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WONK・荒田 洸が語る「一生、聴き続けられるアルバム」

WONK・荒田 洸が語る「一生、聴き続けられるアルバム」

WONKのリーダーでドラマーの荒田 洸が、Yaffleとの出会いや、影響を受けたアーティストを語った。

荒田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは5月27日(金)。

WONKは2年ぶりのアルバム『artless』を5月11日にリリースした。

この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を紹介する。荒田は、知り合いが作る味付けのり『NORINORI KING』とチーズを持参し、巻いて食べながらビールとともに楽しんだ。

かつては対バンを「格闘技」だと思っていた

WONKは5月に六本木ヒルズアリーナで開催された、フリーライブイベント「J-WAVE & Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S Yaffle EDITION」に出演。多くの観客を魅了した。

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荒田:外で演奏するのが久しぶりで、すごく気持ちよかったです。大盛況でしたよね。

クリス:すごく風が気持ちよくて。今回もすごく天気がよかったですよね。あそこで演奏するのは気持ちいいよね。

荒田:六本木で行き慣れているあの場所でこんな音を鳴らしちゃっていいんだ、みたいな。お客さんも入ってくれてうれしかったですね。

今年の「TOKYO M.A.P.S」はプログラムオーガナイザーをYaffleが務めた。

クリス:Yaffleくんとは面識あったの?

荒田:ありました。7、8年前かな。イベントでツーマンの対バンをやってて。そのときYaffleくんはCapesonっていうプロジェクトをやってて、そのプロジェクトとWONKで対バンして、そこからだったので久しぶりにあんな大きなところでやれちゃって。当時はそれこそ会場はめちゃくちゃ狭くて、30~40人入るかどうかの場所でやってたので、エモい気持ちになりましたね。

クリス:小さなライブハウスでやってた同期が、どんどん会場が大きくなっていくのを見てどんな感じですか?

荒田:続けることって大切なんだなって思いました。当時は対バンをしてても、いかに倒すかしか考えてなかったので(笑)。対バンは格闘技だと思ってたので、バチバチにやってたんですけど、その相手が今は久しぶりに会場で会うと妙な連帯感という、なんだろうな……丸くなったのかな。

クリスは「対バンはステージ上ではバチバチだけど、ステージを降りたらにこやかにならない? それともしゃべらない?」と荒田に訊く。

荒田:しゃべりますよ(笑)。そこまでバチバチではないです。臨む気持ちですね。

クリス:昔のヒップホップ系だと対バンになったら絶対に目も合わせないとか。

荒田:あはは(笑)。そういうのはないですよ。でも僕はコミュニケーションが得意じゃないというか、話すことがないなって思っちゃう場合はありますけど、WONKには素晴らしいコミュ力を持った長塚健斗っていうボーカルがいるので。彼は全てをいい感じにしてくれますね。

クリス:外交官的なね。

荒田:バンドには外交官が必要だなって思いましたね。

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聴き続けても発見があるアルバム

荒田は、人生で大きな影響を受けたアルバムにディアンジェロの『Voodoo』を挙げた。

荒田:一生、死ぬまで聴き続けられるアルバムですね。本当にすばらしいですね。ずっと聴き続けているのに今でも新しい発見があったり、いつまで味が出続けるんだみたない感じですね。

クリス:ディアンジェロはとにかくタイトなイメージがあって、存在自体がすごくエロくて。

荒田:わかります(笑)。

クリス:この間、来日したときは逆に圧巻で、最近はアクティブじゃないですか。

荒田:そうですよね。最近はかなりファンクの儀式的な感じですよね。

クリス:その前は完璧にガンガンなエロ光線というか。

荒田:R&Bみたいな。

クリス:そうそう。ネオ系で、あのときってみんなエロかったじゃないですか。

荒田:確かに。あそこらへんのソウルクエリアンズとかネオソウルの界隈でもトップクラスにエロ味がありますよね。

クリス:ネオソウルは根底には営みの概念が、それが原動力だったのかなって思うから。

荒田:個人的には儀式を感じるんですよね。体としてはお客さんに向けてライブをやってるんだけど、もうひとつ違うものが見えるんですよね。それはたぶん向こうの文化的なものがあるのかもしれないですけど、そこでの全員の求心力というか、ここまで行こうぜっていう。

クリス:なんかゴスペルみたいな。

荒田:そう、ゴスペルなんですよね。

クリス:チャーチ・ミュージックに近い何かが音楽を介して、よく言うとスピリチュアリズムに近づけようって部分があるのかもしれないですね。

ドラマーのクエストラブは求心力がある

ディアンジェロの『Voodoo』にはザ・ルーツのドラマー、クエストラブが参加。荒田はそのプレイを「最高」と絶賛する。

荒田:うまいんだけど、技術的にサーカス的なうまさじゃないっていうか、なんて言えばいいだろう、彼の持ち味は自分が今いちばん見習うべきところだなって。まわりに石若 駿っていうドラマーとか、若手でも最近めちゃくちゃうまいドラマーはいるけど、僕は別にテクニカルなことがうまいタイプじゃないと思っているので、どうクエストラブみたいにグルーブを追求して、シンプルなパターンだけど音楽的でいられるかってところはひとつの目指すところだなって。

クリス:クエストラブは本当に独特なグルーブですよね。

荒田:求心力があるんですよね。クエストラブがドラムを叩くだけでも信頼感があるというか。指揮者みたいな感じなのかな、クエストラブがいたら大丈夫、全てが成り立つみたいな。どれだけ他が遊んでてもグルーブだけで大丈夫って。そういうところはすごいなって思いますね。

クリスが、ザ・ルーツがハウスバンドを務めるアメリカの音楽番組『ザ・トゥナイト・ショー』に触れると、荒田は「あの番組はめちゃくちゃ参考になる」と笑う。

荒田:クエストラブがロックをドラムで叩くとこんなふうになるんだ、みたいな。そういう意外なザ・ルーツの一面が見られる番組ですよね。それこそエルヴィス・コステロ&ザ・ルーツっていうコラボレーションのアルバムが結構好きで。ヒップホップのザ・ルーツさは残しつつも、ちょっとロック味があるというか。

クリス:エルヴィス・コステロとザ・ルーツって言うと「えっ!?」って思うけど、聴いてみると「ありそう」って感じしますよね。コステロの独特なスタイルと。

荒田:そうですね。ザ・ルーツのコラボレーションアルバムシリーズは結構楽しみなんですよね。僕の中で勝手にシリーズ化しているんですけど。

奇をてらわない、無理をしないがコンセプトの作品

WONKが2年ぶりのアルバム『artless』を5月11日にリリースした。

クリス:収録曲の『Migratory Bird』は今までのWONKとは一線を画すというか、ちょっとビートルズっぽい感じもするというか。非常に懐かしい感じのする曲ですよね。

荒田:そうですね。奇をてらわない、無理をしないっていうコンセプトです。

Migratory Bird

荒田は6月3日(金)の同番組でも、引き続きゲストに登場する。放送は23時から。オンエアから一週間後までradikoでも楽しめる。

【radikoで聞く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220527230001

WONKは6月から『artless』をひっさげたリリースツアー「"artless" tour 2022」が決定。また、7月29日(金)には新潟県湯沢町苗場スキー場で開催の「フジロックフェスティバル‘22」に出演する。その他の情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

また、番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。

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2022年6月3日28時59分まで

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番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週金曜
23:00-23:30