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上田慎一郎監督、YouTuberも顔負けの過去を明かす「コンニャクで100回…」

上田慎一郎監督、YouTuberも顔負けの過去を明かす「コンニャクで100回…」

映画監督の上田慎一郎が、新作映画『ポプラン』や自身の作品作りなどについて語った。

上田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『GROOVE LINE』(ナビゲーター:ピストン西沢)のワンコーナー「GROOVE LINE TOKYO NEST」。オンエアは1月13日(水)。

10年間温めてきた作品

上田がメガホンをとった新作映画『ポプラン』は1月14日(金)から公開中。



<あらすじ>
東京の上空を高速で横切る黒い影。ワイドショーでは「東京上空に未確認生物?」との特集が放送されている――。
田上は漫画配信で成功を収めた経営者。ある朝、田上は仰天する。イチモツが失くなっていたのだ。田上は「ポプランの会」なる集会に行き着く。
そこではイチモツを失った人々が集い、取り戻すための説明を受けていた。
「時速200キロで飛びまわる」「6日以内に捕まえねば元に戻らない」「居場所は自分自身が知っている」。
田上は、疎遠だった友人や家族の元を訪ね始める。
家出したイチモツを探す旅が今はじまる――。
(映画『ポプラン』公式サイトより)

映画を観た西沢は、作品の持つパワーのすごさに驚いたそう。上田によると作品の構想自体は10年前からあったのだという。

上田: 10年前にある朝起きたら、男の人のアレがなくなっていて。それがどうやら家出をしたようだと。それを捕まえないといけないという話を……ふと思いつきまして(笑)。
西沢:10代、20代のバカしか考えないことをずっと温めておいて。
上田:はい(笑)。
西沢:これが代表作になっちゃったら、ずっとこれで言われるんですよね。
上田:いいじゃないですか(笑)。安定はそんなに求めてないんです。『カメラを止めるな!』のあとに、単独の長編としては『スペシャルアクターズ』という作品を作って、それが2019年なんです。単独長編の実写としては『ポプラン』が3本目になります。『ポプラン』は10年前に思いついたんですけど、ただ当時は作っても「長いコント」にしかならないなと思って。映画になる感触がつかめてなかったんです。で、10年間のあいだにいろいろ自分が経験したことを重ねて描けば映画になるんじゃないかと。そう思ったのと、なかなか通らない企画じゃないですか(笑)。
西沢:まあ、そうですよねぇ……。
上田:何回か機会があったんですけど、なかなか通ることもなく。今回は映画実験レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」という新レーベルから「好きなことやっていいよ」って声をかけてもらいまして、いましかないと思った所存です(笑)。

YouTuber顔負けの行動力

個性的な作品を世に生み出し続けている上田は、学生時代にはYouTuberも顔負けの行動をしていたという。

上田:滋賀県出身なんですが、高2のときに琵琶湖を手作りイカダで横断したりとか。
西沢:やりますね。普通の形には収まらないんですね。
上田:たぶん、当時Twitterとかあったら炎上していたようなことをけっこうしちゃってました(笑)。
西沢:ギリギリYouTubeというかSNS世代の最初の最初ぐらいだから。
上田:20歳ぐらいのころに「アメブロ」とかが出てきた感じですかね。
西沢:いま15歳若かったら、ものすごい配信者になってるとか、YouTubeでチャンネル登録者数がものすごいとか、そういうタイプかもしれませんね。
上田:どうでしょうね(笑)。確かに20すぎぐらいのときに「コンニャクで100回キャッチボールできるか」みたいなチャレンジを自主的にやって、ブログ書いたりしてたんです。やってることがもうYouTuberですもんね。
西沢:(笑)。そういうものの“材料”はこれからも『ポプラン』みたいに映画になっていくんですか?
上田:そういう感覚ともまた違うというか、奇抜なアイデアだけでは映画にならないというか。コンテンツにはなるかもしれないけど、やっぱり映画にはならないなという感触はあるので。自分のそういったところと、どうやって映画にするか、というところがうまく溶けあったときに映画になるんだと思います。
西沢:キャリアのわりにはそういうところがすごくしっかり管理されているような気がしました。だからこのアホ映画をどうやって最後にちゃんと……まあ、下ネタと言ってもいいだろうし。下から懐中電灯をあてたりとか、ものすごく金がかかってないことを逆手にとった演出とか、センス使ってるなと。「ここは逆にこういうのでいこう」みたいなのが気持ちよかったです。
上田:ありがとうございます。たぶん、あらすじだけ聞くと本当におバカ映画感を受ける人が多い気がするので。けっこうそれとは真逆の手つきで作ろうというのは意識してました。

1か月以上連続で生配信をしたことも

上田は制作会社「PANPOCOPINA(パンポコピーナ)」を設立。妻と幼なじみの3人というファミリー経営で、YouTubeチャンネルも運営しているそう。

上田:YouTubeに力を入れようとしたときもあったんですけど、どうしてもクオリティを求めていると時間がかかってしまって。だから生配信みたいなことはYouTubeでけっこうしています。
西沢:逆に。凝りようがないですもんね。生配信では喋るんですか?
上田:2回目の緊急事態宣言が出たときですかね? 居酒屋が開けられないみたいなときに「YouTube上の居酒屋みたいなのをやります」みたいな感じで、妻と1か月以上毎日やってましたね。
西沢:奥さんと毎日やってたんですか(笑)?
上田:そうそう(笑)。
西沢:それはいいな。映画の裏話とか?
上田:映画のことを話したりとか、本当にただの雑談の日もあります。自宅でやってましたね。
西沢:自宅ということで言えばこの『ポプラン』も自宅で編集した部分はあるんですか?
上田:基本事務所でやってます。『カメ止め』のときとか、その次の『スペシャルアクターズ』は自宅で編集していましたけど。いま僕、自宅に自分の部屋がないので事務所に行って編集しています(笑)。
西沢:そうですか! 世界に羽ばたく人間が、そういう環境のなかで作品を作っているのも逆に面白くなっちゃうけれども。
上田:たぶん家だと集中できないので。
西沢:集中しちゃうとずっとかじりついちゃって気が付くと何時間、という感じですか?
上田:完全にそうですね。
西沢:体によくないですよね。僕も前にレコーディングやっていたときも、気が付くと8時間とか「朝になった」とか。
上田:全然あります。

上田版『忠臣蔵』にも意欲!?

西沢は上田の今後について、様式美を軸にした作品作りをしてみては、と提案した。

西沢:たとえば時代劇で「上田慎一郎が撮る『忠臣蔵』お正月特番」みたいな。
上田:なるほど(笑)。今後やってはみたいですよね。とにかくいまはいろいろなことに挑戦してみようと思ってはいます。長編の映画は3本ともオリジナルですけど、もちろん原作ものみたいなのもやってみたいと思います。「上田の忠臣蔵」みたいなのも、それはそれ面白そうだなと思いますね。
西沢:いいんじゃないかなと思います。
上田:なにをやってもたぶん、(自身のテイストが)にじみ出てきますから。

『GROOVE LINE』では楽曲を紹介しながらゲストとの軽快なトークをお届け。放送は毎週月曜から木曜の18時10分ごろから。

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