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SKY-HI×川谷絵音「J-POPというジャンルは確立していない」日本の音楽シーンに思うこと

SKY-HI×川谷絵音「J-POPというジャンルは確立していない」日本の音楽シーンに思うこと

川谷絵音がSKY-HIと自身の曲作りや日本の音楽シーンを語り合った。

川谷がゲストとして登場したのは、J-WAVEで放送中の『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。オンエアは5月7日(土)。

5つのバンドを掛け持ちする理由

ゲスの極み乙女。、indigo la End、ジェニーハイ、ichikoro、礼賛の5つのバンドを掛け持ちしながらさまざまなプロジェクトで活躍している川谷。

SKY-HI:「ゲスの極み乙女。とindigo la Endという2つのバンドがあります」まではわかるんだけど、ここまで増えてくると「どうなってるんだ?」となるね。
川谷:日高くん(SKY-HI)はコラボかなり多いじゃん。そのテンション感かも。
SKY-HI:ちょっと想像ついた。
川谷:ソロでいろいろな人とやっていくとなると体力がいるじゃん。どうしても1曲だけとかになっちゃう。
SKY-HI:しかも音楽を作るということ以外にフロントマンとして持たないといけないステージ上の責任みたいなのも増えるもんね。音楽をやるうえでけっこう楽なのかな?
川谷:楽なのかも。バンドが好きというのも、もともとあるけどね。
SKY-HI:そもそもな話だけど、音楽を始めてindigo la Endはすぐに結成したの?
川谷:いや、大学1年生で軽音部入って3年生で組んだ。
SKY-HI:そのあとのゲスの極み乙女。はなんで始めるようになったんですか?
川谷:これはドラムのほな・いこかと別バンドで会って、本当にそれこそ「なんかやろうぜ」ってなった。全部そうなんだよね。
SKY-HI:ゲスの極み乙女。のサウンドプロダクトってほかのロックバンドとだいぶ違った気がするんだよね。楽器の入れ方もそうだけど、「ロックバンド」というくくり方はさすがに雑すぎてできないところとか、その特徴がまた面白かったと思うんだけど。ゲスの極み乙女。のサウンドに特徴性を持たせようとか、面白いことをやろうみたいなことってあったの?
川谷:最初は全然なくて。普通にメンバー4人が集まって「さあどうしよう?」ってセッションしたら微妙で(笑)。1回そのまま帰って。それでもう終わるかなと思ったけど、なんとなく2回目(スタジオに)入って、俺がカッティングしてみんなが乗っかってきたときにラップでもない歌でもないみたいなやつを適当に入れて、それでサビになるとメロディーになって、みたいなのが勝手にできたんだよね。それがひな型になった。
SKY-HI:確かにそのスタイルはゲスの極み乙女。って感じがする。

SKY-HIは川谷に「どういう生活をしてるの?」と、各バンドのスケジュール管理について質問を投げかけた。

川谷:本当、メチャクチャなスケジュールかもしれない。同時並行みたいな感じで。
SKY-HI:リリースがけっこうポコポコって出たりするもんね。
川谷:このあとも礼賛のリハがあったりとか。メンバーのスケジュール? 本当ジェニーハイとかは芸人さんがいるし、大人の人たちがスケジューリングしてくれてやるっていう感じだけど、でもたまに小藪さんが「スタジオで練習したい」とか言って、普通にスタジオに入ったりとかするから。
SKY-HI:なんかいいな。いい意味で「大人の部活感」あるもんね。
川谷:本当にそう。それで小藪さんがピザを頼んでくれて食ったりとか(笑)。
SKY-HI:いいなあ(笑)。

J-POPというジャンルは確立していない

番組ではゲスの極み乙女。の『ドーパミン』をオンエア。楽曲作りに関する話題となった。

SKY-HI:ゲスの極み乙女。の楽曲は「混ざり方」がすごいよね。『ドーパミン』はそんな感じがします。
川谷:海外のイギリスのデザイナーチームとちょっと仕事をしていたんだけど、ゲスのことも知らないデザイナーチームにゲスの曲を聴いてもらったら、やっぱり『ドーパミン』が一番いいって言って。コーチェラに向かっている車内で『ドーパミン』で外国人が踊り狂っている映像が送られてきた。
SKY-HI:なにそれ、メチャクチャ面白い。
川谷:それで「作ってよかったな」と思った。

川谷はJ-POPについて、国内での需要はあるものの海外では流行っておらず、音楽ジャンルとしても確立していないと指摘した。

SKY-HI:いまアメリカのiTunesの音楽ジャンルはヒップホップ、R&B、ロックに加えて、K-POPってジャンルがあるもんね。すごいなと思いました。
川谷:J-POPはないものね。
SKY-HI:K-POPがすごいというのはあるけど、そもそもJ-POPってジャンルになりづらいよね(笑)。
川谷:まあね。もうどこまでがJ-POPなのかわからない。
SKY-HI:特殊な成り立ちをしているよね。
川谷:米津(玄師)はJ-POPなのか?って言われたらよくわからない。King GnuもJ-POPなの?っていう。
SKY-HI:millennium paradeとかはリリースしているのを見たらオルタナティブって書いてあったりするものね。
川谷:まあミレパは特にそうだけど。
SKY-HI:King Gnuは確かリリースの分類はJ-POPって書いてあるよね。くくりが雑だよ。
川谷:(笑)。売れてるもの? だから大衆的なものはJ-POPになるんだろうけどね。結果論ね。

川谷は同番組の収録の前日に音楽評論家の鹿野 淳と話したことを明かした。

川谷:メンバーを撮ってるあいだに雑談になって、ちょうど日高くんの話になって。
SKY-HI:うおー! 怖え(笑)。
川谷:「あいつはやっぱりすごいよ」みたいな話とか、BE:FIRSTの話、社長になってからの話もしたな。「見え方も立ち位置も変わってきているじゃん?」みたいな話をずっとしていて、「あいつはちゃんとBE:FIRSTでシーンを作っていっているし、自分もちゃんと前に出てる。だから絵音も最近はどうなの?」って言われたから「最近は歌い手さんの曲提供が多いですね」って言って。でも歌い手の人って個別に独立しちゃってるから。「歌い手とかを集めてUUUMみたいなのを作りたい」みたいなことを昨日ちょうど言われた。ちゃんと鹿野さん的にはロジックがあるらしくて。
SKY-HI:わかる。シーンって本当に大事だなと思う。更新していくために古いなにかが足を引っ張ることもあるだろうけど、それでも更新していかないと成長はないものね。

いまは「出しまくるフェーズ」

SKY-HIは自身がプロデュースするBE:FIRSTの将来や、現在の音楽シーンの問題点を指摘。今後の課題について語った。

SKY-HI:もうちょっと「なにか」がある気がする。いま現在の自分もすごく思うけど、ダンス&ボーカルみたいなのがすごく一周回って閉鎖的になっちゃいがちなところがあるから。もっといろいろフラットにしたいなという気はするね。
川谷:コミュニティがデカくなって、そのコミュニティだけになっているというところはあるからね。
SKY-HI:日本の内需だけでやっちゃってて、ダンス&ボーカルとかボーイズグループというのはそこのコミュニティが膨らんでそこだけになっちゃいがちだけど、それだと発展しないから。そこをK-POPからすごく学んだ気がするんだよな。『SHOW ME THE MONEY』(韓国の人気ヒップホップ・サバイバル番組)とかさ、普通にボーイズグループのラッパーの子が現役バリバリのラッパーと曲を作って出して、それがトップチャートの1位になったりするのを繰り返して、高い音楽性のアーティストも評価を上げるし、アイドルも実力がある人は評価を上げる。そんな風にならないと多分、俺が報われないという気持ちがすごくあって(笑)。
川谷:そうね。
SKY-HI:でもなんかシンプルにそのほうがみんな楽しいと思うんですよね。
川谷:でも(SKY-HIの事務所には)若いラッパーとかもいるじゃない。ああいうのも「リリース早いな」と思って。BE:FIRSTをちゃんとやっていったあとにあるんじゃなくて、ああいうこともスピード感あってやってるからそれはあまり日本ぽくないよね。
SKY-HI:いまは絶対出しまくるフェーズの気がする。いっても日本でもみんななにかしらのストリーミングサービスは使っているから。BE:FIRSTみたいにCDの盤を作ってそれをグッズとして愛好する人が多いボーイズグループの場合は、CDからCDのリリースは数か月空けたりするけど、その期間にリリースがないと現代的ではない気がするから。いままでアイドルグループとかってCDのタイミングでしかプロモーションしてくれなかったんだけど、配信で普通にシングルを出して、しかも「KMくんとやっているの最高です!」みたいなのでシンパがすごく増えた。
川谷:なるほどね。
SKY-HI:音楽的にかっこいいなと思うことをボーイズグループの子がやるということに対しての可能性を感じました。

川谷の最新情報は、Twitterまで。

『DIVE TO THE NEW WORLD』は国内外のさまざまなフィールドで活躍するアーティストやクリエイターたちの“本心”にSKY-HIが“DIVE”していくプログラム。放送は毎週土曜23時から。

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2022年5月14日28時59分まで

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番組情報
DIVE TO THE NEW WORLD
毎週土曜
23:00-23:54