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浅井健一「若いころは気づけなかった」親から学んだ“仕事と人生”の本質

浅井健一「若いころは気づけなかった」親から学んだ“仕事と人生”の本質

浅井健一が、最近聴いている音楽や、影響を受けた映画、5月にリリースした浅井自らセレクトしたベストアルバム『WHO IS BENZIE?』について語った。

浅井が登場したのは、6月14日(土)放送のJ-WAVE『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。

この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。浅井は「きゅうりとわかめとタコの甘酢漬け」を持参し、ビールとともに楽しんだ。

人生、美しく生きないと

浅井健一は1964年生まれ、愛知県名古屋市出身。1991年にBLANKEY JET CITYのメンバーとしてデビュー。2000年に惜しまれながら解散したのち、SHERBETS、AJICO、JUDEなどのバンドを結成し、2006年からはソロとしての活動をスタート。多方面でそのクリエイティビティを発揮している。

『SAPPORO BEER OTOAJITO』には2014年以来、11年ぶりの出演となる浅井。まず、クリスは「バンドとソロのいちばんの違い」について尋ねる。

浅井:ソロのときも、レコーディングにしてもライブにしても、バンドメンバーを探してやるからあんまり変わらないんだけど、いちばん変わるのはプロモーションのときにソロは全部ひとりでやることですね。バンドだと分散できるので負担が少ないんです。それ以外はそんなに変わらないかも。

クリス:気分で「いまはバンド」「いまはソロ」って感じなんですか?

浅井:そうですね。これ以上、バンドは増やしたくないって思いつつ25年やってきたんですけど、なぜだか増えましたね。

クリス:AJICOはUAの呼びかけから始まったんでしたっけ?

浅井:再結成はそうだけど、初回は自分ですね。ブランキー後期のときにUAがデビューして、すごくかっこよかったんですよね。自分が作った歌をこの人に歌ってほしいなって。それで声をかけました。

AJICO - ぺピン (Live at Akasaka Blitz)

クリスは、AJICOの再結成後に出演したインタビュー番組で、浅井が語った「人生、美しく生きないと」という言葉に感銘を受けたという。

クリス:そうだよなって。人生はかしこくとか、うまくとか、そういうことじゃなくて人生って自分のストーリーだから、人生を美しく生きようと思えば全然いいんじゃないのかなって。

浅井:そうですね。あと、一生懸命に生きることも大事だなって思いますね。18歳とか19歳のときに親に「人間って何のために生きてるの?」って訊いたことがあって。そうしたら「自分のやってる仕事が何らかのかたちで誰かの為になっている。そういうところに人間は生きる喜びを感じるんだぞ」って言われたんですよ。たとえば、実家が米屋なんですけど、米を配達するにしたって、重いものだから奥さんとかおばあさんとか助かるじゃん。それが役に立つってことなんだって。道路工事のおじさんもすごくキツい仕事だけど、そういう人たちがいないと道ができないし。最初に親にそれを言われたときはピンとこなかったけど、最近そう思います。一生懸命、自分の仕事をする、それが大事なんだなって。

クリス:自分も誰かの仕事の恩恵を受けて生きているわけですもんね。

俺は人間が奏でる音のほうが好き

最近聴いている音楽について話がおよぶと、浅井は、いまは車の中でラジオから流れてくる音楽を聴く程度だと語る。

浅井:家でじっくり聴いたりはまったくしないですね。どっちかって言ったら、現代の音楽もすごくかっこいいバンドがいっぱいあるのは想像できるんですけど、自分が10代とか20代前半にすごい聴いてた音楽がやっぱり好きで。そのときってあんまりコンピューターサウンドじゃないですよね。俺は人間が奏でる音のほうが全然好きで。

クリス:たとえば、どんな曲があります?

浅井:ジョン・バリーの『Midnight Cowboy』とか。これは小学生のときにお姉ちゃんがよく聴いてて。



浅井:デヴィッド・キャシディの『TOMORROW』とか。あの人、かっこいいんですよね。ギルバート・オサリバンの『Alone Again』、スーパートランプの『Breakfast in America』とか、あのころ流行った曲とか好きですね。

クリス:人生で初めて観たライブは南こうせつさんだと伺ったんですけど、それは何歳のころ?

浅井:小学生かな。学校でフォークソングが流行って、フォークソング派とロック派に分かれていて。自分は両方とも仲がよかったから、フォークソング派の友だちと観に行って、すげえと思った。そのとき(南こうせつさんは)完全にロックバンド化していて、アコギじゃないんですよね。バンドでヘビーな音でやっていて。あと、照明もすごくて。

クリス:それでミュージシャンになろうと?

浅井:それは違いますね。ミュージシャンになろうと思ったのは、小学4年のときにショッキング・ブルーのレコードを持ってて、かっこいいなと思って。絶対にこういうふうになろうって。

やっぱり芸術作品って光がないと

番組後半には、映画作品の話題に。浅井は大好きな映画に『ゴッドファーザー』を挙げた。

浅井:もちろん『ショーシャンクの空に』もいいし、『インターステラー』は観ました? あれは泣きますよね。

クリス:最近はよく観ます?

浅井:全然観てないですね。シリーズもののドラマ『FARGO/ファーゴ』はすごかった。映画版も面白いけど、ドラマ版はハマるっていうか。

クリス:『ミスト』って映画があって、監督はフランク・ダラボンって『ショーシャンクの空に』の監督なんだけど、あまりにも絶望的な終わり方で。でも、そこに作品としての美しさとかすごさがあるんじゃないかって思って。

浅井:やっぱり芸術作品って光がないと俺は絶対に嫌なんですよ。だって、光がないものをみんなに見せたって、みんなが暗くなるだけじゃん。それは20年くらい前から思ってるな、ずっと。日本に初めて『ゾンビ』っていう映画がやってきたときに、友だちとみんなで観に行って。しかも、いちばん前の席で。絶対に途中で出ないっていう雰囲気だから、初めてやってきたゾンビを大画面で観ちゃって、死ぬほど怖かったもん(笑)。

クリス:どちらかというと、映画はハッピーエンドが好き?

浅井:そこまでいかなくても、光がないとダメだと思う。絵でも小説でも何でもそういうものじゃないと観たくない。音楽もそうですね。でも、真実を知るのも大事だから、実際にこういうことが起きているんだっていうことから目を背けちゃダメだと思う。いま、世界でこういうものすごいことが起きてるんだよっていうところは逃げちゃダメだと思う。それを知って、それを何とかするっていう。そこにいかないと。

どれもすごい気に入っていて、バッチリ最高

浅井は5月21日(水)に自らセレクトしたベストアルバム『WHO IS BENZIE?』をリリースした。

浅井:SHERBETS以外のバンドのなかから、いま聴いてもらいたい曲を集めました。

クリス:なぜ、このタイミングにリリース?

浅井:偶然、このタイミングになっただけで、たまたま俺が60の歳で、たまたま自分のレーベルが25周年でした。

クリス:選曲、大変だったんじゃないですか?

浅井:めちゃくちゃ大変で。アルバム全体のバランスが大事なので、すべてを網羅してベストを選んだって感じですね。

クリス:選曲にどれくらいかかりました?

浅井:2カ月くらいかな。曲順が違うなって思ったら始めから考えて。そういうことも繰り返しつつ。

クリス:BLANKEY JET CITYの『2人の旅』と、AJICOの『キティ』の新録セルフカバーも収録されていますね。



浅井:どれもすごい気に入っていて、バッチリ最高です。

クリス:新しい楽器とか音色とか入ってます?

浅井:逆に抜いてますね。アコギと歌だけとか。(再録して)自分も喜んでるし、みんなも喜んでもらえると信じています。

現在、浅井は『WHO IS BENZIE?』を引っさげたツアー「BEST SELECTION TOUR 2025」を実施中。

クリス:ツアーは楽しいですか?

浅井:めちゃくちゃ楽しいですよ。ダジャレコーナーがあって(笑)。お客さんに募集するんですよ。「新鮮なダジャレありますか?」って訊くと「ブタがぶっ飛んだ」って(笑)。「いいね〜!」とか言って(笑)。ライブ終わってホテル帰ってから「ブタがぶっ飛んだ」よりも「ぶっ飛んだブタ」のほうがかっこいいなって自分で思いましたね(笑)。

浅井健一の最新情報は、公式サイトまで。

番組の公式サイトには、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。

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2025年6月21日28時59分まで

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番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週土曜
18:00-18:54