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高良健吾が青春時代に「僕のことを歌ってくれている」と衝撃を受けたアーティストは?

高良健吾が青春時代に「僕のことを歌ってくれている」と衝撃を受けたアーティストは?

俳優の高良健吾が、音楽ルーツを明かした。また、役作りと音楽のこだわりを語った。

高良が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組。オンエアは2月10日(土)。

トークの再生は2024年2月17日28時ごろまで

この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。高良はお手製の「蓮根のクリームチーズ和え」を持参し、ビールとともに楽しんだ。

GOING STEADY、銀杏BOYZ…青春をともにした楽曲

小さい頃は、父の車で流れていた山下達郎やチューリップの曲を聴いていたという高良。音楽自体に目覚めたのは、中学2年生のころだったそうだ。

クリス:どんなお子さんだったんですか?

高良:小学校のときはおとなしくて。転勤族だったんですけど、中学で引っ越してちょっとはっちゃけだして、高校で調子に乗ってました。

クリス:どんな風に調子に乗ってたの(笑)。

高良:どんなふうにというか、いま思い返すと「乗っていたな」と思います。二度とああいうことはしないぞ、と思うことが多いですね。まあ、リア充の調子に乗っていたやつみたいな感じかなと思います。

クリス:高校のときはどんな音楽を聴いていたんですか?

高良:GOING STEADYとか銀杏BOYZとかを聴いてましたね。

クリス:そうすると、どちらかというとヒップホップよりはロック寄りな感じだったんですかね。

高良:ヒップホップもレゲエも聴いてはいましたけど、まあゴイステ、銀杏が青春かなと思います。

高良はGOING STEADYのアルバム『さくらの唄』を聴いて衝撃を受けたという。

高良:「うわ、僕のことを歌ってくれている」と思って。初めて歌詞を聴くようになったというきっかけをくれました。

クリス:どの部分が自分のことを歌っていると思ったんですか?

高良:全部でした。「なんで僕のことわかるの?」みたいな。でもあれって、(聴いている)まわりがきっと全員そうでしたよね。

クリス:そりゃヒットしますよね。どうやったらそんな歌詞が書けるんだろう。

高良:自分とすごく会話しているんだろうなと思うんですけどね。

ラッパーのZORNの魅力

高良は「楽器が必要ない」という理由から、自身でラップの歌詞を書いた経験もあるそうだ。Jラップが好きな高良はラッパーのZORNと交流があるという。

クリス:仲いいんですよね。

高良:年に1、2回はごはん食べたりしますね。

クリス: ZORNくんの魅力はなんでしょうか。

高良:男としてかっこいいですね。いろいろな経験を経ていると思うんですけど、ZORNくんと対峙するときに立派な人だなあというか大きいなあと感じますね。

クリス:いろいろ経験しないと、自分の中に取り入れないと表現できないというか、作品は作れないわけであって。でもやっぱりラップは生々しいですよね。

高良:生々しい中に家族や仲間があって。やっぱりかっこいいです。

クリス:ZORNの曲だったら何が一番好きですか?

高良:昔から聴いてましたけど、ZORNくんの魅力は「今が一番好き」という風に上がっていくんです。一番好きな曲はあげづらいけど、『Love Yourself』はすごく背中を押してもらいましたし、『In The Neighborhood』は一昨年やっていた映画の自分のテーマにしていました。選びづらいですけどね。ほとんどいいです。

クリス:生きざまみたいな部分がね。1曲がどうのこうのということではないんですね。

高良:ではないですね。

クリス:基本的に今はどちらかというとヒップホップ寄りですか? それともいろいろなものを聴くのかな。

高良:なんでも聴きます。自分が好きなものはなんでも聴きますね。

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印象的だったライブ

続いて高良が、印象的だったアーティストについて語った。

高良:2023年はいろいろな人たちのライブを観に行ったんですけど、かっこいいな、すごいなと思ったのは坂本慎太郎さん。やっぱり違うなと思いますね。

クリス:どのあたりでそう感じますか?

高良:唯一無二。「なんか違う」という感じ方をします。肌から聴けるような感じですかね。

クリス:ほかのアーティストとはまた違うオーラというか表現?

高良:間違いなく。歌詞だって、そんな共感とかじゃないと思うんです。でも歌詞にも感動するし。ゆらゆら帝国のころから聴いていたので、またちょっとソロになってから違いますよね。

クリス:ほかには?

高良:ZORNくんの幕張もすごかったですし、踊ってばかりの国とか。20代の頃よくフェスに行っていたんですけど、そのときに一度だけ観たことがあるCoccoさんはずっと忘れられない景色がありますね。

高良はほかにも忘れられなかった出来事として、20代後半に訪れたキューバでのあるアーティストのライブを挙げた。

高良:キューバの街を歩いていたときに、ローリング・ストーンズのバンドTを着ている人たちがズラズラとある方向に向かっていて、「今日何があるんだ?」と訊いたら「ストーンズのフリーライブだよ、知らないの?」って言われて。

クリス:すごいですね。

高良:僕はちゃんと聴いたことがなかったんですけど「ついて行ってみよう」と思ってついて行って、ストーンズのフリーライブをすごく前で観ました。

クリス:50万人いたそうですね。

高良:1カ所にこんなに人が集まるのかって。意味がわからなかったです。建物にもたくさん登ってるし。

クリス:広場みたいなところで。

高良:だだっ広い広場で。ちゃんと知らないのに前に行きました(笑)。

クリス:よく50万人をかきわけて。

高良:かなりかきわけて行きました。

クリス:初ストーンズはどうでしたか?

高良:めちゃくちゃエネルギーがあったし、かっこよかったです。

クリス:独特ですよね。そんなに複雑なことはやっていないんだけど、本物感満載ですよね。

現場で聴いていたZORNの曲

再びクリスがZORNについて触れると、高良の主演映画『罪と悪』の話題に。現在公開中だ。

映画『罪と悪』本予告 [2.2 Fri]

クリス:最新映画『罪と悪』の現場でもZORNさんを聴いていたということですけど、役作りにZORNさんは合ってました?

高良:合いました。『罪と悪』の衣装合わせに行ったときに、監督のイメージでいろいろなラッパーの人たちの写真が用意されていたんですよ。

クリス:監督がラッパーの写真を用意していたんですね。

高良:監督もヒップホップ大好きなので。そこにZORNくんの新小岩のクルーの人たちとか仲間の人たちが写っているのがあって。「僕もこのイメージなんですよね」って。なので現場中はZORNくんの曲を聴いて自分の気持ちを作っていた部分はあります。

クリス:一番聴いた曲はなんですか?

高良:『Love Yourself』『In The Neighborhood』のほか『Stay Gold』もそうですし、『家庭の事情』とかも聴いてたな。たくさん聴いてました。

クリス:ヒップホップが合っているような気はしますよね。昭和の俳優さんは何を聴いていたんだろうね。

高良:たぶんパンクとかロックだと思います。それこそ世の中に何か不満がある人たちはパンクとかロックだった気がして。今の時代はパンクとかロックにいくよりは、たぶん自分の中で消化できない何かがある人たちはヒップホップにいっている気がしますね。

役作りと音楽の関係

高良は「現場ごとの1曲があると思う」と、現場に入る前に聴く音楽へのこだわりについて語った。

クリス:ひとつのスイッチみたいになっているのかな。

高良:スイッチなのと、現場に行くときの事務所の車の中でかける何曲かが決まっています。

クリス:自分の役、キャラクターを助けてくれるという。なるほどね。自分の人格や脳にどういう影響があるんでしょう。

高良:合わない曲だと絶対に聴けないというのがあると思います。だからこそ合うほうを狙っているんだと思います。必ず事務所の車の中で音楽をかけているので。やっぱり合うのを選ぶからそうなるんだと思いますね。

クリス:過去の作品で「この役をやったときはこの曲を聴いた」みたいなのあります?

高良:いろいろあるんですけど、ドラマとかやるとそのときの主題歌を聴いたり。それこそドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』だと手嶌 葵さんの『明日への手紙』を聴いてました。

クリス:それをスイッチで使うのはおもしろいですよね。ほかに役に深く入るためのテクニックはありますか?

高良:僕はなりきれるとは思っていなくて。

クリス:その精神状態になろうとは思わない?

高良:思います。ただ、他人にはなれないと思っています。僕はその距離感がすごく大事で。僕の中で共感は必要なくて。だけどどんな役でも理解は絶対できる。だからその理解を誰よりも僕がしたいというのはあります。

クリス:共感・同調するのではなく、その役の心理状態を理解・把握するという。

高良:共感とかなりきるとかは、自分では思わないようにしています。

クリス:なりきろうとするとやりすぎるのかな。それとも本質からはずれちゃうからなのかな。

高良:僕の嫌なラインを超えるんですよね、超えたくないラインを。

クリス:おもしろい。お芝居をすごく楽しんでいるみたいですね。楽しいというかおもしろいと言ったほうがいいかな。

高良:そうですね。

番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。

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2024年2月17日28時59分まで

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番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週土曜
18:00-18:54