XIIX の斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)とベーシストの須藤 優が、SKY-HIとトークを展開。XIIXの2人の出会いや、制作の裏側を語った。またXIIXの2人がスペシャルアコースティックライブも披露した。
3人がトークを繰り広げたのは、J-WAVEで放送中の番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。オンエアは9月23日(土・祝)。ここでは公開収録で行われた様子をテキストで紹介する。
斎藤:僕の事務所に堂島孝平さんがいて、堂島さんの「サモ・タノシゲーナ」っていうイベントに僕が出て、僕がすごく憧れてるミュージシャンと専門学校が一緒みたいな感じで紹介してもらったのが最初でしたね。
須藤:そうそう。吉祥寺の深夜で。
斎藤:今とすってぃ(須藤)は雰囲気が違ったよね。
須藤:ぼうずだったからね。インドとか好きだったから。
斎藤:ゾウの牙みたいなピアスをつけて。
須藤:そのとき、めちゃくちゃボディピしてて。ベースもチョッパーバリバリみたいな感じで。
斎藤:当時、すってぃはバンドを組みたくて「今日はドラマーを探しにきたんだ」みたいな。血走った目で(笑)。最初に演奏してる姿を見てたらすごいやつだなって思ってたと思うけど、俺は怖い人っていう印象があって。
SKY-HI:ぼうずでゾウの牙を身に着け、血走った眼でドラマーを探してたら、怖い人ですよ。
斎藤:怖かった(笑)。で、後日その僕が憧れていたミュージシャンと同じバンドをやることになって、そこですってぃのベースを見たらめちゃくちゃカッコよくて。だからそのときから自分の中ですってぃは音楽にたけたミュージシャン。いまだにね。
須藤:ありがとうございます。
斎藤:UNISON SQUARE GARDENは演奏するのが好きっていうだけで集まって。だからまわりとかよりかは3人だけの密室で育つものをいちばん大事にしようってルールがあって。すってぃとは時間がかかったっていうのもあるけど、3枚のアルバムを出して思ったのは、2人で1個っていうのを大事にしたいなと思って。どうしても斎藤宏介というフロントマンの人が新しく始めたものって最初のうちは見られてたと思うんだけど、そうじゃなくて、2人でバンドを名乗ってやるっていう意味を大事にしながら、すってぃが「これがいいんじゃない?」って言ったらそれを面白がって全乗っかりする。それをさらに魅力的にしていくっていうのを今はやりたいと思ってますね。
SKY-HI:確かに。ユニゾンの物質とXIIXの物質は違う感がありましたね。そう考えるとあり方が違いますもんね。すってぃにも訊きたい。
須藤:なんか(XIIXを)やってるのが楽しいんですよね。さっき言ってたように2人で1つ感がすごくあるから、俺が作ったオケに対して(斎藤)宏介がメロディーを乗せて返してくれることが面白いっていうか。こんなの返ってきた、早く曲作りたいみたいな、お互いそういうモードになれるから。
SKY-HI:一緒にスタジオ入ってっていうのは後半なんですか。
須藤:基本は2人でリモートでやることが多くて、2人でスタジオに入るのはごく最近、初めてやったって感じだったので、こういう楽しみ方もあるなっていう新しい発見がありましたね。
ここでXIIXの2人がスペシャルアコースティックライブで、SKY-HIの『Stray Cat』を披露した。
【radikoで聴く】再生は2023年9月30日28時ごろまで
SKY-HI:コロナ禍でも結構活動をされてた印象があります。
斎藤:もともとリモートで曲を作るっていうスタンスで、コロナ禍前からそうだったから、そこは変わらず。
SKY-HI:XIIXは、打ち込みでいわゆるヒップホップ以降の音楽の作り方をしながら、最近は一緒にスタジオに入って作っていく作業もするってなかなか想像つかないなって思ったけど、スタジオで作るときの切り口ってどういう感じなんですか。
須藤:とりあえずYouTube聴いて、どういうのがいいんだろうねって。こういうのカッコいいねって言って。
斎藤:ゆるい(笑)。
須藤:じゃあ1回ビールでも飲もうかって(笑)。
斎藤:ちょっと今の説明には不足があったので、私のほうから補足させていただくと……今まで2曲その作り方をしたパターンがあって。すってぃのおうちにスタジオにしてる部屋があって、そこに行って。曲の種はだいたいすってぃが、たとえば『月と蝶』って曲だったら「足りない」って連呼する曲はどうとか。
SKY-HI:面白い!
斎藤:『魔法の鏡』だとピアノのループのトラックだけあって、それをなんか面白くなりそうだからやってみようとか、きっかけは結構すってぃが多くて。
斎藤は「すってぃは『何が出るかなボックス』みたいなところがある」と表現する。
斎藤:俺が適当にピアノをやってて「ストリングスのピチカートとかにしたらいいんじゃないの」とか言ったらピンってなって、ちょっと待ってってすってぃが言って、パソコンをカタカタやったら名曲が出てくるみたいな(笑)。
SKY-HI:なるほど。
斎藤:その2人の空間が楽しいとか一盛り上がりあると安心材料になって、この曲はもう大丈夫みたいな。この曲はいい曲、2人とも好きってなって、「じゃあ飲もっか」ってなる(笑)。そういう順番です。
SKY-HI:そういうときのお酒は得てしておいしいですよね。
リスナー:3人はこれまで素晴らしい作品を世に送り出されていますが、作品に繋がるアイデアはどのようにして思いつきますか。普段から気付いたことや作品に使えそうだなと思ったアイデアの種をメモしたりするのでしょうか。
須藤:俺は全くアイデアを保管しないですね。散歩してるときとかに「これやったら楽しいかも」っていう、さっき宏介が言った「何が出るかなボックス」じゃないけど、叩いてくれたら出てくるっていうか。自分でも叩き待ちみたいなところがあるんで。パソコンの前でずっと作ってはいるけど、出てこなかったらシャワー浴びたり、何か違うことをして降ってくる待ちですね。
斎藤:俺は、ストックはするんですけど、結局9割くらいそのストックを使わないことのほうが多いんで、意味ないなっていつも思ってます(笑)。
SKY-HI:あはは(笑)。
斎藤:でも曲を作ってるときとか何かもの作りをするときって、僕は時間をかければかけるだけできていくと思っているので、常にそれを聴いたりとか、そのことを考えたりとかして脳みそをグルグルってさせて。ふっと緩むとき、たとえばシャワーを浴びるときとか、眠りに就きそうなときとかにガッと出てくることがあるので、そのときに物事が進むことが多いかな。
SKY-HI:私は2人のちょうど真ん中くらいで、普段からいろいろ考えておいて、アイデアとしてというよりは、何が好きかもそうだけど、たとえばBE:FIRSTであったらBE:FIRSTの子たちが何を好きかとか、どういうのがカッコいいかとか、世の中の人にどういうものが刺さるかとか考えはしてるけど、具体的な答えはそういうときにはそこまで考えてなくて。考えるだけ、散らしてるだけみたいな。掘るだけ掘ってボロボロにしておいて、スタジオに入ったときにパズルみたいにいろいろ掘ったやつを整理していって「そういえばこんなこと考えてたけど、これって何かな」「これだ!」みたいな感じですね。
斎藤はXIIXのレコーディングの様子を明かし、須藤がミックスなど最後の最後まで迷いながら制作していると話す。
須藤:「宏介、どっちがいいかな?」って。「どっちもいいと思うよ」って(笑)。
斎藤:結局、頭で考えてもわからないことが多すぎるから、やってそのときの瞬発力とか直感が頼りだから。XIIXはそれが特に強いかもしれない。
SKY-HI:そのほうが今はよくないですか。システムが完全にできあがってるものより。たまたまXIIXがそのスタイルをやってるってだけじゃなくて、時代的にも。
斎藤:すごくわかるし、やってる側の気持ちからしても最後まで悩みがちな我々も直感で決めたことって後々振り返っても、「あのときあれが最高だと思ってたからな」っていうので腑に落ちちゃうというか。
SKY-HI:わかります。
斎藤:思い入れが深くなる。一生懸命に考えて、こっちもある、あっちもあるって何十通りも選択肢があるなかで泣く泣く選んだ1個よりも、その瞬間に「絶対にこれ!」ってやつのほうが5年後、10年後も歌える気がする。
SKY-HI:その感情がわりとお客さんに伝わる時代な気もするんですよ。本人たちがワクワクしているかが伝わる時代になっている気がするので、素敵な話だと思いました。
XIIX は10月から全国ツアー「XIIX LIVE TOUR『XIIX』」を開催する。
XIIXの最新情報は、公式サイトまで。
『DIVE TO THE NEW WORLD』は国内外のさまざまなフィールドで活躍するアーティストやクリエイターたちの“本心”にSKY-HIが“DIVE”していくプログラム。放送は毎週土曜23時から。
3人がトークを繰り広げたのは、J-WAVEで放送中の番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。オンエアは9月23日(土・祝)。ここでは公開収録で行われた様子をテキストで紹介する。
再生は2023年9月30日28時ごろまで
2人の出会いはいつ?
まずはXIIXの2人の出会いについての話に。当時、斎藤は大学生だったという。斎藤:僕の事務所に堂島孝平さんがいて、堂島さんの「サモ・タノシゲーナ」っていうイベントに僕が出て、僕がすごく憧れてるミュージシャンと専門学校が一緒みたいな感じで紹介してもらったのが最初でしたね。
須藤:そうそう。吉祥寺の深夜で。
斎藤:今とすってぃ(須藤)は雰囲気が違ったよね。
須藤:ぼうずだったからね。インドとか好きだったから。
斎藤:ゾウの牙みたいなピアスをつけて。
須藤:そのとき、めちゃくちゃボディピしてて。ベースもチョッパーバリバリみたいな感じで。
斎藤:当時、すってぃはバンドを組みたくて「今日はドラマーを探しにきたんだ」みたいな。血走った目で(笑)。最初に演奏してる姿を見てたらすごいやつだなって思ってたと思うけど、俺は怖い人っていう印象があって。
SKY-HI:ぼうずでゾウの牙を身に着け、血走った眼でドラマーを探してたら、怖い人ですよ。
斎藤:怖かった(笑)。で、後日その僕が憧れていたミュージシャンと同じバンドをやることになって、そこですってぃのベースを見たらめちゃくちゃカッコよくて。だからそのときから自分の中ですってぃは音楽にたけたミュージシャン。いまだにね。
須藤:ありがとうございます。
XIIXは「2人で1個」であることを大事にしたい
SKY-HIは、斎藤にUNISON SQUARE GARDENとXIIXにおいての活動のルールの違いを訊いた。斎藤:UNISON SQUARE GARDENは演奏するのが好きっていうだけで集まって。だからまわりとかよりかは3人だけの密室で育つものをいちばん大事にしようってルールがあって。すってぃとは時間がかかったっていうのもあるけど、3枚のアルバムを出して思ったのは、2人で1個っていうのを大事にしたいなと思って。どうしても斎藤宏介というフロントマンの人が新しく始めたものって最初のうちは見られてたと思うんだけど、そうじゃなくて、2人でバンドを名乗ってやるっていう意味を大事にしながら、すってぃが「これがいいんじゃない?」って言ったらそれを面白がって全乗っかりする。それをさらに魅力的にしていくっていうのを今はやりたいと思ってますね。
SKY-HI:確かに。ユニゾンの物質とXIIXの物質は違う感がありましたね。そう考えるとあり方が違いますもんね。すってぃにも訊きたい。
須藤:なんか(XIIXを)やってるのが楽しいんですよね。さっき言ってたように2人で1つ感がすごくあるから、俺が作ったオケに対して(斎藤)宏介がメロディーを乗せて返してくれることが面白いっていうか。こんなの返ってきた、早く曲作りたいみたいな、お互いそういうモードになれるから。
SKY-HI:一緒にスタジオ入ってっていうのは後半なんですか。
須藤:基本は2人でリモートでやることが多くて、2人でスタジオに入るのはごく最近、初めてやったって感じだったので、こういう楽しみ方もあるなっていう新しい発見がありましたね。
ここでXIIXの2人がスペシャルアコースティックライブで、SKY-HIの『Stray Cat』を披露した。
【radikoで聴く】再生は2023年9月30日28時ごろまで
楽曲はどう作っていく?
XIIXは7月に2年半ぶりとなるサードアルバム『XIIX』をリリースした。SKY-HI:コロナ禍でも結構活動をされてた印象があります。
斎藤:もともとリモートで曲を作るっていうスタンスで、コロナ禍前からそうだったから、そこは変わらず。
SKY-HI:XIIXは、打ち込みでいわゆるヒップホップ以降の音楽の作り方をしながら、最近は一緒にスタジオに入って作っていく作業もするってなかなか想像つかないなって思ったけど、スタジオで作るときの切り口ってどういう感じなんですか。
須藤:とりあえずYouTube聴いて、どういうのがいいんだろうねって。こういうのカッコいいねって言って。
斎藤:ゆるい(笑)。
須藤:じゃあ1回ビールでも飲もうかって(笑)。
斎藤:ちょっと今の説明には不足があったので、私のほうから補足させていただくと……今まで2曲その作り方をしたパターンがあって。すってぃのおうちにスタジオにしてる部屋があって、そこに行って。曲の種はだいたいすってぃが、たとえば『月と蝶』って曲だったら「足りない」って連呼する曲はどうとか。
SKY-HI:面白い!
斎藤:『魔法の鏡』だとピアノのループのトラックだけあって、それをなんか面白くなりそうだからやってみようとか、きっかけは結構すってぃが多くて。
斎藤は「すってぃは『何が出るかなボックス』みたいなところがある」と表現する。
斎藤:俺が適当にピアノをやってて「ストリングスのピチカートとかにしたらいいんじゃないの」とか言ったらピンってなって、ちょっと待ってってすってぃが言って、パソコンをカタカタやったら名曲が出てくるみたいな(笑)。
SKY-HI:なるほど。
斎藤:その2人の空間が楽しいとか一盛り上がりあると安心材料になって、この曲はもう大丈夫みたいな。この曲はいい曲、2人とも好きってなって、「じゃあ飲もっか」ってなる(笑)。そういう順番です。
SKY-HI:そういうときのお酒は得てしておいしいですよね。
「『絶対にこれ!』ってやつのほうが5年後、10年後も歌える気がする」
番組ではリスナーからの質問に答える場面もあった。リスナー:3人はこれまで素晴らしい作品を世に送り出されていますが、作品に繋がるアイデアはどのようにして思いつきますか。普段から気付いたことや作品に使えそうだなと思ったアイデアの種をメモしたりするのでしょうか。
須藤:俺は全くアイデアを保管しないですね。散歩してるときとかに「これやったら楽しいかも」っていう、さっき宏介が言った「何が出るかなボックス」じゃないけど、叩いてくれたら出てくるっていうか。自分でも叩き待ちみたいなところがあるんで。パソコンの前でずっと作ってはいるけど、出てこなかったらシャワー浴びたり、何か違うことをして降ってくる待ちですね。
斎藤:俺は、ストックはするんですけど、結局9割くらいそのストックを使わないことのほうが多いんで、意味ないなっていつも思ってます(笑)。
SKY-HI:あはは(笑)。
斎藤:でも曲を作ってるときとか何かもの作りをするときって、僕は時間をかければかけるだけできていくと思っているので、常にそれを聴いたりとか、そのことを考えたりとかして脳みそをグルグルってさせて。ふっと緩むとき、たとえばシャワーを浴びるときとか、眠りに就きそうなときとかにガッと出てくることがあるので、そのときに物事が進むことが多いかな。
SKY-HI:私は2人のちょうど真ん中くらいで、普段からいろいろ考えておいて、アイデアとしてというよりは、何が好きかもそうだけど、たとえばBE:FIRSTであったらBE:FIRSTの子たちが何を好きかとか、どういうのがカッコいいかとか、世の中の人にどういうものが刺さるかとか考えはしてるけど、具体的な答えはそういうときにはそこまで考えてなくて。考えるだけ、散らしてるだけみたいな。掘るだけ掘ってボロボロにしておいて、スタジオに入ったときにパズルみたいにいろいろ掘ったやつを整理していって「そういえばこんなこと考えてたけど、これって何かな」「これだ!」みたいな感じですね。
斎藤はXIIXのレコーディングの様子を明かし、須藤がミックスなど最後の最後まで迷いながら制作していると話す。
須藤:「宏介、どっちがいいかな?」って。「どっちもいいと思うよ」って(笑)。
斎藤:結局、頭で考えてもわからないことが多すぎるから、やってそのときの瞬発力とか直感が頼りだから。XIIXはそれが特に強いかもしれない。
SKY-HI:そのほうが今はよくないですか。システムが完全にできあがってるものより。たまたまXIIXがそのスタイルをやってるってだけじゃなくて、時代的にも。
斎藤:すごくわかるし、やってる側の気持ちからしても最後まで悩みがちな我々も直感で決めたことって後々振り返っても、「あのときあれが最高だと思ってたからな」っていうので腑に落ちちゃうというか。
SKY-HI:わかります。
斎藤:思い入れが深くなる。一生懸命に考えて、こっちもある、あっちもあるって何十通りも選択肢があるなかで泣く泣く選んだ1個よりも、その瞬間に「絶対にこれ!」ってやつのほうが5年後、10年後も歌える気がする。
SKY-HI:その感情がわりとお客さんに伝わる時代な気もするんですよ。本人たちがワクワクしているかが伝わる時代になっている気がするので、素敵な話だと思いました。
XIIX は10月から全国ツアー「XIIX LIVE TOUR『XIIX』」を開催する。
XIIXの最新情報は、公式サイトまで。
『DIVE TO THE NEW WORLD』は国内外のさまざまなフィールドで活躍するアーティストやクリエイターたちの“本心”にSKY-HIが“DIVE”していくプログラム。放送は毎週土曜23時から。
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番組情報
- DIVE TO THE NEW WORLD
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毎週土曜23:00-23:54
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