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「仕事で厳しく接する」は、むしろ逆効果。がんばりを減らす原因に

「仕事で厳しく接する」は、むしろ逆効果。がんばりを減らす原因に

職場の心理的安全性による仕事効率アップ術について、株式会社ZENTech取締役の石井遼介さんが解説した。

この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAWAI SEIYAKU SOUND CLINIC」。ここでは3月9日(水)のオンエア内容をテキストで紹介する。

成果を上げるために意見を言い合える「心理的安全性」

心理的安全性の高い組織づくりをサポートし、著書『心理的安全性のつくりかた』(日本能率協会マネジメントセンター)が10万部を超えるベストセラーとなっている石井さん。今回のテーマは「厳しくしても意味がない」。本題に入る前に、前回のテーマである心理的安全性について再度説明してもらった。

石井:心理的安全性はいい組織やいいチームに必要なもので、地位や経験に関わらず、誰もが率直に意見を言い合えるとことですよというお話をしました。心理的安全性というとよく、ぬるい組織のことなんじゃないかと言われたりしますが、決してぬるい組織、チームではなく「皆ですごい成果を出すぞ」と、そのために意見がお互いに率直に言い合えるということです。意見を言い合ったとしても人間関係が壊れたりしない、つまり「言っても安全」だから心理的安全なんです。

石井さんは工事現場に掲げられる「安全第一」の標識を例に出し、「安全だけを考えたら『工事をしない』のが一番安全だが、そうではなく『工事を安全に進めること』が『安全第一』です」とコメント。それと同じように「意見を言わない、挑戦をしないから安全なのではなく、意見を言っても挑戦してみても安全だというのが『心理的安全性』」だと語った。

罰は「頑張ろう」という気持ちや行動を減らしてしまう

成果を目指すための心理的安全性には、思わぬ落とし穴がある。部下や後輩、新人の指導のみならず、家族や恋人に「何かをしてもらいたい」と思ったとき、厳しく迫るということをしがっちだと話す石井さんだが、「罰を与えても、厳しくしても、人は頑張るぞという気持ちになったりしない」と忠告する。

石井:特に、行動した後にいやなことやアンハッピーなことがあると、人はその行動をやらないようになるということが、中長期では知られています。皆さんも近所に新しいレストランができました、行ってみておいしくなかった、いやな思いをしたということがあったら「来週ももう1回行くぞ」となかなか思えないですよね。自分では罰、アンハッピーなことがあったら、もっとやろうとは決して思えない。けれども、上司や先輩という立場になると、つい相手を頑張らせるために怒ってみたり厳しくしたりしがちです。しかし、罰は人の行動を減らします。

石井さんは「罰で頑張ってもらうというのを避ける、それだけでも心理的安全性は一歩前進します」と話し、あとから「やってよかった」と感じるときに人は頑張ろうと思えるのだと解説した。

サッシャ:罰があるから、っていうね~……。
ノイハウス:怯えながら仕事をするってことですよね。怒られないために頑張る。
サッシャ:ネガティブな頑張り方ですよね。怒られないようにはするけど、それ以上やろうとは思わないじゃないですか。
ノイハウス:褒められるために頑張ろうってなると、どんどん上にできる。
サッシャ:本当は150できるはずなのに、怒られないために100で留まっちゃうみたいな。でも褒められたら150でも200でもやるわけじゃないですか。じゃあどうしたらいいかは来週ということで、次回を楽しみにしましょう。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAWAI SEIYAKU SOUND CLINIC」では、オンタイムのパフォーマンスアップにつながるヒントを処方。放送は毎週月曜日から木曜日の10時54分ごろから。

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