Awesome City Clubのatagi(Vo/Gt)が、自身の音楽ルーツを語り、クリス・ペプラーと音楽トークで盛り上がった。
前回に引き続きatagiが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談議を繰り広げる番組だ。オンエアは5月12日(金)。
Awesome City Clubは4月19日にデジタルシングル『アイオライト』をリリースした。
【前回の放送】宇多田ヒカルの楽曲で「雷に打たれた瞬間」 Awesome City Club・atagiが音楽ルーツを明かす
atagi:音楽ファンとしてファンクとかミクスチャー、いわゆる昔のファンクコアとかのミクスチャーとかアシッドジャズとか、そういったものは自分の趣味としてめっちゃ好きって感じだから、それらが自分の中には流れてるんですけど、自分が曲を作るときにあんまり意識して出したりはしないって感じですかね。根っこにあるのは、たとえば前回お話しした宇多田ヒカルさんのように、ポップスの強い軸みたいなものを表現したいなっていう部分が大きいかもしれないですね。
クリス:Awesome City Clubを最初に聴いたときはJ-POPより洋楽っぽいエッセンスを感じとったかな。
atagi:初期はその毛色だったかもしれないですね。より日本語っぽいメロディーとか日本語にマッチしたものっていうので自分たちの中でも変遷があって、今はすごくポップスに近くなってるかなって気がしますけど。
ポップスの話題から、クリスは先日観たThe 1975のライブについて語る。
クリス:彼らはソングライターとしてはすごいなと思うし、すごくポップなんだけど、ずっと16(ビート)なのね。
atagi:ちゃんとミュージシャンシップを感じるところがありますよね。
クリス:そこのあたりはプレイヤーのグルーブのキープの仕方とかけっこうスゴいなって。あと、マシュー・ヒーリーはかなり効いてるよね。
atagi:効いてますね。本当に女の子みんな大好きですからね。僕は男なので正直言うとむちゃくちゃセクシーだしカッコいいと思うけど、そんな目がハートになるほどの魅力ってどこだろうってそんなに理解できてなくて。でも女の子には何か感じるものがあるみたいですね。
クリス:この間観たときも、まわりはZ世代のオンパレードみたいな感じでお客さんは若かった。あと海外の人もすごく多かったね。
atagi:この子の作品がむちゃくちゃよいなってところから始まって、ちょっとそのまわりの韓国アーティスト、ラッパーとかプロデューサーとかが多いんですけど。
クリス:どんなところがカッコいい?
atagi:シンガーソングライターなんですけどラップもできて歌えてみたいな、日本人とかにはあんまりない変幻自在なタイプで、トラックもプロデューサーがいてその人が書いてるんですけど、けっこうしっとりしたものからアクティブなものまで。僕はアクティブなものがむちゃくちゃカッコよくて聴いてるんですけど。
atagi:日本にはまだ到達してない波だけど、「ああ、これって確かに世界基準」というか、いつか日本の音楽もこういう方向のものが増えてくるんだろうなっていう感じの質感があって。海外のものよりも日本人の味覚に近いというか、少しケレン味があるというか、メロがたってるとか、そういうものが多いかもしれないですね。
クリス:K-POPはサブチャンネルじゃなくなったもんね。BLACKPINKはコーチェラ・フェスティバルのヘッドライナーでしたし。
atagi:BLACKPINKが出始めたときは、またK-POPガールズグループが出てきたなって感覚で見てましたけど、今はそんな感覚じゃないですもんね。
クリス:少女時代の時代とはちょっと違うというか。
atagi:僕も世代じゃないからはっきりとしたことは言えないですけど、今の高校生とか、僕らの担当しているディレクターのお子さんがちょうど中学・高校生くらいで本当に人気がすごいらしいんですよ。BLACKPINKとかは特に。僕はその年代ではないからわからないですけど、そういうアイドル性というか、若い子にわかるようなアイコンとしてキャッチーでありながら、音楽としても評価されてるってむちゃくちゃすごいことだなって思いますね。
このドラマを観ているリスナーからatagiに「このドラマは結婚が1つのテーマになっていますが、結婚披露宴の余興での思い出はありますか?」という質問が届いた。
atagi:とっておきのエピソードがありますね。僕、沖縄に住む姉が1人いるんですけど、姉が結婚することになって沖縄で式を挙げるってなったときに、僕は当時上京して全然鳴かず飛ばずみたいなインディーバンドをやってて、親の命令で「披露宴で歌え」って言われたんですよ。ちょっと気後れするなと思いながらも姉のために1曲書いて、当日1人で披露することになったんです。今考えても冷や汗が出るんですけど、旦那さん側の仕事の関係で出席されてたのが、ORANGE RANGEさんのメンバー全員で。
クリス:げっ!
atagi:(旦那さんが)音楽業界の方だったんですね。ORANGE RANGEの目の前で弾き語りしたんですよ(笑)。むちゃくちゃ脂汗が止まらなかったですね。人生でいちばん緊張しましたね。
クリス:結果はどうだったの?
atagi:なんとなくボロボロな感じで終わったんですけど(笑)、披露宴が終わって二次会に呼ばれたのでおじゃましたときにORANGE RANGEのメンバーもいらっしゃって。すごく優しいのが「歌よかったよ」って言ってくださって。それで救われたというか。
atagiは先日、ORANGE RANGEのライブに行った際に、その話をメンバーにすることができたという。
atagi:「ああ、あのときの!?」「ああ、君か!」みたいな。
クリス:ちゃんと覚えてくれてたんだ。
atagi:それは一生忘れられない出来事じゃないですかね。むちゃくちゃ怖かったんですよ。しかも自作の曲でしたし。
クリス:それがAwesome City Clubのデビュー曲?
atagi:ではないです(笑)。正直言うと、それっきり封印してる曲なので、コード譜もどっかいっちゃってどんな曲だったっけなって状態ですね。
クリス:7月2日に閉館するってことですけど、中野サンプラザは何度かライブをしたんですか。
atagi:一度だけですけど、ずっと出たかった場所で、念願叶ってみたいな話を当時してたんですよ。そういうのもあって、また呼んでもらってご縁をいただいたのかなって感じですね。(このイベントには)山下達郎さんも出ますし、これくらいのキャパで東京ではもう観れなくなっちゃうかもしれない。「いい音」っていう基準で選ばれてたらしいですけど、なくなっちゃたらこのあとどうするのみたいな。東京で他に唯一あるのが新宿LOFTとからしいんですよ。その規模だと誰もチケットが取れないじゃないですか。もうちょっと大きな規模で達郎さんが観られるような環境になればいいなって思います。
クリス:やっぱり達郎さんは特別ですか。
atagi:それはそうですね。むしろミュージシャンになって、なおのことすごいなって思うようになりました。
クリス:僕はJ-POPって表現が出る前の血ってやっぱり達郎さんかなって感じがすごくしたの。シティポップって言われる前はニューミュージックとか言われて、歌謡曲とは差別化するような日本のポップスの表現方法はあったんだけど、達郎さんがメインストリームになってから日本の音楽が変わったような気がしてて。
atagi:そうかもしれないですね。
クリス:ネガティブじゃないけど、日本の歌謡界って若干曇り空の美しさ、かげりが良さだとしていたけど、達郎さんが現れた瞬間にカラッと晴れ上がった感じがすごくするんですよね。
atagi:そう考えると作詞家たちも毛色がだいぶ変わったんでしょうね。達郎さん以前、以後だと。
Awesome City Clubの最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。
前回に引き続きatagiが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談議を繰り広げる番組だ。オンエアは5月12日(金)。
Awesome City Clubは4月19日にデジタルシングル『アイオライト』をリリースした。
【前回の放送】宇多田ヒカルの楽曲で「雷に打たれた瞬間」 Awesome City Club・atagiが音楽ルーツを明かす
「ポップスの強い軸」を打ち出したい
お互いの音楽のツボが似通っていると知り、大いに盛り上がった前回の放送を経ての今回。クリスは「聴く音楽とアウトプットする音楽のすみ分け」についてatagiに訊いた。atagi:音楽ファンとしてファンクとかミクスチャー、いわゆる昔のファンクコアとかのミクスチャーとかアシッドジャズとか、そういったものは自分の趣味としてめっちゃ好きって感じだから、それらが自分の中には流れてるんですけど、自分が曲を作るときにあんまり意識して出したりはしないって感じですかね。根っこにあるのは、たとえば前回お話しした宇多田ヒカルさんのように、ポップスの強い軸みたいなものを表現したいなっていう部分が大きいかもしれないですね。
クリス:Awesome City Clubを最初に聴いたときはJ-POPより洋楽っぽいエッセンスを感じとったかな。
atagi:初期はその毛色だったかもしれないですね。より日本語っぽいメロディーとか日本語にマッチしたものっていうので自分たちの中でも変遷があって、今はすごくポップスに近くなってるかなって気がしますけど。
ポップスの話題から、クリスは先日観たThe 1975のライブについて語る。
クリス:彼らはソングライターとしてはすごいなと思うし、すごくポップなんだけど、ずっと16(ビート)なのね。
atagi:ちゃんとミュージシャンシップを感じるところがありますよね。
クリス:そこのあたりはプレイヤーのグルーブのキープの仕方とかけっこうスゴいなって。あと、マシュー・ヒーリーはかなり効いてるよね。
atagi:効いてますね。本当に女の子みんな大好きですからね。僕は男なので正直言うとむちゃくちゃセクシーだしカッコいいと思うけど、そんな目がハートになるほどの魅力ってどこだろうってそんなに理解できてなくて。でも女の子には何か感じるものがあるみたいですね。
クリス:この間観たときも、まわりはZ世代のオンパレードみたいな感じでお客さんは若かった。あと海外の人もすごく多かったね。
変幻自在な韓国のアーティスト
最近、韓国の音楽をよく聴くと話すatagi。そのきっかけはシンガーソングライターのHeizeの曲だったという。atagi:この子の作品がむちゃくちゃよいなってところから始まって、ちょっとそのまわりの韓国アーティスト、ラッパーとかプロデューサーとかが多いんですけど。
クリス:どんなところがカッコいい?
atagi:シンガーソングライターなんですけどラップもできて歌えてみたいな、日本人とかにはあんまりない変幻自在なタイプで、トラックもプロデューサーがいてその人が書いてるんですけど、けっこうしっとりしたものからアクティブなものまで。僕はアクティブなものがむちゃくちゃカッコよくて聴いてるんですけど。
헤이즈 (Heize) - 널 너무 모르고 (Don't know you) MV
クリス:K-POPはサブチャンネルじゃなくなったもんね。BLACKPINKはコーチェラ・フェスティバルのヘッドライナーでしたし。
atagi:BLACKPINKが出始めたときは、またK-POPガールズグループが出てきたなって感覚で見てましたけど、今はそんな感覚じゃないですもんね。
クリス:少女時代の時代とはちょっと違うというか。
atagi:僕も世代じゃないからはっきりとしたことは言えないですけど、今の高校生とか、僕らの担当しているディレクターのお子さんがちょうど中学・高校生くらいで本当に人気がすごいらしいんですよ。BLACKPINKとかは特に。僕はその年代ではないからわからないですけど、そういうアイドル性というか、若い子にわかるようなアイコンとしてキャッチーでありながら、音楽としても評価されてるってむちゃくちゃすごいことだなって思いますね。
姉の披露宴で脂汗が止まらなかった理由
Awesome City Clubは4月19日にデジタルシングル『アイオライト』をリリース。この曲はドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)の挿入歌にもなっている。アイオライト TBS系火曜ドラマ「王様に捧ぐ薬指」挿入歌 / Awesome City Club (MUSIC VIDEO)
atagi:とっておきのエピソードがありますね。僕、沖縄に住む姉が1人いるんですけど、姉が結婚することになって沖縄で式を挙げるってなったときに、僕は当時上京して全然鳴かず飛ばずみたいなインディーバンドをやってて、親の命令で「披露宴で歌え」って言われたんですよ。ちょっと気後れするなと思いながらも姉のために1曲書いて、当日1人で披露することになったんです。今考えても冷や汗が出るんですけど、旦那さん側の仕事の関係で出席されてたのが、ORANGE RANGEさんのメンバー全員で。
クリス:げっ!
atagi:(旦那さんが)音楽業界の方だったんですね。ORANGE RANGEの目の前で弾き語りしたんですよ(笑)。むちゃくちゃ脂汗が止まらなかったですね。人生でいちばん緊張しましたね。
クリス:結果はどうだったの?
atagi:なんとなくボロボロな感じで終わったんですけど(笑)、披露宴が終わって二次会に呼ばれたのでおじゃましたときにORANGE RANGEのメンバーもいらっしゃって。すごく優しいのが「歌よかったよ」って言ってくださって。それで救われたというか。
atagiは先日、ORANGE RANGEのライブに行った際に、その話をメンバーにすることができたという。
atagi:「ああ、あのときの!?」「ああ、君か!」みたいな。
クリス:ちゃんと覚えてくれてたんだ。
atagi:それは一生忘れられない出来事じゃないですかね。むちゃくちゃ怖かったんですよ。しかも自作の曲でしたし。
クリス:それがAwesome City Clubのデビュー曲?
atagi:ではないです(笑)。正直言うと、それっきり封印してる曲なので、コード譜もどっかいっちゃってどんな曲だったっけなって状態ですね。
山下達郎が日本の音楽に及ぼした影響
Awesome City Clubは、50年の歴史に幕を閉じる東京・中野サンプラザで5月~7月に開催される『さよなら中野サンプラザ音楽祭』に出演する(Awesome City Clubの出演は6月17日)。クリス:7月2日に閉館するってことですけど、中野サンプラザは何度かライブをしたんですか。
atagi:一度だけですけど、ずっと出たかった場所で、念願叶ってみたいな話を当時してたんですよ。そういうのもあって、また呼んでもらってご縁をいただいたのかなって感じですね。(このイベントには)山下達郎さんも出ますし、これくらいのキャパで東京ではもう観れなくなっちゃうかもしれない。「いい音」っていう基準で選ばれてたらしいですけど、なくなっちゃたらこのあとどうするのみたいな。東京で他に唯一あるのが新宿LOFTとからしいんですよ。その規模だと誰もチケットが取れないじゃないですか。もうちょっと大きな規模で達郎さんが観られるような環境になればいいなって思います。
クリス:やっぱり達郎さんは特別ですか。
atagi:それはそうですね。むしろミュージシャンになって、なおのことすごいなって思うようになりました。
クリス:僕はJ-POPって表現が出る前の血ってやっぱり達郎さんかなって感じがすごくしたの。シティポップって言われる前はニューミュージックとか言われて、歌謡曲とは差別化するような日本のポップスの表現方法はあったんだけど、達郎さんがメインストリームになってから日本の音楽が変わったような気がしてて。
atagi:そうかもしれないですね。
クリス:ネガティブじゃないけど、日本の歌謡界って若干曇り空の美しさ、かげりが良さだとしていたけど、達郎さんが現れた瞬間にカラッと晴れ上がった感じがすごくするんですよね。
atagi:そう考えると作詞家たちも毛色がだいぶ変わったんでしょうね。達郎さん以前、以後だと。
Awesome City Clubの最新情報は、公式サイトまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。
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