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「ライブの歓声」は今後どうなっていくのか─m-flo・☆Taku Takahashi×SKY-HI対談

「ライブの歓声」は今後どうなっていくのか─m-flo・☆Taku Takahashi×SKY-HI対談

m-floの☆Taku TakahashiとSKY-HIが、J-WAVEで対談。コロナ禍の活動における大切なものや、これからのライブの声出しについてなど語り合った。

☆Taku Takahashiが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。オンエアは12月17日(土)。

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コロナ禍で瀕死状態…救ったのは

仕事でもプライベートでも親交が深い2人。まずは☆Taku Takahashiが立ち上げたインターネットラジオ局・block.fmの話題に。

コロナ禍でエンターテインメント業界が厳しい状況に陥るなか、block.fmは「つぶれる寸前だった」と☆Taku Takahashiは打ち明ける。

☆Taku:つぶれるかもしれないけど、今音楽が止まっちゃダメだっていうのが自分らの中であって。今の時代って音楽がどんどん面白くなってる時代じゃないですか。日本の音楽がもっと進化できるタイミングなのに、ここでリスナーとアーティストの距離ができちゃいけないなって思って、オンラインでもいいからフェスをやったんですよ。瀕死状態のときに。それはうちの利益うんぬんじゃなくて、とにかくリスナーとアーティストが繋がれるってところで少しでもアーティストに還元できればってやったら、何十万人といろんな人たちが参加してくれて。

SKY-HI:でしたよね。

☆Taku:その数字が大きいっていうのも大事だけど、何よりもみんなが1つの気持ちになったっていうことが心の中に残っていて、そのきっかけもあって勢いがついてきて。

☆Taku Takahashiは「やっぱり志って大事」と続けるとSKY-HIも同調する。

☆Taku:BSMGも志があってそれをやっているために頑張って。それこそ、だっちゃん(SKY-HI)もやっていくためにはお金が必要で。お金が欲しいからやるんじゃなくて、ここでこういうLEDを作りたいからいくらかかるとか現実的な部分を見つめながらも、ちゃんと自分らも夢を見る、そしてまわりの人に夢を見させる、そうやって変えていくっていくことって(大事で)。アーティストとして曲を作っていて、そこに集中していくと、あまりお金の話とか予算の話とかって考えなくて済むところでスタートしてたじゃない。

SKY-HI:そうなんですよね。わかります。

☆Taku:そこから徐々にそこの理解っていうのは今のクリエイターにも必要だし、自分らがやりたいことをやるにはそこがすごく重要なんだなって。

SKY-HI:そうですよね。

音楽シーンとインターネットの関係、☆Takuの思いは

続いての話題は、熱戦が繰り広げられたFIFA ワールドカップ カタール 2022。SKY-HIは今大会を観て感じた変化をこう話す。

SKY-HI:それこそblock.fmと通ずるものがあるかもしれないんですけど、インターネットの発達でアジア・アフリカ勢も20年前と比べて戦術であったり対策であったりがしっかり練られるから、昔ほどアジア・アフリカとヨーロッパの差を感じない。特に戦略・戦術において。それがすごく大きな違いに感じました。

☆Taku:それは音楽でもそうだしスポーツでもそうだし料理でもそうだし、情報の収集の仕方がしやすいのとスピード感がすごく高いですよね。

SKY-HI:それをすごく感じましたね。☆Takuさんってblock.fmの人だしインターネット好きそうだし、昔からツイッターやってるし、インターネットと親和性が高い方っていうイメージがあるんですけど、よく考えたらインターネット全盛期になる前の音楽シーンにもいたわけじゃないですか。インターネットが流れ込んだときってどんな感じでした?

☆Taku:これは絶対に大きくならないよって言う人もいたし、でもインターネットにハマるきっかけをくれたのはJ-WAVEなんですよね。

SKY-HI:なんと。

☆Taku:モーリー・ロバートソンの『Across The View』って番組があって、モーリーがいち早くインターネットというかパソコン通信の要素を同時に進行させながら番組を進めていて、こういう時代が来てるんだなって。いろんなインタラクティブな可能性がもっとすごいスピード感でできるなって。あと父親がインターネットプロバイダーをやってたんですよ。そういうのが好きな家族だったんですよね、たぶん。

SKY-HI:あはは(笑)。

☆Taku:いち早くそういうのを取り入れていて。

とはいえ、当時インターネットは「得体の知れないもの」だったと☆Taku Takahashiは言う。

☆Taku:あと収益化がすごく難しいし、メインストリームメディアがあって、インターネットは都落ち感も今以上にあったりとかしてたけど、僕が感じるのは紙に書こうがiPadで書こうが絵は絵でしょっていう。違うものにはなるけど、メッセージがあればそれはアートでしょっていう。

SKY-HI:そうですよね。

☆Taku:だからインターネットっていうプラットフォームだろうが電波というプラットフォームだろうが、ましてやビッグメディアもYouTubeを使ったりとか自分らでradikoとか作ったりとか、ユーザーが体験する方法のいろんな変化に対応している時代だから。

大合唱はみんなが1つになる

番組後半では、コロナ禍におけるライブの観客の声出しについて2人が語り合った。

☆Taku:最近、お客さんが歓声を上げていいかよくないかっていう記事をblock.fmで書いたんだけど、今も歓声を自主規制しているっていうんじゃなくて、そもそも条例なんですよね。海外のライブでは観客がキャーって言ってて、カタールのワールドカップもみんなチャントしている。日本でもチャントがOKになったんですけど、逆にスポーツのチャントがOKな部分、チャントはダメだけど歓声だけはOKっていうのがあったりとかいろんなレギュレーションができてる中、音楽は叫んじゃいけない。

SKY-HI:僕のライブも、大声じゃなければ、そしてマスクをしたままだったら歓声はありになっててびっくりしました。

☆Taku:そうやって徐々に変わってきているんだけど、それを話すこともタブーなのかなって時期があって、こういうまとめ記事とかを書いたんですよ。そこでは叫んでもいいんじゃないとは書いてなくて、僕は叫びたいけど同時にみんなが叫ぶことによって悪性なウイルスのクラスターを起こしてしまっていろんな人がつらい思いをしてしまう可能性もあるっていうリスクもあるから。そうやって悪い方向に持って行きたくないっていうのはあるから慎重になるんだけど、これは僕らだけじゃなくて来てくれる人が安心できるかできないかってすごく重要なんですよ。

SKY-HI:それこそいろんなバックグラウンドがある人がいますから。考え方もバラバラでしょうし。

☆Taku:コロナの考え方はいろいろあるからそこはちょっと端折るけど、「叫んでもよくない?」って。

SKY-HI:あはは(笑)。

☆Taku:「一緒に合唱してもよくない?」って。SKY-HIとしてはみんなで一緒に合唱するライブも体験したし、オンラインも体験してるし。

SKY-HI:無歓声も無観客もいろいろ。

☆Taku:でも、今デビューしているBMSGのアーティストたちはまだみんなが合唱してくれる体験はなかなかないでしょ。

SKY-HI:全員ないんじゃないかな。

☆Taku:大合唱(シンガロング)ってみんなが1つになるって感じがあるじゃん。それがなくても楽しめるってことはあるけど、あったほうが楽しめるから。

SKY-HI:しかも☆Takuさんの場合はダンスミュージックじゃないですか。ダンスミュージックとスタジアムロックはシンガロング文化ですよね。

☆Taku:やっぱりそこの一体感って楽しいから、コール&レスポンスもいいし、それじゃなくてもいいし、そこの発散とか1つになれる要素がここからどうやってもとに戻せるか。これ文句言ってても変わらないから、どうやってみんなが納得してできるかって考えていかないといいけない時期なのかなって思います。

☆Taku Takahashiの最新情報は、オフィシャルTwitterまで。

『DIVE TO THE NEW WORLD』は国内外のさまざまなフィールドで活躍するアーティストやクリエイターたちの“本心”にSKY-HIが“DIVE”していくプログラム。放送は毎週土曜23時から。

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2022年12月24日28時59分まで

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番組情報
DIVE TO THE NEW WORLD
毎週土曜
23:00-23:54