ドラマーの屋敷豪太が、京都に作ったスタジオや、ドラムを始めたきっかけ、影響を受けるアーティストについて語った。
屋敷が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは8月5日(金)。
この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を紹介する。屋敷は京都の川魚専門店の、小魚の甘煮を持参し、ビールとともに楽しんだ。
クリス:京都にスタジオを作られたんですよね。
屋敷:農家を購入して。ドラムを録るには絶好の箱なんですよ。それをやるかって話し始めたころに、ちょうどコロナ禍になっちゃったから、これはちょっと集中してやるしかないなってことで、ずっとそこに入り浸って出てこなくなっちゃう感じで、入り込んじゃって。不思議なことに、コロナ禍になったことで海外の友だちが逆に近くなったというか。
クリス:ですよね。
屋敷:それでイタリアの友だちからもリモートで「データでドラムを送ってくれない?」とか言われてそういうのをやったりとかしたりして。スタジオができてからは、東京から友だちが来て一緒にレコーディングをしたりして、田中義人と大神田智彦くんとのトリオ・The Osmanthusもそこで生まれたし、音楽だけに3人でどっぷり浸るみたいな感じでできた作品もあったりとか。小原 礼さんが来てくれてThe Renaissanceの作品も作ったりとか、田舎だからこそできるようなタイム感というのかな。
屋敷の話を聞いたクリスは「レッド・ツェッペリンみたいですよね。‘70年代のイギリスのバンドが人里離れたところでこもって作品を作るみたいで」と伝える。
屋敷:まさにそんな感じで、しかもちょっとイメージしたのが、ちょうどツェッペリンがドラムを録ったいわゆる田舎の家の入り口の吹き抜けの天井が、うちの蔵と同じくらいの大きさとか高さで、同じようなセッティングをすると、そういう音になったりして。
クリス:昔、ジョン・ボーナムがどこかの玄関の吹き抜けみたいなところがいちばん音がいいって言って、そこで音を録ったみたいな話もありますよね。
屋敷:まさにそれと同じくらいのサイズ感で、いいんですよ。ドラムにとったら伸び伸びと音が生きて。
クリス:屋敷さんもドラムがうまくなるまでに、そういう時期ってありました?
屋敷:いまだにうまいとは思ってないからあれなんだけど、ドラムは僕、中学校くらいのときまでちょっとかじろうと思ってて。うちは両親が飲食店をやってて、ちょうど僕よりひとまわり上くらいの都会から流れてきたヒッピーみたいな人がいて、その人たちにいろんなロックミュージック的なものを教わるんですけど、その影響でドラムを始めたりしました。でも中学3年くらいのときにボブ・マーリーのライブをテレビで見たときにカールトン・バレットのドラムを見て、こんなのできないって思ってやめてたんですよ。
当時、サッカーをしていた屋敷だったが、高校に入学すると「お前、ドラム持ってるだろう」と声を掛けられ吹奏楽部のコンテストに出ることになったと振り返る。
屋敷:そこから特訓を受けて、引きこもりというよりは先輩にメトロノームと鉛のスティック持たされて。
クリス:鉛! すごいなあ(笑)。
屋敷:そこからドラムに興味が出始めて、おばあちゃんの家の離れが空いてたから、そこにドラムをセットして引きこもったのか。2年くらい。
クリス:やっぱり引きこもったんですね。
屋敷:考えてみると引きこもりましたね(笑)。
クリス:そのときの命をドラムに預けたわけですよね。
屋敷:もともと小学1年のときに初めて祭りで和太鼓を生で聴いて、それにやられて太鼓の音が好きになって、そこから完全に太鼓のとりこになっちゃって。
クリス:なるほど。
屋敷:やっぱり幼い頃は田舎に住んでたから、情報が入ってこないじゃないですか。レゲエって言ってもボブ・マーリーくらいしか入ってこなかったから。でもカールトン・バレットには打ちのめされましたね。
クリス:なぜ打ちのめされたんですか。
屋敷:これまで聴いてきた音楽って、小節で言うところの1拍目にバスドラムがドンと来て、2拍目にスネアがダンとくるんだけど、レゲエって基本的にそういうのがなくて、1拍目に何も音がなくて2拍目にカツっとかいうじゃないですか。だから何拍子かもわからないくらいで、まずそこでおかしくなっちゃうし、ちょっとアート・ブレイキーとかにも似たような野性的な何とも言えない伸びやかで人間的なビートを刻む叩き方。乾いた音といい、全然マネできないし、こんなことできないなって、ジャズドラマーより思いましたね。
クリス:そうなんだ。どうしても拍子を取るというか、リズムをつかむのが、レゲエは難しかったわけですね。
屋敷:なんとか叩けるようにコピーっていうか、なんとなく想像するじゃないですか。それがどこから入り込んでいっていいのかレゲエばっかりはわからなくて。
屋敷は、自身が大きく影響を受けたジェームス・ブラウンの魅力にも言及する。
屋敷:ジェームス・ブラウンはいつでも大好きで、それこそ中学生のあたりのヒッピー流れの先輩たちが教えてくれた中に、ジェームス・ブラウンだったりスティーヴィー・ワンダーだったりがあって。僕の中ではもうドラム・イズ・マイ・ライフって感じだから、ドラムの面白いビートとかにはとにかく反応しちゃうんですよ。だからジェームス・ブラウンのああいうファンキーなビートは、他にないじゃないですか。80年代にヒップホップとかがバーッと出始めて、その頃にラッパーたちがジェームス・ブラウンとかのビートにのせてラップをやったりする時代があって、その頃はヒップホップが何なのかも全然わかんないけど、とにかくビートがカッコいいのしかその人たち使わないから、完全にのめり込んで行って、そこからまたジェームス・ブラウンをすごく深掘りした感じで、いまだに当然聴きますよね。
屋敷は8月12日(金)の同番組でも、引き続きゲストに登場する。オンエアは23:00-23:30。
屋敷の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
また、番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
屋敷が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは8月5日(金)。
この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を紹介する。屋敷は京都の川魚専門店の、小魚の甘煮を持参し、ビールとともに楽しんだ。
京都の家で音楽制作にどっぷり
2022年で還暦を迎えた屋敷。2007年ごろに長きに渡り住んでいたロンドンから帰国し、現在は地元・京都に住んでいるという。クリス:京都にスタジオを作られたんですよね。
屋敷:農家を購入して。ドラムを録るには絶好の箱なんですよ。それをやるかって話し始めたころに、ちょうどコロナ禍になっちゃったから、これはちょっと集中してやるしかないなってことで、ずっとそこに入り浸って出てこなくなっちゃう感じで、入り込んじゃって。不思議なことに、コロナ禍になったことで海外の友だちが逆に近くなったというか。
クリス:ですよね。
屋敷:それでイタリアの友だちからもリモートで「データでドラムを送ってくれない?」とか言われてそういうのをやったりとかしたりして。スタジオができてからは、東京から友だちが来て一緒にレコーディングをしたりして、田中義人と大神田智彦くんとのトリオ・The Osmanthusもそこで生まれたし、音楽だけに3人でどっぷり浸るみたいな感じでできた作品もあったりとか。小原 礼さんが来てくれてThe Renaissanceの作品も作ったりとか、田舎だからこそできるようなタイム感というのかな。
屋敷の話を聞いたクリスは「レッド・ツェッペリンみたいですよね。‘70年代のイギリスのバンドが人里離れたところでこもって作品を作るみたいで」と伝える。
屋敷:まさにそんな感じで、しかもちょっとイメージしたのが、ちょうどツェッペリンがドラムを録ったいわゆる田舎の家の入り口の吹き抜けの天井が、うちの蔵と同じくらいの大きさとか高さで、同じようなセッティングをすると、そういう音になったりして。
クリス:昔、ジョン・ボーナムがどこかの玄関の吹き抜けみたいなところがいちばん音がいいって言って、そこで音を録ったみたいな話もありますよね。
屋敷:まさにそれと同じくらいのサイズ感で、いいんですよ。ドラムにとったら伸び伸びと音が生きて。
メトロノームと鉛のスティックでドラムを特訓
クリスは「大成したミュージシャンは、子どもの頃に1、2年は山にこもって修行するかのごとく、ずっと楽器を練習するイメージがある」と持論を展開する。クリス:屋敷さんもドラムがうまくなるまでに、そういう時期ってありました?
屋敷:いまだにうまいとは思ってないからあれなんだけど、ドラムは僕、中学校くらいのときまでちょっとかじろうと思ってて。うちは両親が飲食店をやってて、ちょうど僕よりひとまわり上くらいの都会から流れてきたヒッピーみたいな人がいて、その人たちにいろんなロックミュージック的なものを教わるんですけど、その影響でドラムを始めたりしました。でも中学3年くらいのときにボブ・マーリーのライブをテレビで見たときにカールトン・バレットのドラムを見て、こんなのできないって思ってやめてたんですよ。
当時、サッカーをしていた屋敷だったが、高校に入学すると「お前、ドラム持ってるだろう」と声を掛けられ吹奏楽部のコンテストに出ることになったと振り返る。
屋敷:そこから特訓を受けて、引きこもりというよりは先輩にメトロノームと鉛のスティック持たされて。
クリス:鉛! すごいなあ(笑)。
屋敷:そこからドラムに興味が出始めて、おばあちゃんの家の離れが空いてたから、そこにドラムをセットして引きこもったのか。2年くらい。
クリス:やっぱり引きこもったんですね。
屋敷:考えてみると引きこもりましたね(笑)。
クリス:そのときの命をドラムに預けたわけですよね。
屋敷:もともと小学1年のときに初めて祭りで和太鼓を生で聴いて、それにやられて太鼓の音が好きになって、そこから完全に太鼓のとりこになっちゃって。
クリス:なるほど。
打ちのめされたレゲエのドラム
クリスは、屋敷が考えるレゲエの魅力について掘り下げる。屋敷:やっぱり幼い頃は田舎に住んでたから、情報が入ってこないじゃないですか。レゲエって言ってもボブ・マーリーくらいしか入ってこなかったから。でもカールトン・バレットには打ちのめされましたね。
クリス:なぜ打ちのめされたんですか。
屋敷:これまで聴いてきた音楽って、小節で言うところの1拍目にバスドラムがドンと来て、2拍目にスネアがダンとくるんだけど、レゲエって基本的にそういうのがなくて、1拍目に何も音がなくて2拍目にカツっとかいうじゃないですか。だから何拍子かもわからないくらいで、まずそこでおかしくなっちゃうし、ちょっとアート・ブレイキーとかにも似たような野性的な何とも言えない伸びやかで人間的なビートを刻む叩き方。乾いた音といい、全然マネできないし、こんなことできないなって、ジャズドラマーより思いましたね。
クリス:そうなんだ。どうしても拍子を取るというか、リズムをつかむのが、レゲエは難しかったわけですね。
屋敷:なんとか叩けるようにコピーっていうか、なんとなく想像するじゃないですか。それがどこから入り込んでいっていいのかレゲエばっかりはわからなくて。
屋敷は、自身が大きく影響を受けたジェームス・ブラウンの魅力にも言及する。
屋敷:ジェームス・ブラウンはいつでも大好きで、それこそ中学生のあたりのヒッピー流れの先輩たちが教えてくれた中に、ジェームス・ブラウンだったりスティーヴィー・ワンダーだったりがあって。僕の中ではもうドラム・イズ・マイ・ライフって感じだから、ドラムの面白いビートとかにはとにかく反応しちゃうんですよ。だからジェームス・ブラウンのああいうファンキーなビートは、他にないじゃないですか。80年代にヒップホップとかがバーッと出始めて、その頃にラッパーたちがジェームス・ブラウンとかのビートにのせてラップをやったりする時代があって、その頃はヒップホップが何なのかも全然わかんないけど、とにかくビートがカッコいいのしかその人たち使わないから、完全にのめり込んで行って、そこからまたジェームス・ブラウンをすごく深掘りした感じで、いまだに当然聴きますよね。
屋敷は8月12日(金)の同番組でも、引き続きゲストに登場する。オンエアは23:00-23:30。
屋敷の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
また、番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
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2022年8月12日28時59分まで
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番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
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毎週金曜23:00-23:30
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クリス・ペプラー