスタイルブック『阿川佐和子のきものチンプンカンプン』(世界文化社)を発売。雑誌『きものSalon』(世界文化社)とウェブ「家庭画報.com」で2年にわたり掲載された人気連載が1冊の本になった。別所:70歳にして着物を着ようと一念発起した阿川さんの奮闘エピソードが綴られております。僕はずいぶん昔から着てらっしゃるイメージがありました。
阿川:仕事だと着付けの方とメイクさんに整えていただいて着ていますけども、自分で着物を着てみようと何度もトライして、その度に断念していたんですよ。
別所:僕も仕事柄、着るときがありますけども、自分で普段着るとなると着付けられないんですよね。かっこいいから自分で袴を履いてみたいなって思うことはあります。着物を着ようと思ったきっかけは?
阿川:母は私が生まれたときからずっと着物で生活していたので、そういう世代だっていうのもあります。母は朝から着物を着て、割烹着をかけて家事をして子育てしていたんです。普段着物というのかな。そういう生活を私も大人になったらしてみたいなっていう気持ちはあったんです。
2020年、母を亡くした阿川は、遺品整理をした際に数多くの着物を見つけた。
阿川:たいして高いものはないけれども、思った以上の数の着物が出てきたんですよ。母は晩年、腰を痛めていたので着物を着る機会は少なかったんですけど、こんなにあったんだって驚きました。私、根がケチだから、とりあえず自分のアパートに着物を引き取ったんですけど、入る場所がなくて(笑)。
別所:そうですよね。
阿川:着物に詳しい方に見てもらって、取っておくべきものとそうじゃないものを分別してもらおうと思ったんです。たまたま、着物雑誌の方にお会いしたので、「私、着物はチンプンカンプンでわかんないの」と相談したんですね。そうしたら「阿川さん、連載をしながら着物の修行をしましょう」と言われたんです(笑)。
別所:すごい。それでこの本が生まれたんですね! きっと、お母様も喜んでいますよ。
阿川:本の表紙になっている黒の着物は「泥大島」といって、「佐和子が生まれた年に買った」と書いてあったんです。それは捨てられないですよね。
別所:泣けてきます。すごく素敵な着物ですよ。
カジュアルに着物のコーデを楽しむ
阿川は連載を通じて、着物の奥深さ、組み合わせの妙を学んだと語る。阿川:洋服だと柄と柄を合わせるって、相当レベルが高くないと難しいじゃないですか。着物は基本的に柄と柄を合わせますし、色も同系でまとめないこともあるんです。着物と帯がようやく決まっても、帯締めや帯揚げを何にするかによって全体がグッと引きしまったりして、面白いんですよ。
別所:いろんな組み合わせがありますもんね。
阿川:担当編集の方に着物が入った母の茶箱を見てもらったら、洋服を作るために残しておいたインドネシアの更紗の生地があったんです。「帯になりますよ」ということで、作りました。
別所:へええ! そうなると、何千、何万と組み合わせが出てきますね。
阿川:私もなるべく自分で着付けるようにして、とにかく習うより慣れよと思って、対談のときなどに自分で着物を着て行ったんですよ。「間違っていても誰かが直してくれるだろう」と思って(笑)。
別所:へええ!
阿川:対談の前に洗面所に行ったんですけど、そこで帯がバラッと落ちたんです。隣にいた見知らぬ女性に「ここを押さえてもらえますか」と声をかけちゃったりして(笑)。
別所:助け合いですね(笑)!
阿川:失敗しながらやっていったほうが着物は面白いなって思いました。いろんな失敗があります。
別所:娘時代に狙っていたという、お母様のよそ行きの着物を着てらっしゃるページもありますね。素敵です。
阿川:いつか私も着たいと思っていた、ブドウ柄の訪問着です。
別所:夏着物も挑戦されていますけども、夏の着物の特徴って何ですか?
阿川:本来、日本の気候から言うと10月から3月ぐらいまでは袷(あわせ)といって、裏地がある着物を着るんですね。それで、4月から9月いっぱいぐらいまでは単衣(ひとえ)を着るんです。だけど、最近の暑さだと10月ぐらいまで暑いでしょう。だから夏の着物、絽(ろ)とか紗(しゃ)といった透けた着物を着てもいいんじゃないかって話になっているんですけどね。着物の約束事は難しいけど、まあいい加減でいいかなっと。まだチンプンカンプンですから。
別所:きっと、着物がいろんなことをつないでいってくれるでしょうね。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のコーナー「MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の8時35分ごろから。
番組情報
- J-WAVE TOKYO MORNING RADIO
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