
2024年8月に待望の再結成を発表した世界的ロックバンド・Oasisを特集した。
15年ぶりの再結成で来日公演も決定しているOasisについて解説したのは、6月9日(月)「ロックの日」放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内のコーナー「MUSIC+1」だ。
サッシャ:再結成する話が出ても、やらない感じが続いていたので「もうないかな。そろそろあきらめたほうがファンとしていいのかな」と。青春を形作ってもらった身としては、もうあきらめるしかない、僕の青春は過去に置いてきたのかと思ったら、2025年になって突然、青春がウェルカムバック!
ノイハウス:私ももちろん、曲とかは歌ったり聴いたりしていましたが、まさかもうライブで観ることは人生でないのかなと思っていた、ある意味、伝説のバンドみたいな存在です。
サッシャ:よく仲たがいしたところから(再結成した)、と思います。「本当にこのあと大丈夫なの?」と思っている人もたくさんいると思います。
久保:最初はInspiral Carpetsというバンドを取材に行ったときに、ノエル・ギャラガーがローディー(裏方スタッフ)だったんです。僕はローディーにも優しいカメラマンなので、それでOasisになったときにノエルのほうから「I know you」(私はあなたを知っている)と言われて。俺は全然覚えていなくて。
サッシャ:えー! でもローディーに感じよくしてくれたから、久保さんのことを覚えていたんだ。
久保:そうなんですよ。優しくしていたので。
ノイハウス:すごいエピソードですね!
サッシャ:初めてOasisとして会ったのはどこですか?
久保:ロンドンの1回目のツアーですね。Whiteoutというバンドとダブルヘッドライナーツアーをやっていて、シングル1枚目か2枚目のときです。
サッシャ:まだCreation Records、インディーズのときですね。そのときの印象は?
久保:本当、不良少年で。危ない人たちかな? と。リアム・ギャラガーはたぶん、ロバート・デ・ニーロのしゃべり方を真似しているんですよね。
サッシャ:え? デ・ニーロなんですか?
久保:アメリカのマフィアみたいなしゃべり方なんです。マンチェスターの子はあんなしゃべり方、のちにはみんなああいうしゃべり方になっていくんですが、それまではあんな感じでしゃべらないですね。
久保さんとの対話を経て、サッシャはあらためてノエルの気づかいを感じたエピソードを語った。
サッシャ:ローディーというのはバンドのサポートをしてくれるようなお弟子さんみたいなものです。そのローディーにも優しくしていたのをちゃんとノエルは覚えていて、ちゃんと声をかけてくれたというのはすごい話です。このノエルの気づかいは、私も感じたことがあります。昔(ノエルが)J-WAVEに来たときに、僕は楽屋にインタビューに行ったんです。インタビューをし終わって、話をして。僕は自分の青春がOasisだから、自分のCDを持って行ったのね。でも、やっぱり「サインして」と言う勇気がなくて、好きすぎて。置いておいたら「これ、サインしてほしいんだろ?」ってパパッとサインして返してくれたんです。
ノイハウス:かっこいい。
サッシャ:こっちがなにも言わなくても。そのノエルに「一生ついていきます」という気持ちにそのときなったので、再結成もついていきます。
ノイハウス:察してくれたんですね。優しい! そんな優しさもあるなか、久保さんのノエルの最初の印象は「不良少年」ということで、ちょっと危ない感じ。少し近寄りがたい雰囲気もあったそうです。
サッシャ:それもまたかっこよかったんだよな、初期のころ。
久保:久々に出てきたロックスターという感じですよね。それまでパンク以降はちょっと、ロックスターになるというのはかっこ悪いというイメージがあったんです。それを彼らは「いや、そんなことないよ」と。ロックスターでいることはかっこいいんだというメッセージを出したのが、成功につながったのかなと思います。
久保さんの話を受けたサッシャ&ノイハウス萌菜は、Oasisの印象について語り合う。
サッシャ:我々世代で言うと、うちらの親の世代がThe Beatles世代なんですよ。だから、The Beatlesの音楽を子どものころからずっと聴いてきた世代なんです。直接ではなくて親の影響で。そのThe Beatlesの音楽で種を撒かれた音楽的な素養というのかな? 音楽的な趣向を開花させてくれたのがOasisだと思います。The Beatlesを昇華して当時、90年代の現代風にブラッシュアップしてくれたのがOasisだったんじゃないかなと。
ノイハウス:私はその当時、赤ちゃんでしたからわかりませんが、ファッションとかもそのときは現代的だったんじゃないかなと思います。The Beatlesはきれいな、ちゃんとした服を着ているけれども。
サッシャ:前半はね。後半は髪の毛長くてヒゲモジャモジャだから。
ノイハウス:Oasisはスポーツウェアとか、サッカーとかそういう。
サッシャ:マンチェスター・シティのファンだし。
ノイハウス:いままでに音楽とあまり紐づかなかったファッションセンスというところも、だいぶこの時代新しかったんじゃないでしょうか。
サッシャ:いわゆる労働階級のヒーローみたいなところはありましたよね。そのあたりはイギリスに住んでいる人はもっとドンピシャでわかると思います。
サッシャ:僕が覚えているのは、最終的に楽屋でたしかリアムがギターを投げつけて、ノエルが辞めてそのまま脱退したみたいな話だったと思います。
久保:たぶん、フランスに行くツアーバスで移動中に、ノエルは電話インタビューをしていたんです。
サッシャ:電話インタビューに応えていたんだ。
久保:リアムが後ろにいるのに「リアムはどうしようもない」と。まあ、たぶんそれは取材のためにおもしろおかしく。
サッシャ:ネタにしていたわけですね。
久保:でも、たぶんリアムはそれがムカついたんでしょうね。そのままバスが着いて、会場に行ったらリアムはなにも言わずにノエルのギターをぶち壊して、次はノエルが怒ってリアムのギターもぶち壊して。それ以来10年間しゃべらなかったとリアムは語っていました。
サッシャ:ツアーバスでね。本当に言ってみれば些細な出来事から始まったわけですけど。これは最後の着火剤だったと思うんです。
番組ではOasisの『Morning Glory』のデンマークのフェスでのライブ音源をオンエアした。
久保:いまだとロックが弱いじゃないですか。それでいま、またロックを若い子たちが「聴きたいな」と。だから、レーベル社長のアラン・マッギーがね。
サッシャ:Creation Recordsの(Oasisを)発掘した人ですよね。
久保:My Bloody Valentineとか再結成して盛り上がったりしているんですけど、Oasisが再結成するというのは、とんでもないことになるぞと。My Bloody Valentineとかそれぐらいじゃないぞと。みんなロックに飢えているから、ロックがすごいことになるぞと言っていて。僕もそうかなと思います。やはり、Oasisが最後のロックバンドじゃないのかなと思ってしまいますよね。
サッシャ:なるほどね。
久保:だけど、いまのイギリスがどんな感じなのか、いろいろ言われているじゃないですか。移民問題とか景気が悪いとか。だから、そのイギリスがいまどんな感じで、それをOasisがどういう感じで盛り上げるのか、というのを見てみたいなと。やはりイギリスは永遠に不滅なんだ、というのを見てみたいですね。
サッシャ:「ブリティッシュ・ロックここにあり」みたいな、正統な系譜みたいな。
久保:はい。
久保:いちおう、AIにセットリストまで訊きましたよ。なんかいいセットリストでした。僕と似ているなと思って。やっぱり1曲目は『Rock'n'Roll Star』でしたね。
サッシャ:それでくるだろうとAIは予想していたと。
久保:アンコールの最後の締めは、The Beatlesのカバーの『I Am the Walrus』だろうと。「こいつ、わかってるな」と思いました。
番組では『I Am the Walrus』の94年のグラスゴー公演のライブバージョンをオンエアした。
サッシャ:AIに選曲してもらうという久保さんの発想はおもしろかったですね。『Rock'n'Roll Star』から始まって『I Am the Walrus』で終わるというのは、ある意味、超王道のOasisのライブのベスト選曲の並びの気もします。脂が乗り切ったOasisがひさしぶりに戻ってくるというのを観たいし、意表を突かれる流れも観たいは観たいんですよね。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」の通常回では、ゲストとして話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
15年ぶりの再結成で来日公演も決定しているOasisについて解説したのは、6月9日(月)「ロックの日」放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内のコーナー「MUSIC+1」だ。
2025年10月には16年ぶりの来日公演も
Oasisは2024年8月に再結成を発表。いよいよ2025年7月のイギリス公演から再結成ツアーが開始となる。10月には2009年の「FUJIROCK FESTIVAL」以来、16年ぶりとなる来日公演も控えている。サッシャ:再結成する話が出ても、やらない感じが続いていたので「もうないかな。そろそろあきらめたほうがファンとしていいのかな」と。青春を形作ってもらった身としては、もうあきらめるしかない、僕の青春は過去に置いてきたのかと思ったら、2025年になって突然、青春がウェルカムバック!
ノイハウス:私ももちろん、曲とかは歌ったり聴いたりしていましたが、まさかもうライブで観ることは人生でないのかなと思っていた、ある意味、伝説のバンドみたいな存在です。
サッシャ:よく仲たがいしたところから(再結成した)、と思います。「本当にこのあと大丈夫なの?」と思っている人もたくさんいると思います。
ノエル・ギャラガーとの意外な出会い
解説をしたのは、これまでOasisをはじめ、NIRVANA、Aphex Twinなど数々のミュージシャンを撮影してきたロックフォトグラファー/ジャーナリストの久保憲司さん。久保さんとのインタビュー音声を交えてコーナーは進行した。まず、久保さんはOasisとの出会いについて語った。久保:最初はInspiral Carpetsというバンドを取材に行ったときに、ノエル・ギャラガーがローディー(裏方スタッフ)だったんです。僕はローディーにも優しいカメラマンなので、それでOasisになったときにノエルのほうから「I know you」(私はあなたを知っている)と言われて。俺は全然覚えていなくて。
サッシャ:えー! でもローディーに感じよくしてくれたから、久保さんのことを覚えていたんだ。
久保:そうなんですよ。優しくしていたので。
ノイハウス:すごいエピソードですね!
サッシャ:初めてOasisとして会ったのはどこですか?
久保:ロンドンの1回目のツアーですね。Whiteoutというバンドとダブルヘッドライナーツアーをやっていて、シングル1枚目か2枚目のときです。
サッシャ:まだCreation Records、インディーズのときですね。そのときの印象は?
久保:本当、不良少年で。危ない人たちかな? と。リアム・ギャラガーはたぶん、ロバート・デ・ニーロのしゃべり方を真似しているんですよね。
サッシャ:え? デ・ニーロなんですか?
久保:アメリカのマフィアみたいなしゃべり方なんです。マンチェスターの子はあんなしゃべり方、のちにはみんなああいうしゃべり方になっていくんですが、それまではあんな感じでしゃべらないですね。
久保さんとの対話を経て、サッシャはあらためてノエルの気づかいを感じたエピソードを語った。
サッシャ:ローディーというのはバンドのサポートをしてくれるようなお弟子さんみたいなものです。そのローディーにも優しくしていたのをちゃんとノエルは覚えていて、ちゃんと声をかけてくれたというのはすごい話です。このノエルの気づかいは、私も感じたことがあります。昔(ノエルが)J-WAVEに来たときに、僕は楽屋にインタビューに行ったんです。インタビューをし終わって、話をして。僕は自分の青春がOasisだから、自分のCDを持って行ったのね。でも、やっぱり「サインして」と言う勇気がなくて、好きすぎて。置いておいたら「これ、サインしてほしいんだろ?」ってパパッとサインして返してくれたんです。
ノイハウス:かっこいい。
サッシャ:こっちがなにも言わなくても。そのノエルに「一生ついていきます」という気持ちにそのときなったので、再結成もついていきます。
ノイハウス:察してくれたんですね。優しい! そんな優しさもあるなか、久保さんのノエルの最初の印象は「不良少年」ということで、ちょっと危ない感じ。少し近寄りがたい雰囲気もあったそうです。
サッシャ:それもまたかっこよかったんだよな、初期のころ。
久々に出てきたロックスター
続いて、久保さんはバンド・Oasisの第一印象について語った。久保:久々に出てきたロックスターという感じですよね。それまでパンク以降はちょっと、ロックスターになるというのはかっこ悪いというイメージがあったんです。それを彼らは「いや、そんなことないよ」と。ロックスターでいることはかっこいいんだというメッセージを出したのが、成功につながったのかなと思います。
久保さんの話を受けたサッシャ&ノイハウス萌菜は、Oasisの印象について語り合う。
サッシャ:我々世代で言うと、うちらの親の世代がThe Beatles世代なんですよ。だから、The Beatlesの音楽を子どものころからずっと聴いてきた世代なんです。直接ではなくて親の影響で。そのThe Beatlesの音楽で種を撒かれた音楽的な素養というのかな? 音楽的な趣向を開花させてくれたのがOasisだと思います。The Beatlesを昇華して当時、90年代の現代風にブラッシュアップしてくれたのがOasisだったんじゃないかなと。
ノイハウス:私はその当時、赤ちゃんでしたからわかりませんが、ファッションとかもそのときは現代的だったんじゃないかなと思います。The Beatlesはきれいな、ちゃんとした服を着ているけれども。
サッシャ:前半はね。後半は髪の毛長くてヒゲモジャモジャだから。
ノイハウス:Oasisはスポーツウェアとか、サッカーとかそういう。
サッシャ:マンチェスター・シティのファンだし。
ノイハウス:いままでに音楽とあまり紐づかなかったファッションセンスというところも、だいぶこの時代新しかったんじゃないでしょうか。
サッシャ:いわゆる労働階級のヒーローみたいなところはありましたよね。そのあたりはイギリスに住んでいる人はもっとドンピシャでわかると思います。
些細なことから事実上、解散へ
ロックのイメージを塗り替えたというOasisだが、2009年にノエルが脱退して事実上、解散。サッシャは久保さんに解散の経緯を尋ねた。サッシャ:僕が覚えているのは、最終的に楽屋でたしかリアムがギターを投げつけて、ノエルが辞めてそのまま脱退したみたいな話だったと思います。
久保:たぶん、フランスに行くツアーバスで移動中に、ノエルは電話インタビューをしていたんです。
サッシャ:電話インタビューに応えていたんだ。
久保:リアムが後ろにいるのに「リアムはどうしようもない」と。まあ、たぶんそれは取材のためにおもしろおかしく。
サッシャ:ネタにしていたわけですね。
久保:でも、たぶんリアムはそれがムカついたんでしょうね。そのままバスが着いて、会場に行ったらリアムはなにも言わずにノエルのギターをぶち壊して、次はノエルが怒ってリアムのギターもぶち壊して。それ以来10年間しゃべらなかったとリアムは語っていました。
サッシャ:ツアーバスでね。本当に言ってみれば些細な出来事から始まったわけですけど。これは最後の着火剤だったと思うんです。
番組ではOasisの『Morning Glory』のデンマークのフェスでのライブ音源をオンエアした。
Morning Glory (Live at Roskilde)
みんなロックに飢えている
久保さんはOasisが再結成を果たすことによって、ロックシーンへどのような影響を与えるのかについて語った。久保:いまだとロックが弱いじゃないですか。それでいま、またロックを若い子たちが「聴きたいな」と。だから、レーベル社長のアラン・マッギーがね。
サッシャ:Creation Recordsの(Oasisを)発掘した人ですよね。
久保:My Bloody Valentineとか再結成して盛り上がったりしているんですけど、Oasisが再結成するというのは、とんでもないことになるぞと。My Bloody Valentineとかそれぐらいじゃないぞと。みんなロックに飢えているから、ロックがすごいことになるぞと言っていて。僕もそうかなと思います。やはり、Oasisが最後のロックバンドじゃないのかなと思ってしまいますよね。
サッシャ:なるほどね。
久保:だけど、いまのイギリスがどんな感じなのか、いろいろ言われているじゃないですか。移民問題とか景気が悪いとか。だから、そのイギリスがいまどんな感じで、それをOasisがどういう感じで盛り上げるのか、というのを見てみたいなと。やはりイギリスは永遠に不滅なんだ、というのを見てみたいですね。
サッシャ:「ブリティッシュ・ロックここにあり」みたいな、正統な系譜みたいな。
久保:はい。
再結成ツアーのセットリストを予想
先日、リアムが再結成の公演のリハーサルに合流したことが情報として発表された。再結成ツアーのイギリス・ロンドン公演のチケットを手に入れたという久保さんは、意外な方法でセットリストを予想していることを明かした。久保:いちおう、AIにセットリストまで訊きましたよ。なんかいいセットリストでした。僕と似ているなと思って。やっぱり1曲目は『Rock'n'Roll Star』でしたね。
サッシャ:それでくるだろうとAIは予想していたと。
久保:アンコールの最後の締めは、The Beatlesのカバーの『I Am the Walrus』だろうと。「こいつ、わかってるな」と思いました。
番組では『I Am the Walrus』の94年のグラスゴー公演のライブバージョンをオンエアした。
I Am The Walrus (Live Glasgow Cathouse June '94)
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」の通常回では、ゲストとして話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
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番組情報
- STEP ONE
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月・火・水・木曜9:00-13:00
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サッシャ、ノイハウス萌菜