MONO NO AWAREの玉置周啓(Vo, Gt)が、自身の音楽のルーツや、楽曲『風の向きが変わって』に込めた想いを明かした。
玉置が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは6月14日(水)、15日(木)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
玉置:『風の向きが変わって』についてですけど、まず風を浴びると気持ちいいじゃないですか。橋の上とか、車の窓を開けて、ベランダなど。そういうときに風を浴びると、頭で考えていることと関係なく気分が軽くなる。あの感じがすごくいいと、もともと思っておりまして、それを表現したくて作った曲です。
僕ららしさについて繋げて考えると、もともと生まれたのが八丈島という潮風が強く吹く土地でした。そういう部分とも関連しているだろうなということは思っていました。要は、風を浴びるたびに、子どもの頃にかけっこしたときのような心の潤いや弾力がよぎるというか。
この“よぎる”というのがすごくいいなと思っていて。子どもの頃の記憶を大切にとか、少年のような目をなどとみんなは言うけれど、そんなのをしている大人はみんなやばい奴だと僕は思っていて。大人は大人でいるべきだと思うんですけど、ただ“よぎる”ということ自体はすごく大切なことだなと思っていて、風はその象徴だと。
“よぎる”ということが、そのまま僕らのバンドだなと思っています。要は、MONO NO AWAREって、絶えず変わっていくことみたいな意味合いを込めてますし、ひとつのメッセージを固定化して伝えるために、僕たちは音楽をやっているわけではない。ただ楽しくて、時折メッセージが込められていて、それを続けることが重要だってことを言い続けて、バンドをやってきました。
竹田が休養に入って、普通のバンドだったら挫けたり形を変えてってタイミングが来てもおかしくないと思うんですけど、『風の向きが変わって』は現時点で竹田と最後に録音した曲になっているので、自分でも救われた曲になっております。
竹田のことも“よぎる”し、みんなでやってきたという足跡も“よぎる”曲になっています。僕らの感傷は聴く皆さんにとっては関係ないと思いますけど、“よぎる”ということが、バンドそのものというか、この曲のらしさかなと思っています。
玉置:MONO NO AWAREのルーツの1曲は子門真人さんの『およげ!たいやきくん』です。出会ったのは27年前、私が3歳のときだったと思います。保育園のお遊戯の時間に流れていて、CDで聴きたいということになり、両親に初めてCDを買ってもらいました。
それまでは、テレビのスピーカーの音をテープレコーダーで拾って、そのテープを繰り返して聴くという音楽体験がほとんどでした。CDで聴く喜びを初めて感じたのが『およげ!たいやきくん』だし、今思うと、歌詞も子どもに聴かせていいのかと思うくらい大人っぽいというか、自由とは何かについて切り込んでいるというか、そういうところを示唆的に書いた歌詞だなと思っています。
「自由ってみんな言うけど……」ということは、MONO NO AWAREの1枚目の楽曲でもテーマにしていたことだったので、そういう経緯もあり、ルーツと言っていいと思って選びました。僕らは『およげ!たいやきくん』のカバーもしています。よければ原曲も聴いてもらいつつ、僕らのカバーも楽しんでもらえたらとうれしいです。
日本における歴代シングル売上1位を記録し、未だに破られていない未曾有の大ヒット曲『およげ!たいやきくん』。実際にバンドでカバーしていることからも、かなりの影響を受けていることがわかる。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
【MONO NO AWARE 玉置周啓 出演回のトークを聞く】
・Apple Podcastで聞く
前編/後編
・Spotifyで聞く
前編/後編
・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
玉置が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは6月14日(水)、15日(木)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
“よぎる”ことを大切にしている
東京都八丈島出身の玉置と加藤成順(Gt)が、大学で出会った竹田綾子(Ba)、柳澤豊(Dr)と結成したバンド・MONO NO AWARE。2017年にデビューアルバムをリリースした後は、楽曲『イワンコッチャナイ』がJ-WAVE「SONAR TRAX」に選出された。以降も文学的な歌詞かつ、遊び心のあるポップさを融合させたバンドサウンドが話題を呼び、『FUJI ROCK FESTIVAL』などの大型フェスにたびたび出演している。23年5月に竹田が体調不良のため一時休養に入ることが発表されたが、そんな中で配信シングル『風の向きが変わって』を6月14日にリリースした。今回は同曲で表現した自分たちらしさについて、玉置に語ってもらった。玉置:『風の向きが変わって』についてですけど、まず風を浴びると気持ちいいじゃないですか。橋の上とか、車の窓を開けて、ベランダなど。そういうときに風を浴びると、頭で考えていることと関係なく気分が軽くなる。あの感じがすごくいいと、もともと思っておりまして、それを表現したくて作った曲です。
僕ららしさについて繋げて考えると、もともと生まれたのが八丈島という潮風が強く吹く土地でした。そういう部分とも関連しているだろうなということは思っていました。要は、風を浴びるたびに、子どもの頃にかけっこしたときのような心の潤いや弾力がよぎるというか。
この“よぎる”というのがすごくいいなと思っていて。子どもの頃の記憶を大切にとか、少年のような目をなどとみんなは言うけれど、そんなのをしている大人はみんなやばい奴だと僕は思っていて。大人は大人でいるべきだと思うんですけど、ただ“よぎる”ということ自体はすごく大切なことだなと思っていて、風はその象徴だと。
“よぎる”ということが、そのまま僕らのバンドだなと思っています。要は、MONO NO AWAREって、絶えず変わっていくことみたいな意味合いを込めてますし、ひとつのメッセージを固定化して伝えるために、僕たちは音楽をやっているわけではない。ただ楽しくて、時折メッセージが込められていて、それを続けることが重要だってことを言い続けて、バンドをやってきました。
竹田が休養に入って、普通のバンドだったら挫けたり形を変えてってタイミングが来てもおかしくないと思うんですけど、『風の向きが変わって』は現時点で竹田と最後に録音した曲になっているので、自分でも救われた曲になっております。
竹田のことも“よぎる”し、みんなでやってきたという足跡も“よぎる”曲になっています。僕らの感傷は聴く皆さんにとっては関係ないと思いますけど、“よぎる”ということが、バンドそのものというか、この曲のらしさかなと思っています。
『およげ!たいやきくん』との出会い
文学的な歌詞を紡ぐMONO NO AWARE。そんな彼らのルーツの1曲は、誰しもが聴いたことのある『およげ!たいやきくん』。3歳のころに曲と出会い、それが玉置にとって初めて手に入れたCDだったそう。玉置:MONO NO AWAREのルーツの1曲は子門真人さんの『およげ!たいやきくん』です。出会ったのは27年前、私が3歳のときだったと思います。保育園のお遊戯の時間に流れていて、CDで聴きたいということになり、両親に初めてCDを買ってもらいました。
それまでは、テレビのスピーカーの音をテープレコーダーで拾って、そのテープを繰り返して聴くという音楽体験がほとんどでした。CDで聴く喜びを初めて感じたのが『およげ!たいやきくん』だし、今思うと、歌詞も子どもに聴かせていいのかと思うくらい大人っぽいというか、自由とは何かについて切り込んでいるというか、そういうところを示唆的に書いた歌詞だなと思っています。
「自由ってみんな言うけど……」ということは、MONO NO AWAREの1枚目の楽曲でもテーマにしていたことだったので、そういう経緯もあり、ルーツと言っていいと思って選びました。僕らは『およげ!たいやきくん』のカバーもしています。よければ原曲も聴いてもらいつつ、僕らのカバーも楽しんでもらえたらとうれしいです。
日本における歴代シングル売上1位を記録し、未だに破られていない未曾有の大ヒット曲『およげ!たいやきくん』。実際にバンドでカバーしていることからも、かなりの影響を受けていることがわかる。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
【MONO NO AWARE 玉置周啓 出演回のトークを聞く】
・Apple Podcastで聞く
前編/後編
・Spotifyで聞く
前編/後編
・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
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