
シンガーソングライターの崎山蒼志が、音楽との出会いや尊敬するアーティスト、先日刊行された崎山のエッセイ集『ふと、新世界と繋がって』(新潮社)について語った。
崎山が登場したのは、J-WAVEの番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは、2月1日(土)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。崎山は、江崎グリコの「クラッツ<ペッパーベーコン>」を持参し、ビールとともに楽しんだ。
崎山は静岡県浜松市出身。音楽好きの両親のもとで育ったそうで、父はブラックミュージックやロック、母はビジュアル系の音楽を好んでいたという。
崎山:小さい頃は母親の影響でビジュアル系のミュージックビデオを見ていて、the GazettEというバンドのミュージックビデオが何かの番組で流れて、すごいカッコいいなと思ってハマっちゃいました。
クリス:それは何歳くらい?
崎山:4歳くらいでしたね。
クリス:4歳!?
崎山:お母さんのDNAを引き継いでいたのかもしれないですね。それでギター弾きたいなと感じて、「ギター弾きたい!」と言っていたら、おばあちゃんがギター教室に通わせてくれて。それが4、5歳でしたね。最初はクラシックギターで童謡ばかり弾いて、少しずつ弾けるようになってきてエレキギターでthe GazettEをちょっと弾いてみたりしていました。
クリス:ギターを弾き始めたのは4、5歳だったんですね。中学生の頃に路上ライブをやるようになったそうですが、そのきっかけは何だったんですか?
崎山:中学生の頃になるとギター教室でバンドを組んだんです。子どもバンドっていうか。当時、NUMBER GIRLとか大好きで、ちょっとエレキなオルタナみたいな曲をやってましたね。でも、だんだんみんなと予定が合わなくなってきて、じゃあ、弾き語りもやれたらいいなと思って、たまにイベントとかに出たりとかしていました。
クリス:その路上ライブが評判で、インターネット番組『日村がゆく』(AbemaTV)の企画「高校生フォークソングGP」で優勝するんですよね。
崎山:「バナナマンの日村(勇紀)さんがMCの番組に出ませんか?」って言われて、大好きだったけど急に言われたのでスパムメールかと思って(笑)。でもどうやら本当っぽいってことで出てみたら、それが面白いってバズったみたいで(それがきっかけでデビューに至りました)。
クリス:作詞作曲はいつから始めたんですか?
崎山:小6くらいからで、その前から遊びでは作ってたんですけど、何かのバンドっぽい曲とか、コードだけ書いたりとかをして、それに歌をのせたり詞を書いてみたりを始めていました。
クリス:その頃はエレキギターを使っていたんですか?
崎山:主にそうですね。ビジュアル系からどんどん変遷があって邦ロックがすごく好きで、KANA-BOONがビビッときて買いました。
クリス:ビジュアル系からKANA-BOONって、かなりの方向転換ですよね。
崎山:そうですね。小学4年くらいのときにSEKAI NO OWARIがテレビに出ていたのを観たのが大きかったというか。メイクしてない、自然な人もカッコいいなと思ったんです。
クリス:KANA-BOONのどんなところに魅力を感じたんですか?
崎山:歌声とか詞とか、メロディーがキャッチーでそこが新鮮でしたね。この頃からちょうど曲を作り始めたんです。だから、ここがスタートって感じですね。
クリス:当時、他にハマっていた曲はありますか?
崎山:KANA-BOON以外だとクリープハイプも大好きで、最初に知ったのは『社会の窓』でした。
クリス:路上ライブでも彼らの曲をカバーしたんですか?
崎山:バンドでカバーしましたね。
クリス:路上ライブをする人ってすごいなと思うんですけど、慣れるまでに時間はかかりました?
崎山:全然慣れなくて違和感もあったし、もうちょっと違うやり方があるんじゃないかなと思って。でも結果、その様子を動画で撮っていて、それを見つけてもらい番組出演につながりました。
クリス:音楽的に影響を受けた人物やアーティストはいますか?
崎山:向井秀徳さん、めっちゃ好きですね。
クリス:NUMBER GIRLは崎山さんの世代より前の人たちですが。
崎山:僕が生まれた年に解散してるんですけど、きのこ帝国というバンドがNUMBER GIRLをすごく好きだって言っていてハマりました。同時に、テレビで椎名林檎さんと向井さんが歌っている映像を見て、この人カッコいいなって思いました。
クリス:どこがいちばん惹かれるポイントですか?
崎山:向井さんのデンジャラスさですね。あと、楽曲のオリジナリティというか、すごく自分のものを持っているなって。NUMBER GIRLの焦燥感もカッコいいですけど、ZAZEN BOYSはシュールでもっとソリッドになっている印象があります。落語家というか噺家みたいなところも好きですね。
クリス:向井さんと共演されたそうですが、いかがでした?
崎山:緊張しました。すごくいい人でしたね。2024年もご一緒したんですけど、そのときに「アンコールで一緒に曲をやろう」って言ってくれて、楽屋でリハーサルしたんですけど、「ちょっと湿らせとくか」ってビールを飲んだんです。「湿らせとく」って初めて聞いた言葉がカッコよくて、向井さんイズムだなって思いました。
また、最近注目するアーティストを訊かれると、崎山はラッパーのMIKEと答えた。
崎山:けっこうアブストラクトなトラックだし、サンプリングをそのまま持ってきちゃっているような感じで、トラックとかが超斬新なんです。アートワークもかっこよくてすごく聴いていて。そのMIKEと、あとあらためて岡村靖幸さんにすごくハマっていて、超カッコいいですよね。
クリス:その2組に共通点は感じていますか?
崎山:とくにないと思います(笑)。岡村さんからはブラックミュージックとかいろんなものも感じます。詞もカッコいいし、面白くてすごくオリジナルなサウンドで。ハイパーポップスの次に聴いても違和感がなくて面白いですね。
クリス:いつから書きためていたんですか?
崎山:3年前くらいに書き出してから2年間くらい、2024年の夏頃まで連載してましたね。締切に追われるように書いて、そうしたら25篇くらいたまっていました。
クリス:どんな本ですか?
崎山:たとえば、歩いていて「あの扉はどこにつながっているんだろう」って空想することが好きで、不思議な短編集とかも好きだったので、エッセイなんですけどたまに空想に行ったりと自由に書きました。
クリス:実際に書いたものが1冊の書籍になって、どうでした?
崎山:まず、書籍になることがすごいなと思って、さらにそれが実際に出版されたのがすごくうれしいです。今回は空想を交えて書いたので、もし次作が書けることがあったらエッセイでも現実的なことを書いてみたいですね。
クリス:おすすめポイントは?
崎山:わりとゆるっと読めると思うので、気軽に読んでほしいですね。たとえば、電車とか寝る前にちょっと読むとか。
また、崎山がベスト選曲で巡る東名阪ワンマンツアー「The Best Tour 2018-2025」のファイナルとなるZepp Shinjuku (TOKYO)公演が2月2日に開催された。
クリス:崎山蒼志の第1章のフィナーレという感じでしょうか?
崎山:もともと、このベストライブを2023年にやっていて、今回はそのツアー版というかたちです。今いろんな音楽を聴いたり次の制作に向かっていたりする感じがあるし、今年のリリースもそういう雰囲気になっていくと思うのでフィナーレ感はあるかもしれないですね。
クリス:第2章に向けた展望があれば教えていただきたいです。
崎山:サウンドはこれまで統一感のないことをわりとやってきたんですけど、どんどん統一感が出てくる気がしています。
クリス:統一感がないのもすごくいいことですよね。
崎山:僕もそう思いつつ、好きなスタイルが生まれてきているのかなと。崎山蒼志の活動じゃなくてもバンドとかもやってみたいですし、今後すごく楽しくなる感じはしてますね。
崎山蒼志の最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトには、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
崎山が登場したのは、J-WAVEの番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは、2月1日(土)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。崎山は、江崎グリコの「クラッツ<ペッパーベーコン>」を持参し、ビールとともに楽しんだ。
4歳からビジュアル系バンドに傾倒
2025年2月8日(土)28時頃まで
崎山:小さい頃は母親の影響でビジュアル系のミュージックビデオを見ていて、the GazettEというバンドのミュージックビデオが何かの番組で流れて、すごいカッコいいなと思ってハマっちゃいました。
クリス:それは何歳くらい?
崎山:4歳くらいでしたね。
クリス:4歳!?
崎山:お母さんのDNAを引き継いでいたのかもしれないですね。それでギター弾きたいなと感じて、「ギター弾きたい!」と言っていたら、おばあちゃんがギター教室に通わせてくれて。それが4、5歳でしたね。最初はクラシックギターで童謡ばかり弾いて、少しずつ弾けるようになってきてエレキギターでthe GazettEをちょっと弾いてみたりしていました。
クリス:ギターを弾き始めたのは4、5歳だったんですね。中学生の頃に路上ライブをやるようになったそうですが、そのきっかけは何だったんですか?
崎山:中学生の頃になるとギター教室でバンドを組んだんです。子どもバンドっていうか。当時、NUMBER GIRLとか大好きで、ちょっとエレキなオルタナみたいな曲をやってましたね。でも、だんだんみんなと予定が合わなくなってきて、じゃあ、弾き語りもやれたらいいなと思って、たまにイベントとかに出たりとかしていました。
クリス:その路上ライブが評判で、インターネット番組『日村がゆく』(AbemaTV)の企画「高校生フォークソングGP」で優勝するんですよね。
【ゲス極川谷・くるり岸田が絶賛!】中学3年生で「オリジナル300曲」の怪物“崎山蒼志”が登場!さらに“中1で作った楽曲”にスタジオ騒然…!|〜第3回高校生フォークソングGP〜|日村がゆく!#51
クリス:作詞作曲はいつから始めたんですか?
崎山:小6くらいからで、その前から遊びでは作ってたんですけど、何かのバンドっぽい曲とか、コードだけ書いたりとかをして、それに歌をのせたり詞を書いてみたりを始めていました。
セカオワ、KANA-BOON…ハマったアーティスト
そんな崎山が最初に買ったCDはKANA-BOONの『盛者必衰の理、お断り』で、当時、小学5年生頃だった。KANA-BOON 『盛者必衰の理、お断り』Music Video
崎山:主にそうですね。ビジュアル系からどんどん変遷があって邦ロックがすごく好きで、KANA-BOONがビビッときて買いました。
クリス:ビジュアル系からKANA-BOONって、かなりの方向転換ですよね。
崎山:そうですね。小学4年くらいのときにSEKAI NO OWARIがテレビに出ていたのを観たのが大きかったというか。メイクしてない、自然な人もカッコいいなと思ったんです。
クリス:KANA-BOONのどんなところに魅力を感じたんですか?
崎山:歌声とか詞とか、メロディーがキャッチーでそこが新鮮でしたね。この頃からちょうど曲を作り始めたんです。だから、ここがスタートって感じですね。
クリス:当時、他にハマっていた曲はありますか?
崎山:KANA-BOON以外だとクリープハイプも大好きで、最初に知ったのは『社会の窓』でした。
クリープハイプ「社会の窓」
崎山:バンドでカバーしましたね。
クリス:路上ライブをする人ってすごいなと思うんですけど、慣れるまでに時間はかかりました?
崎山:全然慣れなくて違和感もあったし、もうちょっと違うやり方があるんじゃないかなと思って。でも結果、その様子を動画で撮っていて、それを見つけてもらい番組出演につながりました。
デンジャラスさに惹かれる
崎山は尊敬するアーティストに向井秀徳を挙げた。クリス:音楽的に影響を受けた人物やアーティストはいますか?
崎山:向井秀徳さん、めっちゃ好きですね。
クリス:NUMBER GIRLは崎山さんの世代より前の人たちですが。
崎山:僕が生まれた年に解散してるんですけど、きのこ帝国というバンドがNUMBER GIRLをすごく好きだって言っていてハマりました。同時に、テレビで椎名林檎さんと向井さんが歌っている映像を見て、この人カッコいいなって思いました。
クリス:どこがいちばん惹かれるポイントですか?
崎山:向井さんのデンジャラスさですね。あと、楽曲のオリジナリティというか、すごく自分のものを持っているなって。NUMBER GIRLの焦燥感もカッコいいですけど、ZAZEN BOYSはシュールでもっとソリッドになっている印象があります。落語家というか噺家みたいなところも好きですね。
Sappukei
崎山:緊張しました。すごくいい人でしたね。2024年もご一緒したんですけど、そのときに「アンコールで一緒に曲をやろう」って言ってくれて、楽屋でリハーサルしたんですけど、「ちょっと湿らせとくか」ってビールを飲んだんです。「湿らせとく」って初めて聞いた言葉がカッコよくて、向井さんイズムだなって思いました。
また、最近注目するアーティストを訊かれると、崎山はラッパーのMIKEと答えた。
No, No!
クリス:その2組に共通点は感じていますか?
崎山:とくにないと思います(笑)。岡村さんからはブラックミュージックとかいろんなものも感じます。詞もカッコいいし、面白くてすごくオリジナルなサウンドで。ハイパーポップスの次に聴いても違和感がなくて面白いですね。
崎山蒼志の第2章が始まる
崎山は1月16日に、初のエッセイ集となる『ふと、新世界と繋がって』を刊行。雑誌『波』(新潮社)の連載と、書き下ろし1編を含む全25編からなる1冊だ。クリス:いつから書きためていたんですか?
崎山:3年前くらいに書き出してから2年間くらい、2024年の夏頃まで連載してましたね。締切に追われるように書いて、そうしたら25篇くらいたまっていました。
クリス:どんな本ですか?
崎山:たとえば、歩いていて「あの扉はどこにつながっているんだろう」って空想することが好きで、不思議な短編集とかも好きだったので、エッセイなんですけどたまに空想に行ったりと自由に書きました。
クリス:実際に書いたものが1冊の書籍になって、どうでした?
崎山:まず、書籍になることがすごいなと思って、さらにそれが実際に出版されたのがすごくうれしいです。今回は空想を交えて書いたので、もし次作が書けることがあったらエッセイでも現実的なことを書いてみたいですね。
クリス:おすすめポイントは?
崎山:わりとゆるっと読めると思うので、気軽に読んでほしいですね。たとえば、電車とか寝る前にちょっと読むとか。
また、崎山がベスト選曲で巡る東名阪ワンマンツアー「The Best Tour 2018-2025」のファイナルとなるZepp Shinjuku (TOKYO)公演が2月2日に開催された。
クリス:崎山蒼志の第1章のフィナーレという感じでしょうか?
崎山:もともと、このベストライブを2023年にやっていて、今回はそのツアー版というかたちです。今いろんな音楽を聴いたり次の制作に向かっていたりする感じがあるし、今年のリリースもそういう雰囲気になっていくと思うのでフィナーレ感はあるかもしれないですね。
クリス:第2章に向けた展望があれば教えていただきたいです。
崎山:サウンドはこれまで統一感のないことをわりとやってきたんですけど、どんどん統一感が出てくる気がしています。
クリス:統一感がないのもすごくいいことですよね。
崎山:僕もそう思いつつ、好きなスタイルが生まれてきているのかなと。崎山蒼志の活動じゃなくてもバンドとかもやってみたいですし、今後すごく楽しくなる感じはしてますね。
崎山蒼志の最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトには、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
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2025年2月8日28時59分まで
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番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
土曜18:00-18:54
-
クリス・ペプラー