青葉市子、デビュー当時は「音楽で羽ばたいていく」ことに抵抗が…その真意とは?

音楽家の青葉市子が、ギターとの出会いや自身の音楽制作について語った。

青葉が登場したのは、J-WAVE『JUST A LITTLE LOVIN'』(ナビゲーター:中田絢千)のコーナー「LIVING ON THE EARTH」。豊かさ・幸せにつながるオピニオンを週替わりのゲストに伺うコーナーだ。ここでは6月23日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。

【radikoで聴く】
23日(月)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20250623051221
24日(火)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20250624051215
25日(水)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20250625051221
26日(木)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20250626051221
※それぞれ再生期限はオンエアの1週間後まで

バンドサウンドに憧れ、15歳でエレキギターを始める

青葉市子は、2010年にデビュー。クラシックギターと歌を携え、これまでに8枚のオリジナルアルバムをリリース。また、ラジオDJやナレーション、CMや映画の音楽制作、芸術祭でのパフォーマンスなど、さまざまなフィールドで活動している。

ナビゲーターの中田も「たくさん癒やされてきた」と語る青葉の音楽は、クラシックギターでの弾き語りスタイルがメインだが、ギターを始めたのはいつ頃なのだろうか。

青葉:最初はエレキギターでしたが、それが15歳くらいでした。でも、エレキよりもクラシックギターのほうが好きになって、17歳くらいから本格的に触り始めました。

中田:15歳ということは、学校の部活とかで?

青葉:高校生のときは軽音学部に入っていたんですけど、(その前に)バンドのサウンドに憧れた時期があって、最初にレスポールという重いギターを手にしました。

中田:曲作りはどんなふうにされるのでしょうか?

青葉:私は、基本的に詞から先に書きます。日々起こったことだったり、夢で見たことだったりを書き溜めていて、それを元に、最初から歌詞のような断片的な言葉のかけらで出てくるときもあれば、最初は文章になっていて歌詞に置き換えていくこともあります。そこに、だんだんメロディやコードがついてくる、というやり方ですね。

中田:「これでいいかな」と、曲として“完成”というピリオドを打つときは、どのように決めていますか?

青葉:「できたかな」というところから、けっこうすぐ収録してしまうので、「まだあまり弾き切れていないかも」というときに録ってしまうことが多いですが、レコーディングスタジオを押さえて、わりとギリギリまでやっています。ただ、いつでも歌い返せることと、共有できるお客様がいることが楽曲のよさだと思っていて、ツアーなどで回っていると、どんどん曲が変わっていくんですよね。「この言葉が持っている音色の種類って、こんなにあったんだ」というのが、舞台に立ってマイクを通すからわかることもたくさんあります。だから、ずっと作り続けているのかもしれないです。

中田:では、意外としっくりくるというか、自分のなかにストンと落ちるのは、もっと先の話という曲もあったりするのですね。

青葉:そうですね。電車の切符が入ったタイムカプセルみたいな感じで、パカっと開けると「こんなところに切符が! また新しい電車に乗って、新しい景色が見られる」という感じがあります。

中田:いい表現ですね! 聞いているだけでワクワクします。

デビュー15周年、活動のなかでの転換期は?

2025年にデビュー15周年を迎えた青葉。中田は彼女に「これまでの15年を振り返って、いかがですか?」と、質問を投げかける。

青葉:いろいろなこともありましたけど、あっという間でした。(デビュー)30周年、50周年の大先輩も周りにいらっしゃるのでまだまだだなと思いますが、デビューしたときは「音楽家で生きていきたいからデビュー」ということではまったくなくて、むしろ「デビューしたくなかった」くらいの始まりだったんです。

中田:えー! そうだったんですか!?

青葉:はい。周りの方々に「19歳のうちにデビューしよう」と勧められたのですが、私としては、たとえば浴室でギターを弾いて、それだけでけっこう満足していたので、「音楽で羽ばたいていく」というのがちょっとイヤだなと思ってしまっていたんですよね。「人に聴かれてしまう、イヤだ!」って。でも、いまとなってはそうやって半ば無理矢理でも「行くぞ!」といってくださった方がいたから出会えた人がたくさんいて、すごく感謝しています。

中田:では、青葉さんにとっての最初の小さなステージは、お風呂場だったんですね。

青葉:そうですね(笑)。お風呂で最初の曲を書きました。

中田:活動のなかで、「自分にとって転換期だったな」というポイントはありましたか?

青葉:いろいろありますが、いちばん印象的なのはやっぱり自分のレーベルを立ち上げたことですね。それまでいろいろなレーベルにいたり、ショット契約のような感じで「アルバムを1枚だけ一緒に作りましょう」となったり、いろいろありましたが、2020年に「hermine」(エルミン)という自分のレーベルを立ち上げてから活動がガラッと変わったので、大きなポイントだと思います。

中田:どんなふうに変わりました?

青葉:海外からのオファーがすごく増えました。また、作品をお客様に手渡すギリギリまで、自分たちで見守ることができます。難しい話でいうと契約関係も関わってくるのですが、自分で書いた作品ですから、たとえばアレンジしたくなったらいつでもできる環境にしたり、聴いてくれる人に手渡したりしたいという気持ちがいちばん大きかったので、それができるようになって本当によかったなと思います。

最後に、「自身にとって、音楽はどのような存在なのか」を訊いた。

青葉:音楽は、私のすべてですね。音楽がなければ、ここまで生きていなかったでしょうし、たぶん。「音楽のために働いている」というか(笑)。供給している感じがあります。

中田:そんな青葉さんの供給を待っている方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

青葉:うれしいですね。

青葉市子は5月29日(木)に、音楽のために生きる青葉の初めてのエッセイ集『星沙たち、』(講談社)を刊行した。そのほか、最新情報は公式サイトまで。

『JUST A LITTLE LOVIN'』のコーナー「LIVING ON THE EARTH」では、豊かさや幸せについて考えるヒントを、ゲストを迎えてお届けする。放送は毎週月~木曜の5時15分ごろから。
radikoで聴く
2025年6月30日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
JUST A LITTLE LOVIN'
月・火・水・木曜
5:00-6:00

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