Vaundyがニューアルバム『replica』の制作エピソードを語った。
Vaundyが登場したのは、J-WAVEで11月26日(日)に放送された『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)だ。
Vaundy:大学に入ってから卒業するまでの学生生活で、最初のキャリアを同時に作っていた感じがしました。
クリス:学生と両立してましたもんね。
Vaundy:ここに初めてきたとき(2020年)とは全然感覚も作っているものも違いますし、今回のアルバムでまた変えていこうというふうになっていきました。
【初出演時の記事】Vaundy、曲ごとに雰囲気が違う理由は? 「PCで最初に出した音」でメイン楽器が決まることも
クリス:忙しいときって、あっという間なの? それとも密だったから、それなりに振り返ると長い道のりだったなと思う?
Vaundy:気づいたら1年が終わっている、みたいなことが多いです。ほぼ思い出せないんですけどめっちゃ早く、昨日のことのような。
クリス:処理しきれてないんだね。「じゃあVaundy、次!」みたいな。物思いにふける時間もないという感じだよね。
Vaundy:こういう風に生放送に出させてもらったりとか、今回取材をすごくいっぱいしてもらったんですけど、そういうタイミングで「そういえばこんなことやったな」と、やっと振り返れるというか。それまでは頭をフル回転させて、(趣味の)ゲームとかもしないので。
クリス:ゲーム好きだものね。
Vaundy:上手じゃないけどゲームもやりたい派だったので、それでもやってなかったぐらい、ずっといろいろなものを作っていました。
クリス:自分の趣味みたいなものができないって、それは本当に忙しいよね。余暇がないということだもの。
Vaundy:ガンプラとかもずっと作っていたんです。学生生活のときには同時に作れたんですけど、急に作れなくなっちゃいました。
クリス:なるほどね。またぜひデカいやつを作ってください。
Vaundy:作りたいです(笑)。
クリス:ヒットを飛ばしまくっているVaundyですが、アルバムはけっこう(リリースを)待ちました。それは意図があったんですか?
Vaundy:特に意図はなくて。僕が実はこれ、卒業制作をテーマにやっているんです。自分で「ポップスとはなにか」みたいな4年間を振り返って作って。去年、コンセプト自体は全部できていたんです。それで今年に入って「よし、全然できてないから完成させよう」というので出しただけなので、特に「アルバムを作ってくれ」と言われたわけでもなく、僕なりにとりあえず1回まとめました。
クリス:卒業制作の一環でもあったということですね。それもなかなか普通の人はできないよね(笑)。
Vaundy:恵まれているなと思います。
クリス:パッケージデザインも非常にこだわりを感じますが、それも卒業制作の一部として?
Vaundy:そうですね。僕はデザインをずっとやっていたので、やっぱり手に取ったときにうれしいというものを作るのが、いまのCDだと思っていて。正直、自分でCDを入れて聴くという機会がすごく少なくなったんです。「サブスクでいいじゃんという」のがあるなかで、改めてCDを出すとなったら開けなくていいパッケージでいいんじゃないか、というのが僕のなかで大方(方向性が)ついていて。あれは開けなくていい、置いておいてもいいし、聴きたければなかを開ければ面白いものが詰まっているかもね、というコンセプトではあります。
Vaundy:「(Cory Wongと)人生のどこかで絶対にやりたい」と2年ぐらい前からずっと思っていて「どこが一番面白いかな」と思ったときに「このタイミングかもしれない」というので『SPY×FAMILY』という大舞台で一緒にやれたらなと、お頼みしました。
クリス:初めてのコラボレーションだったと思いますがどんな印象を受けましたか?
Vaundy:「ものすごく繊細にものづくりをしている人なんだな」というのは、送られてきた音源でわかったんです。僕はそのあと「ここをこうしたい」と言ったら「うん、全然いいよ」みたいに、なんでもやらせてくれる人でした。自分の弾いているスタイルが確立している方なので、弾いた瞬間に「あ、これCoryっぽくない?」みたいなのがわかるじゃないですか。だからこそポイッと渡しても大丈夫みたいな、そういう自信をすごく感じましたし「もう1回やりたい」と思いました。
クリス:彼はNile Rodgersみたいな感じだものね。カッティングと言ったらCory Wongが第一人者みたいな感じになりますが。繊細というのはどういうところなの?
Vaundy:繊細というのも言葉として合っているのかわからないんですが、精密なのかな。
クリス:なるほど。
Vaundy:いまもDTM文化をものすごく理解したうえで、ヒューマンだけどめちゃめちゃオンタイムで俺は格好いいものを作るよみたいな。それを音源からものすごく感じる方ですし、曲の作り方自体も波を意識しているというか、日本の音楽の作り方にちょっと似ているというか。
クリス:精密な部分がね。
Vaundy:そこがすごく僕は合うんだろうなと、一緒にやってみたらなにができるか楽しみだなと思って。
クリス:精密というのは、世界的にトレンドなのかな? 日本の音楽も制作の部分で精密感というのはあるのかな。
Vaundy:DTMが出てきて、EDMとかデジタル上で音楽をやっていこうぜ、という雰囲気になった瞬間に、クリックというものができたんです。クリックからズレるとすべての編集がしづらいみたいなムードもできちゃって、スタジオミュージシャンの需要も変わっていったんだと思うんです。そのうえでオンタイムでどうやったらグルーヴができて機械よりかっこいいのか、みたいなのをここ数年でいろいろなスタジオミュージシャンがやっていて。
クリス:なるほどね。
Vaundy:作家側が「ちょっとこれクリックズレてる」みたいなことを平気で言うようになっちゃったから、まあ生身が薄れたよねと思うんですけど、それでも生身を感じるみたいな人たちがいて。
クリス:生身プラスアルファ、クリックの正確さありきでもっと生身というかオーガニックな感覚というのは、すごくわかる。
Vaundy:僕も今回のアルバムはそれだけをむしろ意識して、空気感というか。もちろんオンタイムだけど「これって人間が作っているのわかるでしょ?」というのを面白く伝えられたらなというのがあったんです。
クリス:Cory Wongのストロークってすごくデカいじゃん? あまりストロークをデカくしちゃうと精密さを欠くんだけど、彼のあのすごいストロークでね。あれがかっこいいよね。
Vaundy:音を切り裂く感じ。
クリス:そう。普通、手首だけが動いているんだけど、彼は幅で言うと10センチぐらい動くもの。
Vaundy:けっこう動いています。しかも人差し指と親指だけでピックを持って振り下ろす、上げるというこのパワーって相当、肩から下の筋肉全部使っているのでものすごく難しいんです。あれは真似しようと思ったら全然できないので。あと左手がものすごいんです。
クリス:あのミュート(音を弱める奏法)がすごいよね。
Vaundy:僕は実際にフジロックで見せてもらったんですけど、ものすごい左手のミュートがうまくて「これ、うまいとかじゃない」と思って。ネックと共存しているというか(笑)。
クリス:弦と指先の神経がつながっているんじゃないかって。
Vaundy:だからこっちが完ぺきなミュートなので、右手がなにをしても大丈夫みたいな。しかも6弦を全部意識して、Nile Rodgersみたいに意識して弾いているので。
クリス:Vaundy、ありがとう。いまのシーンの第一線のプレイヤーたちのひとつのスタンスみたいなのがすごく見えた。
Vaundy:僕のサポートメンバーのドラムのBoboさんとかもそれで。「オンタイムだけどかっこいいって重要だ」という話はよくしています。
『SAISON CARD TOKIO HOT 100』ではさまざまなデータをもとに、世界の音楽シーンからJ-WAVEが厳選した100曲をカウントダウン。放送は毎週日曜の13時から。
Vaundyが登場したのは、J-WAVEで11月26日(日)に放送された『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)だ。
学生でありながらプロに、その多忙さは
番組にはおよそ2年半ぶりの登場となったVaundyはまず、これまでの活動を振り返った。Vaundy:大学に入ってから卒業するまでの学生生活で、最初のキャリアを同時に作っていた感じがしました。
クリス:学生と両立してましたもんね。
Vaundy:ここに初めてきたとき(2020年)とは全然感覚も作っているものも違いますし、今回のアルバムでまた変えていこうというふうになっていきました。
【初出演時の記事】Vaundy、曲ごとに雰囲気が違う理由は? 「PCで最初に出した音」でメイン楽器が決まることも
クリス:忙しいときって、あっという間なの? それとも密だったから、それなりに振り返ると長い道のりだったなと思う?
Vaundy:気づいたら1年が終わっている、みたいなことが多いです。ほぼ思い出せないんですけどめっちゃ早く、昨日のことのような。
クリス:処理しきれてないんだね。「じゃあVaundy、次!」みたいな。物思いにふける時間もないという感じだよね。
Vaundy:こういう風に生放送に出させてもらったりとか、今回取材をすごくいっぱいしてもらったんですけど、そういうタイミングで「そういえばこんなことやったな」と、やっと振り返れるというか。それまでは頭をフル回転させて、(趣味の)ゲームとかもしないので。
クリス:ゲーム好きだものね。
Vaundy:上手じゃないけどゲームもやりたい派だったので、それでもやってなかったぐらい、ずっといろいろなものを作っていました。
クリス:自分の趣味みたいなものができないって、それは本当に忙しいよね。余暇がないということだもの。
Vaundy:ガンプラとかもずっと作っていたんです。学生生活のときには同時に作れたんですけど、急に作れなくなっちゃいました。
クリス:なるほどね。またぜひデカいやつを作ってください。
Vaundy:作りたいです(笑)。
卒業制作をテーマに制作
Vaundyは『strobo』から3年半ぶりとなるセカンドアルバム『replica』を11月15日に配信、CDもリリースした。クリス:ヒットを飛ばしまくっているVaundyですが、アルバムはけっこう(リリースを)待ちました。それは意図があったんですか?
Vaundy:特に意図はなくて。僕が実はこれ、卒業制作をテーマにやっているんです。自分で「ポップスとはなにか」みたいな4年間を振り返って作って。去年、コンセプト自体は全部できていたんです。それで今年に入って「よし、全然できてないから完成させよう」というので出しただけなので、特に「アルバムを作ってくれ」と言われたわけでもなく、僕なりにとりあえず1回まとめました。
クリス:卒業制作の一環でもあったということですね。それもなかなか普通の人はできないよね(笑)。
Vaundy:恵まれているなと思います。
クリス:パッケージデザインも非常にこだわりを感じますが、それも卒業制作の一部として?
Vaundy:そうですね。僕はデザインをずっとやっていたので、やっぱり手に取ったときにうれしいというものを作るのが、いまのCDだと思っていて。正直、自分でCDを入れて聴くという機会がすごく少なくなったんです。「サブスクでいいじゃんという」のがあるなかで、改めてCDを出すとなったら開けなくていいパッケージでいいんじゃないか、というのが僕のなかで大方(方向性が)ついていて。あれは開けなくていい、置いておいてもいいし、聴きたければなかを開ければ面白いものが詰まっているかもね、というコンセプトではあります。
精密に、そして機械よりかっこいいものを作る
番組では『トドメの一撃 feat. Cory Wong』をオンエア。フィーチャリングしているギタリストのCory Wongの話題となった。Vaundy:「(Cory Wongと)人生のどこかで絶対にやりたい」と2年ぐらい前からずっと思っていて「どこが一番面白いかな」と思ったときに「このタイミングかもしれない」というので『SPY×FAMILY』という大舞台で一緒にやれたらなと、お頼みしました。
クリス:初めてのコラボレーションだったと思いますがどんな印象を受けましたか?
Vaundy:「ものすごく繊細にものづくりをしている人なんだな」というのは、送られてきた音源でわかったんです。僕はそのあと「ここをこうしたい」と言ったら「うん、全然いいよ」みたいに、なんでもやらせてくれる人でした。自分の弾いているスタイルが確立している方なので、弾いた瞬間に「あ、これCoryっぽくない?」みたいなのがわかるじゃないですか。だからこそポイッと渡しても大丈夫みたいな、そういう自信をすごく感じましたし「もう1回やりたい」と思いました。
クリス:彼はNile Rodgersみたいな感じだものね。カッティングと言ったらCory Wongが第一人者みたいな感じになりますが。繊細というのはどういうところなの?
Vaundy:繊細というのも言葉として合っているのかわからないんですが、精密なのかな。
クリス:なるほど。
Vaundy:いまもDTM文化をものすごく理解したうえで、ヒューマンだけどめちゃめちゃオンタイムで俺は格好いいものを作るよみたいな。それを音源からものすごく感じる方ですし、曲の作り方自体も波を意識しているというか、日本の音楽の作り方にちょっと似ているというか。
クリス:精密な部分がね。
Vaundy:そこがすごく僕は合うんだろうなと、一緒にやってみたらなにができるか楽しみだなと思って。
クリス:精密というのは、世界的にトレンドなのかな? 日本の音楽も制作の部分で精密感というのはあるのかな。
Vaundy:DTMが出てきて、EDMとかデジタル上で音楽をやっていこうぜ、という雰囲気になった瞬間に、クリックというものができたんです。クリックからズレるとすべての編集がしづらいみたいなムードもできちゃって、スタジオミュージシャンの需要も変わっていったんだと思うんです。そのうえでオンタイムでどうやったらグルーヴができて機械よりかっこいいのか、みたいなのをここ数年でいろいろなスタジオミュージシャンがやっていて。
クリス:なるほどね。
Vaundy:作家側が「ちょっとこれクリックズレてる」みたいなことを平気で言うようになっちゃったから、まあ生身が薄れたよねと思うんですけど、それでも生身を感じるみたいな人たちがいて。
クリス:生身プラスアルファ、クリックの正確さありきでもっと生身というかオーガニックな感覚というのは、すごくわかる。
Vaundy:僕も今回のアルバムはそれだけをむしろ意識して、空気感というか。もちろんオンタイムだけど「これって人間が作っているのわかるでしょ?」というのを面白く伝えられたらなというのがあったんです。
クリス:Cory Wongのストロークってすごくデカいじゃん? あまりストロークをデカくしちゃうと精密さを欠くんだけど、彼のあのすごいストロークでね。あれがかっこいいよね。
Vaundy:音を切り裂く感じ。
クリス:そう。普通、手首だけが動いているんだけど、彼は幅で言うと10センチぐらい動くもの。
Vaundy:けっこう動いています。しかも人差し指と親指だけでピックを持って振り下ろす、上げるというこのパワーって相当、肩から下の筋肉全部使っているのでものすごく難しいんです。あれは真似しようと思ったら全然できないので。あと左手がものすごいんです。
クリス:あのミュート(音を弱める奏法)がすごいよね。
Vaundy:僕は実際にフジロックで見せてもらったんですけど、ものすごい左手のミュートがうまくて「これ、うまいとかじゃない」と思って。ネックと共存しているというか(笑)。
クリス:弦と指先の神経がつながっているんじゃないかって。
Vaundy:だからこっちが完ぺきなミュートなので、右手がなにをしても大丈夫みたいな。しかも6弦を全部意識して、Nile Rodgersみたいに意識して弾いているので。
クリス:Vaundy、ありがとう。いまのシーンの第一線のプレイヤーたちのひとつのスタンスみたいなのがすごく見えた。
Vaundy:僕のサポートメンバーのドラムのBoboさんとかもそれで。「オンタイムだけどかっこいいって重要だ」という話はよくしています。
『SAISON CARD TOKIO HOT 100』ではさまざまなデータをもとに、世界の音楽シーンからJ-WAVEが厳選した100曲をカウントダウン。放送は毎週日曜の13時から。
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番組情報
- SAISON CARD TOKIO HOT 100
-
毎週日曜13:00-16:54
-
クリス・ペプラー