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「孤高の存在だ」と感じた、上原ひろみや中村佳穂のライブ…中田クルミが語る

「孤高の存在だ」と感じた、上原ひろみや中村佳穂のライブ…中田クルミが語る

俳優の中田クルミが、自身の子ども時代や上京してきた当時について振り返った。

中田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは1月20日(金)。

この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。中田は稲葉ピーナツの「クレイジーソルトナッツ」と日産自動車監修の「新型カキノタネ」を持参し、ビールとともに楽しんだ。

4歳から18歳までバレエ

俳優として活躍する中田は、芝居のかたわらDJ活動をするなど音楽も大好きなのだという。そんな中田の子ども時代について尋ねると、4歳から18歳まではクラシックバレエをやっていたことを明かした。

中田:けっこう本気でやりましたね。すごくうまい子って、めちゃくちゃ競い合って早くやめていっちゃうんです。小学生なのに週5とかで通って、プロとかになれる子ってほんの一握りじゃないですか。そうじゃない子は虚栄心からか、レッスンの数を少なくできなくて、学校の部活とかと両立できなくてバレエをやめるみたいな子が多くて。

クリス:バレエをやめていっちゃうんですね。

中田:私はのらりくらりとやっていたタイプなので、18歳までずっと続けられて。部活も吹奏楽部をやっていたんですけど、吹奏楽部と平行しながらやれました。

クリス:吹奏楽部ではなにを吹いていたんですか?

中田:小学生のときはトランペットを吹いていて、そのあとはテナーサックスを吹いていました。

クリス:いまでも吹けます?

中田:吹けますね。トランペットは持ってます。

クリス:すごいですね。家で練習とかするんですか?

中田:たまに公園とかに行って。

クリス:かっこいい。

中田:近くの公園で誰かが演奏している音が毎日聴こえるんですよ。漫画『BLUE GIANT』みたいな感じで聴こえるんですよね。あれを聴いていると「私も練習しようかな」みたいな。

クリス:どんな曲を吹くんですか?

中田:学生のときに持っていた楽譜をいまでも持っているんですけど、そのときの楽譜をやったり、音階練習をするのが好きで、それをしたりしています。

クリス:へえ。公園で1人で吹くのはかっこいいですね。

中田:そんなにしょっちゅう行っているわけではないんですけど、自己陶酔みたいなところはあるかもしれないですね(笑)。広い公園から管楽器の音が聞こえてくるのって気持ちいいですよね。

クリス:わかります、気持ちいい。代々木公園の反対側の競技場の壁に向かって管楽器吹いている人が多かったですよ、反響するから。『BLUE GIANT』は読んでます?

中田:読んでます。本当にアニメ映画が楽しみですね。

クリス:音楽がすごく本格的で、劇中音楽は上原ひろみさんがやりますからね。

中田:ビックリしますよね。

クリス:彼女はものすごくストイックな人なので、彼女のお眼鏡にかなったわけだから、それもすごいなと。

上原のライブで受けた衝撃

中田は東京に来て初めて上原のライブを観たときのことを鮮明に覚えているのだという。

中田:Bunkamuraのオーチャードホールで、その日が自分の誕生日で、上原さんのライブを楽しみにして行ったら、人生で初めてと言っていいぐらい、誰もが集中の糸を切らさないまま、たった1人の人にエネルギーを注いでいるんですけど、あの何千人のエネルギーよりも彼女のエネルギーが勝っているみたいな、そういうエネルギーのぶつかり合いみたいなのを体感して、鳥肌が止まらなくて、なんか怖くなっちゃったんですよね。「ここ怖い!」みたいな、それぐらいすさまじくて。タップダンサーの熊谷(和徳)さんとセッションされていたんですけど、「人生を何周したらここにたどり着くんだろう」と思いました。

クリス:集中力なのかな? ともかく毎回勝負というか、次がないような、最後の演奏のような感じでいつもやってるから、大変だと思いますよ。

中田:周りの方も大変ですよね。中村佳穂さんのライブを初めて大きい会場で観たときにも上原ひろみさんのときと同じ感じだと思いました。「このエネルギーは彼女のときのものだ」みたいに思ったんですよ。それって私からすると、神様じゃないですけど、神々のお遊びを下界の人間が観ているみたいな気持ちになるんです。「うわ、すご……。これは遠すぎる孤高の存在だ」と思って観ていたら、上原さんが登場したんですよ。

クリス:あのジョイントですよね。すごいですよ。

中田:幻を見ているのかと思って涙が止まらなくなっちゃって。あれもすごかったですね。私たちに口をはさむ余地はありませんという。「あはは」と楽しんでいる笑い声が全部音楽。しかもそれはやろうと思ってやっていることじゃなくて、「好き」という気持ちがあふれているだけみたいなのが「かなわない」と思って。気づいたら立ち上がって拍手みたいな。

クリス:あの2人がコラボしたというのを知らなかったんですが、なるほどねという感じはしました。上原ひろみと中村佳穂はアリだなというね。

中田:しかも本人が「私たち、数日前に会ったばかりなんです」と言っていたんです。会ったばかりで通じ合って「ライブに出てほしい」みたいなことを言ったら「いいよ」ぐらいの感じで実現して。数日間しか会ってない人間が何年間も一緒にセッションしてきたのと同じようなエネルギーを同等にぶつけ合えるというのが……。

クリス:すごいですよね。あの次元のミュージシャンになると、アドリブ、即興、インプロビゼーションが会話レベルでできてしまう。だから2人にしてみるとお茶しているような。

中田:そうなんですよ!

クリス:トークショーみたいな感じなのかもしれない。いい意味で、堅苦しい厳しさじゃなくて、本当にすがすがしいストイシズムというか厳しさみたいなものを2人は共有しているのかな、という感じがします。

中田:自然の力を感じます。「自然は美しいけど恐ろしい」みたいなのを感じますね。

東京の生活への憧れからDJに

中田は生まれ育った栃木から上京してDJ活動を始めた。その理由や東京への憧れについて語った。

中田:私は超田舎ものだったので、東京っぽい生活に憧れがあったんです。「東京の人って夜クラブに行くらしい」みたいな(笑)。ライブハウスとかもなかったので、「ライブハウスめっちゃ行きたい」みたいな感じで上京してきちゃったんです。一番近いCDショップに行くまで車で30分みたいな場所で育ったので、そういうものが全部あるのがすごくうれしくて。めちゃくちゃ遊んでいて、その流れで「DJもやりたい」みたいな感じで始めました。

クリス:クルミさんはDJのとき、どんな曲を回していたんですか?

中田:私は邦楽ロックで育ったので、自分が好きな邦楽アーティストをいっぱいかけていました。地方の野外イベントでDJをすることがいっぱいあって、そのときに自分たちの世代から若い人までいっぱいかけていたんですけど、この曲はどこでやっても盛り上がるなというのがMAN WITH A MISSIONの『FLY AGAIN』。これはどこに行っても楽しい。

クリス:鉄板なわけですね。

中田:どんな小さい箱で、人が3人とかしかいないときだろうが、いっぱい人数がいようが盛り上がる感じがして。外と合うんです。これは盛り上がりました。私の思い出です。

クリス:そこで東京に出てきて羽を伸ばすというか、自由を謳歌するという。

中田:そういう感じです(笑)。バレエも18歳の高校3年生までだったので、そのあとバレエも一旦離れて。いまはたまに行ったりするんですけど。一旦全部違う人生を歩むぐらいの気持ちでハジけました。

クリス:東京はイメージと同じでしたか?

中田:当時は雑誌がメインだったので「雑誌で見ていた世界って本当にあるんだ」みたいな。漫画を読んでいるぐらいの気持ちで、架空の世界だと思っていたものが「本当にあるんだ」みたいな感じをすごく実感して。私の憧れの対象が、街で働いている古着屋の店員さんだったりして、ストリートスナップでは見るけど、本当にいる、しかも会える話せるみたいなのがたくさんあって、感動しました。「東京ってすごい!」って。

クリス:東京に出てきて最初はどこで遊んでいました?

中田:渋谷、原宿ですかね。

クリス:イメージ通り?

中田:イメージ通りでしたし、「自分がやるぞ」ぐらいの気持ちで、原宿のショップ店員とかもやっていたし、下北沢の古着屋の店員もやっていたので。

クリス:やりたいことを全部やったみたいな。

中田:やりました! しかも古着屋の買い付けでアメリカまで行きました。

クリス:その古着屋さんはどのぐらい勤めていたんですか?

中田:2年ちょっと勤めたんですけど、オーナーが変わった方で、大学生の私に「買い付けいいよ、行ってきな」みたいな感じで。店長と2人で行くんですけど、ロードトリップで。

クリス:どういうところに買い付けに行くんですか?

中田:ロサンゼルスにその日の夕方くらいに着くんですけど、レンタカーを借りてそのままサンフランシスコまで行くんです。そこで朝イチでフリーマーケットに行って、終わったら古着屋を回って、2泊ぐらいしたら今度はまたロスに戻って荷物を置いて、ラスベガスに行って買い付けをしました。

1月27日(金)の同番組にも、中田クルミが出演する。放送は金曜23時から。

番組の公式サイトでは、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

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2023年1月27日28時59分まで

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番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週金曜
23:00-23:30